一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は石油化学プラント点検へのドローン活用技能を備えていることを証明する専門ライセンス「JUIDAプラント点検スペシャリスト」の提供を開始した。ライセンスは所定の講習を受け、講習内で行われる試験に合格すると授与される。第1回の講習は12月2日から行われ、3人が受講した。12月3日には、福島ロボットテストフィールド(RTF、福島県南相馬市)で行われた実技講習の様子が公開された。講習はブルーイノベーションが担当した。受講生は3人で、受講者はこのライセンスの初の所有者になる見込みだ。また今回の受講者は、講習の評価、手順の確認も担う。講習はこれらのフィードバックもふまえ、第2回以降に反映される。第2回以降は、広く受講者を募り、プラント点検へのドローンの担い手養成事業が本格化する。
提供が開始されたライセンス「JUIDAプラント点検スペシャリスト」は今後、本格運用に入る。12月下旬に第2回の講習を予定しており、以降、毎月開催される見込みだ。座学、実技のそれぞれが行われ、実技講習はRTFが会場となる。座学は動画が配信されるなどオンライン受講となる見込みだ。
12月3日に公開された実技講習は、RTFの設備のうち、「試験用プラント」「試験用トンネル」などを使って行われた。
「試験用プラント」は、径の異なる配管や模擬ボイラ、ポンプ、計器、表示機、模擬タンク、径の異なる煙突3本、垂直梯子などを備えた5階、高さ30メートルの模擬プラントで、内部にはSGP500A、300A、200A、100A、50Aの配管がはりめぐらされ、プラントで採用されているものと同じ計器、表示機が設置され、溶接部、サビなどが実物のように再現されている。
実技では、試験用プラントを外部、内部からそれぞれドローンを使って確認をすること想定した操作法や注意点を学ぶ。外からの確認では、DJIのMatrice210を使い、サビの有無、ネジのゆるみの確認、ひび割れの有無などを確認する作業を学んだ。そのさい2人1組で、1人が飛行、1人がカメラを操作するオペレータに役割を分担。カメラ担当者が確認したい個所をカメラでとらえるために、ドローンを最適な場所に動かすようパイロットに指示する。パイロットは指示に従って位置をカメラオペレータに確認しながら微妙に位置を調整する。適切な場所にたどりつくと、カメラオペレータがカメラの向きを調整、ズーム使用の適否を判断するなどして、該当箇所をモニターにうつしだされた画像で確認する。
実技講習の中で、煙突を上空から確認する作業を実施したさいには、煙突内にはれれた網に画像の焦点があたり、網の内部が見にくい状況が発生。講師が「マニュアルフォーカスに切り替えて、網の奥に焦点をあたるよう調整してください」などと伝授した。
試験用プラント内部では、Flyability社のELIOS2で点検する運用を学んだ。配管のひび、サビ、傷などの劣化の有無の確認や、計器の読み取り、フランジ、ネジなどの劣化、ゆるみなど不具合の有無の確認をする作業をELIOS2で実施する方法だ。ELIOS2は、機体がガードで覆われ、確認したい個所に接触させて撮影することもできる。受講生は確認したい場所に機体を接近させる運用について指導を受けた。また、プラント内部では操縦者が機体の位置を目視で確認できないことが一般的であるため、講習でもパイロットが後ろ向きになり、機体を見ずに手元の画面をみて操作するFPV操作に慣れる練習も行った。
講習ではこのほか、煙突内での点検や、試験用トンネルの出入り口をふさぎ、光のないところで点検作業などの講習を受けた。
講習は最大4人1組で、1か月に2組まで受け入れる見込み。第2回は12月22、23日に予定している。
「JUIDAプラント点検スペシャリスト」は、JUIDAが9月に創設を明らかにしていた石油化学プラントのドローンによる点検技能を証明するライセンスで、日本の基幹産業である素材産業の生産を支える生産設備の保守、点検に関わる品質確保、効率性向上、作業員の安全性確保などを目的につくられた。創設にあたっては、公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構と連携した。講習はブルーイノベーション株式会社が担うが、ブルーイノベーションだけが担うものではなく、要件をみたしていれば他の事業者も講習側になれる。発表時には別名称だったが、その当時から提供時の名称変更の可能性を示唆しており、今回、提供を開始するにあたり「JUIDAプラント点検スペシャリスト」に整理した。
講習内容は、JUIDAが公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構・福島ロボットテストフィールドから委託を受けてとりまとめた「プラント点検分野におけるドローンの安全な運用方法に関する実務マニュアル」、 「プラント点検分野におけるドローンの安全な運用方法に関するチェックリスト」 、「ドローンを用いたプラント点検事業者教育カリキュラム」が土台となっている。
背景には総務省消防庁、厚生労働省、経済産業省で構成する「石油コンビナート等災害防止3省連絡会議」が3月27日に、カメラを搭載したドローンによる点検作業を「目視点検」の一部について代替ができるとガイドラインに明示した経緯があり、新ライセンスは3省の合意に基づいているといえる。
受講には、JUIDA小型無人機操縦技能証明証、安全運航管理者証明証を取得している必要がある。
石油化学設備の維持管理の方法は、高圧ガス保安法、消防法、労働安全衛生法、石油コンビナート等災害防止法の「保安4法」で管理されていているが、こうした動きを背景にr-ルの見直しがすすめられていて、高圧ガス保安法ではドローンを目視に代替することが可能となった。
「JUDAプラント点検ライセンス」は、RTFを実技講習の会場に指定している。RTFにとってライセンス授与の指定会場になるのは今回が初めてだ。
RTF技術部技術企画課の持田佳広課長は、「試験や訓練も含めて教育のために役立てて頂けることがありがたいと思っています」という。また、「試験用プラントは実際のプラントを模していて、有事、平時を想定した試験が可能です。経済産業省、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が主催するWorld Robot Summit(WRS)では競技会場にもなります。研究開発、性能評価など人に近いものを作るさいに使って頂けるとありがたい。地元福島復興と発展に役立ちたいと思っています」とRTFの担う役割を解説した。
また技術企画課担当の中村泰拓さんはRTFで利用希望の多い施設として滑走路をあげた。敷地内に500mの滑走路がある(ほかに13キロ離れた場所に400mの浪江滑走路がある)。「ドローンや空飛ぶクルマの研究開発などを目的とした利用とみられます。広いエリアを飛ばすことができますので、活用をご検討頂きたいと思います」と話し、ドローンや空飛ぶクルマの開発関係での利用拡大を呼び掛けた。
千葉・幕張メッセで開催されたドローンの大規模展示会、JapanDrone2022は6月23日、期間中の来場登録者を1万7021人まで伸ばして閉幕した。来場登録者は2016年の初開催以降で過去最大となった。すぐれた出展に贈られるBest of Japan Drone Awardでは来場者の投票で選ばれる「オーディエンスアワード」にKDDIスマートドローン株式会社が選ばれた。次の8回目の開催となるJapanDrone2023は、2023年6月26~28日に、幕張メッセで開催することが発表された。初の地方開催にも乗り出すことになり、第一弾として、2022年12月6、7日に福岡・福岡国際会議場を会場に開催される。
JapanDrone2022は、初めて空飛ぶクルマに関連する技術や研究を対象とする次世代エアモビリティEXPOを併催した。期間中には関係各省の担当幹部がテープカットに参加したほか、山際大志郎経済再生相、衆議院無人航空機普及利用促進議員連盟(ドローン議連)の田中和徳会長代理、空飛ぶクルマ委員会の今枝宗一郎委員⻑(ドローン議連事務局座長)らが登壇、視察に訪れたほか、出展していない有力ドローン関連事業者幹部も多く訪れた。
期間中の入場は、コロナ対策が適用されたが、来場登録者(再入場者を追加カウントしない正味の来場者)は3日間で1万7021人にのぼり、前回(2021年6月14~16日、1万2553人)、前々回(2020年9月29~30日の2日短縮開催、8979人)とコロナの直撃中の開催実績を超えたほか、過去最高だった2019年3月13~15日の1万4861人も2160人上回った。出展者は187組だった。
最終日に発表されるBest of Japan Drone Awardは、ハードウェア部門最優秀賞にソニーグループ株式会社、ソフトウェア・アプリケーション部門の最優秀賞にKDDIスマートドローン株式会社、Advanced Air Mobilty部門の最優秀賞にエアロディベロップジャパン株式会社、審査員特別賞にイームズロボティクス株式会社を選出。全部門を通じて来場者の投票で決まるオーディエンスアワードにKDDIスマートドローン株式会社が選ばれた。審査委員長を務めた一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の鈴木真二理事長は「技術レベルが高まっていることを実感しました」と講評した。
次回のJapanDrone2023は、2023年6月26~28日に、千葉・幕張メッセで開催することが発表され、出展希望の受付が始まった。
また初の地方開催として、2022年12月5、6日に「Japan Drone/次世代エアモビリティEXPO in 九州(福岡開催)2022」が福岡市の大型展示場、福岡国際会議場(福岡市博多区、一般財団法人 福岡コンベンションセンター運営)で開催される。1小間1m×3mが税込み29万7000円からの料金で出展を募集している。
福岡でのイベントの出展案内は以下の通り
一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)と株式会社コングレは、2016年から無人航空機産業の発展を目指し、商業用・民生用無人航空機(ドローン)の国際的な専門展示会を発足させました。
この5年間で商用ドローンの活用は拡大し、様々な用途開発による課題解決を実現しつつあります。その課題は、都市部での物流問題、災害対応などや、地方都市における農業支援や過疎地対策など地域によってドローンの活用方法は細分化し、具体的な解決方法として各地域の自治体や産業界にとって今後も益々期待される様になってきました。課題やその解決方法はその地域によって異なるため、地域に根ざした商用ドローンの活用情報や成功事例の発表の場が求められてきました。
また、ここ数年ではドローンの新たな可能性として勃興してきたAdvanced Air Mobility産業界もドローンと同様に今後大きな市場性が注目されております。
地方都市に於ける情報収集の要望が高まる中で、私ども主催者といたしましては、地方都市に於ける課題解決のための情報提供の重要性を鑑み、各都市のご要望や必要な情報を一堂に集めた「Japan Droneの地方都市開催」に今後取り組んで参りたいと思っております。
この地方都市開催により地域に根ざした商用ドローンの活用やAdvanced Air Mobility産業界への情報提供の場を設けることで、地域のドローン産業発展だけではなく、地方創生・地元地域の活性化にも寄与できるマッチングコミュニケーションの場をつくりたいと思います。
この様に地方都市での開催ニーズが高まる中、社会課題解決を目指し持続的発展のためにスマートシティ構想を推進している福岡での開催をここに決定いたしました。各地域のニーズに合わせた提案を検討されている企業・団体の方々には是非この機会をご活用いただき、具体的なビジネスにつなげていただきたいと存じます。皆様のご参加をお待ちしております。
会期:2022年12月6日(火)~7日(水) 2日間
会場:福岡国際会議場 4F会議室(展示・コンファレンス)
後援(予定):経済産業省九州経済産業局、国土交通省九州地方整備局、農林水産省九州農政局、福岡県、福岡市、一般社団法人九州経済連合会、FFG福岡フィナンシャル・グループ ほか(申請予定)
出展対象分野
・ドローン(無人航空機)および関連分野
・ドローンを利用した各種サービス分野
・大型ドローン、空飛ぶクルマ、e-VTOL(機体)
およびe-VTOLメーカー、商社、航空会社、運輸関係
・素材・部品の製造業者・技術支援
・e-VTOLを利用したサービス提供者
・Vポート・ドローンポートメーカー
・地域開発デベロッパー、建築建設関連企業
・運輸関係企業、検査機器・施策・実験施設
・観光関連団体、中小企業支援団体、コンサルタント
・地方自治体、地域活性化部門、地域創生事業、スマートシティプロジェクト
・その他サービス(保険、教育など)
来場対象分野
・ドローン、e-VTOLを活用したい産業分野のビジネスパーソン
(地方公共団体、府県、市町村など)
・ドローンパイロット免許取得者・運航安全管理者
・物流分野(宅配便サービス、倉庫、ネット販売会社など)、運送関連
・官公庁、警察、消防、救急医療関係者など
・観光、地域創生分野
・地方自治体、観光関連団体、地域活性化部門
・投資機関、その他
https://www.ssl.japan-drone.com
開催規模 出展予定社数:50社・50小間(申込み状況により拡大)
来場者数 :500人/1日:2日間 1,000名(予定)
■展示会出展小間
◎小間出展(1小間/2m×3m 6㎡)
1小間料金 ¥297,000-(税込)※パッケージブース
(小間仕様)
:福岡市内にて事業を展開されている企業・団体への特典も検討中
・システム壁面パネル(高さ2.7m)・カーペット(選択色よりセレクト)
・社名サイン/パラペット ・レセプションカウンター(1台)
・カウンターチェア(1脚)・スポットライト(3灯)
・2口コンセント(100V500W)
■コンファレンス協賛(出展が条件となります)
■ホスピタリティルーム協賛
◎コンファレンス登壇枠(60分) 1枠/¥440,000-(税込)(2社限定)
(会場仕様)
200インチスクリーン、プロジェクター、登壇ステージ、聴講席(約130席)、音響設備(スピーカー、マイク)
※プレゼンテーションのスライドデータ等はご自身でご準備頂きます。
◎ホスピタリティルーム(135㎡) 1部屋/¥1,100,000-(税込)(2社限定)
(会場仕様)
会場付設のテーブル・椅子は自由にお使いいただけます。
独自セミナーの開催や、展示・実演など、2日間独自の開催内容・方法手段にて活用頂けます。
【コンファレンスプログラム案】
JapanDrone
①基調講演:JUIDA鈴木理事長 ②ドローン国の政策 ③レベル4・ID登録:法改正
次世代エアモビリティ
①特別講演:空飛ぶクルマ(eVTOL)の市場性 ②空飛ぶクルマの利活用と法整備
地域創生プログラム
①地域創生とDX:ドローン ②社会課題解決とスマートシティ ③自治体の取り組み事例
コンファレンス協賛
①企業の取り組み事例 ②eVTOLに求められる機能 ③大型ドローンによる防災・減災対策
https://ssl.japan-drone.com/files/JD-IAAM2022_guide.pdf
千葉・幕張で開催中のドローンの大規模展示会JapanDrone2022が賑わいをみせている。主催者は6月21日の開幕初日に6497人、翌22日に5671人が登録入場したと発表し、最終日も午前から正午過ぎにかけて入場口で行列ができた。展示会場を従来の2倍に広げ、GMOインターネットグループ、テラ・ラボ、KDDIスマートドローン、ブルーイノベーショ、ソフトバンク、NTTドコモなどが大きなブースを広げ、客足を止めている。
開場前では午前10時の入場を前に行列ができはじめ、正午を過ぎても当日券を求める列が入口にできた。入場口前では係員が列を整理し、「最後尾」の札を持ったスタッフが列の後ろに誘導していた。
会場内のブースでもひとだかりができた。
GMOはサイバー攻撃に対する備えの必要性を重点的にアピール。ブース内でドローンがハッキングされる様子を実演したり、経済産業省商務情報政策局の奥田修司サイバーセキュリティ課長を招き、GMOサイバーセキュリティbyイエラエ株式会社の伊藤章博氏とサイバーセキュリティ診断の有効性について対談をしたりして、ブースの前に人垣を作った。DRONE FUNDの千葉功太郎共同代表を招き、攻撃する側の視点と手口を開設するセッションも開催した。
高高度飛行の防災対策ドローンを開発するテラ・ラボは翼長8m機。ジェットエンジン機、VTOL機などを、広いスペースにずらりと並べ来場者を圧倒した。
ブルーイノベーションはスイスFlyability社のELIOS3をJapanDrone2022にあわせて初公開したほか、トヨタ自動車が開発したドローンとほかのモビリティの連携を想定したドローンポートを実演したり、同社のAPI連携技術「BEP」とクラウド録画サービスのセーフィー株式貨車との連携技術のデモンストレーションを公開したりして、各回とも来場者が撮影のためにスマホを掲げた。
大きなブースのほか、初出展の合同会社VPMSsがドローンの快適な飛行を脅かす要素をセンサーで集めて予知する予知保全技術を展示して客足が絶えず、ハイブリッドドローン開発の株式会社エアロジーラボが、主力機QUADや、A.L.I.Technologiesの運航関連システムC.O.S.M.O.Sとの連家などについて発表した。エアロセンスは広域点検、防災・警備、測量などの分野ごとにゾーニングして展示。セブントゥーワンは新開発の2機をお披露目しつつ、これまでの知見を出しある仲間、パートナーへの候補者をよびかけていた。
水産資源の国際調査を行う一般財団法人日本鯨類研究所(東京)は、独自開発の自律型VTOL「飛鳥・改五」で南極での鯨の生態調査に挑む。2022年末にも調査船に機体を積み出港し、2023年1月にも南極で飛行させる計画だ。南極で体長35mに及ぶシロナガスクジラの生態に迫る。鯨類研は飛鳥改五を千葉・幕張メッセで開催中のJapanDrone2022で展示している。
「飛鳥・改五」は全長1・9m、翼長3・3mの自律型電動VTOL。航続距離は100㎞だが、2022年3月には104kmを達成している。鯨類研は2019年に電動VTOL-UAVの開発を進め、数段階の実験機の開発と改良を経て、2022年に量産を念頭に置いた「飛鳥・改五」の開発にこぎつけた。
固定翼に垂直離陸用の回転翼4つと、水平推進用のプロペラを備える。調査するポイントをあらかじめ決めてプログラムし、素面から100mの高さて飛行させる。
「飛鳥・改五」は航空目視調査の一環として投入された。南極では搭載した可視カメラで撮影した映像を、熟練の目視監察員が精査し、シロナガスクジラなどの密度を割り出すなどの生態調査にいかす。
鯨類研の勝俣太貴研究員は「南極では氷がたちはだかるなどして船が進みにくいためドローンを搭載して船で進み、船で生きにくいところの調査をドローンで実施します」と話している。
水中ドローン事業で知られる株式会社スペースワンが、千葉・幕張メッセで開催中のJapanDrone2022に、日本国内で流行のひきがねとなった中国製の機体とともに、ノルウェイのROVメーカー、BLUEYE社製の水中ドローンを展示している。多くのサカナが水中で泳ぐように、たて型スタイルで水中を進む。国内での展開は未定だが、利用者の選択肢を増やす可能性がある。
展示されているBLUEYEのROVは、仕様書の説明によると本体の大きさは長さ48.5㎝、幅25.7㎝センチ、高さ35.4㎝で重さは8.6㎏。水深305mまで潜れる。4つのスラスターを搭載し3ノットで航行する。スマートバッテリーの搭載で5時間の作業が可能だ。
内蔵カメラは機体と独立して上向き、下向きにチルトが可能で、アクセサリーをつなぐためのポートが3つを備える。照明の明るさは3300ルーメンで、ライブストリーミングが可能だ。
展示したスペースワンは「あくまでも参考のための展示。水中ドローンにも多様性があることを示せると思います」と話している
産業ガス大手、エア・ウォーター株式会社(大阪市)は、グループ会社でドローン関連サービスを展開する事業を展開するセブントゥーファイブ株式会社(東京都新宿区)が、狭小空間の点検用小型ドローンと物流や防災向けの多用途産業用ドローン「AIR HOPE」の2種の新型国産ドローンを開発したと発表した。セブントゥーファイブは6月21日に千葉市・幕張メッセで開幕したJapanDrone2022に展示場を設けていて、新型機をここで初公開した。小型ドローンは給電ケーブルにつないで飛ばせるうえ、バッテリーの搭載も可能で、ケーブルを飛ばす飛行も可対な二刀流だ。産業用「AIR HOPE」は有事の防災対応機能を充実させながら、平時での活用ができる。発売は今秋を予定している。
セブントゥーファイブの新開発機はJapanDrone2022での展示が初公開となる。
セブントゥーファイブはエア・ウォーターのグループ会社で、産業ガス向けのプラントをはじめとするインフラ点検で国内外のドローンを運用している。このほか物流、防災関連の実証実験でも実績を重ね、機体、システムの製造・販売、サービス、運用支援を展開している。
今回の開発は、同社がこれまでドローンを運用してきた経験をもとに、使いやすく利便性を実感できるように開発した。石井克幸代表取締役社長は「機体を購入されたユーザーにとっては、購入した後に役に立つかどうかが決まります。ドローンを販売したりサービスを提供する事業者は、利用者がドローンを導入したあとに利便性を実感して頂けているかどうかに目配りをすることが大切であると感じています。われわれは機体を販売したあとも、ユーザーにとって本当の意味で利便性を感じていただけるよう、総合的にサポートをしてまいりたいと思っています」と話している。
発表は以下の通り
当社グループでドローン関連サービスを展開するセブントゥーファイブ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:石井 克幸、以下「セブントゥーファイブ」)は、狭小空間の点検業務に活用できる小型ドローンと物流や防災など多様な用途に活用できる産業用ドローン「AIR HOPE」の2種の新型国産ドローンを開発し、今秋より販売を開始しますので、お知らせいたします。
なお、セブントゥーファイブは2022年6月21日~23日に開催される「Japan Drone 2022」に出展し、2種の実機を初めて公開します。ドローンを活用したインフラ点検や物流、防災関連の実証実験の実績を活かし、機体・システムの製造・販売からサービス、運用支援までをワンストップで行う総合的なドローンソリューション事業を展開していきます。
記
1.狭小空間点検用小型ドローン
これまで数多くの現場でドローンによる工場やインフラ点検を行ってきたセブントゥーファイブの経験と知見をもとに開発。当社グループ各社の様々なプラントにて煙突やダクト、ボイラなどの施設内点検を行ってきた実績を活かし、実際に点検現場で操縦したパイロットの目線から形状やスペックなどを検討しました。直径38cmに満たない本機体は、狭い空間に入り込み様々な点検業務を支援します。給電ケーブルにより電力を送り続けることで長時間飛行を実現し、点検作業をスムーズに行うことが可能です(給電ケーブルが無い「バッテリーモデル」もございます)。
一般的に、小型ドローンは大型ドローンに比べてペイロード(最大積載量)が小さいため、給電ケーブルを積載することは困難とされてきました。セブントゥーファイブでは、モーターやケーブル仕様などを最適化することで、国産ドローンとして初めて有線給電対応の小型ドローンを実現しました。
<機体性能>
外形寸法 | 374×374×195(mm) | |
飛行姿勢 | 374×374×195(mm) | |
重量 | 有線給電モデル | 1,560g |
バッテリーモデル | 1,870g | |
最大飛行時間 | 有線給電モデル | 検証中 |
バッテリーモデル | 約8分 | |
最高到達高度 | 有線給電モデル | 30m |
バッテリーモデル | 100m |
2.産業用ドローン「AIR HOPE」
特定用途に限らず複数の用途に活用できる汎用性の高い機体として開発。機体下部にカメラや搬送用ボックスを付け替えることが可能で、活用の柔軟性に優れていることが特徴です。取り付けるカメラは市販されている一眼レフカメラ等でも対応可能なため、別途、専用のカメラを用意する必要がありません。防災対策や物流分野など、それぞれの用途ごとにパッケージ化することも可能で、ドローンを現場に導入しやすい体制を整えています。また、本機体は独自の品質保証の考え方に基づき、十分な耐久テストを行って開発されており、国内製造のドローンとして、安心してご利用いただけます。
<機体性能>
外形寸法 | 930×930×680(mm) |
飛行姿勢 | 930×1280×200(mm) |
最大離陸重量 | 16.6kg(バッテリー、ジンバル、カメラ搭載時の重量:約15kg) |
最大飛行時間 | 45分 (離陸重量11.6kg、 90%放電時) |
最大飛行速度 | 65km/h |
外形寸法 374×374×195(mm) 飛行姿勢 374×374×195(mm) 重量 有線給電モデル 1,560g バッテリーモデル 1,870g 最大飛行時間 有線給電モデル 検証中 バッテリーモデル 約8分 最高到達高度 有線給電モデル 30m バッテリーモデル 100m
トヨタ自動車株式会社が6月21日に千葉・幕張メッセで開幕するJapanDrone2022でドローンポートと管理システムを、技術のサポートをしているブルーイノベーション株式会社のブースで公開する。また22日にはトヨタの井上三樹男氏が「ドローン×最新技術が拓く未来のまちづくり」のコンファレンスに登壇する。空飛ぶクルマの企業への投資などでドローンやエアモビリティ市場への存在感を高めてるトヨタが、JapanDrone2022で表舞台に登場する。
トヨタの展示は、ブルーイノベーションのブースに登場する。公開されるのは次世代モビリティ連携を視野に入れた「ドローンポート&管理システム」で、物流ドローンの社会実装を念頭に置いた試作機がみられる。システムはトヨタ自動車が開発し、モビリティと連携する技術だ。ドローンの統合管理・制御に強みを持つブルーイノベーションが開発をサポートしている。期間中には実演も予定されている。
またトヨタ自動車株式会社先進技術開発カンパニーADPTプロジェクト長物流の井上三樹男氏が、6月22日、13時からコンファレンスルーム1で開催される有料コンファレンスに登壇する。聴講には事前登録が必要になる。テーマは「ドローン×最新技術が拓く未来のまちづくり」。ブルーイノベーションの那須隆志取締役、ACSLの鷲谷聡之代表取締役社長、清水建設株式会社の谷口精寛・スマートシティ推進室豊洲スマートシティ推進部部長、オムロンソーシアルソリューションズ株式会社の田中信頼事業開発統括本部ソーシャルデザインセンタグループマネージャーらと登壇する。
発表は以下の通りだ。
ブルーイノベーション株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長CEO:熊田貴之、以下ブルーイノベーショ ン)は、6月21日(火)~23日(木)までの3日間、幕張メッセで開催されるドローンの国内最大の展示会「JapanDrone2022」に出展します。会期中、ブルーイノベーションブース(ブースNo.AG-11https://www.blue-i.co.jp/japandrone/)では、複数のドローンやロボット、各種センサーなどさまざまなデバイスを遠隔で一括制御・統合管理する独自のデバイス統合プラットフォーム「Blue Earth Platform®(BEP)※1」による「スマートシティ・ロボティクスプラットフォーム※2」の実現に向けたパートナーとの取り組みの他、BEP を活用した各種ソリューションの展示ならびにデモンストレーションを行います。
・トヨタ自動車株式会社との「ドローンポート&管理システム」(開発サポート)
・セーフィー株式会社との「リアルタイム映像伝送・統合管理ソリューション」(共同開発)
② 業務自動化・DXソリューション
・施設状況や異常箇所をリアルタイムに三次元化。屋内点検向け球体ドローン「ELIOS3」
・各種 BEPパッケージ※1による「業務自動化・DXソリューション」
【開発サポート】
次世代モビリティ連携を視野に入れた「ドローンポート&管理システム」
トヨタ自動車が開発している、モビリティ連携システムに対し、ドローンの統合管理・制御に強みを持つブルーイノベーションが開発をサポート。物流ドローンの社会実装を念頭に置いた試作機を展示します。
■会期中、試作機のデモンストレーションを予定しています
@Japan Drone2022ブルーイノベーションブース
【共同開発】
映像利活用により現場DXを実現「リアルタイム映像伝送・統合管理ソリューション」
クラウド録画サービスシェアNo.1※の「Safie」と「BEP」が連携。ドローンやロボット、ウェアラブルカメラ、定点カメラなど、複数のデバイスで撮影した多様な映像データをクラウド上でリアルタイムに一元管理・連携。映像により業務の省人化・自動化、DX化を推進するソリューションをご紹介します。
※テクノ・システム・リサーチ社調べ「ネットワークカメラのクラウド録画サービス市場調査」より
■デモンストレーション(所要時間 15 分)
6/21(火) 13:00~、6/22(水) 11:45~、6/23(木) 11:45~
@Japan Drone2022ブルーイノベーションブース
【ご参考:プレスリリース】
ブルーイノベーションとセーフィー、「リアルタイム映像伝送・統合管理ソリューション」の提供に向け業務提携。Japan Drone2022 でデモンストレーションを実施
ブルーイノベーションとセーフィー、 「リアルタイム映像伝送・統合管理ソリューション」の提供に向け業務提携 Japan Drone2022でデモンストレーションを実施
② 業務自動化・DX ソリューション
ドローン点検は「みる」から「はかる」へ。 新型球体ドローン「ELIOS 3」
プラントやインフラ施設、工場や上下水道などの屋内点検向け球体ドローン ELIOS シリーズの最新モデル「ELIOS 3」。世界初の3Dマッピング用 LiDAR センサーを搭載し、点検・施設情報のリアルタイム3D 化を実現。測量レベルのデータ収集能力と多彩な機能で、産業DX を実現します。
■デモンストレーション(所要時間15分)
6/21(火) 11:00~、15:00~/6/22(水) 11:00~、14:00~/6/23(木) 12:30~、15:00~
@Japan Drone2022ブルーイノベーションブース
【ご参考:プレスリリース】
ドローン点検は「みる」から「はかる」へ。
球体ドローン最新機種 「ELIOS 3」を Japan Drone2022 で発表
ドローン点検は「みる」から「はかる」へ。 球体ドローン最新機種 「ELIOS 3」を Japan Drone 2022 で発表
Press release
各種 BEP パッケージによる「業務自動化・DX ソリューション」
屋内外施設ドローン点検ソリューション「BEP インスペクション」
点検箇所に最適なドローンを選定し目視内、目視外、GPSの有無に関わらず安心安全な点検をご提供します。
ロボット自動巡回点検ソリューション「BEP サーベイランス」
複数のロボットが工場などの施設を定期巡回し、様々なデータを自動収集し、工場のデジタル化・DX 化を支援します。
送電線点検ソリューション「BEP ライン」
専用モジュールを搭載したドローンが送電線を自動追従し、点検撮影。 点検作業の安全担保と効率化を実現します。
オフィス向けロボット清掃ソリューション「BEP クリーン」
メーカーや機種のことなる複数のロボットを一つのインターフェースで統合管理し、人手で行われているオフィス清掃業務をロボットで支援します。
データ分析・解析ソリューション「BEP アナリシス」
ドローンや AGV で取得したデータを分析・解析。施設や設備をデジタル化し、DX 化を支援します。
ドローン・ロボット人材養成ソリューション「BEP ベーシック、BEP エキスパート」
企業の DX を支える社内の人材育成や、ドローン点検のスペシャリストを育成。教育を通してドローンの利活用を推進します。
ドローンポート情報管理システム「BEP ポート」
独自開発したドローンポート及びドローンポート情報管理システムで、ポートの稼働状況の確認や自動着陸誘導、ポート周辺の安全確保まで、ドローン物流の安全運航をトータルに支援。既存 UTM との連携も可能です。
Press release
国際カンファレンス登壇情報
今年もブルーイノベーションのボードメンバーが国際カンファレンスに登壇します。
各公演の内容は以下をご覧ください。
ブルーイノベーション Japan Drone2022特設サイト
https://www.blue-i.co.jp/japan-drone/
【有料講演】
インフラ DX 化を加速するスマート点検最前線
6 月 23 日(木)11:00-12:00@国際コンファレンスルーム 1
代表取締役社長 兼 最高執行役員 CEO 熊田 貴之
【無料講演】
今後のドローンとドローンポートの官民連携の在り方について
6 月 21 日(火)13:00-14:00@国際コンファレンスルーム 1
取締役 兼 専務執行役員 CTO 熊田 雅之
【有料講演】
ドローン×最新技術が拓く未来のまちづくり
6 月 22 日(水)13:00-14:00@国際コンファレンスルーム 1
取締役 兼 常務執行役員 COO 那須 隆志
■Japan Drone 2022 開催概要
会 期 : 2022 年 6 月 21 日(火)~23 日(木) 10:00~17:00
会 場 : 幕張メッセ展示ホール
主 催 : 一般社団法人日本 UAS 産業振興協議会(JUIDA)
URL : https://ssl.japan-drone.com
■会社概要
ブルーイノベーション株式会社(東京都文京区) http://www.blue-i.co.jp/
1999 年 6 月設立。複数のドローン・ロボットを遠隔で制御し、統合管理するためのベースプラット
フォーム「Blue Earth Platform®(BEP)」を軸に、以下ソリューションを開発・提供しています。
・点検ソリューション(プラント・工場・公共インフラなどのスマート点検、3D モデル化など)
・物流ソリューション(倉庫内在庫管理、物流など)
・オフィスソリューション(警備・防犯、監視、清掃など)
・教育ソリューション(社内人材育成、子ども向けプログラミング教育など)