ドローンの運用や人材育成を手掛ける株式会社スペースワン(福島県郡山市)は1月27日、警視庁南千住,警察署と「大規模災害時における情報提供等に関する協定」を締結したと発表した。協定では大規模災害発生などの場合に、空を飛ぶドローンや水中ドローンを活用し、迅速な状況把握に役立てることを盛り込んだ。スペースワンは本社を構える福島県郡山市のほか都内にも拠点を構え、全国的に幅広く事業を展開している。荒川区とも防災に関連する協定を提携していて、今回の南千住署との提携を間接的に促した側面がある。防災協定はこれまで自治体、消防機関、自衛隊などとの間で広がっているが、今後、警察とも提携が広がる可能性がある。
この日は南千住警備課の署員3人が、JR御徒町駅に近いスペースワンのオフィスを訪れ。スペースワンの小林康宏代表と提携の文書に調印し、ドローンに搭載したズーム機能を映像で確認したり、ドローンで取得した映像をリアルタイムで共有できる範囲や、河川氾濫時の水中ドローンの活用の可能性などについて意見交換をしたりした。
防災協定が消防機関、自治体などとの間で広がりを見せている中、警察関係にも広がる可能性があることを示している。
南千住署は東京都荒川区の東部を管轄し、管内に隅田川流域の住宅地や小規模住宅の立ち並ぶ地域があるなど、管内住民の安全確保に取り組んでいる。大規模災害時には迅速な状況把握が適切な判断につながるなど重要なため、スペースワンとの協力関係構築でドローンを役立てる考えだ。
スペースワンは昨年(2021年)5月、荒川区と「災害時等における無人航空機を活用した支援業務に関する協定」を結んでおり、今回の南千住署との提携の間接的なきっかけとなった。同社は3月から、同社東京オフィスや近隣の施設を活用したドローンスクールも運営する。ターミナル駅である上野駅を利用する在勤、在住、通学者などにドローン技能の習得機会を提供する。
「第89回東京インターナショナルギフト・ショー」が東京ビッグサイト2月5日に開幕し、併催している「第4回ロボットワールドEXPO」に一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)がブースを出展し、初日から多くの来場者が足を止めた。
JUIDAのブースは東京ビッグサイト南3ホールに設置。フライトケージの中には簡易プールが設置してあり、ドローンのフライト体験、実演や、水中ドローンの実演も実施している。ブースには球体ドローンELIOS、卵型ドローンPowerEgg、水中ドローンCHASING DORYなどの実機が展示され、初日はPoweVision機を扱うヒトロボ株式会社(仙台市)の千葉一誠代表取締役が来場者に説明。「初日からこれまで接する機会のなかった業界と接することができている」と手ごたえを感じていた。
ケージ内の簡易プールでは株式会社スペースワン(福島県)がChasing社の水中ドローンの実演や操作体験を実施。7日までの会期中、午前10時半から1時間ごとに区切り、ヒトロボと交互に体験会を実施するという。