ドローンが催事の種類を問わず展示される機会が増えている。11月22日に東京都北区の北区中央公園などで開催された「令和2年度東京都・北区総合防災訓練」では、自衛隊東京地方協力本部が出展したテントなどにドローンが展示され、来場者が足を止める姿がみられた。地元在住のタレント、林家ペーさん、パー子さん夫妻も会場を訪れELIOS2を手に興味津々で説明に聞き入った。
自衛隊東京地方協力本部のテントでは、協力を要請された一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が、設備内点検向けのスイスFlyabiltyの「ELIOS2」を展示。協力本部も仏Parrotの「ANAFI」を展示した。また、テクノロジーの高度化による災害対応の高度化を目指す特定非営利活動法人国際レスキューシステム研究機構(IRS)は、自律制御システム研究所(ACSL)のPF-2をベースにした機体を「飛行ロボット」として展示した。
この日の防災訓練、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、入場者を絞って開催された。それでも開場と同時に熱心な来場者がテントを訪れ、展示をのぞきこんだり、係員に話を聞いたりしていた。催事中には、地元在住のタレント、林家ペーさん、パー子さん夫妻が会場を訪れ、展示を見て回ったり、ファンと交流をしたりする姿がみられた。自衛隊東京地方協力本部のテント前では展示してあったELIOSを手に取り写真に納まる場面もあった。
自衛隊東京地方協力本部の展示について、企画室の佐藤勇介さんは「東京都、北区と防災関係者との連携促進を目的としています。自衛隊の活動の一般広報に寄与したい」と来場者に対応していた。テントには、今年7月の九州豪雨や2019年10月の豪雨での人命救助の様子や、被災者の給水、風呂、瀧だしなど生活支援、瓦礫撤去な処理支援、自衛官による巡回医療の提供の様子が写真で紹介されていた。その中に、新型コロナウイルスの感染対策を指導している様子もあり、佐藤さんは「(横浜に停泊していた)ダイヤモンドプリンセス号での支援活動では一人の感染者も出さずに任務を遂行しました。このことから自治体などからその知見の提供を求められることがあり、自治体に対し感染防護の教育支援を多く行っています」と話した。
ドローンについては、「陸上自衛隊東部方面総監部がJUIDAと協定を結んでいるので、東部方面を通じてJUIDAに展示をお願いし快諾頂いたところです。自衛隊が最新技術のひとつであるドローンの団体とも交流を持っていることを知って頂く機会になればいいと思っています」と展示の意味を説明した。
またIRSはテント内に災害時に活躍することを想定したロボットの写真を展示。村田美香事務局長は「そのうちのひとつである飛行ロボットとして、ドローンを展示しました。救援物資などを自律飛行で運ぶことで災害時に活躍することを想定しています。ここにある機体はカメラが搭載されていますが、物資を運ぶさいには運送用のアタッチメントを取り付けます」などと説明した。