建設設備大手の三機工業株式会社(東京)は7月11日、グループ会社、有限会社キャド・ケンドロ(仙台市)と共同で狭小空間ドローン開発の株式会社リベラウェア(Liberaware、千葉市)のドローンとレーザースキャナを併用した既存設備の3Dモデル化するデジタル化手法を確立したと発表した。Liberawareも同日、三機工業に「IBIS2」を「導入した」と発表した。
三機工業は設備更新や模様替えなどのさいに、現場を3Dモデリングし、現状を把握してから取り組む。完成後の更新や追加工事で現状が図面通りになっていないことが多く、作業の妨げになるおそれがあるためだ。しかし天井裏などでダクトや配管が込み入っている場合に、すべての設備にはレーザーが届き切らずに十分な3Dモデルができあがらない場合がある。こうした課題を乗り越える手法の開発を進めているところ、今回、ドローンとレーザースキャナを併用してデジタル化する手法を開発した。
同社が実施した実用化検証では、IBIS2とレーザースキャナを併用した場合、従来の3Dスキャン手法と比べ、機械室などの天井の無い空間の場合、認識できた建築部材が約135%、天井の一部が解体された天井裏空間で約400%向上したという。
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フォトグラメトリ―(SfM)のスイスPix4Dは6月9日、オンライン測量、建設現場モニタリング向けの新しいマッピングプラットフォーム「Pix4Dcloud」「Pix4Dcloud Advanced」の商用リリースを発表した。
「Pix4Dcloud」「Pix4Dcloud Advanced」はドローンで撮影した画像などから2Dマップや3Dモデルを生成するためのフォトグラメトリー(SfM)処理をするスタンドアロンクラウドソリューション。Pix4Dcloud Advanced は Pix4Dcloud の機能を拡張し、建設業界で要望の多い時系列モニタリングと精度向上ツールを搭載している。
Pix4Dcloud Advanced は、地上標定点(GCP)を含むプロジェクトをクラウド上で直接処理することを可能にした。「AutoGCPs」の機能に機械学習とコンピュータビジョンを組み合わせ、GCPの中心点をピクセルレベルの精度でほぼ瞬時に自動的にピンポイント認識するという。
またインタフェースを一新し、全プロジェクトとデータセットをドライブの1か所で管理できるようにした。プロジェクトと現場をその場で検索することができるようになったほか、マップビューではアノテーションとオーバーレイが自動的にグループ化される。グループ化されたレイヤーは1クリックで非表示にでき、複数のアノテーショングループを作成し、シンプルに整理することが可能となった。