一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は7月24日、インドネシアの中堅私学であるMOESTOPO大学(ジャカルタ)、広告代理事業や現地進出支援事業を展開するCHUO SENKO INDONESIA(CSK、同)とドローンの産業振興や人材育成の重要性などの方向で協議を重ねることについて基本合意し、それぞれと覚書(MOU)を調印した。今後、具体的な内容などについて協議する。JUIDAはマーケットやビジネスチャンスの拡大に向けて海外展開に積極的で、今後の検討次第で、インドネシアでの認定スクール開設も視野に入る。
会談には、MOESTOPO大学側の代表として、大学の運営責任者であるThomas Suytno教授、CSK側の代表としてRudy Harjatno会長らが出席。JUIDAからは鈴木真二理事長、熊田知之事務局長らが出席した。MOESTOPO大学のSuyatno氏はインドネシア私立大学協会の会長も務めている。
会談ではドローン産業の育成の重要性について出席者が意気投合。CSKのHartanto会長は「テクノロジーはテクノロジー自身のためにあるわけではなく、人間の幸せのためにある。とりわけドローンには期待していて、大学としてそれを担える人材育成に貢献したい。そのための機会も提案したい」と発言、JUIDA側出席者が頷いた。また、ドローンの飛行ルールについてインドネシア側から「国内では十分に整備されているとはいえない」という課題が取り上げられると、鈴木理事長が「レギュレーションの制定は産業発展のうえで重要」と指摘。インドネシア側が同意する場面がみられた。会談では今後も協議を続ける方向が確認され、MOUに調印することになった。
今後の協議についての具体的な内容は今後検討することになるが、インドネシア国内でのドローン市場や、特に人材育成のメソッド、ルール策定に関する情報交換などが含まれる見込みだ。大学がJUIDAのメソッドを活用したドローンスクールを開設することも視野に入る。
日本国内のドローンに関連した人材育成の仕組みは、海外でも人材育成の事例として取り上げられることがあり、特に200を超えるスクール網を持つJUIDAには世界各国の企業、政府から問い合わせが相次いでいる。JUIDAも積極的に交流を進めていて、シンガポールでは認定スクール設立にこぎつけた。インドネシアで事業が具体化すればJUIDAの海外展開にはずみがつきそうだ。
JUIDAの鈴木理事長は会談後「今回のMOUはインドネシア、日本それぞれにとって有意義。今後、人材育成を通じたドローンの産業振興について協議することなどが考えられえる。JUIDAにとってはこれまで培ってきたノウハウの有効活用にもつながる」と話した。