大阪市中心部を走る御堂筋線、千日前線などを運行する大阪市高速電気軌道株式会社(大阪メトロ、大阪市)は1月31日、ドローンソリューション開発の株式会社アイ・ロボティクス(東京)と協業し、駅の天井裏やそこにある構造物などを手のひらサイズのマイクロドローンによる点検を実施すると発表した。
点検で使うのはレースやホビー用のドローンを改造し、カメラを搭載した縦横約10センチ、重さ100グラムのマイクロドローンで、手動で飛行させる。パイロットはアイ・ロボティクスが一般社団法人日本ドローンレース協会(JDRA)や、マイクロドローン撮影で知られる増田勝彦氏らと開発した研修を受講、「実運用資格試験」に合格し、「業務用無線資格」を取得して、知識、技術、適性など現場の運用に必要な水準を満たした場合にアイ・ロボティクスと契約し、現場で活動することになる。
アイ・ロボティクスは2019年6月、煙突、管路、トンネルなど狭隘部と呼ばれる狭くて人が立ち入れない空間をマイクロドローンで撮影するサービスを開発している。今回の大阪メトロとの協業はその一環だ。
大阪メトロは大阪の中心部を走る御堂筋線、千日前線、四つ橋線などの地下鉄や、バスなどを運用している。駅の天井裏の点検には足場を組むなど手間がかかり危険や煩雑な作業が伴うが、マイクロドローンなら天井裏の点検口から入れる。点検個所に照明がなくても、ドローンに搭載したLEDライトで照らして状況を確認できる。周囲に接触しても傷つけるおそれがない。マイクロドローンの導入で、点検作業の期間短縮、作業員の労力の軽減が図れ、効率化、省力化につながる。
大阪メトロは今後、「地下トンネル高所部、マンホール内などの狭隘部や効果構造物の点検でもロボット技術を活用」する方針だ。
マイクロドローンメーカーBETAFPVとドローンレーシングの日本チャンピオンdknbFPVが共同で主催するドローンレース「BETAFPV JAPAN CUP 2019」が5月26日、東京・品川のTUNNEL TOKYOで開催された。日本開催は今回が初めて。きらびやかなコースで小さなドローンがビュンビュン飛び回る白熱の展開に観客、選手が一体となって盛り上がるレースとなった。レースの結果、中学生のtakumi選手が優勝を獲得した。
レースはあらかじめ決められたコースを、どれだけ短時間で周回できるかを競うタイムレース。途中、スピード勝負のストレートや、ゲートをくるくるとくぐる器用さが要求されるマンダラゲートと呼ばれるポイントなど見どころが用意されている。選手は全員、BETAFPV製「Beta75X」の機体を使うが、一定の範囲で好みのレスポンスに調整するなどのチューニングが可能だ。各選手のチューニングの出来もレースを左右する。
レースは3人が1組で進められる。カウントダウンからスタートがコールされるとスタート地点から一斉にスタートをするルールだ。
会場は通常はワークスペースとして運用されている「TUNNEL TOKYO」。この日はドローンレースの会場としてきらびやかな光が散る近未来空間として提供された。正面には大きなディスプレイが設置され、赤、緑、青の色違いのフレームがついた3つのスクリーンに、参戦中の3選手それぞれの機体に搭載されたカメラがとらえた映像が投影される仕組みだ。レース中は観客も選手と同様、機体の運転席気分を味わえる。ディスプレイにはそのほか、速度や周回にかかった時間などのデータや、コース上の機体の位置などが表示されるようになっていて、レースの経過がリアルタイムで分かる。
この日は国内のドローンレースの第一人者、横田淳氏が熱のこもった実況を展開して会場を大いに盛り上げた。ミスワールドファイナリストに選出された経験を持つモデルのNORIEさんも実況席を彩り、スタートのカウントダウンをコールしたり、際立った腕前の技が披露されると歓声をあげたり拍手をおくったりして会場の熱を高めた。NORIEさんはドローンレースの観戦が初めてとあって、ときおりルールや選手の心境などについて隣の横田さんに質問。横田さんがそれにわかりやすく答え、入門者にもわかりやすくなる工夫もこらされていた。
この日のレースには約40人の選手が参戦。3人ずつ同時に、14組の予選が展開されたのち、上位選手による決勝が行われた。レース中は終始歓声があがり、新たなエンターテインメントとしての可能性を感じさせた。Caddx、スカイピーク、トライアロー、MONTELineの協賛で開催された。
レース結果は以下の通り
優勝 takumi 選手
凖優勝 (´∀`)高梨 選手
3位 ZISEE 選手
4位 Suto Kouki 選手
5位 SDC yazawa 選手
6位 HIRO FPV 選手
7位 まーく 選手
8位 minyaFPV 選手
9位 Shyachi 選手
エコレース(本戦出場者で決勝進出を逃した6名による耐久レース)
優勝 SDC yazawa 選手
2位 Suto Kouki 選手
3位 Shyachi 選手
4位 minyaFPV 選手
5位 HIRO FPV 選手
6位 まーく 選手