ドローンが事業や生活に根付く「ドローン前提社会」の実現を目指している神奈川県が12月26日、「第2回かながわドローン前提社会ネットワーク~ドローンを活用した災害対策について~」を開催する。来賓の講演、モデル事業や取り組みの事例の紹介や、交流会の開催が予定されている。入場は無料。
神奈川県がネットワークを開催するのは2回目。9月に行われた第1回でモデル事業の募集を公表し、11月21日には応募のあった31件から7件の事業を採択した。
採択されたのは、▽NPO法人クライシスマッパーズ・ジャパン(災害対策への空撮ドローンの総合的活用)▽株式会社リコー(音響通信を活用した防災及び観光振興)▽パーソルプロセス&テクノロジー株式会社(公共施設における施設点検の効率化)▽エミー測量設計有限会社(海岸線の3Dデータ化と解析モデル)▽一般社団法人神奈川県ドローン協会(空撮による県内の観光資源の発掘)▽株式会社アイネット(ドローン活用人材の育成)の7件。
今回は台風19号など相次いだ自然災害への取り組みも含めた災害対策を切り口にドローンの活用事例を紹介し、有効性を検証する。
「第2回かながわドローン前提社会ネットワーク~ドローンを活用した災害対策について~」の概要は以下の通り。
・日時:令和元年12月26日(木)13:30~15:30
・会場:ワークピア横浜2F(横浜市中区山下町24−1)
・プログラム(予定):
第一部(13:30~14:40)
(1)講演「空の産業革命に向けた国の取組みについて」(内閣官房小型無人機等対策推進室)
(2)ドローン前提社会の実現に向けたモデル事業の紹介等(神奈川県政策局未来創生課)
(3)ドローンを活用した災害対策の取組み事例の紹介(ドローン関連企業)
第二部(14:50~15:30)
交流会及びドローン展示会
・申し込みは参加申し込みフォームから。
また随時会員の募集も行っている。入会申し込みフォームはこちら(入会無料)
千葉県君津市が7月から市内の橋梁点検に4Kカメラを搭載したドローンを使う実証実験を行うと表明しました。増加する点検需要への対応と点検予算削減を目指しています。小さな橋ほど住民の生活に欠かせないものですが、数が多いうえ細かな作業が必要で、自治体の悩みの種です。その課題にシステム開発の株式会社アイネット、Dアカデミー株式会社が挑んでいます。今回Dアカデミー代表の依田健一さんが、君津市での橋梁点検を可能にした“発想の転換”について明かしてくれました。以下、その原稿をそのまま記事としてお届けします。(DroneTribune編集長 村山繁)
北海道から沖縄まで全国17か所でドローンスクールを展開しているDアカデミー株式会社(代表取締役 依田健一)は令和元年5月28日、千葉県君津市と、ドローン使った橋梁点検の実証実験に関する覚書を締結しました。
橋梁点検は一般に、作業員を乗せたアームを橋の下にせり出させ、点検のために足場をかけるなど大規模で点検費用のかさむ方法をとっています。生活道路の片側を通行止めにしないとならないこともあり、無数にある小さな橋には適していませんでした。
Dアカデミー株式会社はこのたび発想を転換し、コンパクトで安価なドローンを利用して簡単に橋梁点検ができる仕組みを実現しました。
通常のドローンの操縦では、構造物にぶつかることがないように、接近せずにすむように飛ばします。しかしここではあえて、機体を橋梁に接近させます。それによって機体に備わっている衝突防止センサーを利かせ、機体を安定させることができるのです。これはコロンブスの卵的発想であり有効です。
また橋梁点検では橋の裏側を点検しなければならないため、橋の下にもぐったドローンは頭上を見上げるように上部を撮影をする必要があります。多くのドローンは、カメラこそ搭載していても、機体の真上の撮影することは困難です。そこで、撮影用のスタビライズ機能の付いたカメラを機体の上部に新たに搭載することにしました。これにより機体上部の安定した撮影にも成功しました(航空局改造申請許可承認済み)。
作業員による目視点検でさえ困難な小さい橋が、全国には無数にあります。小さな橋では作業スペースの確保が難しいなど物理的な問題や、小さいわりには費用がかかるなど効率の課題もあり、建設現場で使うような大型ドローンでの点検には不向きです。ところが今回の方法で実験をしたところ、安価で手軽に有効な画像が取得することができました。今後の橋梁点検の予備検査に大きく貢献すると期待できます。(Dアカデミー株式会社 依田健一)
お問い合わせ:Dアカデミー株式会社、045-520-755
ウェブサイト:d-academy.co.jp/