国土交通省のWEBマガジン「Grasp」が5月18日、ドローンとエアモビリティに関連するスタートアップ向けのベンチャーファンド、DRONE FUNDの創業者、千葉功太郎代表パートナーのインタビューを掲載している。千葉代表パートナーはドローンとの出会いから、DRONE FUNDを創設までの経緯、市場の展望などについて触れている。今回公開されたインタビューは前編で、後編が21日に公開されると予告されている。
「Grasp」は国交省の取り組みを掘り下げるWEBマガジンで、インタビューではさまざまな取り組みを俯瞰して考えるためのキーパーソンが登壇している。千葉氏は、「ロボットの目に映る『物流の未来』」のシリーズの中で、ドローンを活用する専門家として登壇。「ドローンがインフラになる日」のテーマのもと、DRONE FUND創設に至る経緯や、市場の展望、投資先企業の領域などについて多角的に説明している。
この中では株式会社ORSO(東京)の坂本義親代表に紹介されてドローンを初めて飛ばしたドローンとの出会いや、自分で飛ばすにつれて「インフラになる」との感覚を覚えたこと、エンジェル投資家として投資しているうちにドローン関連銘柄が増えてDRONE FUNDの創設に至った経緯などを話している。
また物流利用について、「重要度は非常に高い」と述べ、物流が抱えている課題を「物流業界固有の課題」と「地域特有の課題」に整理し、それぞれをドローンが解決しうるとの展望を述べている。
後編は21日に公開される予定だ。
ドローン、エアモビリティとその関連技術のスタートアップに特化して出資するベンチャーファンド、DRONE FUNDは3月18日、ドローンの音響技術を手がけるニュージーランドのテクノロジースタートアップ、ドットレル社(Dotterel Technologies、本社:オークランド、CEO:Shaun Edlin氏)に、DRONE FUND 2号から出資を実行したと発表した。回転翼のノイズ抑制技術が強みで、静粛性の向上でドローンの社会実装の促進につなげる。
今回出資したDottrelは回転翼機に取り付けて騒音を抑制する技術「シュラウド」を開発している。軽量素材で作られており、ノイズを低減させ、ブレードの損傷も抑え、エネルギー効率も高める。同社は映画製作部門も抱えていて音響技術開発は同社にとって相乗効果を生む。また、ドローンの静粛性向上は、ドローンの社会実装推進に有効とみられる。
Dotterelはニュージーランドの有力ドローンスタートアップで、国内でKIWI ドローンカンパニーとして知られる。米マサチューセッツ工科大学(MIT)とパートナーシップを結んで研究開発を推進。2018年には豪シドニーに拠点を構えるベンチャーファンド、Jelix Venturesから106万ドルを調達している。ニュージーランド航空が主催する起業イベントでファイナリストに名を連ねたこともある。
DRONE FUNDは「ドットレルのテクノロジーは、ドローン・エアモビリティの社会受容性の醸成に寄与すると強く期待しています。今回の出資を通じてドローンファンド投資先内での協業も促進し、ドローン・エアモビリティの社会実装をさらに加速させてまいります」と話している。
■ドットレル 概要
・ 社名: Dotterel Technologies
・ 代表者: Shaun Edlin(CEO)
・ 設立: 2015年
・ 事業内容: ドローンの低騒音化機構と音響用ペイロードの開発
・ ウェブサイト: https://dotterel.co.nz/