株式会社WorldLink&Company(WLC、京都市北区)は5月12日、株式会社JDRONE(東京都新宿区)の全株式を取得し完全子会社化し、JDRONE社長に野口克也氏が就任したと発表した。WLCは新体制の狙いを「ドローンの社会実装を加速させます」と伝えている。JDRONEの新社長に就任した野口氏は「特定のメーカーに縛られず、あらゆる優れた機体と技術を駆使し、ドローンの社会実装における『新たなスタンダード』を創り上げてまいります」とコメントしている。
WLCはJDRONEの会社化などについて5月12日にプレスリリースを公開している。またJDRONEは同社公式サイトの会社概要欄ですでに野口氏が社長に就任していることを伝えている。
WLCのリリースはこちら
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000167.000034283.html
プレスリリース全文は以下の通り。
WLCグループ、株式会社JDRONEの参画によりドローンサービス事業を拡充
「販売・測量・運用」の三位一体体制を構築し、マルチプラットフォーム対応のDaaSを全国展開
株式会社WorldLink&Company(本社:京都市北区、代表取締役社長:須田 信也、以下「WLC」)は、このたび株式会社JDRONE(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:大橋 卓也、以下「JDRONE」)の全株式を取得し、完全子会社化したことをお知らせいたします。
また、本株式取得に伴い、JDRONEの新たな経営体制として、代表取締役社長に野口 克也が就任いたしました。
■ 本件の背景:ドローン産業の「社会実装フェーズへの移行加速」
WLCは、2024年10月に株式会社エクセディのグループに参画して以来、「SkyLink Japan」ブランドを通じてドローン・ロボティクス分野のソリューション提供を行ってまいりました。
現在のドローン市場は、単なる機体販売のフェーズを超え、高度な運用・データ解析・保守をパッケージ化した「DaaS(Drone as a Service)」へのニーズが急速に高まっています。JDRONEは、火山観測、災害対応、運航管理といった最前線の現場で国内屈指の実績を築いてきたプロフェッショナル集団です。
今回のグループ参画により、WLCの強みである「多様な機体・ソリューションの調達力」と、JDRONEの「高度な現場運用・サービス実行力」を直結。お客様の課題に対し、機体選定から実運用までをワンストップで提供する体制を構築し、ドローンの社会実装を加速させます。
■ JDRONEが描く今後の展望と目標
新体制下において、JDRONEは「現場のプロフェッショナル」として以下の3点を重点目標に掲げ、事業を強力に推進してまいります。
JDRONEは、WLCが取り扱う国内外の幅広い機体ラインナップを最大限に活用し、特定のメーカーに依存しない「マルチプラットフォーム対応の運用標準」を確立します。
点検、警備、物流、防災など、ミッションに最適な機体選定から運航管理、データ処理までをパッケージ化。お客様が機体選定や維持管理の負担を抱えることなく、高精度な成果を得られる「持続可能なサービスモデル」を全国規模で展開し、PoCで終わらない実ビジネスへの社会実装を推進します。
「WLCの多角的な販売網・機体調達力」と「JDRONEの現場運用力」を融合させ、現場のニーズを即座に機材選定やシステム構築へ反映させます。既にグループ入りしている扶和ドローン株式会社の測量技術とも連携し、「販売(WLC)× 測量(扶和ドローン)× 運用(JDRONE)」の三位一体体制を構築。現場の声を反映させた、真に実用的なソリューションを提供します。
エクセディグループの高度な製造技術と品質管理のバックボーンを活かし、航空業界水準の安全管理基準に基づいたオペレーション体制を強化します。あらゆる機体を安全かつ効率的に運用できる高度な技術者集団として、JDRONEの運用品質を業界のデファクトスタンダード(事実上の標準)へと引き上げ、日本の空の安全と産業発展に貢献します。
■ JDRONE 代表取締役社長 野口 克也のコメント
「JDRONEは、現場という最前線でドローンの可能性を証明し続けてきた企業です。今回、WLCおよびエクセディグループの一員となることで、私たちの『現場力』をより大きな社会課題の解決に直結させることが可能になると確信しています。特定のメーカーに縛られず、あらゆる優れた機体と技術を駆使し、ドローンの社会実装における『新たなスタンダード』を創り上げてまいります。」
■WLC 代表取締役社長 須田 信也のコメント
「現在のドローン市場は、単なる“機体販売”の時代から、実際の現場課題を解決する“サービス実装”の時代へと大きく変化しています。
今回、JDRONEがWLCグループに参画することで、WLCが持つ多様な機体・ソリューション調達力、扶和ドローンの高い測量・データ処理技術、そしてJDRONEの卓越した現場運用力が一体となり、日本国内でも非常にユニークな体制を構築できたと考えています。
特に今後は、インフラ点検、災害対応、物流、防災、警備など、社会インフラを支える領域において、単なるPoCでは終わらない“実運用レベル”のサービス提供が強く求められていきます。
私たちは、特定メーカーに依存しないマルチプラットフォーム戦略を通じて、お客様にとって本当に最適なソリューションを提供するとともに、ドローンの社会実装をさらに加速させてまいります。
また、エクセディグループの一員として、製造業で培われた品質・安全に対する考え方も取り入れながら、日本の産業用ドローン市場の発展に貢献してまいります。」
(以下会社概要など省略)


一般社団法人日本産業用無人航空機工業会(JUAV)は6月25日に東京都内で研究会を開く。「社会実装のさらなる拡大に向けて~欧米の動向も踏まえ~」をテーマに官公庁、会員企業の登壇者が講演する。会場と配信の両建てで実施する。
研究会では実装の拡大に向けて踏まえるべき制度の変化、期待される活用、たちはだかる課題などをとりあげる。会場参加の場合は、研究会後に開催される立食形式の情報交換会に参加することも可能だ。
研究会参加費は7700円(税込)。ただしJUAV会員は無料。また、立食の情報交換会への参加は会員、非会員とも6600円(税込)。

自治体単位で、空飛ぶクルマ、ドローン、エアモビリティの取組が加速している。兵庫県は4月27日、兼松株式会社、中央復建コンサルタンツ株式会社、株式会社パソナグループ、株式会社BUZZPORTと連携要諦を結び、大学生、高校生が空飛ぶクルマの利活用を研究する「HYOGO 空飛ぶクルマ研究室」を創設すると発表した。バーチャル研究室を作り、学生研究員の取り組みを協定として支援し、空飛ぶクルマの産業振興、社会受容性の醸成、担い手となる人材育成を図る。発表会では兵庫県の齋藤元彦知事が、「2025年の大阪・関西万博を前に(空飛ぶクルマを実装する社会の)未来像を示したい」と話した。
発表会には、齋藤元彦知事のほか、協定に参加した兼松の城所僚一・上席執行役員車両・航空部門長、中央復建コンサルタンツの兼塚卓也・代表取締役社長、BUZZPORTの江藤誠晃代表取締役、パソナグループの山本絹子・取締役副社長執行役員が登壇した。公民連携による空飛ぶクルマ事業の第一弾で、今後も随時、事業を拡張する。協定の連携事項は①空飛ぶクルマによる地域創生に関すること、②空飛ぶクルマを活用した観光開発に関すること、③高校生・大学生の研究活動へのメンタリング、協同活動の実施に関すること、④空飛ぶクルマの社会実装に向けた受容性向上のための活動に関すること、⑤その他、空飛ぶクルマによる県民サービスの向上、地域の活性化に関すること、と紹介された。
「HYOGO 空飛ぶクルマ研究室」はバーチャルラボで、県内在住または県内の大学に通う大学生の選抜メンバーで構成する「空飛ぶクルマゼミ」を運営したり、全国の高校生を対象とした観光甲子園内「空飛ぶクルマ部門」を開催したりすることを構想している。
説明会では事務を担ってきた兵庫県企画部地域振興課の高橋健二・公民連携班長がこれまでの経緯を説明した。それによると兵庫県は昨年6月から空飛ぶクルマの連携事業の構想を開始。地元発祥の兼松、淡路島にオフィスを構えるパソナなど連携の枠組みを作り20回以上の協議を重ねてきた。大阪・関西万博を当面を目標に設定して空飛ぶクルマの実装に向けた協議を重ねている大阪府の「空の移動革命社会実装大阪ラウンドテーブル」にも参加して知見も獲得。その中で、地域創生、観光開発、受容性向上など兵庫県民の豊かな生活の実現に貢献することで合意し、具体策を練ってきたという。
実際、兵庫県では多自然地域と呼ぶ山間部で生活の利便性向上や不便、不安の解消にドローンを役立てる取り組みを進めるなど、ドローンの利活用には積極的だ。空飛ぶクルマは「パッセンジャードローン」とドローンの派生形ととらえられ、空域利用や遠隔・無人操縦などで議論が共通することも多く、兵庫県のように自治体でドローンや空飛ぶクルマの利活用を進める動きが広がりを見せている。
発表会で兼松の城所上席執行役員は「(空飛ぶクルマの離発着場となる)バーティポート開発を手掛ける英スカイポーツ社と業務資本提携を締結しており、神戸にルーツを持つ企業として地域に尽くしたい」と決意を述べた。パソナの山本副社長は「地方の企業にとって距離は不利益です。でも空飛ぶクルマの実装で、不利益は利益になるかもしれないと思いました。なにより若い方々のベンチャー精神に期待しています」と期待を寄せた。
齋藤元彦知事は「空飛ぶクルマの実装には、先んじて取り組むことが大事だと思っています。9月1日には県と内閣官房が主催するドローンサミットも開催されることになっていて、2025年の大阪・関西万博を前に(空飛ぶクルマを実装する社会の)未来像を示していきたいと思っています」と抱負を述べた。





ドローン、エアモビリティとその関連技術のスタートアップに特化して出資するベンチャーファンド、DRONE FUNDは3月18日、ドローンの音響技術を手がけるニュージーランドのテクノロジースタートアップ、ドットレル社(Dotterel Technologies、本社:オークランド、CEO:Shaun Edlin氏)に、DRONE FUND 2号から出資を実行したと発表した。回転翼のノイズ抑制技術が強みで、静粛性の向上でドローンの社会実装の促進につなげる。

今回出資したDottrelは回転翼機に取り付けて騒音を抑制する技術「シュラウド」を開発している。軽量素材で作られており、ノイズを低減させ、ブレードの損傷も抑え、エネルギー効率も高める。同社は映画製作部門も抱えていて音響技術開発は同社にとって相乗効果を生む。また、ドローンの静粛性向上は、ドローンの社会実装推進に有効とみられる。
Dotterelはニュージーランドの有力ドローンスタートアップで、国内でKIWI ドローンカンパニーとして知られる。米マサチューセッツ工科大学(MIT)とパートナーシップを結んで研究開発を推進。2018年には豪シドニーに拠点を構えるベンチャーファンド、Jelix Venturesから106万ドルを調達している。ニュージーランド航空が主催する起業イベントでファイナリストに名を連ねたこともある。
DRONE FUNDは「ドットレルのテクノロジーは、ドローン・エアモビリティの社会受容性の醸成に寄与すると強く期待しています。今回の出資を通じてドローンファンド投資先内での協業も促進し、ドローン・エアモビリティの社会実装をさらに加速させてまいります」と話している。
■ドットレル 概要
・ 社名: Dotterel Technologies
・ 代表者: Shaun Edlin(CEO)
・ 設立: 2015年
・ 事業内容: ドローンの低騒音化機構と音響用ペイロードの開発
・ ウェブサイト: https://dotterel.co.nz/

