Japan Drone 2020ではドローンや関連産業で活躍する論者らから、注目すべき発言が相次いでいる。
アーバンエアモビリティ開発を手掛ける独ボロコプター社(Volocoper Gmbh)のファビアン・ネストマン国際担当責任者は9月29日、千葉・海浜幕張で開催されているJapan Drone 2020で動画講演を公開し、日本で導入した場合の試算を公開した。
ボロコプター社はeVTOL型エアクシー、ボロシティ(VoloCity)を開発し、収益化することを前提に事業展開を進めている。ネストマン氏は、導入に適切なエリアについて、エリア内の「人口」「(人口」密度」「(人の)動き」の3点を重視していると説明。日本では東京、大阪圏に注目していると話した。
このうち、神戸空港と大阪沿岸部との間の移動にボロシティを導入した場合、現在利用可能な交通手段による平均的な移動時間より59%の短縮が可能と試算。東京では羽田・新宿間の移動で41%、田園調布・新宿間の移動で53%の短縮が可能との試算を示した。
ネストマン氏はボロシティについて、「欧州航空安全庁(EASA)の厳しい基準に基づいて開発された初の商用ライセンスを取得した機体。エアバスやボーイングなどの航空機と同程度の安全性を持ち、気にならないほど静かで、垂直離着陸をし、バッテリー交換に時間を無駄に費やすことがないほどに簡単で、都市部のための機体としての要素を兼ね備えている」とアピールした。 同社は都市部での商用飛行ビジネスを目指して2011年に設立された航空スタートアップ。垂直離着陸ができるため広大な敷地が必要となる滑走路が不要で、着陸パtッド「ボロポート(Voloports)の利用を想定している。
1 翼長8メートルの固定翼機で来場者の視線を集めている株式会社テラ・ラボ(愛知県春日井市)の松浦孝英代表取締役は、パネルディスカッション「長距離無人航空機による社会実装に向けた取り組み」にパネリストとして登壇し、展示している固定翼機は、垂直離着機を開発するための途中段階であることを明らかにした。さらにジェットエンジンの搭載計画も明らかにしており、それにより現在の設計で飛行高度が現在の想定である6000メートルから2万メートルになるという。
松浦氏はこの中で、11月に地上支援システムを福島県南相馬市で着工することも明らかにした。
テラ・ラボについては30日に登壇した前復興層・田中和則ドローン議連(無人航空機普利用促進議員連盟)会長代理が福島ロボットテストフィールドの産業集積に関連し、隣接する工業団地での建設計画を引き合いに出すなど活躍の注目度の高さを示した。
Japan Drone 2020の主催者であるJUIDAの鈴木真二理事長は、この日のウェルカムスピーしかしコロナ禍にあってもドローンは大きな影響を与えてきた。メッセージの垂れ幕を掲げて街を飛んだり、上空から市民にアナウンスをしたり、消毒液をまいたりと活躍をしてみせた。これからも使い方の可能性に満ちている。このJapan Droneでイノベーションのヒントを得てもらえれば」とあいさつした。