• 2021.6.15

    【Japan Drone 2021】開幕初日、午前から関係者が続々来場 注目のソニーは説明会場増設

    account_circle村山 繁

     ドローンの大規模展示会Japan Drone 2021は6月14日、千葉・幕張メッセで開幕し、初日の午前中からドローン事業者、利用者、愛好家、関心層が多くつめかけた。6月10日に発売が発表されたソニーのドローン「エアピークS1(Airpeak S1)」の展示ブースは絶えず人垣ができた。同社執行役員、川西泉氏の基調講演では入場希望者があふれ、別会場を増設した。通信大手3社もそれぞれの技術をアピールした。株式会社テララボは巨大機や中継車で来場者の度肝を抜いた。ブルーイノベーション株式会社は連携技術BEPを前面に押し出し課題解決への意気込みを表現。元自衛官タレントのかざりさんもELIOS2のデモフライトを披露した。Japan Drone 2021は新型コロナウイルス感染対策を凝らしながら、6月16日まで開催される。

    通信大手3社が勢ぞろい テララボの巨大機、ブルーのBEPや球体機も

    Japan Drone 2021は、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が主催、展示会運営の株式会社コングレが共催。テララボ、KDDI株式会社がゴールドスポンサー、ブルーイノベーション、ソフトバンク株式会社、株式会社NTTドコモがシルバースポンサーとして開催に尽力した。

    会場内では午前10時の開場前から各ブースではブースの最終準備が行われ、ブルーイノベーションのブース前では、Japan Drone名物の円陣が組まれ、意気込みを共有した。

    午前10時にはJUIDAの鈴木理事長がJapan Drone 2021の開会を宣言した。鈴木理事長は続くウェルカムスピーチにも登壇し、開催の趣旨や、講演の概要を説明したうえで、「あらたな知識、アイディア、ネットワークを見つける機会に」と呼びかけた。

    開催前から最大の注目株と言われていたソニーは、開幕直前の6月10日に同社のドローンブランド、Airpeakシリーズの第1弾、「Airpeak S1」を発表したことから関心を集め、初日午前から来場者を多く集めた。展示ブースには実機が展示され、来場者が取り囲んで機体の具合を確認したり、別売りとなっているジンバル、カメラ、レンズやアクセサリーなどの詳細を尋ねたりと、注目度の高さを示した。

    午前10時45分からは、ソニーグループ執行役員の川西泉氏が「ソニーの新たなドローンプロジェクト概要~創造の頂きへ」が開かれ、クリエイターの思いにこたえる機体に、ソニーの技術でこたえる意気込みや、開発の背景、機体の仕様について説明した。今後の展望として、法整備の進む「レベル4」の実装を見据え、物流関連事業にも意欲を見せた。

     

    https://youtu.be/U8KA55Vu07c

     

     大手通信3社が顔をそろえたことも今回のJapan Drone 2021の特徴だ。NTTドコモのブースでは、ドローン運用プラットフォーム「docomo sky」の技術や、提携している機体を展示。株式会社NTT e-Drone Technology(埼玉県)の取り扱う農業用「AC101」や、AI搭載ドローンとして知られる米Skydio社の「Skydio 2」「Skydio X2」を展示している。KDDIもドローン運用の豊富な実績を展示。KDDIスマートドローンやドローンソリューションサービス、対応ドローン機などを展示した。ソフトバンクはだれでもかんたんに活用できる運用支援サービス「SoraSolution」を中心に、双葉電子工業株式会社との共同開発機を展示している。

     ヤマハ発動機も農業用の無人ヘリ、散布ドローンなどを展示。テララボは会場入り口に大きなスペースを確保し、高高度飛行を想定した翼長8m機、回転翼機などを展示し、スケールの大きさに来場者の足を止めていた。

     このほか空、海それぞれのドローン運用サービスを展開しているジュンテクノサービス、日本に水中ドローン市場を構築したといわれる株式会社スペースワン(福島県)は大型水槽を用意し、水中ドローンの機動性を動態展示した。

     ブルーイノベーションは、デバイス連携ハブ技術、ブルーアースプラットフォーム(BEP)を前面に押し出し、運用サービスの高い拡張性、柔軟性をアピール。スイスFlyability社製の屋内点検用球体ドローン「ELIOS2」のデモフライトに対応するよう、ブースにフライトコースを設けるなど、来場者の視認性を高めたつくりが高い評価を得た。また元自衛官タレントのかざりさんがELIOS2のデモフライトを体験。「飛ばすまでは簡単。仕事をするにはもっとうまくなる必要があると実感しました。うまくなりたいと思いました」と語っていた。

     

    ソニーのブースに来場者が続々と
    ソニー執行役員、川西泉氏の講演
    テララボはスケールの大きさで圧倒
    日本化薬のドローン用パラシュート
    VRを体験できるDream ONのブース
    いつも元気なドローン大学校はピンクのおそろいのシャツで運営。卒業生の立ち寄り場所に
    ブルーイノベーションが恒例の朝の円陣
    本自衛官タレントのかざりさんが操縦体験
    かざりさんが操縦の感想を述べる
    球体ドローンELIOS2とBEP

    AUTHER

    村山 繁
    DroneTribune代表兼編集長。2016年8月に産経新聞社が運営するDroneTimesの副編集長を務め、取材、執筆、編集のほか、イベントの企画、講演、司会、オーガナイザーなどを手掛ける。産経新聞がDroneTimesを休止した2019年4月末の翌日である2019年5月1日(「令和」の初日)にドローン専門の新たな情報配信サイトDroneTribuneを創刊し代表兼編集長に就任した。現在、媒体運営、取材、執筆、編集を手掛けながら、企画提案、活字コミュニケーションコンサルティングなども請け負う。慶應義塾大学SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアム研究所員、あおもりドローン利活用推進会議顧問など兼務。元産経新聞社副編集長。青森県弘前市生まれ、埼玉県育ち。
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