重工大手の株式会社IHI(東京都)は6月26日に開幕するJapanDrone2023に初出展し、配送用のドローンをイメージした試験機を展示する。試験機は2m×3mで、ガスタービン、モーター、プロペラを搭載したものになるという。
IHIは新しいプロジェクトとして“空飛ぶ軽トラ”の開発に取り組んでおり、技術の提案として試験機やパネル展示をする。IHIはジェットエンジン開発で培った技術で発電所向けのガスタービンを生産しており、ガスタービンは同社のコア技術のひとつだ。
IHIはグループの株式会社IHIエアロスペースがハイブリッドドローンi-Gryphonを発表し、ドローン関連の展示会に出ることがあったが、今回は本社が出展し意気込みを見せることになる。
重工大手の株式会社IHI(東京都江東区)は、4月1日に発電プラント設備点検サービスを開始すると発表した。設備点検サービスには、株式会社Liberaware (リベラウェア、千葉市)が開発した小型ドローン「IBIS」などを活用する。IHIが公表し、LiberawareもIHIが発表したことをHPで報告した。点検に伴うプラントの運転停止期間の短縮と補修箇所の早期発見を実現する。
IHIの点検サービスは、LiberawareのIBISをはじめとする小型ドローンを使う。発電プラント設備内の狭く入り組んだ箇所を無人で点検する。ドローンに搭載したカメラで内部を撮影し、設備の外に待機している設計者や設備の専門家が撮影した映像を確認できる。
IHIはこのサービスが、①複数個所の効率的な点検で検査期間を短縮化できる②プラントが緊急停止した時に損傷部位を短時間で発見し早期の再稼働ができる③点検の無人化で作業の安全性を向上できるーなどの効果をもたらすと説明。その結果、維持費の圧縮が実現できる。
IHIはこれまで約2年間、複数の発電プラント設備内部で粉塵が舞い視界不良な環境下でドローン飛行試験を実施し、点検手段としての有効性の検証を進めてきた。その結果、ボイラ、ダクト、脱塵設備、脱硫設備などの設備で損傷部位を的確に発見することが可能で、復旧工事期間の短縮にもつながり、目視点検の代替手段として適用可能と判断。サービスの提供を始めることにした。
IHIは各種発電プラントの建設や、維持管理で豊富な実績、経験、知見を持つ。設備の保守サービス、IoTによる運転支援など、設備ライフサイクル事業を通じ、環境への負荷の低減とエネルギーの安定供給の両立に取り組んでいる。「今後もお客さま価値の最大化のための、新技術を駆使したライフサイクル全体の包括的なサービス提供、発電所の安定運転・高稼働率での運転に寄与することで,カーボンニュートラル社会の実現に向けて貢献していきます」と話している。