株式会社ACSLは7月1日、今年4月30日に退任した鷲谷聡之前代表取締役CEOが不適切な取引を行っていたとして、全容解明のため外部の弁護士と社外取締役の4人で構成する特別調査委員会を設置したと発表した。ACSLは業績に与える影響は精査中で、過年度業績への影響はないと見込んでいる。特別調査委員会7月中旬をめどに最終報告書をまとめる見込みだ。
ACSLによると前CEOによる「個人的な経済状況に関する懸念」が3月に浮上し、4月に社内調査に着手した。調査で「(前CEOが)代表取締役の立場を個人的に悪用して、2025 年3月から、一部業者との間で実態のない不適切な取引を行っていた事実が判明」したという。ACSLは全容解明、厳正な対処、再発防止策構築を目的に7月1日の取締役会で特別調査委員会設置を決議した。
ACSLは「特別調査委員会による調査に全面的に協力し、早急に調査を進めてまいります。また、特別調査委員会による調査の結果、明らかとなった事実関係等につきましても、受領次第速やかに開示いたします」とコメントしている。
ACSLの発表はこちら。
株式会社ACSL(東京都江戸川区)は11月11日、株主、取引先、従業員、顧客などのすべての関係先に向けた報告書「Integrated Report 2022」を公開した。先行投資が必要な研究開発型の製造業として、目標と現在地を端的な言葉、図表などを活用して示していて、目標達成に向け年間成長率50%以上などを掲げている。ACSLがすべてのステークホルダー向けの報告書を発行するのは今回が初めて。
「Integrated Report 2022」を発表したのは、「包括的・定性的な強みやステークホルダーに知っていただきたい情報の発信を抜本的に強化すべきと考え」たため。「A World 30 Years from Now~世界を“平ら”にするために」「Cutting-edge Technology~制御技術のテックカンパニー」「Clients and Us~強力な顧客バックボーン」「A Global Culture and Workstyle~グローバルな企業文化と働き方」「Financial Results and ESG」の5つの局面から同社の考え方や強みをまとめた。
ACSLは今年(2022年)1月28日に公表した中期経営計画「ACSL Accelerate 2022」で、2025年度について売上高100億円、純利益10億円の達成を掲げている。2022年度の売上高は修正後で16億5000万円を予想しており、2025年度の目標達成には「年間50%以上の成長率が必要」と盛り込んだ。
具体策の一つとして売上高に占める機体販売比率を取り上げ、「2025年度には6割に高めたい」と見据える。2022年度9月末(第三四半期)時点では、約11億6千万円の売上高のうち、「プラットフォーム機体販売」、「用途特化型機体販売」で約7億7千万円と6割超えを達成しており、2025年度までの売上高の拡大と期待販売比率の推移が目標達成のカギになる。
Integrated Report 2022では、企業としての社風にも言及している。社会的に対応が要請されている多様性に関連し、Diversity & Inclusivrも「重要アジェンダ」と説明し、2021年度の女性従業員比率が29%、女性管理職比率が17%であることや、外国籍従業員比率が24%であることを数字で紹介している。該当する社員の声もインタビューで掲載している。Integrated Report 2022では、「国籍や性別、家庭の状況を問わず誰もが活躍し成長できるフェアな環境づくりを目指します」と表明している。
このほか企業価値向上のための取り組みをCxOのインタビューで伝えている。
Integrated Report 2022は、ここからダウンロードできる。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/6232/ir_material2/194949/00.pdf