東京都の公設試験研究機関である地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター(東京)とドローンやロボット制御シシテム開発を手掛けるブルーイノベーション株式会社(東京)は、屋内を巡回撮影した写真をバーチャル空間上で再現してVRで点検できる「360°実写 VR マップ自動生成・更新システム」を共同開発した。AGVが自動走行して必要な画像を取得する。複数のAGVを手分けして巡回させて取得した画像を結合することもできる。デバイス統合プラットフォーム「Blue Earth Platform(BEP)」を活用したソリューションで、3月9~12日に東京の大型展示場「東京ビックサイト」で開催された「2022国際ロボット展」で展示され、来場者が足を止めていた。
「360°実写 VR マップ自動生成・更新システム」では、AGVが360°カメラを搭載して、設備の中を撮影する。広い設備を手短に点検するために複数のAGVを手分けして撮影させることもできる。撮影した画像をVRで再現し、作業員が肉眼で確認できるほか、設備に備え付けられているアナログメーターを読み取りデジタル化することもできる。異常値を検出した場合に警告を発することも可能だ。
ブルーイノベーションのデバイス統合プラットフォーム「Blue Earth Platform(BEP)」を活用したソリューションで、施設のVR 化、点検したい個々の設備、機器の画像の表示を可能にした。高容量データを高速通信できるよう5G通信にも対応している。
これによりVRデータ取得のためスタッフが巡回して撮影する手間から解放される。またAGVが走行するたびにVR画像が最新の取得画像に更新される。針が数字を指し示すようなアナログ情報のデジタル化も可能だ。
東京ビックサイトで開催された「2022国際ロボット展」の都産技研ブースでは、自動搬送ロボット開発の株式会社Doog(ドーグ、茨城県つくば市)が開発した搬送車「サウザーミニ」をベースにした車両が360°などを搭載し、任意の軌道を自動で進む様子や、パソコンの画面で一元管理できる様子が紹介され、来場者が見入っていた。