ドローンの大規模展示会「Japan Drone」を主催する一般社団法人日本 UAS 産業振興協議会(JUIDA)と株式会社コングレ(東京)は4月8日、千葉市の大型展示場、幕張メッセで開催する「Japan Drone 2021~Expo for Commercial UAS Market」について、概要と出展の説明会を開いた。オンラインなどで海外からのキーマンを招いた講演を充実させるうえ、前回好評だった大型ドローンゾーンを今回も設置する。動きが活発化している自治体の取り組みを紹介するフォーラムを設けるなど、国内の状況を吸い上げ、3日間で会場の直接来場を1万2000人、オンライン参加3000人の、合計1万5000人の参加を見込む。感染対策に力を入れての開催で、5月に来場登録を始める。
説明会は都内の会場で開催され、直接、オンラインを通じた間接をあわせ約120人が参加した。今回のテーマは「ドローンを社会実装するスマート社会実現へ」と制定。JUIDAの鈴木真二理事長は「ドローンの利用は広がり、それぞれで専門化が進んでいます。JapanDroneは分野を超えた展示会を目指しており、ビジネスマッチングが進むことを期待しております」とあいさつした。株式会社コングレの武内紀子社長は「すでに83社の申し込みを頂いており、最終的に150社ほどを見込んでいます。新商品、新技術の発表の場として活用してほしい」と出展申し込みを期待した。
展示について、コングレの大椛洋一氏は、「現時点ではドローン事業のほか、AI、IT、ドローンの周辺事業、材料メーカー、部品メーカーなどからの引き合いが旺盛」と述べた。
また講演、シンポジウムなどのカンファレンスは、有料、無料を含めて21本を用意。スマート点検、物流、デジタルツイン、国際標準化、空飛ぶクルマ、災害対策、森林整備、オープンソース化など馴染みのテーマを深堀するセッションや、水中ドローンの講演を開催。米AUTERION社VPのロメオ・ダーシャー(Romeo Dursher)氏、フィンランドVTTのPetri Mononen氏を招くほか、米国事業のセッションも予定し、現在登壇者を調整している。海外からの登壇はオンラインでの開催となる公算だ。
このほかワークショップ27枠、デモフライト18枠を設定し、申し込みを受け付けている。
JapanDroneの開催は今回が6回目。5回目の前回は、新型ウイルス感染対策のために例年は3月開催を9月に延期、会期も3日間から2日間に短縮、懇親会を取りやめ、カンファレンスについてはオンラインでの聴講も可能にするなど、“コロナシフト”を鮮明にした。
今回も、感染対策に注力し、コロナ対策を手厚く実施する。入場は事前登録が必要で、入場者数が収容人数の5割に達した場合には入場を制限する。オンラインを併用し、講演などはインターネットを通じて参加が可能だ。前回とりやめたネットワーキングを目的とした懇親会は開催の方向で調整。専門化、広域化が進むドローン関連産業の交流拡大の機会の提供を模索している。
参加登録は5月に開始する予定だ。
日本経済団体連合会(経団連)、日本商工会議所(日商)、経済同友会の経済3団体は2021年1月5日に東京都内で共同開催を予定していた新年祝賀会と記者会見を中止することを決めた。3団体の幹事である経団連が12月28日に発表した。新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえた。経済団体の動向に影響を与えるとみられる。ドローンの業界団体、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)も、新春パーティーの開催を取りやめる。
経団連、日商、経済同友会の経済3団体共催の新年祝賀会は経済界の新年祝賀行事として定着しており、首相、関係大臣ら政財界の要人も集う大規模集会だ。大手メディアも取材にかけつけ、首相のあいさつや、経済3団体代表のあいさつ、参加経済人の発言などをこぞって取り上げることが慣例で、新年の経済の始動を印象付ける役割を演じてきた。
2021年の祝賀会について、3団体は新型コロナウイルスの蔓延に伴うリスクを考慮して縮小開催で調整していた。た経済団体側の参加を3団体の幹部に限定し、飲食をとりやめたうえで、療養中の中西宏明経団連会長(日立製作所会長)にかわり、経団連副会長の経験も持つ日本商工会議所の三村明夫会頭(日本製鉄名誉会長)が、3団体代表としてあいさつをする段取りなどを想定していた。また3団体による共同記者会見にも、日商の三村会頭、経済同友会の櫻田謙悟代表幹事(SOMPOホールディングスグループCEO取締役代表執行役社長)とともに、経団連審議員会議長の古賀信行氏(野村ホールディングス特別顧問)が登壇する方向で調整していた。
しかし、感染力の強い新型コロナウイルスの変位種に日本人感染者が確認され、政府がすべての国・地域からの新規入国を一時停止するなど感染対策を強化したことなどから、集会そのものの開催を断念した。新年祝賀会の開催中止は、記録をさかのぼれる1970年以降では例がない。
またドローンの業界団体であるJUIDAもすでに、毎年1月中下旬に開催している新春パーティーの開催取りやめを決定している。新春パーティーには経済産業省、国土交通省、総務省など関係する中央省庁幹部、自民党無人航空機普及・利用促進議員連盟(通称ドローン議連)幹部のほか、事業者、研究者らが参加し挨拶を交わしている。JUIDA理事長の鈴木真二氏が新年のスローガンを披露するなどの恒例行事も行われているが、開催を見送る。鈴木理事長による新年のスローガンについては、別の機会を模索している。
なお、ドローンの大規模展示会「JapanDrone」をJUIDAとともに主催している株式会社コングレは、武内紀子代表取締役社長が経団連で古賀審議員会議長のもとに21人いる副議長の1人に名を連ねている。JapanDroneは従来、毎年春先に開催されてきたが2020年は当初の3月から9月に延期して開催した。2021年は開催の準備期間確保などのため、6月開催を発表している。