ロボット開発支援施設「SAITAMAロボティクスセンター(仮称)」の整備を進める埼玉県が10月14日に「第2回ロボティクスセミナー~ドローンの研究開発と活用の潮流~」をさいたま市の起業支援拠点、「新都心ビジネス交流プラザ」(さいたま市中央区)で開く。福島ロボットテストフィールドの所長で一般社団法人日本UAS産業振興協議会の理事長を務める鈴木真二氏、埼玉県内でドローン物流の実現に向けた動きを加速させている秩父市、楽天グループ株式会社(東京)、埼玉県内に本社を構える株式会社NTTe-Drone Technology、プラットフォーム関連技術を手がけるブルーイノベーション株式会社(東京)などが登壇する。
セミナーは埼玉県が2026年度の開所を目指す「SAITAMAロボティクスセンター」の周知活動の一環。センター開設に向けた関連産業の機運の醸成も目指す。今回のセミナーではドローンに焦点をあて、12月に迫る都市部での補助者無し目視外飛行を意味する「レベル4」の解禁を前に、鈴木氏が「レベル4実現に向けたドローンの新制度と今後の展望」について講演するほか、秩父市産業観光部の笠井知洋氏と楽天グループドローン事業課の谷真斗氏が、は、両者が秩父市で進めているドローン物流の取組を「中山間地域におけるドローン物流による社会的課題解決」の演題で披露する。
また、ブルーイノベーションは熊田貴之代表が「これからの社会インフラを支えるドローン・ロボットのプラットフォーム」、NTT e-Drone Technologyも山﨑顕代表が「埼玉発で進めるドローンの社会実装」の演題で登壇する。このほか、SAITAMAロボティクスセンターの説明や、参加者同士の交流会が予定されている。
申し込み案内とフォームはこちら
<開催概要>
名称:第2回ロボティクスセミナー
主催:埼玉県
日時:2022年10月14日(金)13:30~16:30
内容:説明、講演、交流会
会場:新都心ビジネス交流プラザ4階会議室(さいたま市中央区上落合2-3-2)
またはオンデマンド配信(10月21日~11月4日)
参加費:無料
株式会社自律制御システム研究所(ACSL、東京都江戸川区)と、ブルーイノベーション株式会社(東京都文京区)は、ACSL製産業用ドローン「Mini」と、ブルーイノベーションが開発したソフトウェアプラットフォーム「Blue Earth Platform(BEP)」を活用した屋内作業のDXソリューション2種を共同開発し、1月にリリースを開始したと発表した。2種類はそれぞれ5G通信、エッジAIを融合させた「プラント自動点検」と、RFIDリーダーを搭載した「倉庫内自動在庫管理」で、京セラ株式会社、トッパン・フォームズ株式会社が協力している。
「プラント自動点検ソリューション」は、プラント内の点検作業を自動化させるソリューションで、AIや京セラ製の5G通信デバイス(5Gコネクティングデバイス)を搭載したMiniが設備内を巡回して点検する。必要なデータはデジタル化され、ドローン側でリアルタイムにAIで解析される。結果はその場で把握できる。取得したデータはBEPで高速に、セキュリティが守られた状態で共有、蓄積される。解析結果に応じてBEPからドローンやそれ以外のデバイスに新たなミッションを自動で遂行させる。これにより、人手を介する点検に比べ、迅速化、効率的、低コスト化を実現できる。
「倉庫内在庫管理ソリューション」は、倉庫内棚卸作業を自動化、デジタル化、効率化するソリューションです。トッパン・フォームズのトッパン・フォームズ株式会社が倉庫内を巡回し、在庫のタグ情報を読み取り、棚卸作業のデジタル化、効率化をする。BEPの活用でいくつかのドローンと同時に棚卸作業をすることや、AGVやロボットなどと連携させて情報集流とは別の作業を指示するなどの統合管理が可能となる。倉庫が稼働していない夜間に自動で在庫棚卸をすませ、翌朝に担当者が結果を確認するなどの使い方も可能になる。
ACSLのMiniはほぼ1年前の2020年1月23日、従来の主力機「PF-2」に比べ大きさで4割、重量でバッテリー含めると半分に小型化した産業機として登場した。最大で48分の継続飛行が可能なうえ、通信、センシングなどに関わる主要技術、モジュールを日本開発、日本製でそろえた国産機で、ブルーイノベーションとソリューションの開発を進めてきた。
ACSLの鷲谷聡之代表取締役社長兼COO、ブルーイノベーションの熊田貴之代表取締役社長はそれぞれ談話を発表している。
【ACSL・鷲谷聡之代表取締役社長兼COOの談話】 2021年はACSLにとって飛躍の年になります。ドローンのセキュリティに対する関心が高まり、国産ドローンが注目されています。その中でACSLは、セキュアで安心な国産ドローンの開発や量産化体制の構築を進め、順調に進捗しています。そうした取り組みを出口に向けて集約させ、一気に飛躍する年にしたいと考えています。その始まりとして、今回2つのソリューションをブルーイノベーションとリリースしました。新型コロナウイルスの感染拡大で、ドローンによる業務の省人化、省力化のニーズは確実に高まっています。この2つのソリューションのポイントは、屋内等の非GPS環境でもドローンが自律飛行し、画像撮影や在庫管理が自動でできるということです。これらのソリューションを社会実装していくことで、屋内作業を効率化したい、低コスト化したいという皆様の悩みを解決できるものと確信しています。
【ブルーイノベーション・熊田貴之代表取締役社長の談話】 ブルーイノベーションは、ドローン・ロボット×AI×自動化によるソリューションをBEPでつなぎ、来るべき自律分散型社会のインフラを支えるべく、プラットフォームのリーディングカンパニーとして邁進しています。今回、複数のドローン・ロボットを協調・連携させて複雑な業務を遂行させる「BEP」と、ACSLの国産ドローンが融合したことで、物流やプラントでの課題を解決するソリューションの社会実装がいよいよ開始します。今後、非GPS環境下でのソリューションに強みを持つ両社がさらに協業していくことで、自動点検や棚卸に留まらないドローンによる屋内作業向けDXソリューションの開発、そして社会実装は確実に広がるものと期待しています。
・Blue Earth Platform(BEP)の紹介ページはこちら
。