ドローンの大規模展示会Japan Drone 2026が6月3日、千葉・幕張メッセで開幕する。海外依存リスクなどから経済安全保障への関心とともに日本国内の技術への注目度が再び高まる中、日本の開発力、技術、製品、サービスなどの量と質を再確認する好機となる。日本生まれのフライトコントローラを初出展するAutonomy Dynamics、鳥獣害対応のドローンを開発したNTT e-Drone Technologyなど多くの出展者が「日本製」「国産」を打ち出し来場者の評価を仰ぐことになる。一方、ドローン市場は国境にとらわれず拡大しており、今回も数多く出展する海外勢の技術からも目が離せない。
日本のメーカーとしては、イームズロボティクス株式会社、株式会社amuse oneself、株式会社石川エナジーリサーチ、株式会社NTT e-Drone Technology、エアロセンス株式会社、双葉電子工業株式会社、株式会社ロボデックスなどが出展する。
このうちAmuse Oneselfは日本国内で開発、生産した産業用ドローン「GLOW.Rev2.0シリーズ」を展示する。シリーズのひとつ「L」(=GLOW.L Rev.2.0)は5kgのペイロードに対応し、搭載する計測機器、撮影機材の選定の自由度を高めた機体だ。また「H」(= GLOW.H Rev.2.0)は、レンジエクステンダー方式を採用のハイブリッドドローンで最大3時間の長時間飛行に対応するため、広域測量や長時間ミッションをこなす。
またNTT e-Drone Technologyは、問い合わせが相次いでいる鳥獣害対策ドローン「BB102」を展示し、6月4日にはデモンストレーションも実施する。同社は自社開発機のほか、米Performance Drone Works社が安全保障分野での活用を念頭に開発したC100、米Ascent AeroSystems社が開発した円筒形ボディの上下に2枚のプロペラ取り付けられた同軸反転方式の「Spirit」、仏Parrot社が防衛任務向けに開発したウクライナ(UKR)の名をかぶせた「ANAFI UKR GOV」なども展示する。双葉電子工業はFMC―01などの機体や産業用送信機の展示が見込まれる。
出展者に名前はないが、エアロネクストの初公開となる機体も公開前から話題だ。可動式補助翼を回転翼機に融合させて効率を高め、航続距離拡大を図る新技術「ActiveWing」を搭載した物流用ドローンでイームズロボティクス株式会社と共同開発した。試作機を作った株式会社トピアのブースで展示するほか、イームズロボティクスも2分の1のサイズのモデルを展示する。
DJI社の正規代理店、株式会社セキドや、株式会社WINGGATE、株式会社エクセディ、株式会社WorldLink & Company、日鉄物産株式会社も、話題性の高い海外のメーカーの機体を中心に展示する。
このうち日鉄物産はカナダのスカイゲージ社(Skygauge Robotics社)の非破壊検査用ドローンの機体と、新規開発中の最新機体を展示することを公表している。
スカイゲージの機体は、壁や天井にセンサーを押し付ける点検用の機体で、4本のアームに上下ペアに重なるようにとりつけられた8つのモータユニットが、サーボモーターで独立してチルトする機構が特徴だ。壁の厚さなどを調べる際には機体にとりつけられたセンサーを壁に1.5㎏の力でぐいっと押し当てて壁の肉厚を安定して測定する。日鉄物産はスカイゲージの開発中の新機体の公開も予定していて、来場者の関心をかきたてそうだ。
非破壊検査用途としては、ブルーイノベーション株式会社が取り扱い、今回のJapanDroneでも出展が見込まれるスイス、Flyability社の屋内点検用球体ガード付きドローン、ELIOS3も対応している。今回のJapanDroneではスカイゲージの機体との比較もできそうだ。なおブルーイノベーションは例年、開催期間中に新たな取り組みを公表している。今回も新規の取り組みの公開が期待される。
またWINGGATEは、ラトビアのドローンメーカーATLAS社の製品を展示する。3本のアームが特徴的なトライコプター機Atlas PROのほか、可視光カメラと赤外線カメラを一体化させたモジュール式カメラAtlas ORTUS、給電システムのAtlas TETHERが展示される予定だ。給電システムAtlas TETHERは展示会としては今回が初披露となる。
エクセディは自社開発の消防用放水ドローンと定点監視有線ドローン HOVER EYE(ホバーアイ)を展示、子会社のWorldLink & Companyも多様な産業用ドローンを展示する。
機体に搭載されるパーツやモジュールについても、国産勢への関心が高まっている。
ドローンの頭脳と言われるフライトコントローラでは、日本国内で開発しているAutonomy Dynamicsと東京大学発のスタートアップ、株式会社Tobasなどが出展する。Autonomy Dynamicsは高品質、高耐久を目指した開発で知られ、国内外の関係者か高い関心を寄せている。同社の舘良太代表取締役社長が登壇する開催2日目の6月4日午後の講演会、「世界最高レベルのオリジナル産業用フライトコントローラ」は関心層に注目されそうだ。また株式会社Tobasもさまざまなドローンに対応する独自開発のフライトコントローラが関係者の間で話題になっている。
モータでは、AAM、ドローンなどに多く採用されている株式会社ニデック、コイルやモータの開発技術に強みを持つ株式会社アスターなどがブースを出展する。また樹脂、金属などの加工が得意な株式会社アーク(ARRK、大阪市)はドローン用のブレードの射出成形で定評があり、これまでの展示会でも日本国内のドローンメーカーの機体とともにブレードを提案しており、今回も出展する。各社ともJapanDrone来場者に日本の技術を提案する。
今回のJapan Droneには米国、欧州、中国、台湾など多くの海外勢の出展も予定されていて、出展内容の確認や日本技術との比較の好機となっている。
航空宇宙・防衛・ドローン関連の最先端技術を扱う輸入商社米エアフレーム(AIR FRAME)も今回出展事業者のひとつで、選び抜いた先端技術を紹介する。同社は米Firestorm Labs社の3Dプリンターで作るアトリタブル(損耗許容型)UAS や、米Skyfront社のハイブリッド式マルチコプター「Perimeter 8 UAS」、uAvionix社の衝突回避用小型3Dレーダーなどを取り扱っていることから今回も現地で会場で確認できる可能性がある。ディフェンステック系スタートアップのFirestorm Labsや航空管制・通信機器のニッチトップのuAvionixなど急速に知名度を高めている企業のプロダクトが展示される可能性が高く来場者のチェックリストに入りそうだ。
またアキュバー(Accuver)株式会社は、韓国の移動体通信技術企業、LIG Accuverの日本法人で、LIG Accuverが独自開発したXCALシリーズ、XCAPシリーズなどの無線ネットワーク最適化ツールや、非GNSS環境下でも自立飛行を可能にするマルチセンサーフュージョンSLAM技術を備えた構造物点検DXソリューション、SIVIONが各国で活用されている。日本でも国土交通省の「点検支援技術性能カタログ」に掲載(技術番号:BR010085-V0025)されていて、JapanDroneでも点検ソリューションとして提案することになりそうだ。
このほか、JapanDrone2026のトップスポンサーであるGMOインターネットグループ、かつてドローンの機体メーカーでもあったソニー、半導体商社でシリコンテクノロジー株式会社なども出展する。AeroVXR合同会社、株式会社SClabAir、株式会社Suzakはコンサルティングでドローンの導入や運用を支援する。
Japan Drone 2026は千葉・幕張メッセで6月3日に開幕する。期間は6月5日まで。
※なお6月3日の開場時刻は台風6号の接近に伴い、当初の午前10時から午後1時に変更され、これに伴いいくつかの催事が取りやめになるなどの変更が関係者にアナウンスされている。6月2日午前8時現在、公式サイトには告知がないが、今後の公表に注意を払っておきたい。(続報)公式サイトは6月2日午前9時に内容を更新し、予定変更を案内した。その後、セミナー内容の変更など随時更新している。




遠隔操縦などで運航者を悩ませる映像の遅延やカクつきなどを減らす技術を、NTTなどが開発したと発表した。無線アクセス網のローカル5Gと有線コアネットワークのフレッツVPNを接続して60㎞の遠隔操縦し、無線区間で生じるゆらぎを整える新技術の効果を検証した。実験は60㎞離れた環境で遠隔操縦し、揺らぎの発生時間を半分以下に抑え映像品質を安定化させたという。点検業務でのドローンの遠隔操縦導入にはずみをつける可能性がある。
新技術を開発したのはNTT株式会社、株式会社エヌ・ティ・ティ エムイー(NTT-ME)、株式会社NTT e-Drone Technology。遠隔操縦時にドローンから操縦者に送られる映像が無線区間で不揃いになる事態を、有線区間で先回りしてガタつきを整え、操縦者の手もとの映像のゆらぎを抑制する。ローカル5GとフレッツVPNを接続させることで機能する。
技術の効果を検証する実験では、郡山市(福島県)の操縦者が、直線距離で約60㎞離れた南相馬市(福島県)にある福島ロボットテストフィールドに待機させたドローンを遠隔操縦した。拠点間はフレッツVPNを接続させ、無線区間にはローカル5Gを使った。遠隔操縦はドローンから送られる映像で見ながら行うことにした。
検証の結果、ドローンは遠隔操縦で飛行し、映像の揺らぎの発生時間はこの技術を用いる前には12%だったものが、5%に減った。
遠隔操縦は、インフラや設備の点検、警備などで現地に作業員を配置せずにすむことが利点だが、映像のゆらぎによる操縦精度の低下を不安視する声がある。今回の実験で、ゆらぎを抑制する技術の導入に道を開いたことになり、NTTなどは「危険な場所における点検業務を現地派遣なく精密に実施可能となります」とコメントしている。
同社が発表したプレスリリースはこちら。
また全文は以下の通り。
~リアルタイムな遠隔点検を実現し、安全性向上と省人化に貢献~
2026年5月14日
NTT株式会社
株式会社エヌ・ティ・ティ エムイー
株式会社NTT e-Drone Technology
■発表のポイント:
・ドローンが撮影する映像を操縦者に伝送する際、無線区間で発生する遅延揺らぎを低減し、映像品質を安定化する技術を開発しました。
・ローカル5GとフレッツVPNで接続して、約60km離れた遠隔地からドローン操縦環境を構築し、本技術の有効性を実証しました。
・安定した映像伝送により、ドローン遠隔操縦を精密に行え、点検業務を現地派遣なく実施可能であることを確認しました。
NTT株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:島田 明、以下「NTT」)、株式会社エヌ・ティ・ティ エムイー(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:池田 敬、以下「NTT-ME」)、株式会社NTT e-Drone Technology(代表取締役社長:滝澤 正宏、以下「NTTイードローン」)は、無線区間で発生する遅延揺らぎを低減する技術を開発し、約60km離れた拠点間における遠隔ドローン操縦環境を構築して実証しました。本実証実験では、ローカル5G※1とフレッツVPN※2を介して、操縦者へ安定して映像伝送が行え、遠隔からドローン操縦が可能であることを確認しました。これにより、危険な場所における点検業務を現地派遣なく精密に実施可能となります。
なお、本技術については2026年5月27日(水)、28日(木)に開催される「つくばフォーラム2026※3」に展示予定です。
1.背景
日本においては労働力不足が深刻化しており、インフラや設備の点検業務においても人手確保が課題となっています。そのため、ドローンを用いた遠隔点検に対する期待が高まっており、現地派遣なく点検作業を実施する手段として注目されています。
点検箇所が固定的かつ比較的広いエリアであれば、自動飛行による点検が適しています。一方で建設現場や工場内点検といった、点検箇所が日によって変わる場合や比較的狭い空間においては、ドローンを精密かつ安全に、リアルタイムに遠隔操縦することが求められます。このためには、通信が途切れないだけでなく、映像乱れの無い安定的な映像伝送が必要不可欠です。
パケットの遅延に揺らぎが発生すると映像乱れが生じ、操縦精度の低下につながるという課題がありました。無線区間では上り通信と下り通信が同じ周波数帯域を共有していること、および無線品質が低下した際に再送制御が発生することに起因し、揺らぎが発生します。こうした課題に対応するため、操縦者が遠隔から安心してドローン操縦できることをめざし、無線区間で発生する遅延揺らぎを低減して映像品質を安定化する技術の実証に取り組みました。
2.研究の成果
本実証では、ドローン操縦者がネットワークを通じて伝送されたカメラ映像を見ながら、ドローンを遠隔操縦する環境を構築しました。システム構成として、福島県南相馬市のロボットテストフィールドにドローンを配置し、福島県郡山市から操縦を行いました。直線距離で約60km離れた2拠点をフレッツVPNで接続し、無線区間にはローカル5Gを用いています。この環境で、ドローンを遠隔操縦できることを確認しました。
また本システムに、無線区間で発生する遅延揺らぎを補正する機能を実装しました。高負荷な映像伝送を行うと、伝送時間全体に対し12%の時間で映像乱れが検出されましたが、本技術を適用することで、映像が乱れる時間を5%に低減できました。また映像乱れが大きいと、操縦者が操縦を中断して目的地まで到達するのに多くの時間を要するため、移動時間も評価しました。目視操作(南相馬でのドローン操作)で平均35秒要する移動を、郡山からの遠隔操作で実施したところ操縦を中断することなく平均32秒と、同程度の時間で移動完了できたため、操縦に影響のない映像品質を実現できていることが確認できました。

3.技術のポイント
無線区間では、再送制御等で遅延揺らぎが生じ、映像フレームが揺らぐことで映像乱れにつながります。本技術では、無線基地局から収集したトラヒック情報をもとに映像レートをコントローラで分析し、映像レートに合わせてフレーム間隔を光ネットワーク装置で補正することで、無線区間で発生した遅延揺らぎを低減することが可能です(図2)。無線基地局単体では、無線区間の遅延揺らぎに対処することは困難ですが、無線区間と光区間を含めた光無線連携制御により遅延揺らぎを低減し、映像品質の安定化を実現しています。
本技術は、以下3ステップから構成されます。
① 収集:無線基地局から随時収集することで、映像レート変化に追従
② 分析:トラヒック情報から正確な映像レートを算出
③ 制御:映像レートに合わせたシェーピング制御により、フレーム間隔を補正

映像フレーム間隔の分布が理想的な値に近いほど、映像品質が安定しているといえます。本技術適用前は、無線区間で遅延揺らぎがあるため、映像フレーム間隔のバラツキが大きく映像が乱れます(図3)。本技術を適用することで、遅延揺らぎを低減して映像フレーム間隔を理想的な値に近づけられるため、映像の乱れも解消されます。

4.各社の役割
・NTT: 映像品質安定化技術の実装と、遠隔操縦における本技術の有用性検証
・NTT-ME: 実証におけるローカル5Gの設計・構築・運用
・NTTイードローン: 実証におけるドローンおよび操縦環境の提供と、目視外操縦性の確認
5.今後の展開
本技術により、遠隔操縦者へ映像品質を安定して届けることができます。ドローンに限らず、無人航空機・ロボットの操縦等への幅広い適用をめざして、この技術の実用化を推進していきます。
また本技術は、点検以外の遠隔業務でも活用できます。様々な分野での遠隔オペレーション業務を推進し、人手不足の解消に向けて取り組んでまいります。
【用語解説】
※1.ローカル5Gについて URL:https://business.ntt-east.co.jp/solution/local5g/
※2.フレッツVPN URL:https://business.ntt-east.co.jp/service/vpnprio/
※3.つくばフォーラム2026 URL:https://www.rd.ntt/as/tforum/
(以下会社概要など省略)
下水道管路の劣化を見つけ、必要な補修を施すまでの作業を途切れなくつなぐための共同研究が埼玉県で進む。埼玉県と関係事業者の官民8社が3月10日、協定書に調印した。埼玉県朝霞市に本社を構える株式会社NTT e-Drone Technologyも名を連ねた。8者は今後、埼玉県内の主に大規模管を対象に、2028年3月末までの2年間で、点検、解析、補修、情報管理を一体化させて統合する管理システムの設計に挑む。下水道管渠をめぐっては2025年1月に八潮i市(埼玉県)で発生した道路陥没の原因と推定されたことから、従来の水質改善に加え、管理の維持・管理が研究対象として比重が高まっていて、全国展開も見据える。
協定書に調印したのは、埼玉県、公益財団法人埼玉県下水道公社と、NTT東日本株式会社埼玉事業部、株式会社NTT e-Drone Technology、NTTインフラネット株式会社、国際航業株式会社、株式会社染めQ(そめきゅう)テクノロジィ、日特建設株式会社の8者。NTT東日本埼玉事業部を統括役に、民間6社が分断された情報と工程の全体をつなぐ「工程一体化DXモデル」を設計し、運用し、定着させる。
下水道管路の点検は、点検、解析、補修などの個別の専門作業に分かれて行われていることが一般的だ。それぞれの専門事業者が独自の仕様で個別最適を図っていて、別の専門事業者との連携に課題が残ることが長らく指摘されてきた。八潮の陥没事故で原因究明委員会が今年2月に提出した最終報告では「施設管理における情報共有・体制のあり方の改善」「施設管理における情報共有・体制のあり方の改善」「新技術の開発」などが提言されており、それを受けた形で今回、埼玉県が「埼玉県下水道管路マネジメントシステムの共同研究」の公募につながった。
なお、最終報告に盛り込まれた「新技術の開発」に「期待される技術開発」のひとつとして、「飛行式ドローンの性能が向上しており、活用の標準化を検討すること」と盛り込まれており、イードローンはその役割を果たすことになるとみられる。
協定書の調印式で埼玉県の大野元裕知事は、「下水道管路において、特に地中の深いところにある大規模管路において、流れが速い、水が止められない、硫化水素等のため長時間の活動ができない、などの制約に伴うさまざまな課題が明らかとなりました。課題解決にはAI、センサー技術、ドローンなど新たな技術の確立が必要ですが、現時点ではわが国にはしっかりとした管路点検、管路周辺の空間測定方法、抜本的な補修技術は存在せず、埼玉県のみならず日本全体で何が起こっても不思議ではない状況です。そういった中、埼玉県として新たな技術の確立に向けて限りなく努力を払う決意をしたといころです。事故が起きた県としての責任として、ここをフィールドに一刻も早く、可能な限り安全なシステムを作っていく必要があると思っています」と危機感と使命感をにじませながらあいさつした。
NTT東日本執行役員で埼玉事業部長の小池哲哉氏は、現状の下水道管路の維持管理について、「点検調査、解析、補修、情報管理など工程ごとの専門性を持つ実施主体が別々の仕組みで動いている現状があり、プロセスが分断されている」と分析し、「ここを見直さない限りDX、予防保全策などを講じても部分最適におわる」と指摘。「人手に頼る維持管理から工程と情報を一気通貫でつなぐ仕組みへと転換するタイミング」と考察したうえで「工程一体化DXモデル」の構築を提唱した。
小池氏は2年間の研究期間の成果を、実装、県全域への浸透、全国化と段階的に拡大することで、日本全体の下水道管理マネジメントの効率化を意識した取り組みであると説明した。
また調印式にイードローンの滝澤正宏代表取締役社長は会場に持ち寄った屋内点検向けの球体ドローンELIOS 3を持ち、「小指で持ち上げられるほど軽く、ガードに覆われていて周囲を傷つけるリスクがない。今回のプロジェクトでは人が立ち入ると危険になる場所でもドローンを使うことで安心を提供できることをめざしていきたいと思っています」などとあいさつした。ELIOS 3はGPSの届かない屋内でも飛行しながら3Dマップをリアルタイム表示する。イードローンが開発した「eドローンAI」を活用することでひびの自動検出が可能になる。
下水道管には家庭の汚水を流す内径1センチのものから内径が10メートルを超えるものまでさまざまなある。総延長でもっとも主流なのは内径2センチの管だ。この場合、下水管の点検にドローンは使えないが、埋設場所が浅く、更新や新たな管との置き替えが比較的容易だ。一方、いったんトラブルが発生すると深刻な事態を招くのが、流量が多く、水の流れを止めることが難しく、地中深くに埋設され、硫化水素の発生リスクなどからなどから点検が困難な大口径の下水管だ。八潮の道路陥没現場にあった下水管も内径4.75メートルの大規模管だった。今回の研究も古く大規模な管が主な研究対象だ。
埼玉県内の下水道管路の総延長は約467.7キロメートル(2023年答弁)で、埼玉県は研究事業の対象は、敷設から30年以上が経過した内径2メートル以上の大規模管約155キロメートルだという。
このほかナノ統合技術で補修や補強実績を持つ染めQ、吹き付け技術で定評のある日特建設、3D化、地理情報システム(GIS)技術で知られる国際航業が連携することで、埼玉モデルの構築に力を入れることになる。




NTT東日本グループは、多彩な取り組みを紹介する年次イベント「NTT東日本グループ地域ミライ共創フォーラム2026」をNTT中央研修センター(調布市<東京都>)で開催した。会場にはグループ各社のイノベーション人材が地域で課題解決や利便性向上に取り組むプロジェクトの展示ブースが設置され、担当者が来場者に直接、説明した。展示内容はドローンパイロット育成、e-Sports教育、ベニザケなどの陸上養殖、夏秋イチゴ、ボリュメトリックビデオシステムの新たな価値創出など多岐にわたり、各ブースでは来場者が実演に見入ったり、説明に聞き入ったりする姿がみられた。
設定されたテーマは「地域の未来を切り拓くソーシャルイノベーション人材」で、NTT東日本グループの多様な取り組みとともに、それを率いる人材やNTT東日本グループとしての人材育成にもスポットライトをあてた。
「ドローンパイロット育成×ICT活用を通じたDX人材の育成」のブースにはドローンの実機が置かれ、パイロット育成方針などがパネルで展示されていた。担当者は同社グループで500人規模のドローンパイロット育成する方針を持っていることや、競技会の開催などを通じた育成スキームなども紹介していた。NTT東日本グループは、グループにドローンの開発製造、運用受託、スクール事業などを担う株式会社NTT e-Drone Technology(朝霞市<埼玉県>)がある(4社による設立)などドローンの活用に積極的だ。
「NTT e-Sports高等学院・フリースクール開校」のブースでは、eスポーツに関心のある高校生に教育の場を提供するNTT e-Sports高等学院が、eスポーツのスキルアップのため、1人1台のゲーミングPCを備えるほか、教室が照明の切り替えで競技場になるなどの打ち込める環境をアピール。同時にゲーム制作や動画編集などのデジタルスキル、インターンシップ、業界研究などのキャリア教育ものカリキュラムを融合して提供する取り組みをパネル展示した。不登校問題の解決、協調性、戦略的思考を育み社会との接点を意識した教育方針も伝えている。2025年12月には中等部を設置。2026年6月には全国オンラインコースも開設する方針だ。このプロジェクトには元eスポーツプロ選手も関わっている。
「スマートシティ長井2.0の実現に向けたデジタルツイン活用」では、長井市(山形県)に非常勤職員として派遣されたNTT東日本ビジネス開発本部営業戦略推進部の小倉圭氏が、RFIDでバスの乗降データを取得しバス停や時刻表ダイヤを改善するなど行政のDX化で課題解決と利便性に取り組んでいる事例が紹介された。有害鳥獣対策にもデジタル機器を活用している。
「陸上養殖で切り拓く未来の水産業」では、NTTアグリテクノロジーの越智鉄美さんが、都農(つの)町(宮崎県)で取り組む陸上養殖事業を紹介した。海や河川ではなく陸上の閉鎖循環システムでICT技術の活用で塩分濃度や水温などの条件を魚種ごとに調整し最適な環境を提供する取り組みを進めている。養殖しているのはベニザケや高級魚とされるタマカイなどで、ベニザケは一般の2倍、タマカイは3倍の速さで成長すると報告した。ふるさと納税の返礼品にも「つのタマカイ(鍋用・ぶつ切り)2~3人前」などのラインナップがある。
ボリュメトリックビデオシステムの新たな活用シーン創出に向けた技術検証としてダンスパフォーマンスをリアリタイムで、自由な視点で鑑賞できる体験を公開した。NTT東日本は地域ミライ共創フォーラムの開催当日にキヤノン株式会社と「All-Photonics Connect powered by IOWNを活用したボリュメトリックビデオシステムの新たな活用シーンの創出に向けた協業」を発表していて、この日はキヤノンの川崎市(神奈川県)にあるスタジオとフォーラム会場とを遠隔接続した。ダンサーは川崎のスタジオでパフォーマンスをし、フォーラム会場で自由な視点で鑑賞することで価値創出の可能性を確認した。
このほか、本田技研工業製の一人乗りの次世代モビリティ「UNI―ONE」にARグラスを装着して乗車することで、グラスのナビゲーションで周囲を移動できる体験をデモンストレーションし、西松建設株式会社(東京)とは同社の栃木県にある重機を、約200㎞離れたフォーラム会場にある操作用コクピットから遠隔操縦して、ディスプレーに栃木県の重機が砂利を救う様子がうつるデモンストレーションが披露された。IOWNのオール・フォトニクス・ネットワーク(APN)とローカル5Gを活用して遅延は約100㍉/秒だという。秋田県湯上町で夏秋に収穫できるイチゴを生産する取り組みをすすめ、産地形成とブランド化に取り組む様子もインパクトがあった。
このあと、澁谷直樹代表取締役社長による基調講演
やパネルディスカッションが行われ人の果たす役割などについての議論を深めた。










株式会社NTT e-Drone Technology(朝霞市<埼玉県>)は、鋼材の劣化具合を画像から推定する新サービス「腐食深さ推定」の提供を12月10日に始めた。同社が提供している損傷解析AIサービス「eドローンAI」に追加された。
新サービス「腐食深さ推定」はNTT e-Droneがドローンによるインフラ点検に役立つ技術として提供している損傷解析AIサービス「eドローンAI」のひとつだ。すでに提供している錆検出機能のオプションサービスとして開発した。
ドローンやスマートフォンに搭載したカメラで撮影した鋼材の画像があれば、腐食の深さをAIが自動で推定する。従来は肉眼で予測していた鋼材の劣化具合や健全度を定量的に評価することが可能になる。
発表によると、新サービス「腐食深さ推定」はNTT株式会社(NTTアクセスサービスシステム研究所)のR&D成果を活用し、インフラ構造物で実施した試験で誤差は平均0.29mmだった。
発表は以下の通りだ。
社会インフラ構造物は私たちの生活や経済活動を支える重要な設備ですが、その老朽化は深刻な社会問題となっています。老朽化を加速させる要因の一つに、鋼材の腐食があります。腐食が進行すると鋼材の断面が欠損し、耐久性や耐荷性能が低下し、最終的には破損や崩壊のリスクを高めます。そのため、設備管理者にとって腐食箇所の鋼材厚を正確に把握することは極めて重要です。
しかし、現行の点検方法では腐食による鋼材厚の把握は困難です。現在は検査員が目視で外観の腐食を確認するのみで、腐食深さ(断面欠損量)までは分かりません。超音波による厚さ測定も可能ですが、探触子を直接当てる必要があり、設備全体で実施するには膨大な作業コストがかかります。さらに、大型構造物では足場設置など追加コストも発生します。
その課題解決のために、NTT イードローンは、NTT株式会社(NTTアクセスサービスシステム研究所)のR&D成果※1を用いて鋼構造物の検査の効率化を支援する「腐食深さ推定」サービスの提供を開始します。
※1:社会インフラの点検DXに向け画像認識AIで鋼材の腐食深さ推定を可能とする技術の実証実験を開始
https://www.nttedt.co.jp/post/kumagaya-20241003
本サービスは損傷解析AIサービス「eドローンAI」の錆検出機能のオプションサービスで、錆検出機能と本サービスを同時にご利用いただく事で、錆領域の検出と腐食深さを同時に解析できます。また、ひび検出機能のオプションサービスとして、コンクリートの「剥離」「鉄筋露出」「漏水」「遊離石灰」を検出する機能も、あわせて提供開始いたします。なお費用につきましては、お客様のご利用方法やご要望に応じて、お見積もりをさせていただきます。
サービスホームページ
https://www.nttedt.co.jp/edrone-ai
特長① 国内初の画像から腐食深さを推定する機能
・腐食の表面を撮影した画像から腐食深さを推定する技術を社会実装したのは国内初で、他にはない機能
特長② 高精度な腐食深さ推定
・実際のインフラ構造物に発生する腐食の深さを測定したデータを収集し学習させているため、高い精度での推定を実現(実測データとの平均誤差は0.29mm)
2025年12月10日(水)


千葉・幕張メッセで開催中の農業技術関連展示会「農業WEEK」で、株式会社NTT e-Drone Technology(NTTイードローン、朝霞市<埼玉県>)が発表した鳥獣害対策専用ドローン「BB102」の展示に来場者が集まっている。ブースでは担当者からこれまでの実験の様子や今後の展開などに聞くこともでき、来場者から「発表されていない現場での実験の様子なども聞くことができ、期待が高まった」などの声が聞かれた。農業WEEKでは株式会社石川エナジーリサーチ(太田市<群馬県>)や中国・上海のポジショニング技術のCHC Navigation(CHCNAV)などそのほかのドローン関連技術や自動操舵技術も展示されている。開催は10月3日まで。
NTTイードローンの鳥獣害対策専用ドローン「BB102」は農業WEEKの「NTTグループ」ブースで出展されている。取り回しのよさなどで農業関係者から評価の高い散布ドローン「AC102」を見にきた来場者が、その隣に展示してある「BB102」を見つけ、足をとめて説明に聞き入り、ひとだかりができていた。
展示ブースではBB102が黒い布に赤色と緑色をランダムに照射する様子が実演されていて、担当者から緑の色が鳥獣の痛点を刺激することや、赤い色がエサのようにみえることなどが説明された。
イードローンが9月30日に発表したプレスリリースには、効果が確認された鳥獣として、カラス、ハト、イノシシ、シカ、カワウ、サギ、ハクビシンなどが示されていたが、ほかにも効果的な鳥獣があるなどの話を聞くこともできる。担当者に聞くと、全国で被害が広がっているクマも、このレーザー照射にいやがる様子を見せたと話していて、今後の検証次第ではさらなる効果が期待できそうだ。その場合、クマの出没現場にどのようにドローンを飛ばすか、など具体的な対応法も論点になる可能性がある。
このほか、ある湖で実験したらはっきりと鳥獣がいやがる様子を見せたことなどの実験現場の話も聞くことができる。
農業WEEKではイードローンのほかにも、石川エナジーリサーチの農業用ドローン、CHCNAVのリモートセンシング技術、自動操舵技術などが展示されている。
農業WEEKはRX Japan株式会社が主催し、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構、日本農業法人協会農業が後援する、「国際スマート農業EXPO」「次世代農業経営EXPO」など5つの農業関連展示会をまとめたイベントの総称で東京会場(幕張メッセでの開催)は今回が15回目。主催者は「J-AGRI(ジェイアグリ)」の呼び方の定着を目指している。九州でも同じ趣旨の展示会を開催していて、第4回九州農業WEEKが2026年5月27日から29日まで益城町<熊本県>の展示会場、グランメッセ熊本で開催される予定だ。
参考:イードローンが鳥獣害対策機BB102発表









