株式会社自律制御システム研究所(ACSL、東京)は5月11日、同社の主力機PF2をインフラ点検向けに定期、定額で貸し出すサブスクリプションサービスの導入を発表した。同日にサービスを開始した。貸し出すのはPF2を点検向けにカスタマイズした機体で、精密に点検する要望に応える1億画素カメラ搭載機のほか、風力発電点検などを想定した6100万画素カメラ搭載機、煙突点検用カスタマイズ機。購入する場合に比べ初期費用、メンテナンスの負担が軽減される。料金はプランごとに異なり最低料金は1か月あたり30万円台だ。
ACSLがサブスクで貸し出すのはPF2の標準機を、点検用に調整した機体。1億画素カメラ搭載機は、精密な点検画像を必要な場合に対応できるが、高額で導入の壁が高いため、定額サービスの対象にした。6100万画素カメラ搭載機は、風力発電機点検を想定。点検のタイミングなど必要な時期が限られているため、購入するよりも期間限定で使いたいという要望に応える。従来方法の撮影点検に比べると、1基あたりの撮影時間が1~3時間から約7分に短縮できるという。煙突内部の点検用カスタマイズドローンは、煙突内部を撮影点検する要望に応える機体。必要な時期に使えるほうがよいとの要望に応じる。
また、バッテリー交換サービスやサポートなどオプションサービスがあり、必要に応じて地下することができる。貸し出し期間は3カ月、6か月、12カ月から選べる。
料金は、機種、オプション、契約期間などによって異なり、最も安いケースで1カ月30万円からPF2を使える。一番安い金額設定として月額30万円台から導入できる。
サブスクリプションサービスは、ブルーイノベーションが球体ガードで覆われたスイスFlyability社製の点検機ELIOS2で導入している。購入に比べ導入時の負担が低いサブスクリプションサービスの拡大は、大掛かりな点検が必要な設備を抱える事業所での導入が加速する可能性がある。
(写真)ACSL-PF2 煙突点検カスタマイズ:非GPS環境である煙突内部で自動飛行が可能、 暗所対応の高輝度LED搭載
ドローン、ロボット事業のブルーイノベーション株式会社(東京)は、石油化学、製鉄、電力などの工場や発電所などのプラント設備点検に特化したドローン点検サービスを、契約期間内なら定額で利用できるサブスクリプション型のサービスを3月中旬に導入すると発表した。2月24日から受付開始している。サービスは「工場・プラント施設点検向けドローンのサブスクリプション型サービス」で、点検用の球体ガードに覆われたドローン「ELIOS2」本体と、運用サポート、保守メンテナンスなどがセットになっていて、1カ月、3カ月、1年、3年のプランがある。
このサービスは、ELIOS2を使ったドローン点検の導入を期間内に定額で受けられるサブスクリプション型であることが最大の特徴。ELIOS2とアンテナ延長モジュール、予備バッテリー、スペアパーツがついており、運用サポート相談を受けられ、飛行10時間ごとのメンテナンス、飛行20時間ごとのオーバーホール、保険、修理時の代替機など、ドローンの導入から運用サポートまでがセットで提供される。
また実施できる点検は、総務省・厚生労働省・経済産業省がまとめた、 「石化プラント点検のドローン活用に関するガイドライン」に準拠している。
利用料金は契約形態ごとに異なるが、3年プランの場合の月額は原則35万円。ほかに講習、3Dモデル化などのサービスのオプションがあり追加料金で利用できる。企業などがドローン点検を導入するさいには、このサービスを使えば、ドローンを資産計上せずに経費処理できるなど財務上のメリットもある。
工場やプラント設備点検では、作業員にかわる点検手法を模索するケースが増えており、ドローンはその有力な選択肢となっている。一方で、ドローン導入には知識、操縦技能、費用などの不安もあり、ドローン導入の障害になっているとの声がある。サブスクでの提供は、ドローン導入の選択肢の幅を広げ、導入のハードルを下げることが期待される。これにより、作業負担軽減や時間短縮、 コスト削減、 点検の多様化など多くの利点をユーザーが実感する機会となることが期待される。
ブルーイノベーションは「ドローンのサブスクリプション型サービスの導入を積極的に提案し、 ドローンの導入から運用サポートまでをワンストップでご提供することで、 工場やプラントなどの施設・設備点検作業のデジタル化と安全で柔軟な点検体制、低コストでの点検運用の実現をサポートしていきます」とコメントしている。
■「工場・プラント施設点検向けドローンのサブスクリプション型サービス」
<ドローン本体(ELIOS2)スターターパック>
・アンテナ延長モジュール
・予備バッテリー
・スペアパーツ付
<定額内サービス>
・オンライン運用サポート相談
・飛行10時間ごとのメンテナンス
・飛行20時間ごとのオーバーホール
・各種保険
・修理時の代替機提供
<初期導入1日講習 (有料)>
・プラントや製鉄所、 発電所や下水道など150以上の現場でドローン飛行の実績を持つブルーイノベーションのパイロットが担当。初導入時は別料金ながら受講必須。
<その他有料オプション>
・動画デジタルアーカイブシステム使用
・追加講習
・3Dモデル化
・デジタライゼーションなどDXサービス=近日提供開始
<利用料料金>
・3年プランの場合月額35万円(プランや取引形態により異なることがある)
・現在、1カ月、3カ月、1年、3年プランを準備。詳細は問いあわせを
※点検用球体ドローン「ELIOS2」の詳細はこちら
※「工場・プラント施設点検向けドローンのサブスクリプション型サービス」は総務省、厚生労働量、経済産業省がまとめた「石化プラント点検のドローン活用に関するガイドライン」に準拠。