一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は1月30日、東京・丸の内の総合宴会場、東京會館で「JUIDA新春パーティー2023」を開催した。会場での開催は2020年以来3年ぶりの会場開催で、会員、産業関係者、中央府省庁、国会議員らが賀詞を交換した。JUIDAの鈴木真二理事長は2023年のスローガンとして「レベル4実現元年」を掲げ、「レベル4実現させるべくJUIDAとしても貢献したい」と抱負を述べた。またレベル4で義務付けられる飛行日誌に関する情報管理サービスを準備しており、JUIDA会員に無料で提供すると発表した。
新春パーティーでは、鈴木理事長のほか、国会議員関係で無人航空機普及・利用促進議員連盟の田中和德元復興大臣、同議連顧問の山東昭子元参院議長、同議連副会長の櫻田義孝元東京オリンピック・パラリンピック担当相、同議連事務局長の山際大志郎前経済再生担当相、同議連幹事長の鶴保庸介元内閣府特命担当大臣が出席してあいさつをしたほか、同議連幹事の牧島かれん元デジタル相、同議連幹事の大野泰正国土交通大臣政務官がメッセージを寄せ会場で代読された。中央省庁関係では経済産業省製造産業局次世次世代空モビリティ政策室の宇田香織室長、国土交通省航空局の新垣慶太次長があいさつした。
鈴木理事長はあいさつの中でJUIDA会員が法人、個人あわせて24,845、操縦技能証明取得者が26,192人、安全運航管理者証明の取得者が22,828人となり「最近の伸びが大きい。ことがわかります」と説明した。
また鈴木理事長は昨年(2022年)12月5日の改正航空法施行に伴い整備された国家資格としての操縦ライセンスに関連し、「JUIDA認定スクールの中で、国家資格取得のための登録講習機関に登録を希望するスクールに対して、JUIDAも支援しています」と支援体制を構築している乗用を報告した。そのうえで「国家資格はクルマでいえば普通免許。業務に適用するには専門分野ごとの教育が必要になりその部分を充実させていきます」と、専門教育に力をいれる方針を述べた。
JUIDA会員向けのサービスとして、飛行日誌サービスを会員に対して無料で提供する準備をしていることも報告した。2023年のスローガンには「レベル4実現元年」を掲げ、「JUIDAとしても貢献したいと考えております」とレベル4実現を展望した。
会場では出席者が旧交を温め、情報交換をしたり談笑したりし、3年ぶりの開催を祝った。
日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は1月24日、明治記念館「蓬莱の間」で「新春パーティ」を開催し、JUIDA会員、ドローン産業の関係者、国会議員、中央府省関係者らが新年のあいさつを交わした。毎年その年のスローガンを発表しているJUIDAの鈴木真二理事長は2020年を「ドローンセキュリティー元年」と位置付けた。
鈴木理事長は、JUIDAは1月1日現在で、会員が現在11663人、JUIDA認定校は222校、操縦技能証明証授与は10716人、安全運航管理者証明証が9441人と拡大基調であると報告。「使う人が増えることが産業振興の基礎になります」と、今後も担い手の拡大に力を入れる方針を表明した。
毎年恒例のスローガンについて、「2020年は子年です。どんなスローガンがふわさしいと思いますか?」と会場にアイディアを募った。会場から「ネズミのように広がるように、という意味をこめて“ドローン拡散元年”」という声が上がると「私のよりもいいですね」と賛辞を送りつつ、「残念ながら私の考えとは違います」と判定。
鈴木理事長は「ネズミはチューとなきます。チューということで、連想できないでしょうか。チューです、チュー。注意のチューということなんですが」と、「チュー」を6回連呼してヒントとしたうえで、「それでは私の答えですが、“ドローンセキュリティー元年”です」と明かした。答えを示したあと、「登録制度が日本でも導入されます。空を飛ぶ機械ですから細心の注意を払う。そんな意味を“注意”の“チュー”にこめてスローガンを作りました」と解説を加えた。
鈴木理事長に続いて、無人航空機普及・利用促進議員連盟(会長:二階俊博自民党会幹事長・通称:ドローン議連)会長代理の田中和徳復興相(衆院、自民、神奈川<出身は山口県>)が登壇。「東日本大震災の復興はようやく緒に就いたところ。福島ロボットテストフィールドの在り方が大きな位置を占めていて、そのリードを鈴木理事長にお願いをしている。ここを世界の科学技術の粋を集めた場所にしたいし、意欲を持つベンチャーのベースにしたい。日本の新しい時代を切り開くカードはドローンでなければならないと思っています」とドローンへの期待を込めてあいさつした。
新春パーティにはドローン議連の国会議員やドローンに関係する中央府省の幹部らも参加。冨岡勉ドローン議連副会長(衆院、自民、長崎県)は、選出された地元、長崎県で離島間の物資輸送、生簀の漁業監視、橋梁の監視で活用されていることを紹介し「ドローンはますます発展します」と述べた。また、武部新ドローン議連事務局次長(衆院、自民、北海道)は、開会中の国会で、ドローンに関連する法案が2本あることを紹介し、「生活になくてはならない技術。さらに広げ、安全に使えるための法整備も進むと思う」と展望した。山際大志郎ドローン議連事務局長(衆院、自民、神奈川県)も「国会に身を置くものとしてみなさまの業界を支えたい」とあいさつした。
中央府省からは、経済産業省の玉井優子産業機械課長は「ドローンを取り囲む産業は、今後のふたつのキーであるデジタル技術とコネクテッドインダストリーズの両方を兼ね備えていてイノベーションの発信源」とドローンを産業政策の要と位置付けた。総務省の片桐広逸基幹衛星移動通信課長は、「電波の有効活用を通じて健全な産業振興に協力させて頂きたい」電波行政の立場からの支援を表明した。
内閣官房小型無人機等対策推進室長の長崎敏志内閣参事官は「国会審議も始まり、制度化に向けた議論も大きな節目を迎えた。関係者にはぜひ社会における有用性を理解頂くなか、精度かに一丸となって取り組んでいきたい」、国土交通省航空局安全企画課の英浩道課長も「レベル4に向けた議論が進み、ドローンが社会に受け入れられる中で、広がっていくことになる」と、それぞれドローンの社会への浸透に言及した。
JUIDA顧問の青木義男日本大学教授の発声で乾杯が交わされると、参加者同士があいさつをかわし、歓談を繰り広げた。また俳優の渕真弥子さんが特別ゲストとして来場し、小噺と踊りで華やかに盛り上げた。