ドローンや次世代移動体などの大型展示会、JapanDroneを主催する一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)、株式会社コングレは2月10日、2023年6月に開催する「Japan Drone 2023」と併催する「次世代エアモビリティEXPO 2023」の概要説明会を開いた。2023年6月26日(月)~28日(水)に千葉・幕張メッセで開催し、250組の出展、18,000人の来場登録を見込む。
JapanDroneの開催は8回目、次世代エアモビリティEXPOは昨年の初開催に続き2回目だ。
出展団体見込みについて、JapanDrone公式サイトには「出展者数 200社・団体(2展合計:予定)」と記されているが、説明会当日は「250社・団体」と公式サイトよりも多い数字をあげた。すでに始まっている出展申し込みで、出展枠の需要が旺盛なことから上積みしたとみられ、当日も「すでに90社が決定している」などと説明した。広告枠のうち、受付両サイドや、首から下げる札のロゴなどはすでに売り切れていることも説明され、盛況ぶりをうかがわせた。会場は幕張メッセの中央エントランスに面する展示ホール5,展示ホール6の2つのホールをつなげて使う。
大阪・関西万博との連携も強化する。2025年4月13日に開催される大阪・関西万博では、電気で動き、真上、真下に離着陸できるeVTOL型の乗り物を中心に、いわゆる「空飛ぶクルマ」の飛行を目指しており、JapanDroneを主催するJUIDAとコングレはその実現を支えるため、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)が主催する「TEAM EXPO 2025」プログラム「共創チャレンジ」に登録している。万博開催の準備を進める公益社団法人2025年日本国際博覧会協会もJapanDrone2023に出展することにしており、連携を深める。
展示では新型コロナの蔓延で滞っていた海外からの出展、登壇の申し込みや問い合わせが旺盛だ。米国、中国、台湾などを中心にすでに出展が決定しているところもあり、この中にはブラジルの航空機メーカー、エンブラエルの電動エアモビリティ子会社、EVE Air Mobilityも名を連ねる。またドイツ、韓国、クロアチア系の企業などが出展を検討しているという。「日本の法改正が海外からの参入機会を呼び込む機会になっている」と、いわゆるレベル4飛行の条件を定めた改正航空法の施行を歓迎した。
関連表彰式は、ハードウェア部門、サービスアプリケーション部門、ニュービジネス部、Advanced Air Mobility部門の4部門。2022年開催時にはAdvanced Air Mobility部門では、30kW/30kg・90,000rpmガスタービン発電機を出展した、エアロディベロップジャパン株式会社が受賞している。なお来場者が決めるオーディエンス賞も発表する。
ドローンの大型展示会「Japan Drone」を主催する一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)と株式会社コングレは1月28日、「Japan Drone 2022」「第1回次世代エアモビリティEXPO」の概要を発表した。千葉・海浜幕張の大型コンベンションセンター幕張メッセを会場に、6月21日から23日までの3日間に、250社・団体の出展と、18,000人の来場登録を見込む。開催にあたり万全な感染対策で臨む意向も表明した。
開催のテーマは「実現間近、ドローンのレベル4飛行と有人飛行」に設定した。
会場は幕張メッセのホール4とホール5。旺盛な出展需要にこたえるため2ホールに拡大した。講演会、パネルディスカッション、セミナーなどの登壇イベントの主会場もホール内に設ける。これにより来場者の移動が少なく済むようになる。登壇イベントは昨年同様にインターネットで中継する予定だ。
初開催となる「第1回次世代エアモビリティEXPO」は、空飛ぶクルマを主な対象に、機体メーカー、部品、素材、電源、通信、ポートなど関連産業、周辺産業、研究機関などの出展を見込む。この日の説明会ではコングレの担当者が「世界的、国際的なエアモビリティ産業のサプライチェーン創出のための本格的な専門展示会&コンファレンス」と説明した。Japan Droneの会場内に専用エリアを割り当てて開催する。
説明では「eVTOL」を「エアモビリティ」とともにエアモビEXPOの主対象に並べていたが、VLOLには言及がなかったり、垂直離陸機向けの離発着設備であるバーティポートを展示対象に含めた一方、滑走路関連事業や、垂直離陸型でない機体に触れられなかったりと、出展基準の輪郭にあいまいさが残るものの、従来、出展相談には柔軟に対応しており、今回も出展側の希望を尊重しつつ柔軟に対応するとみられる。
すでに出展の受け付けが進んでいて1月31日に第一次の申し込みを締め切る。その後、第二次の申し込みを3月末に締め切り、4月に出展者向け説明会を開く。
説明会ではJUIDAの鈴木真二理事長が「業種ごとの展示会でのドローンの出展が増える中、Japan Droneは産業横断的な展示会として、技術の発見の機会などを提供していると考えております。今後、異なる分野との連携の重要性が高まると考えられ、産業横断的なJapan Droneを連携の場としてご活用頂ければ幸いです」とあいさつした。
一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は1月25日、記者会見を開き、2022年の活動方針などを発表した。ドローンの展示会「第7回JapanDrone」の開催に合わせ、空飛ぶクルマなどを念頭に置いて新たに「第1回次世代エアモビリティEXPO」を併催することを正式に発表した。主催するJUIDAと株式会社コングレは、両展示会の概要説明会を1月28日にオンラインで開く。またJUIDAは日本に関心を寄せる海外事業者に、日本の事業者を紹介する「グローバルビジネスマッチング」事業を4月に始めることも公表した。現在、準備を進めている。このほか、2022年に解禁が予定されている「レベル4」実現への支援や、国際標準化への取り組みに尽力する考えを表明した。JUIDAの鈴木真二理事長は活動スローガンについて「ドローン社会実装元年」を掲げた。
JUIDAは毎年1月、ドローン産業に関わる関係者の賀詞交歓の場として「新春パーティ」を開催している。今年は新型コロナウイルスの蔓延を受けて「新春パーティ」の開催を見送り、かわりに記者会見を開催した。記者会見では、鈴木真二理事長が事業方針や現状について報告し、参加者からの質問に答えた。
現状については、定款の変更、会員数、国際連携などについて報告した。定款変更は昨年7月に行われ、空飛ぶクルマなどを念頭に「次世代移動体システム(AMS)」を活動対象に書き加えた。会員は2022年1月時点で個人、法人、公共団体をあわせて20238件と2万を突破した。国際連携は広がっていて、MOU(覚え書き)の締結先は22か国・地域の32団体に及ぶ。
また2022年度の方針としては、第1回次世代エアモビリティEXPO開催、レベル4実現支援、社会実装、国際標準化支援などを表明した。第1回次世代エアモビリティEXPOは、従来「JapanDrone」の特別企画として設けていた大型ドローンゾーンを拡大、独立させた展示会。28日に概要を説明する予定だ。レベル4実現支援では、国が導入する国家資格について、運用の仕組みや試験などで検討に協力する。
このほか国際標準化支援でも、活動を拡大する。JUIDAは標準化を検討する国際標準化機構(ISO)内でドローンについて検討する委員会「ISO/TC20/SC16」の中で積極的に関与した。特に操縦者、運行管理者の技能確保について話し合う「ワーキンググループ3」では日本を代表する立場で主導的な役割を果たし、国際標準「ISO23665」の発効に導いた。ISOでは現在も標準化の議論が進められており、今後も衝突回避の標準化を検討する「ISO/TC16/AG5」に審議団体として参画し国内の意見調整などに取り組む。
鈴木理事長は2022年のスローガンとして「ドローン社会実装元年」を掲げ「レベル4の制度が整い実装が進むことが展望できる。災害対応での利用についても、平時での実装が拡大することで効果的な対応が可能になることが期待される」と述べた。