東京・臨海部の大規模展示会場、東京ビッグサイトで10月26日から11月5日まで開催されたJapan Mobility Show2023は、AAM(次世代エアモビリティ、いわゆる空飛ぶクルマ)の、社会受容性を格段に引き上げた催事として記憶される可能性が高い。トヨタ、ホンダ、SUBARU、スズキなど大手自動車メーカーは空の移動を表舞台に載せ、今後の展望を来場者に印象付けた。米Joby Aviation、日本のSkyDriveはAAMの知名度や認知度を愛好家やマニアの水準から市民、生活者、消費者に拡大し、期待を引き上げた。期待先行の印象が強いAAM開発はまもなく、米アドバイザリ大手、ガートナー社が提唱する「ハイプサイクル」で指摘される「幻滅期」への準備も併行させる時期にさしかかる。
Japan Mobility Show2023は公開前日の10月25日に行われたメディア公開以降、メディアの報道、SNSでの拡散などで多くの市民の「行きたい展示会」に躍り出た。東京モーターショーの刷新で展示範囲を自動車関連から乗り物に拡大し、主役の自動車に加え、AAM関連のプロダクト、技術にも光が当たることになった。自動車産業そのものもAAM関連への関与や展望を打ち出し、来場者に近未来を強烈に印象付けた。
トヨタ自動車の佐藤恒治社長は10月25日午前8時半、同社が設置した巨大ブースにステージに立ち、国内外からつめかけた人垣ができるほど大勢の報道陣を前に、「トヨタのブースで伝えたいのは多様性あふれるモビリティの未来です」と、バッテリーEV、IMV 0(アイエムブイ ゼロ)、KAYOIBAKOの3つを中心にプレゼンテーションをした。AAMへの直接の言及はなかったが、佐藤社長の背後の大型スクリーンに映し出されたコンセプト映像に、同社の出資先、米Joby AviationのeVTOLエアクラフト「S-4」の映像が投影される場面があり、トヨタのエアモビリティ分野への関心を印象付けた。
JobyのS-4は、原寸大のモックアップが、トヨタのブースとは別の会場内のブースに展示され、来場者がスマホで撮影するなど存在感を放った。JobyはANAホールディングス株式会社とチームを組み、2025年4月に開幕する大阪・関西万博で、利用者を載せて飛行する4つの事業者グループのひとつに決定している。「S-4」はトヨタが駆動系の開発に参加しているほか、型式証明の交付を日本の航空局に申請がされていて、日本での飛行を待ちわびる視線を集めた。
日本発AAMの現時点での代表格のひとつ、株式会社SkyDrive(豊田市<愛知県>)も型式証明を申請している「SD-05」の5分の1サイズモデルを展示し、来場者の足を止めた。展示された場所はスズキ株式会社(浜松市<静岡県>)が展開しているブースの一角だ。SkyDriveは6月にスズキとの協力関係について基本合意書を交わしていて、スズキグループの工場を活用して2024年春ごろに機体の製造に着手したい意向だ。SkyDriveは代表の福澤知浩氏の出身企業であり、SkyDriveへのスポンサーでもあるトヨタと縁が深いが、Japan Mobility Showではスズキとの連携を印象付けたことで、自動車業界をあげたエアモビリティ支援体制構築の進展が期待される。
メディアの間で当初、最大の話題のひとつとなったのが、株式会社SUBARU(東京)のエアモビリティ発表だ。トヨタから1時間後の10月25日、午前9時30分にスバルのブースのステージに登壇した大崎篤社長CEOは「自動車業界は100年に一度の大変革期を迎えていると言われ数年がたちます。本日は次世代モビリティとしてふたつのコンセプトモデルを披露します」と宣言。軽快な音楽とともに最初のコンセプトモデル「SUBARU SPORT MOBILITY Concept」が紹介された後、音楽が切り替わると、背後のパネルが中央からふたつに開き、奥からリフトアップされた機体がせり出した。メディアがいっせいにフラッシュをたくなか、せり出した機体はステージでファッションショーのモデルのように右左に動いたり、正面を向いたりして、洗練されたデザインをアピールした。
大崎CEOはこの機体を「SUBARU AIR MOBILITY Concept」と紹介。「電動化、自動化技術が進歩し航空機の世界でも空の移動革命を実現する新たなエアモビリティへの期待が高まっている中、スバルが目指すより自由な移動の未来を示したコンセプトモデル。現在、自動車部門と航空宇宙カンパニーが協力し飛行実証を進めています」と紹介した。6つのローターを持つ電動機だが、スペックは今後詰めるという。
本田技研工業株式会社(ホンダ、東京)のブースは、見る角度によっては自動車より飛ぶ乗り物が目立つほどに空への展開をアピールした。小型ビジネスジェット「HondaJet Elite II」の搭乗体験モデルの隣に、8つの揚力用ローター、2つの推進用ローターを搭載する開発中のAAM、「Honda eVTOL」の縮小モデルを展示した。
Honda eVTOLは名称に電動を示す「e」が入るが、ガスタービンを搭載している。シリーズ式ハイブリッドと呼ばれる方式で、ガスタービンは電力の生産に使われ、その電力はバッテリーに溜めて機体を動かす。ガスタービンで得られた力を推進力には使われない。機体が電気で動くのでガスタービンを搭載していても「e」がつく。
ホンダはHonda eVTOLの安全性、快適性、静粛性を前提としていて、利用者が感じる価値はその先にあると考えている。重視しているのは時短価値だ。
開発プロジェクトリーダーを務める株式会社本田技術研究所(和光市<埼玉県>)先進技術研究所新モビリティ領域チーフエンジニアの東弘英氏は、DroneTribuneの取材に、「空港に行かなくてもより身近に空を体験して頂けることが新しい価値だと思っています。身近であるためには安全や静粛性は前提です。利用者が『いいね』と感じる価値はさまざまあると思いますが、われわれはその中でもまずは、時短価値が大事だと考えています。そのためにはショートレンジでは価値が出しにくい。たとえばクルマを使えば10分で行けるところにHonda eVTOLでは5分で行けたとしても時短価値は少ないと考えられます。ひょっとすると降りてから乗り換えるとさらに時間がかかる可能性すらある。ある程度のレンジがないと時短価値が出せない。ガスタービンの搭載もそのためです。ターゲットレンジは400㎞です」と話し、出発点から目的地までの移動時間の短縮に挑む。
Japan Mobility Showの「飛ぶもの」はAAMにとどまらない。株式会社エアロセンス(東京)やブルーイノベーション株式会社(東京)などドローンに力を入れている企業や、気球で宇宙旅行を企画しているか株式会社岩谷(いわや)技研(札幌市<北海道>)、自律航行技術で知られ、ストレッチャーロボットが海外メディアでも取り上げられた株式会社アトラックラボ(三芳町<埼玉県>)なども数多く登場している。ブルーイノベーションはトヨタが開発したドローンポートシステムをUCCホールディングス株式会社(神戸市<兵庫県>)などのスペースで実演。ドローンから届いたコーヒーをポートに降ろしたのち自動走行のAGVに乗せ換えて届け先まで走行する様子を再現している。
連日行列を作っていたのは、マイクロドローン関連事業を展開する株式会社ドローンエンタテインメントが株式会社トムスと連携して展開していた体験型ブース、「ドローンツアー」だ。球体型スクリーンの手前にシートが用意され、そこに座ると同社代表でドローンレーサー元日本代表の第一人者で横田淳氏が撮影した全国の名所の映像が流れる。映像にあわせてシートが振動したり傾いたりして、まるで映像の中を自分が飛ぶ感覚を味わえる。よりリアルな体験を楽しむ方法として、横田代表がその場で飛ばすFPVドローンのとらえた映像を浴びることもできる。球面スクリーンの隣に設置された特設フライトスペース内をドローンが飛ぶと、シートに座った来場者はそのドローンの操縦席にでもいるかのような臨場感が味わえる。
一般公開期間中は連日、午前の予約開始直後に埋まる盛況ぶり。会場にはキャンセル待ちのレーンも用意され、そこにも連日、来場者がつめかけていた。
一般公開日に3人組で参加した女性の一人は「報道で見て、知人から聞いて参加しました。期待していたよりも、ずっと楽しかったです。なにより、よく言われる臨場感ってこういうものか、と感じました」と感激した様子で話した。いっしょにいた女性も「有料でも乗ります。ほかで味わえないから。あの映像を味わえるようにドローンを操縦したくなりました」と話していた。
Japan Mobility Show2023はAAMへの期待を高め話題性を作ることに成功した。社会実装にむけて実用局面に移行する。米ガートナー社が提唱する期待の増減を示すハイプサイクルによると、新しいテクノロジーは話題性とともに登場すると、一気に期待値があがるが、その後、期待と現実との落差を目の当たりにすることで一時的に急降下することになる。その後、真価の適切な評価を経て社会システムに採用され、実装に至る。AAMも急上昇した期待の社会実装への道筋を構築する局面に入ることになる。
DJI JAPAN株式会社(東京)は8月29日、DJIが手のひらサイズのVlog用新型ドローン「DJI Neo」をベルリンで9月6日に開幕するコンシューマ・エレクトロニクスとホーム・アプライアンスの見本市「IFA 2024」(国際コンシューマ・エレクトロニクス展、~9月10日)でお披露目すると発表した。初日の前日、9月5日に正式発売を予定している。IFA 2024でDJIは、ドローン、画像処理システム、自転車、ポータブル電源を出展するという。
DJI Neo についてDJI JAPANは日本時間9月5日22時に発表することを公式サイトで伝えている。また、IFAでの展示についてはプレスリリースを公表している。
IFAに関する発表は以下の通り。
幅広い製品イノベーションで、DJIは可能性の限界に挑戦し続けます
2024年8月29日 – 民生用ドローンと創造性あふれるカメラ技術、Eバイクのドライブシステムで世界をリードしてきたDJIは、IFA 2024において、革新的な新製品を出展いたします。9月6日~10日にかけて開催されるIFAベルリンで、来場者はDJIの革新的なソリューションの数々に触れることができます。実践的なデモやインタラクティブなワークショップを通し、ドローン、画像処理システム、自転車、ポータブル電源の未来をご紹介します。
「欧州最大の家電見本市であるIFAで最新製品をご披露できることを、非常に喜ばしく思っております」と、DJI コーポレートストラテジー担当シニアディレクターChristina Zhangは語っています。「私たちの目標は、当社の最先端テクノロジーが、いかに創造性を刺激し、当社製品のご愛用者、また初めて目にする方の生活様式にどんな変化をもたらすことができるかをご紹介することです。今年は特に、手のひらサイズのVlog用新型ドローンと、画期的な電動マウンテンバイクのイノベーションをご紹介できることをうれしく思っております。これらの製品で、屋外アクティビティの新たな可能性が広がることでしょう。」
DJIブースにて、最新ドローンやクリエイティブカメラのイノベーションを体験
DJI Neo:9月5日正式発売となるDJIの革新的な手のひらサイズのVlog用新型ドローンをご体験ください。
コンシューマー向けドローン:Avata 2、Mini 4 Pro、Air 3、Mavic 3 Pro等、革新的で多様な飛行体験を実現する最新のコンシューマー向けドローンのラインナップをご覧ください。
ハンドヘルドソリューション:汎用性の高いOsmo Pocket 3やOsmo Action 4、プロレベルの録音を実現するDJI Mic 2、操作性に優れたOsmo Mobile 6を、実際に手に取って試すことができます。またブースには、Focus Pro、RS 4、RS 4 Proなど、今年発表となったDJI PRO製品シリーズも展示されます。
新規に電動自転車業界に参入:Amflow PL、DJI Avinox
最近発表されたAmflow PLは、業界初、超軽量モデル同等の大きさと重さを実現したフルパワーeMTBです。また、DJI Avinox Drive Systemを搭載した初の電動マウンテンバイクでもあります。DJIの最先端のモーターとバッテリーテクノロジーを統合し、これまでにない性能とスマートな機能をEバイクに提供します。
DJI Avinoxの特長:
コンパクトで軽量な2.52 kgのドライブユニットが、驚きの105 N·mトルクを発揮します。
複数のアシストモードを提供するスマートアシストアルゴリズムで、走行体験をお好みに合わせてカスタマイズできます。
GaN急速充電テクノロジーにより、0%から75%まで1.5時間で急速充電が可能です。
インタラクティブハブの2インチOLEDフルカラー コントロール ディスプレイを備え、Avinoxアプリでドライブユニットとモバイルデバイスを接続できます。
2024年発表のDJIポータブル電源を体感:Power 1000
IFA 2024にて、DJI Power 1000が欧州トレードショーでのデビューを果たします。コンシューマー向け、プロ向け、産業向け、または農業向け、すべての分野の製品開発において、DJIはバッテリーの研究と開発を、長い年月をかけて行ってきました。このポータブル電源は、大容量出力、超急速充電対応のデュアルUSB-Cポートを備え、充電中の騒音レベルが極めて抑えられています。DJI Powerシリーズは、屋外と自宅の両方でのデバイスの充電を可能にし、さまざまな用途で静音性と信頼性に優れた電源を提供します。
DJIの物流、産業、農業ソリューションで、業務をスマートに
さまざまな業界の運用効率と生産性向上のために設計された FlyCart 30、Matrice 350 RTK、Matrice 30T、Mavic 3 Enterpriseシリーズ、DJI Dock 2、Agras T50をご覧ください。
学び、制作し、共有する
DJIでは、創造性とスキル開発の促進のため、プロとコンシューマーを対象に、映像制作の専門家や才能豊かなコンテンツクリエイターらによる一連のワークショップを開催します。これらのワークショップには、IFAの来場者なら誰でも参加することができ、質の高いコンテンツを手軽に制作するヒントを得ることができます。
IFAの会場で、お待ちしています
IFAは、2024年9月6日~10日の期間中、メッセベルリンで開催されます。ホール17~110のDJIブースにお立ち寄りいただき、当社のイノベーションを体験し、ドローン、カメラ、自転車、ポータブル電源テクノロジーの未来をご覧ください。
DJIについて
2006年の創業以来、DJIは、民生用ドローン業界の草分け的存在として、イノベーションを推進しながら、ユーザーの初めてのドローン飛行をサポートし、人々が思い描いてきた夢を実現し、プロの映像制作に革新をもたらし続けてきました。今日、DJIは人類の進歩を促進し、より良い世界を形成することを目標に、日々邁進しています。DJIは、常に純粋な好奇心を抱きながら課題の解決に尽力し、サイクリング、再生可能エネルギー、農業、公共安全、測量、マッピング、インフラ点検といった分野に事業を拡大してきました。それら一つ一つの分野で、DJI製品は新たな価値を生み出し、世界中の人々の生活に前例のない根本的な変化をもたらしています。
Amflowについて
2023年に満を持して誕生したAmflowは、マウンテンバイクの走行に計り知れない情熱を抱く技術専門家たちの手で創り出されました。当社は、洗練された電動マウンテンバイクのボディに隠された、比類のないパワー、走行距離、パフォーマンスの組み合わせで、市場を驚かせるべく開発に勤しんでいます。Amflowの電動自転車業界への約束は、Amflowの電動マウンテンバイクを、あらゆる地形を可能性に富んだワンダーランドに変えたいと願うすべての電動バイクライダーが乗りたいと思うものにすることです。
詳細については、下記をご覧ください。
Webサイト:www.dji.com/jp
オンラインストア:www.store.dji.com/jp
Facebook:www.facebook.com/dji.jp
Instagram:www.instagram.com/dji_japan
X(旧Twitter):www.twitter.com/djijapan
LinkedIn: www.linkedin.com/company/dji
YouTube:www.youtube.com/DJIJapan
IFA公式ページ:https://www.messe-berlin.jp/IFA-jp/#about_ifa
IFA動画:https://youtu.be/13a52guxigA
ドローン開発のイームズロボティクス株式会社(南相馬市<福島県>)は、レベル4飛行定着に向けた新型機の開発や、VTOLやUGVを含む自律システムの技術開発をさらに推進させる成長戦略を公表した。「事業の成長と業務拡大を目指し、新たなステージへ進む」ため、、南相馬市の本社工場の生産ラインを拡充し、ふじみ野市(埼玉県)にあるR&Dセンターでの技術者を増員する。海外進出も視野に入れる。これに伴い幅広い分野で人材を募る。
イームズが成長戦略を発表したのは8月16日。これに伴う人材募集について、公式サイトでは「当社は、今後ドローンの「レベル4」実現に向けて新型機体の開発および事業展開を進めてまいります。今回はその立ち上げメンバーの募集です。世界中で注目を集めるドローンに携わる社会貢献性の高さだけでなく、成長企業の一員として成長実感も得られる。そんな環境があなたを待っています」とアピールしている。
またイームズの発表は以下の通り。
イームズロボティクス株式会社(以下、「当社」)は、このたび事業の成長と業務拡大を目指し、新たなステージへ進むための戦略的な取り組みを発表いたします。近年の事業拡大を背景に、当社はより多くのお客様に高品質なサービスを提供するため、各部門での人員増強を図るとともに、先端技術の開発と新規プロジェクトへの参入を積極的に進めてまいります。
■業務拡大の背景と目的
当社は、自律行動する安全なロボットやシステムの開発を基本理念としており、これまでに数々のプロジェクトを成功させてきました。現在の事業は、販売、ソリューションサービス、システム提供サービスの3つの柱で構成されており、自社開発力がその根幹を支えています。今回の業務拡大は、UAV(無人航空機)やUGV(無人走行車両)、などの自律システムの技術開発をさらに推進し、新しい市場への参入を目指すものです。
■新規技術開発とプロジェクト拡充
当社は今後、ドローンやVTOL(垂直離着陸機)やUGVの分野での技術開発に注力しています。これにより、物流、農業、災害対策など多岐にわたる分野での新たなソリューションを提供することを目指しています。特に、近年の航空法改正に伴う国内基盤整備の進展により、無人航空機の市場は大きな成長が見込まれており、当社はこの分野でのリーダーシップを強化してまいります。
■生産拠点の増強
福島県南相馬市にある本社工場の生産ラインを拡充し、より多くの製品を迅速に市場に投入できる体制を整えます。また、埼玉県ふじみ野市のR&Dセンターでは、先端技術の研究開発を推進するため、技術者の増員を行います。
■グローバル市場への展開
当社は、国内市場のみならず、海外市場への展開も視野に入れています。事業拡大を目指し、パートナー企業との連携を強化し、新しいビジネスチャンスを創出します。
■新規技術開発と人員募集
当社の取り組む分野、技術開発に関心があり、当社とともに新しい事業を進めていく意欲のある方を幅広く募集いたします。
当社は、これまでの実績を基に、さらに多くの分野で革新的なソリューションを提供し続けます。ドローン技術を活用して、物流、農業、インフラ点検、災害支援など、さまざまな社会課題の解決に貢献することを目指してまいります。
求人の詳細については以下イームズロボティクスサイトよりご確認ください
8月14日の東証グロース市場で株式会社ACSL(東京)株に買いが先行し、午前中の取引では一時、前日終値の741円より59円高い800円に載せる場面があった。前日13日の取引終了後にACSLが発表した1~6月期中間決算(決算期は12月)で、売上高が前年同期の290.6%増の20億5000万円と大幅に拡大し、2024年12月期決算も売上高が272.6%増の33億4000万円と見込んでいることが好感されたとみられる。
この日の株価は前日終値比15円高の756円で取引がはじまり、じわじわと買いが集まった。午前の取引時間中は749円を下回ることはなく、前日終値を超える水準で取引された。
ACSLが前日に発表した1~6月期決算では売上高が前年同期の5憶2483万円に対し20億5014万円と290.6%増加した。営業損益は10億2632万円の赤字、経常損益は9億6327万円の赤字、純損益は10億1035万円の赤字だった。
1~6月期の売上高20億5014万円をセグメントごとに見ると、「実証実験」「プラットフォーム機体販売」「用途特化型機体販売」「その他」4分野のうち、「その他」が17億3134億円と飛び抜けて高く全体の84%を占める。前年同期の売上高5憶2483万円の3倍を上回る額に相当する。「その他」はもともと、機体の保守手数料や消耗品販売などが想定されている。今回はそれとは別に、インドのパートナー企業Aerarc社と締結したMOU(覚え書き)に基づき、インド市場での「地上走行ロボットの販売」として1097万米ドル(17億51万円)を受注したため、その額が「その他」を押し上げた。
残るセグメントの「実証実験」は前年同期比5327万円減(19.8%減)の2億1534万円、「プラットフォーム機体販売」は前年同期比2553万円減(52.2%減)の2330万円、「用途特化型機体販売」は前年同期比3757万円減(31.9%減)の8015万円と、「その他」以外の3事業は伸び悩んだ。前年同期は「その他」が8964万円と売上高全体の17.0%を占めていたが、今回は84.4%を占め、インド関連事業に支えられたことを色濃く反映した決算となった。
12月通期決算では売上高を272%増の33億4000万円と見込むが、営業損益は30億600万円の赤字、経常損益は18億6000万円の赤字、純損益は19億3500万円の赤字を見込んでいる。
ドローンスクールを中心に、愛好家や講習生に人気となっている小型ドローン「DRONE STAR TRAINING」を開発した株式会社ORSO(東京)が、国家資格の実地試験対策に使える自宅練習用のマットを開発中だ。DRONE STAR TRAINING は7月17日の発売以来、試験に使われるプロポに近い操作感を再現したコントローラーや、飛行を安定させるビジョンセンサーのON/OFFを切り替えられる機能が高い評価を受けており、マットはその反響に答える形で開発を進めている。登場すればさらに評価を押し上げることになりそうだ。
ORSOが開発中の自宅練習用マットは、6月5~7日に千葉・幕張メッセで開催された大規模展示会Japan Drone 2024に出展したさい、ブース内に設置した体験用マットがベースになりそうだ。Japan Drone出展時には国家資格、無人航空機操縦者技能証明の実地試験のコースを4分の1サイズにしたマットをブースに敷き、来場者はドローンを飛ばしてみるだけ体験に加え、試験範囲の「8の字⾶⾏」、「スクエア⾶⾏」、「異常事態における⾶⾏」などを想定した試験気分を「プレミアム体験会」として味わった。
この体験会では機体とコントローラーのセットそのものとともに、ブースでの体験会の評価が高いことから、ORSOがこれらの反響を受けて、自宅で体験会を再現し、効果的な練習をするためのマットを開発することになった。
これまでに、株式会社スペースワン(郡山市<福島県>)が運営する福島ドローンスクール(郡山市)、日本無人航空機免許センター株式会社(JULC、東京)、株式会社Dron é motion(ドローンエモーション、東京)、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)認定スクールである浜松ドローンスクール(運営:株式会社綜合自動車学校<浜松市>)など実績のあるスクールなどが導入をしており、現在も問い合わせが届いている。
ORSOは「国家資格取得に向けた実地試験の効果的な練習が可能となるよう、現在迅速に皆様にお届けできるよう開発を進めています」と取り組んでいる。
ドローンをめぐっては、新技術開発とともに技術者やオペレーターなどの担い手を増やすすそ野拡大対策が重要と認識されていて、DRONE STAR TRAININGは遊び心あふれる商品性で、初心者がドローンに触れる第一歩の敷居を低くすることへの期待が寄せられている。
統合管理プラットフォームのブルーイノベーション株式会社(東京、東証グロース市場、5597)とドローン測量ソフトウェア開発の株式会社スカイマティクス(東京)は8月9日、対等な立場で資源や知見を提供しあい新サービスの開発を目指す戦略的業務提携を締結したと、双方が発表した。来年をめどに点検や土木で役立つデータ解析ソリューションの開発やサービス提供を目指す。ブルーイノベーションの「Blue Earth Platform(BEP)」などのプラットフォーム技術、スカイマティクスのクラウド型ドローン測量サービス「くみき」などの産業用リモートセンシング技術を融合するとみられる。
両者は締結した提携を「戦略的業務提携」としている。戦略的提携は提携企業同士が独立の立場を維持しながら、お互いのリソースを提供しあって価値を高める取り組みをさすことが一般的で、DroneTribuneの取材に「対等な提携」と回答があった。主に建設や土木分野でのソリューション開発や、サービス提供を目指すとしている。
ブルーイノベーションが発表した内容は以下の通り(スカイマティクスも冒頭の書き出しの主語の順番を入れ替えた同じ内容を発表している)
ドローン・ロボット×衛星・AI による次世代データソリューションの実現へ
ブルーイノベーション株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:熊田 貴之、以下 ブルーイノベーション)と株式会社スカイマティクス(本社:東京都中央区、代表取締役社長:渡邉 善太郎、以下 スカイマティクス)は、8 月 9 日、戦略的業務提携に合意しました。この提携により、両社は急速にニーズ拡大する点検や測量(主に建設や土木分野)において、環境負荷低減や持続可能な社会の実現に寄与する新たなデータ解析ソリューションの共同開発やサービス提供を目指します。
■本提携の背景と目的
ブルーイノベーションは、複数のドローンやロボットを遠隔で制御し、統合管理するためのベースプラットフォームである「Blue Earth Platform®(BEP)」を軸に、ドローン・ロボットを活用したDX ソリューションを開発・提供しており、業務の安全化、効率化、低コスト化を実現しています。
一方、スカイマティクスは衛星データや AI 技術を活用した産業用リモートセンシング技術を軸に、ドローン測量ソフト導入シェア No.1 を誇るクラウド型ドローン測量サービス「くみき」等を開発・提供し、建設・林業・防災・インフラなど累計 40,000 現場でのリモートセンシングサービスによる DX推進を実現しています。
両社はそれぞれが強みを活かし、ブルーイノベーションの効率的なデータ取得技術と、スカイマティクスの高度な処理・解析技術を連携させることで、環境負荷を低減しながら、より効率的かつ高付加価値高次元なデータ活用を求める顧客ニーズに応える革新的なソリューション提供を目指します。
■代表コメント
ブルーイノベーション株式会社 代表取締役社長 熊田 貴之
近年、少子高齢化に伴う労働人口減少、既存インフラ施設の老朽化に伴う維持管理等のコスト縮減などの背景から、業務の自動化・効率化が求められています。特に、インフラ点検・建物管理・測量等においてドローンの活用・導入が急速に進んでおり、コロナ禍以降、その導入は一段と加速しています。当社はこれまで、BEP を軸にしたドローン点検サービスを提供し、電力や石油化学プラントを含む 300 件以上の現場で実績を重ねてきました。また、10 万人以上の全国のドローンパイロットとの連携実績を有しています。これまで、ドローンで取得したデータは、BEP とは独立した専用のアプリツールを用いて解析していましたが、この度、スカイマティクス様の高度な処理・解析技術を有する「くみき」と当社の BEP が連携することで、お客様にとって一貫性のある高品質なサービスを提供できるようになることを嬉しく思います。今後の両社の協業展開にご期待ください。
株式会社スカイマティクス 代表取締役社長 渡邉 善太郎
ドローン・ロボット・衛星などのデータ取得とその解析によるリモートセンシングサービスのニーズは今後益々高まると確信しています。ブルーイノベーション様はドローン・ロボットを遠隔制御するBEP を活用した DX ソリューションにいち早く取り組み、効率的にデータを取得する技術を確立してきた先進的企業です。そこに当社のデータ処理解析技術である「時空間解析プラットフォーム」を組み合わせ、データの取得から解析したインサイトの提供までワンストップで可能な次世代データソリューションサービスを開発提供できることを楽しみにしています。今後両社の連携を通じて、お客様のデータ活用と DX 化の促進に一層寄与し、我が国のリモートセンシングサービスの発展に貢献していきたいと強く考えています。
ドイツのAAM(またはIAM)開発大手、ヴォロコプターは8月11日、世界遺産ヴェルサイユ宮殿の敷地内でeVTOLの試験飛行を実施した。同社は8月8日に、サン=シール=レコール飛行場に設けられたバーティポートを使った有人飛行を実施しており、11日のヴェルサイユ宮殿での飛行試験により、数日間にわたる一連のパリ地域での運用ヴァリデーションフェーズの検証活動を終えた。ヴェルサイユ宮殿は2024年パリオリンピックで馬術と近代五種の会場として使用され、日本から出場した佐藤大宗選手が近代五種で銀メダルを、総合馬術の団体で銅メダル獲得した。日本でのいわゆる「空飛ぶクルマ」の話題作りにも貢献しそうだ。
ヴォロコプターは公表文の中で「As dawn broke over Versailles(以下略、原文はこちら)」と伝えていることから、飛行させたのは現地の日の出時刻である午前6時40分ごろとみられる。宮殿内のシャトー、グラン・トリアノンと庭園を背景に飛行したという。ヴォロコプターは2024年内にパリ中心部で飛行させることを目指す。
ヴォロコプターのダーク・ホーク(Dirk Hoke)CEOは「ヴォロコプター・チームの献身的でプロフェッショナルな姿勢に感激しています。新しい場所や飛行のたびに、われわれ自身、パートナー、当局のみなさまの多大な努力が必要です。持続可能な空の移動コミュニティはまだスタートラインに立ったばかりですが、この特別な環境での今日の飛行は、われわれの夏の締めくくりにふさわしいセレモニーとなりました。すぐパリに戻ります。それが楽しみです」とメッセージを寄せた。
ヴォロコプターが完了させた運用ヴァリデーションフェーズは、理論通りに適切に運用できるかどうかを確認するための検証段階のことで、運用方法に関する公式見解が未確立の新技術などの分野で用いられる。医薬品製造、プログラミングなどでも使われる方法で、医薬品では目指す品質に合った製品を常に製造できるかどうかを証明する品質管理の方法として、医薬品製造業者に実施が義務付けられている。
ヴォロコプターは、パートナーを組むフランスの空港運営会社、Groupe ADP(ADPグループ)の協力を得てサン=シール=レコール飛行場にEvtol専用離着陸場を設置してパリ管区内での試験環境を整えていた。また欧州内での飛行に必要なEASA(欧州連合航空安全機関)の型式証明(TC)は未取得ながら、DGAC(フランス民間航空局=La Direction générale de l’Aviation civile)から支援を受けて飛行許可も取得した。これにより、大都市上空での電動飛行を広めるために必要な段階を踏むことを可能にした。
今年6月20日のパリ国際航空ショーでは、ヴォロコプターとGroipeADPは2024年のオリンピック・パラリンピックに合わせてパリでeVTOL飛行させることを目指すと抱負を表明していた。