地理空間データ分析の米PrecisionHawk,Inc.は8月11日、ドローンの運航管理システム(UTM)向けに開発した技術で2つの特許を取得したと発表した。2つの特許のタイトルは「Automated Unmanned Air Traffic Control System」で、ドローンからUTMサーバーにリアルタイムの飛行データを送信して、ドローンと有人航空機との衝突を回避する。
取得した特許のひとつは、ドローンがリアルタイムのテレメトリをフライトサーバーに送信し、空中の衝突を回避できるようにする技術に関するもので、もうひとつが、飛行前に運航管理サーバーに飛行計画を送信して飛行中の衝突の危険性を確認しオペレーターの衝突回避操作に役立たせるもの。運航管理サーバーは、他のドローンや有人航空機のデータも受信し、衝突の可能性があればドローンにアラートを送信する。
PrecisionHawkは2015年、低高度追跡と衝突回避システム、LATAS(Low Altitude Ttraffic and Airspace Safety platform)をローンチ導入した。 LATASは、既存の世界中のセルラーネットワークに基づくリアルタイムの飛行データ伝送を使用して、飛行するすべてのドローンに飛行計画、追跡、および回避を提供するように設計された。 PrecisionHawkは、LATASの研究開発を通じ、ドローンをNational Airspace(NAS)に問題なく統合できることを提示。新しい特許は幅広くドローンの運用を可能にする道を開いたことになる。
ドローンは、不明者の捜索や遭難者の救助、インフラの検査と分析、救命に必要な医薬品や必需品の配送など、多方面で有効性が指摘されている。ドローン技術の人道的、経済的メリットを安全で確実に社会実装させるには、ドローンを識別するリモートIDで、空の交通予想をはじきだす制度の高い自動UTMシステムを配備する必要がある。航空機などの有人航空管制システムは、ドローン側のニーズを満たすための拡張はできないため、PrecisionHawkの特許で、ドローンの管制システムの実装を支える。
「ドローンの使用は、多くのエンタープライズ業界でユビキタスになりつつあります。テクノロジーの発明者であるPrecisionHawkのバイスプレジデント、タイラー・コリンズ氏は、「UTMは重要なインフラストラクチャ。産業が成長し、目視外を含む複雑な操作が必要になるにつれ、より多くの種類のドローンの運用を可能にする。われわれは、現在の航空交通管制システムが1930年代に登場したように、UTMは必然的に生まれたと考えている。 UTMは、空域とそれを共有する人々の安全を確保するための自然な一歩だ」と述べている。
PrecisionHawkが特許取得:https://www.precisionhawk.com/blog/utm-patents-awarded
千葉・幕張メッセで2020年3月25日~27日に開催される大規模ドローン専門展示会「Japan Drone 2020」の出展社向け説明会が12月18日、都内で開催され、今回初めて設置される「大型ドローンゾーン」に、水上離発着固定翼機や、帆船型ドローン、パーソナルプレーンが展示される計画であることが公表された。
大型ドローンゾーンへの出展を計画しているのは、株式会社スペースエンターテインメントラボラトリー(東京)、スカイリンクテクノロジーズ株式会社(神戸市)、エバーブルーテクノロジーズ株式会社(東京)、湘南工科大学、サレジオ高等専門学校、テクノシステム株式会社(愛知県豊橋市)など。スペースエンターテインメントラボラトリーは水上離発着固定翼機、スカイリンクテクノロジーズはパーソナルプレーン、エバーブルーテクノロジーズは帆船型ドローンの開発を手掛けている。また現在ドイツのメーカーとも出展を交渉中という。
基調講演などの充実化も進めていて、現在、米国のドローンソリューションベンチャー、PrecisionHawk社が目視外飛行について講演することが確定しているという
JapanDrone2020は一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が主催、株式会社コングレ、株式会社スペースメディアジャパンが共催する。スペースメディアジャパン内に運営事務局が設置されている。
説明会ではJUIDAの千田泰弘副理事長があいさつにたち、機体登録が制度化されている米国のデータを土台にドローン市場を分析。この中で「ホビー機の普及は2020年ごろ伸びが鈍るころだが、産業機はその後も伸びる」と述べた。また2022年の都市部上空の飛行の環境整備が進んでいて「市場も制度も変化の時期にきている」と、重要な時期にさしかかっていることを強調した。
会場は幕張メッセの「展示ホール5」で、前回より30小間多い、276小間を展示ブースに割り当てる。海外からも12月18日現在で、17か国・地域から35小間の出展申し込みがあるという。
会期中には前回より5000人以上多い、2万人の来場を見込んでいるが、運営者は「数字も大事ではありますが、それよりも出展された方々に有意義なマッチングが成立できることを大事に考え、これからも強くプロモーションを展開していく」と意気込みを示した。