持ち帰り弁当の「HottoMotto (ほっともっと)」と定食レストランの「やよい軒」を国内外に3000店舗以上展開する株式会社プレナス(福岡市)が、埼玉県加須市で取り組んでいるコメづくりが間もなく収穫期を迎える。ドローンでの直播、農薬散布や、センシングなどのテクノロジーを使い、効率的に質のよい国産米を生産し、海外に輸出し、海外店でも自社産の国産米を提供する展望の第一歩だ。特筆すべきは、この事業に取り組む関係社員が、ドローンにも、農業にも初心者であること。農業従事者の減少に対する危機感と、日本のおコメを海外に届けたい情熱が元手の取り組みが、初めての実りの秋を迎える。
プレナスは日本国内の「HottoMotto」や「やよい軒」のほかに、海外でも約270の店を構える。一部、日本からの調達もあるが、多くが現地での調達だ。これを自社生産の国産米に切り替えることを目標に、今年2月、社内で「米づくり事業推進室」が発足した。集められたのは直前まで商品開発や仕入れ、物件などを担当していた社員。農業もドローンも初心者ばかりだ。
推進室は「生産性の高い稲作」を目指すことを決めた。重労働をできるだけ軽減できる方法で、どこまでできるか。ドローンもIoTも解析ソフトも使って、まずはやってみることにした。その結果は、翌年の稲作の貴重なデータになる。そんな実験的な色彩を帯びる事業だ。今年度の作物は、病害虫に強い地元埼玉県が奨励する「彩のきずな」、収穫量の多い「あさひの夢」のほか10種類以上だ。
推進室が発足してすぐの今年2月、埼玉県加須市に約2.5ヘクタールの農地を借り「プレナス加須ファーム」として管理を始めた。田んぼの整備、種子の準備を進めてきた。
5月には、ドローンで種もみをまいた。7月にはドローンを使って水田を上空から撮影し、葉色の色むらから生育具合を把握し、必要な箇所に適切な肥料を投下した。ドローンは散布用に株式会社FLIGHTS(フライト、東京)が開発した「FLIGHTS―AG」を採用。葉色解析のソフトウェアには株式会社SkymatiX(スカイマティクス、東京)の「いろは」を採用した。葉色解析のデータ取得にはDJIのMavic2 PROを飛ばした。
作付けは5月10日からドローンを使って始めた。水田から2メートルほどの高さから約4メートルの幅に種もみをまいた。苗を田植え機で植えるのではなく、種もみをドローンでまく「直播」にしたのは、同社のコメづくり事業が、効率化、スマート化を進める実験の色彩が濃いためだ。実際、この日の作業は「田植え機による作業の半分ほどの時間」だという。
また7月14日には地元行政や農業関係者が見守る中ドローンを飛ばした。ドローンが上空からとらえた映像をディスプレイに映し出すと、稲の根付き具合などが一目でわかり、のぞきこんだスタッフや様子を見守っていた関係者から「ほお」「分かりやすい」など感心する声があがった。
ドローンの画像は葉色解析クラウドサービス「いろは」にアップロードして解析した。「いろは」は、画像解析技術と地理情報技術を活用し、空からのデータを図面としてみることができるようにするソフトウェア。農地を画像にし、WEB上で管理、記録することで、関係者と共有したり、過年度の状況を振り返ったりできる。この日もドローンから得られた「いろは」で解析して得られた画像データから、光合成が活発に行われているところとそうでないところを色で判別するなどを行い、精度の高い生育状況の確認が可能なことを実感した。
肥料の追加投入が必要と判断した個所には、ドローンで追肥した。ドローンは液剤、粒剤のいずれも散布が可能で、この日は粒剤を散布した。
IoTも活用している。田んぼにはセンサーを設置し水位、水温を観測。スマートフォンで現状を確認できる。水を供給する設備も整え、スマホと連動させ、水位が低いときにはスマホで水の供給を指示できる。
「何をもって順調というのか、ほかの農家さんとは基準が違うと思いますが」と笑いながらも、現時点では順調だ。近く稲刈りをする。収穫した初めてのコメは、国産米として海外の店の一部に届けられる。初めての経験は、次年度以降の生産の土台となる。
初年度の収穫量は10トン程度を見込む。今後3~5年かけて50トン程度にまで引き上げたいと考えている。その先に、同社の海外の店舗で年間に使う約1000トンを見据える。将来的には海外の自社チェーン以外の日本食店や小売店向けの輸出にも取り組みたい。生産拠点の拡充も検討している。
当面は、ドローンなど先端技術を使うことで、安定的な供給と売り上げ拡大にどの程度めどがつくのかがカギになる。同社は「これからもお客様の満足と健康を実現し、人びとに笑顔と感動をお届けし続けることができるよう邁進してまいります」と話している。
※DF=記事中の株式会社FLIGHTS、株式会社SkymatiXはDRONE FUND投資先企業です
「米づくり事業推進室」は今年2月に発足し、私が室長になりました。私自身はコメづくりの初心者です。それどころかチーム全員がそうです。ほかのメンバーも直前まで商品開発、仕入れ、物件などを担当していた初心者ばかりが集まったチームです。
『やよい軒』も含め国内のお店ではすべて国産米を使っていて、その量は約4万トンです。ます。その意味ではかなりのおコメを使っています。それだけのおコメを仕入れてきたわけです。
ところが、仕入れ先である農業の現状は厳しくなっています。高齢化や、従事者の減少、コメの消費量も先細り。国も主食を減らす動きをしています。今年2月に「米づくり事業推進室」が発足したわけですが、その1年前にコメづくりの問題を考えるプロジェックトができてそこで調べてきたのですが、離農の進行も深刻です。農家の方にも話を伺いましたが「来年は仕入れられても、5年後はだれも残ってないよ」などという話も聞くようになりました。
会社としておコメを仕入れられなくなると困るわけですが、われわれの危機感は、「会社が困る」という次元をはるかに超えています。われわれがコメづくりに取り組むことで日本の農業の一助になればいいという気持ちです。
プレナスは事業でおコメを使いますが、文化を研究する部門もあります。精米工場も抱えています。おコメを大切にする会社なのです。唯一、生産だけ、手掛けていなかった。そこで生産から消費までのサプライチェーンのすべてに関与することで、総合的に、相乗効果も期待して、貢献ができることがあるのではないかと考えているのです。
われわれは国内だけでなく、海外にも店舗を持っています。海外に260~270の店舗があります。おコメも扱っています。ただし、国によってクオリティ、価格、仕入れルートがばらばらです。一方でおコメは日本のものがおいしいと思っています。海外でも日本のおいしいおコメを食べて頂きたいと思っています。ですのでわれわれが生産したおコメは当面、海外向けに提供することを予定しています。これは日本の生産者さんとの競合を避けるためでもあります。短期的には企業のブランディング、産地のサステナビリティへの貢献を視野に入れています。海外に持っていくことに成功すれば、日本の農業の可能性を拓くことにつながるかもしれません。価格帯も中間層向け。スマート農業では「高級米を高価格で」という声も聞こえますが、我々の取り組みはそれを目指しているわけではありません。
これからの農業は、少ない農家が大きな生産にシフトすることがテーマになります。従来の方法だと、重労働で規模拡大は難しい。2月に部署が発足し、春にはすぐ田植えという目先の問題もあり、負担の大きい作業は避ける必要がありました。そこで負担が少なくてすむ期待ができる直播にしました。
「直播」そのものは新しい方法ではありません。歴史はあります。しかし日本では定着していません。その理由として言われていることのひとつに、チャレンジできる環境にいない農家が多い、ということがあります。新しい方法にチャレンジしても、従来の方法で見込める生産量の保証がないので、チャレンジしにくいということです。われわれは企業です。チャレンジできます。企業が取り組む価値はそこにあるのかな、と思います。「だからこそわれわれがやらなきゃ」と、推進室のみんなが感じていて、できることに取り組んでいます。
ドローンでの直播もそのひとつです。ドローンを使ったのはこの数年で革新がすさまじいことと、日本の規模に見合っていそうなこと。海外の広大な規模の農業であれば、飛行機を使うとか、大型のトラクターを使うということがあります。日本の、少なくともわれわれの取り組む規模には、ドローンのサイズ感がちょうどいいと思ったのです。
初心者なりにいろいろと考えてやっていますが、初心者は初心者です。よいコメがたくさん取れればいいと思いますが、それ以上に、今回の経験に価値があると考えています。今回の経験の結果がまもなく稲刈りという形で出てきます。結果に関わらず、楽しみです。
大阪・関西万博でいわゆる空飛ぶクルマの運航を目指している大阪府は3月28日に、空飛ぶクルマの運用が地域や日本にもたらすビジネスチャンスなどについて解き明かす「空飛ぶクルマビジネスセミナー~大阪・関西におけるビジネス展開の可能性~」を大阪で開催する。東京大学大学院特任研究員の中村裕子氏、株式会社日本政策投資銀行調査役の岩本学氏が登壇する。会場参加、オンライン参加のいずれも可能で参加は無料だ。
空飛ぶクルマビジネスセミナーは3月28日、15時30分から16時50分までで、東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻特任研究員の中村裕子氏は「空飛ぶクルマの現在地、実装の課題と世界の取り組みについて」、株式会社日本政策投資銀行産業調査部兼航空宇宙室調査役の岩本学氏は「空飛ぶクルマのビジネスチャンス~万博後に登場する新産業~」の演題でそれぞれ講演する。会場は大阪・難波の産業経済新聞社大阪本社会議室でオンライン参加も可能だ。講演終了後の名刺交換などを目的とする交流会が催される予定で、会場参加の場合は交流会にも参加が可能だ。
参加は申し込みフォームから。締め切りは3月27日午前11時。
会場参加の申し込みはこちら
オンライン参加の申し込みはこちら
開催概要に関する大阪府の発表は以下の通りだ(以下、引用)
大阪府では、府内における空飛ぶクルマの社会実装に向けて、認知度の向上や有用性の理解促進等を図るため、「空飛ぶクルマ社会受容性向上事業」を実施しています。このたび、空飛ぶクルマの現在地、経済的なポテンシャルやビジネス展開の可能性について解説するセミナーを開催しますので、ぜひご参加ください。
【セミナー概要】
1.日時
令和6年3月28日(木曜日)午後3時30分から午後4時50分まで
2.開催方法
会場とオンラインの同時開催
会場:株式会社 産業経済新聞社 大阪本社 会議室(大阪市浪速区湊町2丁目1番57号)
3.定員(申込先着順)
会場:100名
オンライン:500名
4.参加費
無料
5.内容
(1)基調講演1 空飛ぶクルマの現在地、実装の課題と世界の取り組みについて
講師:中村 裕子氏(東京大学 大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻 特任研究員)
(2)基調講演2 空飛ぶクルマのビジネスチャンス~万博後に登場する新産業~
講師:岩本 学氏(株式会社日本政策投資銀行 産業調査部兼航空宇宙室 調査役)
セミナー終了後、30分程度参加者交流会(名刺交換や情報交換)を行う予定です。
6.申込方法
関連ホームページ「空飛ぶクルマホームページ」https://soratobu-kuruma.jp/
の申請フォームよりお申し込みください。
7.申請期限
令和6年3月27日(水曜日)11時まで
株式会社ACSL(東京)の株価が引き続き堅調だ。3月25日午前の東京証券市場では株価は1100円から1200円圏で推移した。一時、年明けからの高値となる1290円を付け、2月15日の安値585円から2.2倍の水準で取引された。同社は3月21日、同日の取引終了後に同社製ドローンの航空自衛隊による空撮機としての採用を発表したあとに買いが集まりやすくなっており、市場では引き続き材料視されている。また3月25日は、3月14日に発表した株式会社りそな銀行を相手先とする相対型コミットメントラインの契約締結予定日となっていて、市場がACSLの財務基盤の改善と経営の機動性が高まる期待も好感したとみられる。同社は日本郵便株式会社(東京)と共同開発した物流ドローン「JP2」を3月4日から22日にかけて兵庫県豊岡市で飛行施行を実施しており、今後への期待が高まっている。
ACSL株3月12日に防衛装備庁による同社製品の3億7000万円の受注を発表すると、発表翌日の3月13日には買いが殺到しストップ高となった。3月21日には取引終了後に航空自衛隊による同社製ドローンの採用を発表し、再びストップ高となった。それまで市場環境や販売不振などから株価は低下傾向だったが、市場の見方に変化の兆しが表れた。
ACSLはこれまでも同社の市場へのアプローチについて情報を発信してきたが、市場は今回の情報を、大規模な取引の成立と、今後の取引の展望期待を含むと受け止め、買いが入りやすい状況となっている。
加えてりそな銀行との間で、期間を設定したうえ、限度額の範囲で自由に融資を受けられるコミットメントラインを締結する方針を3月14日に発表しており、3月25日がその契約締結日であることから、経営体制の自由度への期待を集めやすくなっている。なおACSLのコミットメトライン契約の限度額は10億円で、期間は3月25日から7か月間だ。
ACSL株は昨年(2023年)1月3日に最近の高値1811円をつけている。厳しい市場環境などもあり漸減傾向だったが、今回の政府調達と一連のその具体的な採用情報が、同社製品への見直しを強く促しそうだ。
また一連の政府調達とは別に、日本郵便と開発した物流ドローンを3月4日から22日にかけて、兵庫県豊岡市で飛行させた。今後、生活圏上空での飛行が可能になる型式の取得も視野に入れていて同社への期待をけん引することになりそうだ。
株式会社ACSL(東京)の株価が800円台に戻して推移している。東京証券市場グロース市場の同社株は3月14日の午前の取引は、前日3月13日の取引でストップ高のまま終えた857円から7円下げた850円で初値をつけた。その後も800円近辺での取引が続いている。背景には前々日の3月12日の取引終了後に発表した、防衛装備庁からの3億7000万円の受注発表がある。発表翌日の3月13日には買いが集中し、値幅制限いっぱいの150円高でも取引が成立しなかった。14日午前もその勢いを維持した展開だ。受注は2月に発表した2024年12月通期業績予想に織り込み済みだが、市場関係者からは今回の大型受注に対し政府調達の呼び水期待が寄せられている。
同社が受注したのは高セキュリティ型の空撮用ドローン「SOTEN」(蒼天)」で、今年(2024年)12月の納入予定2月を予定している。ドローンで収集した情報の漏洩を防ぐ工夫が凝らされた機体で、秘匿性の高いインフラの点検などへの活用が期待されている。
2月14日の決算発表では、前期業績の悪化要因にSOTENの販売減を挙げていたが、今回の大型受注で不振からの脱出に期待が集まる。同社は今回の受注はすでに通期業績に織り込み済みとしている。同社が発表している2024年12月の通期業績予想は、売上高が33億4千万円、営業損益、経常損益はそれぞれ赤字を見込んでいる。
大型受注の発表は3月12日の取引終了後に行われた。これを受けて翌3月13日の東京株式市場では、午前9時の取引開始直後から買いが殺到して。値幅制限いっぱいの857円のストップ高となって推移し、結局同日は取引が成立しないままとなった。3月14日も800円台を維持した取引で始まっており、2月16日つけた上場来安値の585円からの底割れを回避した水準の取引が続いている。。
ACSLが2月14日に発表した23年12月期連結決算では、売上高が前期比45.2%減の8億円9600万円と大幅に減少した。業績のけん引役と期待された高セキュリティ型の小型空撮ドローン「SOTEN」の販売台数が伸び悩んだことが響いたと分析するととともに、20.7億円の受注残があることも明らかにしていた。
ブルーイノベーション株式会社(東京都)は3月11日、能登半島地震で被災した輪島市(石川県)で、決壊の危険性が指摘される土砂ダムを定期的に自動で点検する河川監視活動を実施したと報告した。土砂崩れにより道路がふさがり作業員が現地に近づけない中、ブルーイノベーションが開発したドローンの自動離発着システム「BEPポート」を適切な場所に設置し、ドローンが自動離陸することで点検を遂行した。点検は1月31日から2月6日にかけて行われ、五光物流株式会社(筑西市<茨城県>)、VFR株式会社(名古屋市<愛知県>)が協力した。
河川監視活動の対象となったのは輪島市内を流れる牛尾川につみあがった土砂が河川の水をせきとめている土砂ダムで、1月31日から2月6日にかけて、輪島市の要請を受け、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が統括して行われた。監視活動ではBEPポートに待機したドローンが、定期的に自動で離陸し、往復約3㎞を飛行して状況把握に必要な情報を収集した。ブルーイノベーションのドローンポートシステムは東日本大震災で被災した仙台市<宮城県>が設置している。災害支援活動として活用されるのは今回が初めてとなる。
発表内容は以下の通り
ブルーイノベーション株式会社
五光物流株式会社
VFR 株式会社
令和 6 年能登半島地震 二次災害に備え、ドローンポートシステムを活用
した自動監視システムを国内ではじめて実災害現場に導入・社会実装
ドローンポートから自動離発着するドローンにより、
河川上流の土砂ダム決壊の危険性を定期監視
この度の能登半島地震の影響により、被災された方々やご家族の皆様に、心よりお見舞い申し
上げると共に、皆様の安全と一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
ブルーイノベーション株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:熊田 貴之、以下 ブルーイノベーション)は、五光物流株式会社(本社:茨城県筑西市 代表取締役社長:小林 章三郎、以下五光物流)、VFR 株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長 蓬田 和平、以下 VFR)と、石川県輪島市からの要請を受け、ドローンの業界団体である一般社団法人日本 UAS 産業振興協議会(JUIDA)の指揮の元、ドローンポートシステムを活用した河川監視活動を実施しました。
本取り組みは、輪島市内を流れる牛尾川(鈴屋川の支流)に出来た土砂ダムの状況を、ブルーイノベーションが開発したドローンポートシステム「BEP ポート」を活用し、自動かつ定期的に離発着するドローンにより土砂ダムを撮影・監視し、決壊の危険性有無を常時把握することで、二次災害による被害を未然に防ぐことを目的としています。
なお、実災害現場でのドローンポートシステムの社会実装は国内初となります。
■BEP ポートを活用した災害支援活動内容
・巡回点検実施日:2024年 1 月 31 日(水)~ 2 月 6 日(火)
・場所:石川県輪島市町野町
・活動内容:
輪島市を流れる牛尾川(鈴屋川の支流)では、土砂災害による河口閉塞が数か所発生したため、道路も寸断され、人が近づくことが困難な状況でした。輪島市から JUIDA に、ドローンによる二次災害予防のための巡回点検要請があり、JUIDA指揮の元、ブルーイノベーションが開発したBEP ポートからドローンが自動で離発着し、牛尾川の上流往復約 3km を飛行。土砂ダムの状況を上空から定期的に監視を実施しました。
<鈴屋川の経時変化(同一地点)>
定点観測による撮影画像の比較から、河口閉塞による溜まり場の大きさに大きな変化がないことを確認することができました。
・使用機材
■協力
第二回京阪奈ドローンフォーラムには、課題解決に向けたカスタマイズを手がけるドローンを手がける菱田技研工業株式会社(堺市)が、吸盤で壁にくっつく仕掛けの“ひっつきドローン”と家庭用コンセントから電源を得る“コンセントドローン”を披露する。“堺のエジソン”の呼び声高いエンジニアのプロダクトが、来場者の創造意欲を掻き立てそうだ。
菱田技研は壁面吸着親子ドローンと家庭用コンセントにつないで飛ぶ有線給電のドローンを持ち寄る。
壁面吸着親子ドローンは、ビルの高層階の外壁など高所での反力(支持箇所に生じる力)の発生する作業を実現可能にするドローンシステム。子機には、ハンドドリルを搭載する。実際に吸着によるコンクリートボードへの穴あけに成功している。親機の動力源に採用している燃料電池も展示する。フォーラムではモニタの映像で動きが核にできるほか、吸着グリッパを手持ちのアクリル板に吸着させる実演も行う。来場者は吸着中の吸着グリッパ、アクリル板に触れて吸着の安定性を体験できる。
家庭用コンセントからの有線給電で飛行する機体は、会場となる咲洲モリーナのフライトエリアで飛行の実演を実施する予定で、来場者は飛ぶ姿を間近で見られる。
菱田技研工業株式会社はカスタマイズドローンによる課題解決を手がけていて、その工夫には高い評価が寄せられている。2023年6月に千葉・幕張メッセで開催されたJapanaDrone2023では、技術論文「ポスターセッション」の出品者の優秀作品を顕彰するポスターアウォードで最高賞を受賞している。
第二回京阪奈ドローンフォーラムで、長時間、長距離飛行チャレンジに取り組んでいる株式会社エアロジーラボ(AGL、箕面市〈大阪府〉)が、ハイブリッド機の最新機、AeroRange G4S(エアロレンジジーフォーエス)を持ち寄る。ハイブリッド機ならではの機構と、軽量化のために随所に凝らされた工夫が来場者のクリエイティビティを刺激しそうだ。
AGLはハイブリッドドローンを中心に開発している。ハイブリッドドローンはバッテリーとガソリンなどの燃料を併用して推進力を得るドローンて、バッテリーに頼る機体に比べ、長距離、長時間の飛行が期待できる。主力機AeroRangeQuadはペイロードなしで140分以上、ペイロード 2kgで90分の性能を持ち、国産ハイブリッド機の代表モデルの一つとして多くの現場で飛行実績を積み上げている。
今回、第二回京阪奈ドローンフォーラムに出展する機体「G4S」は、機体の構造をゼロベースで構造、素材、機構を見直した新型機、ハイブリッド機では、燃料、電力の併用で強い推進力が得られる一方、発電機とモーターを積むため自重が大きくなるため、推進力を生かすには、軽量化の工夫が欠かせない。軽くしたために剛性がおろそかになるわけにもいかず、技術者の知恵と工夫が試される。
AGLは国交省が2月29日に福島県で行った実証実験にも参加し、長時間、長距離飛行性能を測定した。福島ロボットテストフィールド浪江滑走路を離発着場に行われ、敷地と沿岸を飛行した。現在、詳細な計測結果が集計されているが、不具合発生で中断するまでだけでも60㎞を超える距離を実際に飛行したとみられる。確報値では実飛行距離と、残りの燃料から推計した性能がはじき出される予定だ。
第二回京阪奈ドローンフォーラムは、確報値が公表される前のG4Sを間近で確認する機会となる。驚く準備はここでできる。
<イベント概要>
催事名:「SUPER D★EXPERIENCE~第2回京阪奈ドローンフォーラム」
日時:2024年3月12日(火)、10:00~16:00(予定)
会場:咲洲モリーナ(西尾レントオール株式会社R&D国際交流センター内)
住所:大阪府大阪市住之江区南港北1-12-75
アクセス:「コスモスクエア」下車徒歩5分、「トレードセンター」下車徒歩6分
会場MAP: https://www.nishio-rent.co.jp/sakishima/access/
主催:京阪案ドローンプロジェクト実行委員会(代表企業:マスオグループ本社=奈良県奈良市三条大路1丁目1番93、株式会社奈良自動車学校)
参加費:無料
※詳細は参考資料及び公式サイトをご確認ください。
参考資料 https://prtimes.jp/a/?f=d101951-10-f1c576f0f6d030002fa6df5bd75f525b.pdf