ドローンのソリューション開発と提供を手掛け、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の事務局運営にも関わるブルーイノベーション株式会社(東京)は9月22日、同社の取り組みを紹介する「Blue Innovation Conference 2019」(BIカンファレンス)を開催し、スイスのドローンメーカー、フライアビリティ社が開発した屋内点検ドローン「ELIOS」の新製品、「ELIOS2」を正式に発表した。ブルーイノベーションの熊田貴之社長は「屋内点検にイノベーションを起こすと確信している」と述べた。
新型機ELIOS2は、従来機同様、機体全体をガードで覆った、球体ドローンでサイズは直径40センチと従来機と同じ。重さは1450グラムと、従来機の2倍になっている。
特徴のひとつは、ガードと本体を固定させたうえで、本体の7か所にセンサーを新たに搭載したこと。壁面との距離を一定に保ち、複雑に入り組んだスペースでも安定した飛行、ホバリングを可能にした。4Kカメラと赤外線カメラ、1万ルーメンの強力なLEDライト、防塵ライトで撮影性能を向上させたほか、本体を覆うガードのうち、カメラの全面部分を開放させ、ガードが映像に映り込まないように工夫した。
さらに静止画撮影機能、映像の歪みを平面に補正する機能、対象個所の長さが計測できる測定機能、3Dモデリング作成機能を搭載し、点検の計画から報告書作成まで一貫してサポートが可能になるようにした。
発表会ではELIOS2が安定したフライトを披露。特別ゲストとして元自衛官のコスプレアイドル、かざりさんが登壇し、ELIOSがかざりさんの腕にランディングし、安全性をアピールした。
熊田社長は、これまでインドアドローンに取り組んできて、昨年6月にELIOSと出会い業務提携をしたなどの経緯を説明。「反響が大きく、週に2、3日、現場で運用をしたり、納入をしたりといった状況」と関心が高まっていることを説明。ELIOS2については、「操縦性が飛躍的に向上し、新機能も搭載されていて、今後、屋内点検には間違いなくイノベーションを起こす。そう確信している」と説明した。
東京・臨海地区で開催された有明防災フェアに、球状ガードに覆われたドローンELIOSが出展され、見学者を喜ばせた。会場には防毒マスク姿で知られるミリタリータレント、らんまるぽむぽむタイプαさん、元陸自のコスプレアイドル、かざりさんらもかけつけた。
出展したのは一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)。JUIDAの事務局を運営するブルーイノベーションが、ELIOSを製造するスイス、Flyability社と代理店契約を結んでいることから、ELIOSを出展することになった。
会場では訪れた親子連れなどが訪れ、ブルーイノベーションのスタッフが、「電源をいれると、すぐに飛ばせます」「あたっても痛くないしケガもしません。ただ網の中に手を入れないでくださいね」「いまは製鉄所、電力会社の設備、通信会社の設備で点検の仕事をするときなどに活躍しています」などと説明。電源をいれ、モーター音とともに機体がふわっとうきあがると、子供たちが目を輝かせた。
ELIOSは機体を覆うガードが特徴。軽くて強いうえ、機体の取り付けに工夫がこらわれている。ドローンが壁にあたるなどして姿勢を崩せば落下するが、ELIOSはガードが三軸ベアリングで取り付けられていて、外からの力が、機体の姿勢に影響することがない。機体の左側に緑、右に赤のLEDライトで進行方向を判別できたる。直径が40センチなので、人が入りにくい狭いスペースに行くことができる。
フライト終了後に機体を手にとった男の子は「軽い。もっと重いと思っていました」と700グラムの機体の軽さに驚いた様子だった。
会場には防毒マスク姿で知られるミリタリー好きタレント、らんまるぽむぽむタイプαさんや、コスプレアイドルのかざりさんが訪れ、ELIOSの機能を確かめたり、ポーズをとって記念撮影に応じたりして、会場を盛り上げた。
スタッフは、「点検作業や倒壊家屋の災害現場で活躍していますが、まだまだ用途を募集しています」と新しい使い道を募集していた。