国内トップレーサー8人が頂点を目指す屋内ドローンレース大会「SUPER DRONE CHAMPIONSHIP」は、レーシングチームJAPRADAR所属の上関風雅選手が熱戦を制して2代目のチャンピオンに輝いた。上関選手と決勝で死闘を繰り広げたTEAM SkyDRONE所属の⼩松良誠選手が準優勝に、また髙梨智樹選手、小塚研采選手が3位に入った。熱戦の様子は3月21日に、テレビ東京系で放映され、番組の冒頭から準決勝までCMをはさまずに一気に激戦を放映する演出で緊張感を演出した。レースの模様は動画い配信サイトdTVも3月26日から配信される。
レースは2人ずつ1対1で勝敗を競うトーナメント方式で行われた。ゴールに先に飛び込んだら勝利とし、先に2つの勝利を収めた選手が次のラウンドに勝ち上がる。前回王者の鈴木匠選手(RAIDEN RACING所属)と、そのときの決勝で激闘をみせた⼩松選手との激突や、12歳で最年少の上関選手、最年長のSaqoosha(さくーしゃ)選手(RAIDEN RACING所属)の対戦など、初戦の第1回戦から目が離せない展開となった。
レースは、高さ18メートルの急上昇と繊細な機体バランスが求められる「dTVタワー」や、グラビティーと呼ばれる垂直に上から下にくぐるゲートが機体の行く手を阻み、実績ある各選手の技術と勇気を容赦なく試した。選手と機体との相性、クラッシュからの復活が勝敗を大きく左右するヒートばかりで、会場は観戦者を予想も予断も許さない緊張した空気で包んだ。
1回戦は、上関選手、小塚選手、高梨選手、小松選手が2ヒートを先取してセミファイナル(準決勝)に勝ち上がった。なお勝敗とは別に、スタートからゴールまでにかかった時間をみると、小松選手が48.310秒と最速タイムを記録した。高梨選手と競った⼭⽥開⼈選手(WTWHIVE・ドロテック所属)が、48.440秒とそれに次ぐ記録をたたき出したほか、小塚選手も49.216秒と50秒を切る好タイムを記録した。また齋藤三佳選手(WTWHIVE・ドロテック所属)はクラッシュのない丁寧できれいなコース運びと、立ち姿勢でのゲームスタイルで印象付けた。
セミファイナルでは、上関選手が小塚選手に先勝を許したものの逆転で2勝を連取し決勝に進出。小松選手は高梨選手に連勝し、2大会連続の決勝進出を果たした。
この息をのむ展開にテレビの放映も対応。番組冒頭から1回戦、準決勝までをCMをはさまず一気に伝えた。ゲストとして観戦していた乃木坂46の金川紗耶さん、田村真佑さんが「速い!」「すごい!」と歓声をあげたり、「クラッシュからの立て直しが素晴らしい」と興奮の観戦コメントをしたりして盛り上げた。
決勝では小松選手が第1ヒートをクラッシュ後に華麗な復活フライトを見せて先勝したものの、第2ヒートでスタート直後に機体を落下させ上関選手に勝利を譲った。0.01秒を競うエアレースの決着は最終の第3ヒートの行方次第となる息の詰まる様相となった。第3ヒートは上関選手がスタートダッシュに成功。小松選手が0.01秒差で追いながら、dTVタワーのゲートに激突し立て直しを余儀なくされた。上関選手はその間に安定した疾走を見せ、48.581秒でゴールに飛び込み、2代目チャンピオンの座を獲得した。
レース終了後にFPVゴーグルをはずした上関選手はインタビューに「これが本当の緊張だと思いました」と喜びととともに、極度の緊張から解放された表情を見せ、選手が戦ったプレッシャーの大きさを物語った。
終始盛り上がった大会は株式会社NTTぷらら、株式会社NTTドコモ、DRONE SPORTS株式会社の主催。コースにはdTV、株式会社イースト・グループ・ホールディングス、ミクサライブ東京、株式会社カスタマーリレーションテレマーケティング、ワールドキャリア株式会社といった各スポンサーの名前やロゴがあしらわれたゲート、設備が配置されレースと会場を彩った。。
地上波で3月21日に放映された熱戦の様子は、3月26日午前0時からdTVで配信される。視聴サイトには大会公式サイトからもアクセスできる。
FPV体験や操作体験などドローンのさまざまな楽しみ方を味わえる「第3回神岡ドローンフェスWITH 飛騨ミュージックファーム」が10月5日、岐阜県飛騨市神岡町飛騨のスキー場、スターシュプール緑風リゾートひだ流葉(ながれは)のゲレンデで開催され、地元住民、観光客らが楽しんだ。この日のために遠方から駆け付けた観光客もいて、会場はお祭りムードと歓声に包まれた。
会場は民宿「流葉山荘」の前に広がるゲレンデ。ドローンパイロットで情熱大陸にも取り上げられた高梨智樹選手が直接、来場者にレース用ドローンを使ってFPV体験してもらうコーナーでは、同時に4人がゴーグルを装着して着席し、高梨選手が会場内を自在の飛ばすドローンの映像を楽しんでいた。装着したゴーグルにドローンの映像がうつしだされると、「おおお」「すごーい」と歓声があがったり、「体を動かせば楽しい」など、来場者同士で声をかけあったりして楽しんでいた。
このほかゲージの中でドローンのフライトを体験できるコーナー、ドローンの普及を目指す女性チーム、ドローンジョプラスのメンバーによるドローンゲームのコーナー、ゲレンデの中腹まで軽トラックで送りドローンで空撮してもらう体験コーナーなどは、いずれも順番待ちの行列ができる人気だった。
FPVの高梨選手は「来ていただく方みなさんが、とても楽しそうにしてくださるので、こちらも楽しくなる。このイベントが続くといいと思うし、こうしたイベントが全国に広がってほしい」と終始笑顔で対応していた。
また、飛騨市と交流のある「富山ドローンスクール」を運営する北日本自動車学校(富山市)が、山荘内にドローンの展示や体験コーナーを設置。富山ドローンスクールは、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の認定スクールで、一般社団法人全国自動車学校ドローンコンソーシアム(ジドコン)のメンバーとして指導実績を積み重ねていて、今後飛騨市での指導も視野に入るという。
会場では地元の製麺業、有限会社 「麺の清水屋」がラーメンの売店を出店していたほか、八丁味噌などの味がきいた特性のから揚げ店、カレー、スイーツ、みたらしだんご、飲料などの屋台も軒を連ね、同時開催の音楽イベントミュージックファーム」とともに会場を盛り上げた。
屋外を会場にするイベントでは、開催の可否が天候次第に委ねられる。今回のイベントの開催についても関係者は、開催直前まで台風の接近の影響などについて協議を繰り返すなど、対応に追われた。開催当日は秋晴れのドローン日和となり、来場者はドローンやそのほかのイベントに楽しそうな表情を浮かべていた。このイベントを知り、東京から前日にバスで来たという女性は「もてなしてもらっていると感じられる素敵なイベント。いるだけで楽しい」と話した。数年前に大阪から地元に引っ越した男性は「ドローンに触れたことはなかったが、ドローンに関わる人たち、ここのイベントの人々が楽しそうで、ドローンに触れるきっかけになるかもしれない」と話していた。
神岡ドローン実行委員会の柿下剛委員長は「来場されたみなさんが楽しんでいただけているようでこれほど嬉しいことはない。実は第1回、第2回と天候に恵まれず、そのときは委員長を降りることも考えた。今回はみなさんが喜んでいる表情をみられてうれしい。神岡は高齢化、人口減少が進む町ではあるが、一方でスーパーカミオカンデなど最先端の研究が行われている科学の町でもあり、今後の日本を救うカギのひとつであるドローンに触れあうにはふさわしい場所。このイベントをきっかけに地元活性化につなげていきたい」と話した。
実行委員会の理事で、飛騨市議会議員の仲谷丈吾さんも「ドローンパークも開設していて地元をドローンで盛り上げようという機運は高まっている。みなさんにドローンの町として認知して頂けるよう取り組みたい」と話した。
神岡ドローンフェスの開催には、ドローンによる地域おこしに取り組んでいる地域として知られる町のひとつ、徳島県那賀町が協力している。会場では那賀町が地元の産品を販売するブースを出展していたほか、那賀町の地域おこし協力隊、地元の活性化を目指す一般社団法人地域おこしドローン社の喜多幸治代表らが乗り込み、来場者に盛んに話しかけては神岡、ドローン、那賀町をPRしていた。
ドローンの操作体験、FPV体験、撮影会などさまざまな楽しみ方に触れることができる「第3回神岡ドローンフェスWITH飛騨ミュージックファーム」が10月5日、岐阜県飛騨市神岡町飛騨のスキー場、スターシュプール緑風リゾートひだ流葉(ながれは)のゲレンデで開催される。
主催するのは神岡ドローン実行委員会。一般社団法人飛騨市観光協会、YCKプロジェクトが協力し、飛騨市、飛騨市教育委員会が後援する。今回は、第一線で活躍する人物に密着するドキュメンタリー番組『情熱大陸』に登場したドローンパイロット、高梨智樹選手が来場し、ゴーグルを使って操縦席感覚の視点を楽しめるFPV体験が行われるほか、日本を代表するドローンの業界団体、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の認定スクール「富山ドローンスクール」がトイドローン「TELLO」の体験会を開く。
このほかに、女子力でドローンの普及を支援するドローンジョプラスがゲームを開催し、全国でもいちはやく地域活性化にドローンを取り入れる取り組みをはじめた徳島県那賀町ドローン推進室も体験会を行う。ドローンによる動画撮影会、FPVラジコンレース、ミニセグウェイ体験会なども行われる。地元の音楽フェス「飛騨ミュージックファーム」と同時開催で、会場を一体となって盛り上げる趣向だ。
日時:10月5日(土)、10:00~16:00(雨天決行、荒天中止)
会場:スターシュプール緑風リゾートひだ流葉(ながれは)=通称“流葉スキー場”内、ベガゲレンデ
住所:岐阜県飛騨市神岡町伏方150
アクセス:JR高山線飛騨古川駅からバス約30分、またはマイカー
入場:無料(有料コーナーあり)
飛騨市のHP:ttps://www.city.hida.gifu.jp/site/drone/15362.html