半導体などの電気部品関連商社、株式会社レスターエレクトロニクス(東京)と、ドローン関連サービス、ブルーイノベーション株式会社(東京)は8月11日、両者の知見を持ち寄り、物流産業の倉庫、製造業の工場などの作業を無人化、省人化するトータルソリューションを構築する共同プロジェクトに取り組むと発表した。プロジェクトに賛同する企業などのパートナーとしての参加も募るという。
共同プロジェクトには両社の強みを持ち寄り、それらの融合を目指す。レスターのセンサー、AIの知見やそれらを活用のために選んだ最適なハードウェア、ブルーイノベーションのドローン、ロボットなどを統合制御するプラットフォームBlue Earth Platform(BEP)などを組み合わせることになる見込みだ。
両社は共同事業を「SccS」と名付け、人手に頼りがちな作業現場の自動化、機械化を支援し、現場業務のリモート化の推進に寄与することを目指す。倉庫の棚卸や在庫管理、工場やプラントの点検などの用途を想定しているほか、パートナーと連携しさらなる拡大を目指す。
ブルーイノベーション株式会社(東京)は2月12日、千葉市の大型展示場、幕張メッセで開幕した食品流通業界の商談展示会「スーパーマーケット・トレードショー」で、ドローンやAGV(無人搬送車)で、店舗や食料倉庫などの陳列状況、在庫状況などを遠隔で一括管理する様子を披露するデモンストレーションを実施した。一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が出展したブースで、半導体、センサー事業を手掛ける株式会社レスターエレクトロニクス(東京)と共同で運用した。
デモンストレーションでは、ブルーイノベーションが開発した屋内の自動飛行ドローン「BI AMY(ビーアイ・エイミー)」と米temi社が開発したAGV「temi」を活用。会場の「幕張イベントホール」にドローンを飛ばせるように設置したケージ内に、店舗の中に見立てた商品陳列棚や、倉庫に見立てたQRコードが張り付けられたケースを用意して物流現場を再現し、ドローンとAGVを待機させた。
合図とともに「BI AMY」が離陸し、店舗の陳列棚に置かれた商品や、倉庫のQRコードを確認しデータを収集。続いてtemiがケージ内を走り回りデータ収集をした。Temiがとらえた映像はケージの外に設けられモニターに映し出され、多くの来場者がモニターをのぞきこんでいた。
ブルーイノベーションは、複数の機械、デバイスを連携させ、ひとつの指示で役割を果たしきる遠隔管理システム技術「ブルー・アース・プラットフォーム(=Blue Earth Platform、通称BEP)を開発していて、今回のデモンストレーションは、倉庫内の在庫状況の確認指示で、ドローン、AGV、場合によってはそれ以外のロボット、デバイスが連携して在庫状況を確認するBEPの機能性を示した。
デモンストレーションではブルーイノベーションの田村美樹さんが、「BEPは複数のロボットを遠隔で一括制御することが可能。既存システムやAI、画像処理技術と連携させることで、すべてのデータの統合管理が可能です。「BIAMY」は屋内でも自動飛行が可能で、BEP とつなぐことで、画像情報やRFIDタグ情報の読み取り、BEPを通じてOCR技術や画像認識技術と組み合わせることが可能で、倉庫や店舗の在庫管理をオートメーション化することができます。また、通路幅に余裕がない小売店などでは小型のAGVを連携させれば、同様に在庫管理が可能です」などと説明。来場者からは、「これでうまくいけば人件費の削減につながりますね」などと興味深そうに話していた。
デモンストレーションは会期中の14日まで、毎日開催される予定だ。