奈良エリアの大型コンベンション施設「奈良県コンベンションセンター」(奈良市)で7月22日(金)の午後に開催される『第一回京阪奈ドローンフォーラム』(主催:京阪奈ドローンプロジェクト実行委員会:実行委員長・増尾朗)の概要が判明した。ドローンやエアモビリティ関連の製造、技術開発、サービス、研究に関わる22の企業・団体が出展する。講演会場ではドローンやエアモビリティのキーパーソン11人が次々と登壇し、テンポよく講演する濃密な時間となる。また当日は若宮健嗣万博担当大臣が視察することも決まった。フォーラムの参加には申し込みが必要だが、現在申し込みが急増しており、定員に達した場合、そこでいったん申し込みを締め切ることも検討している。
第一回京阪奈ドローンフォーラムは、京阪奈エリアでドローン前提社会の実現を推進する「京阪奈ドローンプロジェクト」のキックオフイベントとして開催する展示と講演で構成する大型イベント。プロジェクトを通じ、ドローン、エアモビリティの活躍が展望される大阪・関西万博の開催年、2025年をターゲットに、地域でドローン・エアモビリティ前提社会を推進し、大阪・監査万博の機運醸成やその後の地域活性化、デジタル田園都市国家構想の一端としてのデジタル田園地域・京阪奈の実現を目指す。
奈良県コンベンションセンターで正午にホールCの展示会場がオープンし、その後13時からホールA、Bでステージでの講演などが行われる。講演などは16時まで行われ、展示は17時まで行われる。
展示会場には、各種ドローンの機体のほか、農業、測量、障害者支援、運用やデジタル人材などの人材育成サービスの取組、ドローンの飛行環境を感知するセンサー技術の展示などが予定されている。機体には国産VTOL、ハイブリッド機など幅広い種類の機体が展示される。展示のうち9件が関西地域、または関西に親会社がある企業だ。
またステージにはいずれもドローン産業のキーパーソンがずらりと登場する。日本でドローンの産業振興をいち早く唱え、政府とも連携を図る一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の鈴木真二理事長、ドローン研究、人材育成、社会実装に力を入れていることで知られる慶應義塾大学SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアムの古谷知之代表、都市部上空での目視外飛行をさす「レベル4」の解禁にあわせて導入される国家資格などのルールをとりまとめる政府の調整役、内閣官房ドローン室(小型無人機等対対策推進室)の小熊弘明内閣参事官らが、ドローンの作業、生活、活用、ルールなどの全体像を描く。
また、埋もれた絶景の発掘を提唱し観光による地域活性化に取り組む株式会社ドローンエモーションの田口厚代表が「観光と地域活性化」をテーマに、牛丼やラーメンなどをドローンも組み合わせて運ぶスマート物流の取組を加速させている株式会社エアロネクストの田路圭輔CEOが「物流と地域活性化」をテーマに話す。
さらに空飛ぶクルマ開発で知られカーゴドローンの開発や運用代行を手掛ける株式会社SkyDriveの羽賀雄介アカウントプランナー、産業や生活の基盤となるインフラ点検でドローンの活用を推進しAIドローン米Skydio社の機体も運用する株式会社ジャパン・インフラ・ウェイマークの柴田巧代表、空飛ぶバイク開発や空の交通整理に必要な運航管理システムの運用を手掛けるA.L.I,Technologiesの片野大輔代表が最新の取り組みを報告しながら、来場者にドローン前提社会の青写真を示す。東南アジアを中心に急速にドローンの運用を拡大しているマレーシアノエアロダイン社の日本法人、株式会社エアロダインジャパンの伊藤英代表もA.L.I.片野氏とともに登壇する。
ステージの最後は、奈良市観光協会の乾昌弘会長、公益財団法人大阪産業局の手嶋耕平氏と、数人の登壇者とでパネルディスカッションをたたみかけ、京阪奈エリアでのドローン前提社会推進の意義などについて、目の前の課題を題材にしながら意見を交換する。
来場が決まった若宮健嗣万博担当大臣は、デジタル田園都市国家構想担当、共生社会担当のほか、内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全、クールジャパン戦略、知的財産戦略)も兼ねる。フォーラムでの発現が注目されるとともに、フォーラムでの視察がどういかされるかにも期待が寄せられる。
実行委員会は、5時間の展示、3時間の講演と、実質的に半日のスケジュールに要素を詰め込んだ濃密なイベントで、京阪奈エリアでのドローンの取り組みを加速させる方針だ。
なおフォーラムの参加には原則、事前の申し込みが必要(https://www.keihanna-drone.com/)で、現在参加申し込みを受け付けている。ただし現在、申し込みが急増しているため、定員に達した場合にはいったん、受付を修了する方針だ。展示会場の見学者も想定し、当日受付の窓口を設置するかどうかを検討している。また、ステージでの講演の様子は、リアルタイムで配信する予定だ。アーカイブ配信は予定していないという。
■出展企業・団体は以下の通り
㈱エアロジーラボ/エアロセンス㈱/㈱エアロネクスト/NTTコミュニケーションズ㈱/大阪産業局・ソフト産業プラザTEQS/㈱キッズプロジェクト/慶應義塾大学SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアム/㈱国際電気通信基礎技術研究所/ジオサーフ㈱/セブントゥーファイブ㈱/D-wings/dig-it-works㈱/合同会社DPMSs/一般社団法人DPCA(ドローン撮影クリエイターズ協会)/ドローンジャパン㈱/ドローン アクセシビリティ プロジェクト(㈱シアン/テクノツール㈱)/奈良自動車学校/菱田技研工業㈱/明新社/(有)森山環境科学研究所/㈱WorldLink & Company(五十音順)
京都、大阪、奈良の京阪奈地域でドローンの普及を目指す有志団体「京阪奈ドローンプロジェクト実行委員会」(事務局・奈良市)は5月24日、奈良県庁で会見し、プロジェクトの具体的な活動の第一弾として「第一回京阪奈ドローンフォーラム」を7月22日に、奈良市の大型ホール、奈良県コンベンションセンターで開催すると発表した。ドローンや空飛ぶクルマの実装をめぐっては、大阪を中心に関西圏で催事、事業、実証実験など利用拡大や社会実装に向けた取組が急増している。奈良でも大型フォーラムが開催されることで、関西圏でのドローン実装論議に足並みをそろえることになり、活躍が展望される大阪・関西万博の機運醸成も進みそうだ。
京阪奈ドローンフォーラムはドローンや空飛ぶクルマ、エアモビリティに詳しい有識者の講演やパネルディスカッションと、技術、機体、取組の展示などで構成する。実行委員会の増尾朗実行委員長(マスオグループ代表)は「ドローンや空飛ぶクルマは、大阪・関西万博が開催される2025年をマイルストーンとして本格的な展開が期待されています。私たちもこのフォーラムをキックオフとして、万博開催の時期をめどに、京阪奈エリアでのドローン前提社会、デジタル田園都市国家構想の構築に向けて、意識の醸成と社会実装の進展を目指します」と抱負を述べた。
フォーラムの後援には5月24日現在、奈良県、奈良市のほか、一般社団法人奈良県ビジターズビューロー、公益財団法人大阪産業局、一般社団法人DPCA(ドローン撮影クリエイターズ協会)、JR西日本イノベーションズなどが名を連ねている。今後さらに加わる見込みという。フォーラム後に展開するプロジェクトを通じ、京阪奈エリアでのドローン産業の振興や社会課題解決を目指す。
フォーラムの講演には内閣官房の小熊弘明参事官、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の鈴木真二理事長、慶應義塾大学の古谷知之教授(SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアム代表)、空撮を通じた地方創生事業を展開する株式会社ドローンエモーションの田口厚代表取締役、ドローンを含め幅広い技術を活用するスマート物流で牛丼やラーメンを運ぶ実証で知られる株式会社エアロネクストの田路圭輔CEOらが登壇する。「いまのドローン、空飛ぶクルマの流れをリードする“主役級”」(実行委員)の顔ぶれだ。
展示では、VTOL機や有線給電型回転翼機をはじめとする国産ドローン開発を手がけるエアロセンス株式会社(東京)、AIドローン開発の米Skydioと提携し運用や認定講習を手がけるほか、ドローンの飛行、撮影、データ解析、レポート作成をWEB上で一元管理するクラウドサービス「docomo sky」を展開する株式会社NTTドコモ、ドローン研究に力を入れる慶應義塾大学SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアムがブースを構える。
このほか、スイスsenseFly社の固定翼機eBeeシリーズを運用するジオサーフ株式会社(東京)、おコメ、ワイン用ブドウなど農業のスマート化を推進するドローン・ジャパン株式会社(東京)、壁面にピタっと吸着して作業を助けるドローンなど用途に適した産業用ドローンを製造する菱田技研工業株式会社(大阪府)、業務用ドローンの研究開発や製造を手掛ける株式会社D-wings(大阪府)、陸海空のドローン制御技術開発を手掛けるDig-it works(ディジットワークス)株式会社(千葉市)などが機体、技術、取組を持ち寄るなど、あわせて20件のブースが出展される見込みだ。中にはこのフォーラムで新型機を披露することを計画している事業者もある。
フォーラムが開催される7月22日は、万博開幕1000日前の7月18日に近いことから、事務局は万博機運を京阪奈エリアでの醸成も意識していると説明。空飛ぶクルマ、エアモビリティの社会受容性の浸透を通じ、「2025年には奈良をはじめ京阪奈でドローン前提社会といえるような実装が進んでいる」(増尾実行委員長)ような未来を展望している。
増尾委員長は会見で「ドローンや空飛ぶクルマ、エアモビリィには限りない可能性があります。観光にも物流にも人の輸送にも密接にかかわりますし、機体だけでなく周辺技術であるITやAIの普及、DXの促進ももたらします。地域を形作る行政、価値を生み出す企業、未来を切り開く学生など多くの層にフォーラムにお越し頂き、プロジェクトを盛り上げて頂きたいと思っております」と述べた。
主催する京阪奈ドローンプロジェクト実行委員会は、増尾実行委員長が代表を務めるマスオグループのほか地元企業、アクセラレーターら有志が集う。この日の会見には、増尾氏のほか、足立靖氏、石見亜紀子氏、中島秀豊氏が同席した。
ドローンや空飛ぶクルマ、エアモビリティをめぐっては、万博をきっかけに導入機運が高まる大阪を中心に、関西圏は周辺エリアで実装に向けた活動が広がっている。兵庫県では地元発祥の兼松株式会社などと連携し「HYOGO 空飛ぶクルマ研究室」を創設した。9月1日には内閣官房小型無人機等対策推進室と兵庫県とが主催する普及促進イベント「第一回ドローンサミット」を神戸市で開催する。空飛ぶクルマ開発で注目度が高まる株式会社SkyDriveは大阪府、大阪市とすでに連携しているが、近鉄グループホールディングス株式会社(大阪市)が出資を決めるなど活躍の舞台を広げている。近鉄沿線の観光都市、三重県の伊勢・志摩での運用も視野に入る。同様に南海電気鉄道株式会社もSkyDriveとの連携協定を締結し、和歌山県を含む南海沿線での空飛ぶクルマの運用を目指す。奈良でのフォーラム開催はドローンや空飛ぶクルマ、エアモビリティの関西圏での機運の底上げにつながることになる。
■催事:第一回京阪奈ドローンフォーラム
■日時:7月22日(金)、12:00~17:00(講演:13:00~16:00予定)
■内容:講演、パネルティスカッション、展示
■参加:無料
■申し込み:公式サイトの申し込みフォームから