狭小空間点検技術開発の株式会社Liberaware(リベラウェア、千葉市)は1月11日、輪島市<石川県>での能登半島地震の災害対応活動の様子を報告した。リベラは1月6、7日に輪島市内でJUIDAに合流し、狭小空間点検ドローンIBISを使い、倒壊家屋の内部や床下を調査したと報告している。同社は「今後も必要なタイミングで支援する」と話している。
リベラは、狭くて、暗くて、危険な屋内空間の点検、計測に向けた小型ドローンIBISシリーズの開発で知られる。今回もIBISの、GPSの届かない空間への進入が可能な特徴を活用し、輪島市内の倒壊家屋内部や、倒壊リスクがあるため人が立ち入れない設備の内部を調査した。これによりドローンがなければ確認できなかったり、危険を冒して分け入るしか状況把握の手段がなかったりする屋内の様子を把握でき、作業に貢献した。
リベラは活動を以下のように報告している。
(以下発表より引用)
■支援活動について
期間:2024年1月6日(土)~2024年1月7日(日)
場所:石川県輪島市内各所
内容:・倒壊した家屋内部の現状調査
・家屋床下の現状調査
・倒壊リスクのある大型商業施設内部の現状調査
(引用以上)
リベラは「この度の令和6年能登半島地震により、亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。今後も、2次災害抑止のための被災地域の建造物内部調査など必要なタイミングでの支援を継続し、当社のミッションである『誰もが安全な社会を作る』ことに向け邁進してまいります」と話している。
株式会社センシンロボティクス(東京都渋谷区)は1月27日、煙突、タンク、管路など狭小部の点検実務と結果報告をまとめて提供するサービス『SENSYN EXPLORER(センシン エクスプローラー)』の提供を開始したと発表した。点検には独自にカスタマイズしたいくつかの手のひらサイズ(対角長が16センチから21センチ)のドローンを、状況に応じて使い分けて活用する。
「SENSYN EXPLORER」は、点検対象の必要性に応じて最適な対応法を選び、画像・動画を取得し、データや分析結果などを出力して提供するまでの一連のサービスをさす。センシンロボティクスが独自の機材、デバイスを含めた機材群の中から最適な機材、機種、方法を選択し、作業員の安全性確保、作業負担軽減、工期短縮、効率化などの課題の解消、軽減に導く。
取得データの活用では、サマリ報告、3Dモデル、オルソ画像などのアウトプットの提供、データのクラウド管理や共有も可能で、設備側の必要性に応じて対応する。ドローンを飛行させたあとの取得データを、解析や出力のために別の事業者にかけあう手間を省ける。
サービスの提供開始にあたり、石油プラントや製鉄所などで暗所、高所。狭所の点検を実証した。
点検で用いるドローンはいくつかを用意している。いずれも小型ドローンで、別のメーカー製の機体を用途向けにセンシンロボティクスが独自にカスタマイズを加えたものなどを組み合わせて状況に応じて使い分ける。大きさは対角長で16センチから21センチまで、重量が300から450gまでがある。飛行時間はペイロードなしで12分。用途に合わせてケージの取り付けができ、ホイールも使える。カメラもFPVの他に360°カメラなど、用途に応じて搭載できる。