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  • 2023.11.6

    Japan Mobility ShowでAAMやドローンが表舞台に トヨタ、ホンダ、SUBARU、米Joby、ドローンエンタメも

    account_circle村山 繁
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     東京・臨海部の大規模展示会場、東京ビッグサイトで10月26日から11月5日まで開催されたJapan Mobility Show2023は、AAM(次世代エアモビリティ、いわゆる空飛ぶクルマ)の、社会受容性を格段に引き上げた催事として記憶される可能性が高い。トヨタ、ホンダ、SUBARU、スズキなど大手自動車メーカーは空の移動を表舞台に載せ、今後の展望を来場者に印象付けた。米Joby Aviation、日本のSkyDriveはAAMの知名度や認知度を愛好家やマニアの水準から市民、生活者、消費者に拡大し、期待を引き上げた。期待先行の印象が強いAAM開発はまもなく、米アドバイザリ大手、ガートナー社が提唱する「ハイプサイクル」で指摘される「幻滅期」への準備も併行させる時期にさしかかる。

    トヨタ社長背後のスクリーンに出資先米Jobyの映像、Joby実機も  SUBARUはサプライズでコンセプト機体

    トヨタ佐藤恒治社長のプレゼンテーションではスクリーンに投影された映像の中でトヨタが出資するJobyS-4の映像が投影されトヨタの空への意気込みを印象付けた(10月25日)

     Japan Mobility Show2023は公開前日の10月25日に行われたメディア公開以降、メディアの報道、SNSでの拡散などで多くの市民の「行きたい展示会」に躍り出た。東京モーターショーの刷新で展示範囲を自動車関連から乗り物に拡大し、主役の自動車に加え、AAM関連のプロダクト、技術にも光が当たることになった。自動車産業そのものもAAM関連への関与や展望を打ち出し、来場者に近未来を強烈に印象付けた。

     トヨタ自動車の佐藤恒治社長は10月25日午前8時半、同社が設置した巨大ブースにステージに立ち、国内外からつめかけた人垣ができるほど大勢の報道陣を前に、「トヨタのブースで伝えたいのは多様性あふれるモビリティの未来です」と、バッテリーEV、IMV 0(アイエムブイ ゼロ)、KAYOIBAKOの3つを中心にプレゼンテーションをした。AAMへの直接の言及はなかったが、佐藤社長の背後の大型スクリーンに映し出されたコンセプト映像に、同社の出資先、米Joby AviationのeVTOLエアクラフト「S-4」の映像が投影される場面があり、トヨタのエアモビリティ分野への関心を印象付けた。

     JobyのS-4は、原寸大のモックアップが、トヨタのブースとは別の会場内のブースに展示され、来場者がスマホで撮影するなど存在感を放った。JobyはANAホールディングス株式会社とチームを組み、2025年4月に開幕する大阪・関西万博で、利用者を載せて飛行する4つの事業者グループのひとつに決定している。「S-4」はトヨタが駆動系の開発に参加しているほか、型式証明の交付を日本の航空局に申請がされていて、日本での飛行を待ちわびる視線を集めた。

     日本発AAMの現時点での代表格のひとつ、株式会社SkyDrive(豊田市<愛知県>)も型式証明を申請している「SD-05」の5分の1サイズモデルを展示し、来場者の足を止めた。展示された場所はスズキ株式会社(浜松市<静岡県>)が展開しているブースの一角だ。SkyDriveは6月にスズキとの協力関係について基本合意書を交わしていて、スズキグループの工場を活用して2024年春ごろに機体の製造に着手したい意向だ。SkyDriveは代表の福澤知浩氏の出身企業であり、SkyDriveへのスポンサーでもあるトヨタと縁が深いが、Japan Mobility Showではスズキとの連携を印象付けたことで、自動車業界をあげたエアモビリティ支援体制構築の進展が期待される。

     メディアの間で当初、最大の話題のひとつとなったのが、株式会社SUBARU(東京)のエアモビリティ発表だ。トヨタから1時間後の10月25日、午前9時30分にスバルのブースのステージに登壇した大崎篤社長CEOは「自動車業界は100年に一度の大変革期を迎えていると言われ数年がたちます。本日は次世代モビリティとしてふたつのコンセプトモデルを披露します」と宣言。軽快な音楽とともに最初のコンセプトモデル「SUBARU SPORT MOBILITY Concept」が紹介された後、音楽が切り替わると、背後のパネルが中央からふたつに開き、奥からリフトアップされた機体がせり出した。メディアがいっせいにフラッシュをたくなか、せり出した機体はステージでファッションショーのモデルのように右左に動いたり、正面を向いたりして、洗練されたデザインをアピールした。

     大崎CEOはこの機体を「SUBARU AIR MOBILITY Concept」と紹介。「電動化、自動化技術が進歩し航空機の世界でも空の移動革命を実現する新たなエアモビリティへの期待が高まっている中、スバルが目指すより自由な移動の未来を示したコンセプトモデル。現在、自動車部門と航空宇宙カンパニーが協力し飛行実証を進めています」と紹介した。6つのローターを持つ電動機だが、スペックは今後詰めるという。

    公開前日の10月25日に開催されたプレスデーの午前8時半、トヨタのブースにはこれだけの人垣ができた。全員メディア関係者だ。注目度の高さがうかがえる(10月25日)
    ステージ奥のパネルがわれ、中からせり出すように登場したSUBARUのエアモビリティコンセプト(10月25日)
    SUBARUのブースは一般公開日にも多くの来場者がカメラを向けた(11月2日)
    エアモビリティにも言及したSUBARUの大崎篤CEO(10月25日)
    トヨタのプレゼンテーション中の動画に登場したJobyのS-4はトヨタとは別のブースで実物大のモックアップが公開された。ANAホールディングスと連携し大阪・関西万博での飛行が期待されている
    スズキブースの一角に展示されたSkyDriveの「SD-05」の5分の1スケールモデル。米JobyのS-4とともに、大阪・関西万博での飛行が期待されるモデルのひとつ
    SkyDriveブースを訪れた同社の福澤知浩代表(10月25日)
    来場者の期待感を刺激する装飾も効果的だった(10月25日午前8時)
    一般公開後は入口前からスタッフが来場者の往来整理にあたった(11月2日午前11時)
    一般公開期間の午前中は入口にたどり着くまでに行列ができ、入場前に人気ぶりを実感できる(11月2日)

    ホンダ東氏「時短価値提供に向けターゲットレンジ400㎞へ」

    空モノへの力の入れようが伝わるホンダのブース(11月2日)

     本田技研工業株式会社(ホンダ、東京)のブースは、見る角度によっては自動車より飛ぶ乗り物が目立つほどに空への展開をアピールした。小型ビジネスジェット「HondaJet Elite II」の搭乗体験モデルの隣に、8つの揚力用ローター、2つの推進用ローターを搭載する開発中のAAM、「Honda eVTOL」の縮小モデルを展示した。

     Honda eVTOLは名称に電動を示す「e」が入るが、ガスタービンを搭載している。シリーズ式ハイブリッドと呼ばれる方式で、ガスタービンは電力の生産に使われ、その電力はバッテリーに溜めて機体を動かす。ガスタービンで得られた力を推進力には使われない。機体が電気で動くのでガスタービンを搭載していても「e」がつく。

      ホンダはHonda eVTOLの安全性、快適性、静粛性を前提としていて、利用者が感じる価値はその先にあると考えている。重視しているのは時短価値だ。

     開発プロジェクトリーダーを務める株式会社本田技術研究所(和光市<埼玉県>)先進技術研究所新モビリティ領域チーフエンジニアの東弘英氏は、DroneTribuneの取材に、「空港に行かなくてもより身近に空を体験して頂けることが新しい価値だと思っています。身近であるためには安全や静粛性は前提です。利用者が『いいね』と感じる価値はさまざまあると思いますが、われわれはその中でもまずは、時短価値が大事だと考えています。そのためにはショートレンジでは価値が出しにくい。たとえばクルマを使えば10分で行けるところにHonda eVTOLでは5分で行けたとしても時短価値は少ないと考えられます。ひょっとすると降りてから乗り換えるとさらに時間がかかる可能性すらある。ある程度のレンジがないと時短価値が出せない。ガスタービンの搭載もそのためです。ターゲットレンジは400㎞です」と話し、出発点から目的地までの移動時間の短縮に挑む。 

    縮小スケールで展示されたHONDA eVTOL。ガスタービンの搭載で400㎞航続を目指す(10月25日)
    HONDA eVTOLについてDroneTribuneの取材に応じる本田技術研究所の東弘英シニアチーフエンジニア(10月25日)
    HONDA JETも呼び物展示のひとつ。「東京モーターショー」から「Japan Mobility Show」への衣替えを象徴していた
    HondaJet Elite IIは内部の快適性やステイタス感がウリのひとつ。搭乗体験モデルには行列ができた

    「ドローンツアー」のFPVの臨場感体験に感激の声続出

    ドローンの操縦席に乗ることができたらどんな体験ができるか。そんな願いを叶えるために登場したドローンエンタテインメントとトムスのブースはFPVの臨場感に満足の声が続出した

     Japan Mobility Showの「飛ぶもの」はAAMにとどまらない。株式会社エアロセンス(東京)やブルーイノベーション株式会社(東京)などドローンに力を入れている企業や、気球で宇宙旅行を企画しているか株式会社岩谷(いわや)技研(札幌市<北海道>)、自律航行技術で知られ、ストレッチャーロボットが海外メディアでも取り上げられた株式会社アトラックラボ(三芳町<埼玉県>)なども数多く登場している。ブルーイノベーションはトヨタが開発したドローンポートシステムをUCCホールディングス株式会社(神戸市<兵庫県>)などのスペースで実演。ドローンから届いたコーヒーをポートに降ろしたのち自動走行のAGVに乗せ換えて届け先まで走行する様子を再現している。

     連日行列を作っていたのは、マイクロドローン関連事業を展開する株式会社ドローンエンタテインメントが株式会社トムスと連携して展開していた体験型ブース、「ドローンツアー」だ。球体型スクリーンの手前にシートが用意され、そこに座ると同社代表でドローンレーサー元日本代表の第一人者で横田淳氏が撮影した全国の名所の映像が流れる。映像にあわせてシートが振動したり傾いたりして、まるで映像の中を自分が飛ぶ感覚を味わえる。よりリアルな体験を楽しむ方法として、横田代表がその場で飛ばすFPVドローンのとらえた映像を浴びることもできる。球面スクリーンの隣に設置された特設フライトスペース内をドローンが飛ぶと、シートに座った来場者はそのドローンの操縦席にでもいるかのような臨場感が味わえる。

     一般公開期間中は連日、午前の予約開始直後に埋まる盛況ぶり。会場にはキャンセル待ちのレーンも用意され、そこにも連日、来場者がつめかけていた。

     一般公開日に3人組で参加した女性の一人は「報道で見て、知人から聞いて参加しました。期待していたよりも、ずっと楽しかったです。なにより、よく言われる臨場感ってこういうものか、と感じました」と感激した様子で話した。いっしょにいた女性も「有料でも乗ります。ほかで味わえないから。あの映像を味わえるようにドローンを操縦したくなりました」と話していた。

     Japan Mobility Show2023はAAMへの期待を高め話題性を作ることに成功した。社会実装にむけて実用局面に移行する。米ガートナー社が提唱する期待の増減を示すハイプサイクルによると、新しいテクノロジーは話題性とともに登場すると、一気に期待値があがるが、その後、期待と現実との落差を目の当たりにすることで一時的に急降下することになる。その後、真価の適切な評価を経て社会システムに採用され、実装に至る。AAMも急上昇した期待の社会実装への道筋を構築する局面に入ることになる。

    行列ができたドローンツアーの前で説明する株式会社ドローンエンタテインメントの横田淳代表
    連日、予約開始とともに席が埋まったドローンツアー。キャンセル待ちレーンも設けられた
    ドローンレースの元日本代表でもある横田淳さんがその場で操縦(右端)。横田さんのドローンにまるで乗っているかのような体験も満喫できる。
    UCCのコーヒーが無人で運ばれてくる体験。ドローンがポートにおり、荷物がAGVに渡され、AGVが運んでくる。ポートはトヨタが開発しブルーイノベーションが開発を支援した
    岩谷(いわや)技研が展示した宇宙旅行体験のできる気球のモデル
    雷からドローンで電気をとる実験の様子も再現

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    村山 繁
    DroneTribune代表兼編集長。2016年8月に産経新聞社が運営するDroneTimesの副編集長を務め、取材、執筆、編集のほか、イベントの企画、講演、司会、オーガナイザーなどを手掛ける。産経新聞がDroneTimesを休止した2019年4月末の翌日である2019年5月1日(「令和」の初日)にドローン専門の新たな情報配信サイトDroneTribuneを創刊し代表兼編集長に就任した。現在、媒体運営、取材、執筆、編集を手掛けながら、企画提案、活字コミュニケーションコンサルティングなども請け負う。慶應義塾大学SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアム研究所員、あおもりドローン利活用推進会議顧問など兼務。元産経新聞社副編集長。青森県弘前市生まれ、埼玉県育ち。
  • 2021.7.5

    千葉功太郎氏、共同所有するホンダジェットがバイオ飛行民間機第1号に ユーグレナの「サステオ」で

    account_circle村山 繁
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     DRONE FUNDの代表パートナーで投資家の千葉功太郎氏は6月29日、共同所有するプライベートジェット「HondaJet Elite」に株式会社ユーグレナ(東京)のバイオ燃料「SUSTEO(サステオ)」を給油して鹿児島から東京・羽田まで飛行し、国産バイオ燃料で飛行した民間機の第1号となったことを、飛行直後の発表会で報告した。千葉氏は今秋スタートするチャーターフライトのサービスでも所有機を提供する。利用者は「SUSTEO」の燃料を選べる。操縦士として操縦桿も握る千葉氏は、この日の発表会で「バイオ燃料で飛ぶ人を増やしたい」と述べ、空からの環境改善に強い意欲を示した。

    永田氏「もう“飛び恥”とは言わせない」 “緑の”カズレーザーさんも登場

    発表会に登場したカズレーザーさん、出雲充さん、千葉功太郎さん、永田暁彦さん(左から)。カズレーザーさんは出雲さんから「1日機長」を委嘱され「原付免許しか持ってないですけど、ありがたくお受けします」と応じていた

     千葉氏はユーグレナが開催した「ユーグレナ、民間機によるバイオ燃料によるフライト成功および新事業戦略発表会」に、ユーグレナの出雲充代表取締役、永田暁彦取締役副社長、ユーグレナのCMに出演しているお笑いユニットメイプル超合金のカズレーザーさんとともに登壇した。千葉氏、出雲氏、永田氏は、直前に鹿児島からバイオ燃料を給油したHondaJet Eliteで羽田空港に到着し、そのまま発表会に臨んだ。会見場には到着したばかりのHondaJet Eliteも置かれた。機体には「ユーグレナ」のロゴが描かれ、国産バイオ燃料使用の民間機1号であることを象徴した。

     発表会では、ユーグレナ社が開発したバイオ燃料に従来の呼称「ユーグレナバイオ燃料」から「サステオ」にブランドを刷新すること、サステオによる民間機の初飛行が成功したこと、今秋スタートするチャーターフライトなどが発表され、開発までの経緯やバイオ燃料の持つ意義や重要性、今後の増産計画などの発表が行われた。

     ユーグレナ社長の出雲氏は「バイオ燃料で飛ばすことに成功しました。きょうから“飛び恥”などと言わせません。これからはバイオ燃料でグリーンにエコに飛べるようにします。2050年にはCO2排出をオフセット(埋め合わせ)します。6月29日はそのための第一歩の日です」とこの日の意義を強調した。ユーグレナ副社長の永田氏も、同日以降は同社のバイオ燃料を「SUSTEOディーゼル」、「SUSUTEOジェット」として展開することや、バイオ燃料がCO2排出を埋め合わせる仕組みについて説明した。

    千葉氏「今は高い。でも積極的に使います」

    国産バイオ燃料でのファーストフライトを終え、飛行したときの感動を伝える千葉功太郎さん

     あいさつを求められた千葉氏は「さきほど、夢を追ってきた2人とともに歴史的なファーストフライトができました。感動してしまいました。ミドリムシが空を飛ぶ。8年前にこの話を聞いたときにはさすがに健康食品だろう、と思っていたのですが、飛んだ瞬間にジワっときました」とSUSTEO実用化の嬉しさを表現した。

     千葉氏は日本で操縦士の免許を取得し、その後米国でもパイロットを取得している。現在、近い将来、所有するHondaJet Eliteの機長になることを目指している。説明会でのプレゼンテーションでは千葉氏は「ただし空を飛ぶたびにCO2を排出している後ろめたさがありました。しかしユーグレナがプラスマイナスゼロにできる国産バイオ燃料を作った。値段は高いです。分かっています。でもユーザーとして積極的に使っていくつもりです」と国産バイオ燃料の普及促進に取り組む方針を示した。

     千葉氏はSUSTEO実用化の重要性にも言及。「今回のユーグレナの偉業がどれほど信じられないか。航空機というのは、シート、部品、燃料に至るまですべて厳格なレギュレーションに沿って認証されたものでないと使えないことになっています。つまりバイオジェット燃料を作った、と言ってもそれだけでは使えないのです。ユーグレナは燃料を作ったうえで認証も受けた。これ、とてつもなく大変なことです。創業16年目のぴよぴよ会社が、認証を受けるまでをやり遂げたこと。これは歴史的なことだと思うのです」と強調した。

     本業のひとつであるドローンや空飛ぶクルマに対する投資との兼ね合いについては、ドローンの航続距離との関係から発言。「航続距離を伸ばす工夫のひとつとして、化石燃料を燃やして発電するハイブリッド化の取り組みがあります。短距離短時間の飛行なら電気、長距離ならエンジンなど、バッテリー、ハイブリッド、エンジンの組み合わせが重要になります。その組み合わせのうち燃料を使うところでSUSTEOが使えることは大きい。これで2050年のカーボンニュートラルを空から実現できます。2023年には空飛ぶクルマの商用利用が始まります。空の産業革命をこうした組み合わせで作りたい」と表明した。

    チャーターサービスに機体提供 千葉氏「先進的なユーザーと移動革命の実現を」

     さらに所有するHondaJet Eliteを、一般ユーザー向けのチャーター利用に提供することについて、「2050年を見据えた、未来を先取りした画期的な取り組みです」と説明。「先進的なユーザーに使って頂きたい。新型コロナの影響で海外への渡航は不自由になりましたが、代わりに国内の旅行地が見直されるようになりました。この企画では、たとえば鹿児島にある『天空の森』(鹿児島県霧島市)のような極上のリゾートに、SUSTEOをいれたHondaJet Eliteで行く2泊3日のサステイナブルな空の旅、のようなものを展開したいと考えています。さまざまな日本の発見につながればいい。先進的なユーザーとともに切り開き、移動革命を実現させて頂ければと思っています」と期待を膨らませた。

     発表会ではこのほかユーグレナのCMに出演中のカズレーザーさんがクイズに挑戦し、燃料が認証を受けるために必要な項目の数や、航空機が飛行中に排出するCO2の重量を問う出題に多角的に推理してみせて、登壇者を感心させた。

     なお発表会当日の6月29日は55年前の1966年にビートルズが初来日した日でもあり、当時話題となった、日本航空のドアからメンバー4人が法被姿で現れるシーンに重ね合わせ、3人がそろいの法被で登場した。法被はユーグレナを象徴するグリーンが基調で、襟字は左側に「GREEEN OIL JAPAN」、右側に「日本をバイオ燃料先進国に」とプリントされていた(ヒートルズ来日の法被姿は機内でメンバーの思い付きで実現したもので、襟時は「JAL」だった)。カズレーザーさんもトレードマークの赤の衣装ではなく、CMで着用している全身、緑色のスーツで登場して会場を沸かせた。

    千葉功太郎さんが共同所有するHondaJet ELITEの機体には「ユーグレナ」のロゴが描かれていたkき
    SUSTEOの重要性について千葉さんがプレゼンテーション
    機体も入れて全員で記念撮影
    1日機長の敬礼
    1966年6月29日のビートルズ初来日のシーンを再現するような出雲充ユーグレナ代表の登場シーン。どのメンバーを念頭に置きながら手を挙げたのだろうか。
    「誰でもバイオ燃料で空を飛ぶ時代を目指す」と宣言したユーグレナの永田副社長
    カズレーザーさんがクイズに挑戦。世界で初のバイオ燃料フライトはいつか。カズレーザーさんは「B」を選択し正解した
    千葉功太郎さんが共同所有するHondaJet ELITEの機体には「ユーグレナ」のロゴが描かれていた

    AUTHER

    村山 繁
    DroneTribune代表兼編集長。2016年8月に産経新聞社が運営するDroneTimesの副編集長を務め、取材、執筆、編集のほか、イベントの企画、講演、司会、オーガナイザーなどを手掛ける。産経新聞がDroneTimesを休止した2019年4月末の翌日である2019年5月1日(「令和」の初日)にドローン専門の新たな情報配信サイトDroneTribuneを創刊し代表兼編集長に就任した。現在、媒体運営、取材、執筆、編集を手掛けながら、企画提案、活字コミュニケーションコンサルティングなども請け負う。慶應義塾大学SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアム研究所員、あおもりドローン利活用推進会議顧問など兼務。元産経新聞社副編集長。青森県弘前市生まれ、埼玉県育ち。