自律飛行 の記事一覧:3件
  • 2023.9.21

    米Skydioが新製品「Skydio X10」発売 日本では年内予約受付

    account_circle村山 繁
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     自律飛行技術を備えたAIドローンを開発の米 Skydio(スカイディオ、米国カリフォルニア州)は9月20日、照明がない環境でも自律飛行する新製品「Skydio X10(エックステン)の発売を発表した。日本法人であるSkydio 合同会社(東京)も9月21日に発表した。日本国内では2023年中に予約の受け付けを始め、2024年前半の出荷する見込みだ。「X10」は産業利用を前提としていて、照明がない環境でも自律飛行が可能になる新機能「Night Sense」(ナイト・センス)や、200mを超える高さからクルマのナンバープレートを読みとれる高解像度の三眼カメラを装備する。コンピュータの処理能力や、ナビゲーションカメラの精度が前モデルより10倍向上させたという。折りたたみができ、可搬性も高めた。

    処理能力10倍 無照明環境の自律飛行を可能にする「Night Sense」新搭載

    Skydio 合同会社の発表文は以下の通り。製品仕様は紹介サイトに掲載してある。

    (以下リリース引用)

    Skydio、エンタープライズ向けの新ドローン「Skydio X10」を発売

    ~センサー機能とインテリジェンスを改良し、用途をさらに拡大~

    自律飛行技術におけるグローバルリーダーである、米国のドローンメーカーの Skydio(スカイディオ、本社:米国カリフォルニア州、日本代表:柿島英和)は、米国時間2023年9月20 日に、エンタープライズ向けの新ドローン製品「Skydio X10」(スカイディオ・エックステン)の販売を開始したことをお知らせいたします。Skydio X10 は、最新のデータキャプチャ用カメラを搭載しているほか、これまでにない高い自律性を兼ね備えています。さらに、汎用性の高い機体となっているため、エネルギー、公共、輸送、建設、通信などさまざまな業界に活用できます。

    Skydio X10 は、従来単独としての製品にはなかった、幅広い機能や特長を備えています。

    Skydio X10 の機体は自律飛行技術の搭載はもちろん、ユーザーが求めるデータを柔軟に取得できるように、センサーを必要な場所やタイミングに応じて自由に機体と組み合わせることが可能です。また、Skydio X10 は、従来の主要なマニュアル操作ドローンに要求されるすべてのことをこなすことができるに加え、搭載されている自律飛行技術により、これまでドローン業界では実現が困難とされてきた規模や範囲での飛行ミッションを遂行し、今までにないインパクトをもたらすことができます。Skydio X10 単独で提供される特長と機能には、以下が含まれます:

    • 高解像度カメラ: SkydioX10には、カスタム設計の高解像度カメラが装備されています。このカメラには、48メガピクセル(4,800万画素)のズームカメラが備わり、800フィート(約244メートル)の高さからナンバープレートを読み取ることができます。また、50メガピクセル(5,000万画素)の広角カメラも搭載されており、コンクリートにある0.1ミリメートルの亀裂など微細な情報を検出できます。さらに、解像度 640 x 512ピクセルを誇る TeledyneFLIR Boson+の放射分析サーマルカメラも内蔵されており、点検作業中の温度差計測や、暗闇での行方不明者の捜索などにも活用できます。
    • 汎用性の高い機体: Skydio X10の機体は、耐久性と適応性を考慮したモジュラー型(組み合わせ型)の機体設計となっており、4つのペイロードベイ(貨物収納スペース)と、交換可能なジンバルセンサーのセットを備えており、IP55 規格に準拠した耐候性をもっています。さらに、さまざまな接続方法に対応できる「Skydio Connect」(スカイディオ・コネクト)が搭載されており、再設計されたポイント・ツー・ポイント接続(2箇所を一対一で結ぶ接続方式)、さまざまな通信が干渉したり滞ったりする環境に対応できるよう設計されたマルチバンド接続(複数の異なる周波数帯域を使用した接続方法)、そしてモバイル通信がある場所であれば無制限の範囲で使用できる 5GおよびLTEの中から、接続方法を選ぶことができます。
    • AIを活用した自律飛行技術:SkydioX10に搭載されたAIは、コンピュータの処理能力を 10倍向上させ、10倍の高精度を実現したカスタム設計のナビゲーションカメラを活用。これにより、より確実に飛行し、厳しい条件下でも障害物により近接して障害物を回避することができます。また、照明がない環境でも自律飛行が可能になる新機能「Night Sense」(ナイト・センス)が加わり、光が一切ない場所でも 24 時間年中無休で業務を遂行できるようになりました。さらに、既存のソフトウェアである Skydio 3D Scan(スカイディオ・スリーディースキャン)やOnboard Modeling(オンボード・モデリング)と組み合わせ、リアルタイムの環境マッピングと完全自動のモデリングを可能する AI エンジン「Skydio X10 Spatial」も新たに追加されました。
    • 前例のない、優れた可搬性:前述にあるさまざまな高度機能を搭載しているのにも関わらず、SkydioX10は非常に持ち運びがしやすいのも特長です。折りたたんでカバンにしまってある状態から飛行するまで、40秒もかかりません。

    Skydio Inc.の CEO 兼共同創業者の Adam Bry(アダム・ブライ)は、次のように述べています。

    「SkydioX10は、過去3年間でお客様から学んだことや10年に亘る研究開発の技術基盤、さらにはSkydioで驚くべき才能と献身的姿勢をもったチームの努力を反映しています。Skydioとして抱く最終的な目標は、ドローンを作ることではなく、優れたドローンのプログラムを作ることです。その目標への道は、まだ始まったばかりです」

     

    市場背景にある、重要なトレンド

     

    SkydioX10の発表は、ドローン業界にとって非常に重要な時期と重なっています。今日においてドローンは、文明社会を支える中核産業において重要なツールとなりつつあり、現在では、偵察から包括的なインフラ点検まで多岐に渡って活用されています。さらに、人工知能が変革の時代を迎え、さまざまな作業をシームレスに行うことができるようにドローンを高知能化させています。また、特に米国においては、安全保障上の懸念から、中国製ドローンからの転換が高まっており、あらゆる業界でドローン技術のセキュリティと主権を確保できる代替案を積極的に模索しています。このような背景から、SkydioはAIと米国製造にこだわるというビジョンとコミットメントを抱き続け、SkydioX10という画期的な製品開発につながりました。SkydioX10はこのような業界の状況に対応し、高度かつ安全で、自律的なツールである未来のドローンの道を切り開き、進化し続ける現代産業の要求に応え続けていきます。

     

    多様な活用事例

     

    SkydioX10は、さまざまな業界であらゆる活用方法が期待されてます:

    • 初期対応としてのドローン活用:SkydioX10は、Drone as First Responder(初期対応としてのドローン)のシナリオに理想的な製品です。非常にコンパクトで使いやすいため、すべての巡回警官に分配して使ってもらうことが可能です。また、5GおよびLTE機能を搭載しているため、遠隔の地点からドローンを起動させたり、その他の操作をしたりすることが可能です。そのため、優れた状況認識を行うほか、あらゆる任務の支援に役立ちます。
    • 重要インフラの点検:電力をはじめとする他の重要インフラの事業者にとって、SkydioX10は点検ツールとして優れた性能を発揮します。高度なセンサーと障害物回避機能により、電磁干渉のある厳しい環境下でも安心で安全な飛行が可能です。X10 は比類のない精度で故障や欠陥を検出でき、そのAI機能は自動検査への道を開きます。

    SkydioX10は、これまで比類のない精度で故障や欠陥を検出できるため、同製品に搭載されているAI機能は今後、自動点検への道をさらに切り開いていくことが期待されています。

    Skydioは引き続き、自律飛行型のドローン技術の限界を押し広げ、業界全体において空中知能のインパクトをもたらすことを目指してまいります。また、あらゆる業界における現場において、ドローンを貴重なアセットとして確立できるように取り組んでいきます。 Skydio の自律飛行技術は依然として唯一無二のものとなっています。SkydioX10を採用することにより、自律飛行型の製品と重要なハードウェアとして求められる機能が始めて両立できるようになり、よりスマートで安全かつ高い能力を備えた製品を提供することができるようになりました。Skydioは今後も、あらゆるインフラの運用組織が従業員や一般人の安全を確保し、インフラを中断せずに業務のインパクトや規模を最大化できるようなソリューションを提供できるよう目指してまいります。

    紹介サイト:https://www.skydio.com/blog/introducing-X10

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    村山 繁
    DroneTribune代表兼編集長。2016年8月に産経新聞社が運営するDroneTimesの副編集長を務め、取材、執筆、編集のほか、イベントの企画、講演、司会、オーガナイザーなどを手掛ける。産経新聞がDroneTimesを休止した2019年4月末の翌日である2019年5月1日(「令和」の初日)にドローン専門の新たな情報配信サイトDroneTribuneを創刊し代表兼編集長に就任した。現在、媒体運営、取材、執筆、編集を手掛けながら、企画提案、活字コミュニケーションコンサルティングなども請け負う。慶應義塾大学SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアム研究所員、あおもりドローン利活用推進会議顧問など兼務。元産経新聞社副編集長。青森県弘前市生まれ、埼玉県育ち。
  • 2022.4.12

    風況観測のメトロウェザーが7億円調達 DRONE FUND、リアルテックファンドのほか鉄道系、海運系、物流系など12社から

    account_circle村山 繁
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    風況観測技術の開発を手掛けるメトロウェザー株式会社(京都府宇治市、古本淳一代表取締役)は4月11日、海運、鉄道、物流、金融など12社から約7億円を調達したと発表した。調達先は既存株主のリアルテックファンド、DRONE FUNDのほかヤマトホールディングス系やJR東日本系のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)などが名を連ねる。調達した資金を体制の構築や開発にあてるほか、事業の現場も抱える出資企業と連携を深め、海外も含めた事業展開の加速化を図る。

    風の動き強さを可視化する小型ドップラー・ライダーで自律航行の実装を支援

     調達は12社を引受先とした第三者割当増資等でシリーズAラウンドとして実施し。メトロウェザーは京都大学発スタートアップで、風向きや風速を三次元でとらえリアルタイムで可視化する小型・高性能ドップラー・ライダー・システムを持つ。風況観測はドローンや空飛ぶクルマの自律飛行の実装に欠かせない技術で、出資企業と連携し実証実験を重ねる。

     発表は以下の通り(以下、引用)

     風を3次元に可視化する小型・高性能ドップラー・ライダー・システムを擁するメトロウェザー株式会社(本社:京都府宇治市、代表取締役 古本淳一、以下「メトロウェザー」)は、このたび 既存株主であるリアルテックファンド、DRONE FUND 及び新たにグローバル・ブレインが運営するCVCファンドをはじめとした、VC及び事業会社計12社を引受先とした第三者割当増資等により、シリーズAラウンドにおいて総額約7億円の資金調達を実施したことをお知らせします。

     メトロウェザーは、小型高性能ドップラー・ライダーにより空の風況を立体的に把握し、可視化することで「風」の課題を解決し、「エアモビリティー社会」と「安全安心な都市生活」の実現に貢献することを目指しております。シリーズAラウンドの資金調達により、各株主企業様との連携をより一層深め、国内のみならず海外展開を視野に入れた組織体制の構築と、さらなる事業展開を加速させてまいります。

     メトロウェザーは、ドップラー・ライダーの活用により、ドローンの運行に必要不可欠となるリアルタイムでの高精細風況情報の提供を実現します。これによりレベル4飛行の大きなハードルとなっている「高度な安全性の確保」を達成し、ドローン前提社会における必須のインフラとなることを目指します。

     さらに、独自の気象予測シミュレーションを組み合わせることで、都市防災・風力発電・航空・海運・鉄道領域等、ドローン関連のみならず弊社技術に関連する幅広い分野の市場への参入を進めてまいります。

    ■ シリーズA資金調達先 計12社

    (既存先)

    ・リアルテックファンド

    ・DRONE FUND

    ・株式会社日本政策金融公庫(資本性ローン等)

    (新規先)

    ・JGC MIRAI Innovation Fund(運営:グローバル・ブレイン株式会社)

    ・KURONEKO Innovation Fund(運営:グローバル・ブレイン株式会社)

    ・株式会社MOL PLUS(株式会社商船三井100%出資CVC)

    ・JR東日本スタートアップ株式会社

    ・ACSL1号有限責任事業組合

    ・鐘通株式会社

    ・三菱UFJキャピタル株式会社

    ・SMBCベンチャーキャピタル株式会社

    ・京銀リース・キャピタル株式会社

     

    <各社のコメント>

    ■リアルテックホールディングス株式会社 永田暁彦代表取締役

    言語の壁を超えて全世界70億人にイノベーションを提供する、これを実現できるのがリアルテックの価値です。メトロウェザーはこの実現に大きく近づきました。同社のドップラーライダーを活用したユースケースの拡大、そして空のインフラ構築を、今回参画頂いた事業会社等の力強い仲間と共に、今後もリード投資家として全力で支援して参ります。

    ■DRONE FUND 大前創希共同代表パートナー

    ドローン・エアモビリティの社会実装の機運を受け、メトロウェザーの存在感が高まっており、大変頼もしく感じます。人々の頭の上をドローンやエアモビリティが飛び交うレベル4の実現には、メトロウェザーの技術は不可欠なものになっていくと確信しています。本ラウンドでは新たに参画頂いた日本を代表する事業会社の方々と事業を一層加速できるよう、 DRONE FUNDとして全力で支援していきます!

    ■グローバル・ブレイン株式会社(JGC MIRAI Innovation Fund・KURONEKO Innovation Fundを運営) 百合本安彦代表取締役社長

    メトロウェザー社のドップラーライダーは、海外含めた競合他社と比較して高スペックであり、また圧倒的な小型サイズと低製造コストを実現しています。風力発電量予測等いくつかの用途での活用が期待されておりますが、特にドローン自動運行への風況予測データ提供において高いポテンシャルを見ています。ドローン自動運行で不可欠となる高い時空間解像度のデータを提供する上で、メトロウェザー社の技術が唯一無二のソリューションとなりうると考えています。グローバル市場を取れるポテンシャルを持つ当社の今後の事業成長に貢献すべく、弊社としてもしっかり支援してまいります。

    ■日揮株式会社 未来戦略室 / JGC MIRAI Innovation Fund CVCフロントチームリーダー 坂本惇氏

    日揮グループは安全・安心で持続可能な社会システムの実現に向けて、革新的な技術やビジネスモデルを有するスタートアップ企業への投資を行っています。今回の出資に際して、メトロウェザーが目指すビジョンに強く共感し、また、下支えとなる優れた信号処理、風況観測・予測シミュレーション技術を高く評価致しました。今後、日揮グループが培ってきたエンジニアリング技術や各領域の知見を融合させる事で、産業プラント、風力発電領域に加え、新たな社会インフラ構築に向けたイノベーションを起こす事を期待しています。

    ■ヤマトホールディングス株式会社イノベーション推進機能/KURONEKO Innovation Fundシニアマネージャー足立崇彰氏

    風況計測は、 安全なドローン運行にとって重要な要素です。メトロウェザー社のドップラー・ライダーは、観測技術の高さとコスト面で高い優位性を持っています。ヤマトグループは、ドローンを活用した「新たな空の輸送モード」を現在構築しており、そのなかでドップラー・ライダーは、必要不可欠なテクノロジーです。今後、協業を通じて、両社がより事業成長できるよう取り組んでまいります。

    ■株式会社MOL PLUS 阪本拓也代表

    メトロウェザー社の事業ビジョンに共感し、また直近1年間で多様な産業へのソリューション展開をスピーディーに推進されていることに可能性を感じ、この度他の多くの出資者の皆様とともに、ご一緒させていただくことになりました。MOL PLUS はメトロウェザー社が実現を目指す風況予測ソリューションの各産業への社会実装に貢献します。とりわけ海運や海洋事業領域での社会実装について推進させていただきます。具体事例として、今回の出資に際し商船三井の『ウインドハンタープロジェクト』においてドップラー・ライダーを用いた風況予測の実証実験を共同で取り組みます。今後の取り組みを楽しみにしております。

    ■JR東日本スタートアップ株式会社 柴田裕代表取締役社長

    ドップラーライダーのテクノロジーを応用して、鉄道工事の課題を解決する…。 そんな無謀…否、果敢なチャレンジをいま、メトロウェザー社と一緒に進めています。場所はリアルの鉄道路線(休止線)。そこにドップラー・ライダーを持ち込んで支障物を検知する実証実験は、なんともダイナミックで斬新なものでした。まだ課題は山積ですが、この技術は未来の鉄道現場に広く活用できると思っています。共創パートナーのメトロウェザー社を、私たちはこれからも応援していきます。

    ■株式会社ACSL 早川研介取締役CFO

    株式会社ACSLはドローンメーカーとして、ドローンを活用した社会課題の解決に向けた取り組みを進めております。レベル4の法規制整備やデジタル田園都市国家構想の推進、脱炭素化に向けた動きの加速などによりドローンが活用される場面が増えていくことが想定されるなかで、空の風況を適時かつ正確に把握することは、ドローンが安全に飛行するうえで無くてはならないものであると考えております。今後もメトロウェザー社と連携し、ドローンの社会実装に向けた取り組みを進めてまいります。

    ■鐘通株式会社 松井宏記代表取締役社長

    地球温暖化等による様々な自然災害に対し、現在の技術力をもってしても人類は無力です。そのような得体の知れない巨大な敵に対し立ち向かうメトロウェザー株式会社。様々な視点から自然の可視化に挑む産まれたての企業に無限の可能性を感じ出資させて頂きました。同じ京都の企業という事もありますので弊社としても部材調達や最新の製品情報提供等のサポートを全力でさせて頂きます。共に京都から世界へ、これまでに無かった新たな価値を提供して参りましょう。

    ■三菱UFJキャピタル株式会社 矢野潤大阪投資部次長

    「風を制し空の安全を守る」を企業Visionとして2015年に設立された京都大学発スタートアップ企業です。これまで培ってきた独自のリモートセンシング技術と信号処理技術に気象情報を組み合せ、高精度の風況観測を実現する小型ドップラー・ライダーを開発しました。ドローン運行のための風況情報提供に加え、都市防災、風力発電など、幅広い分野への展開を目指します。当社の技術が、未来社会における大事なインフラになっていく事を期待して、全力で支援してまいります。

    ■SMBCベンチャーキャピタル株式会社 池田一生関西投資営業部副部長

    空を見上げれば物を運んだり測量をしたりしているドローンが当たり前に見える未来、メトロウェザー社の風況計測技術はそのような未来を実現する基礎インフラになり得る技術と感じ今回初めて出資をさせて頂きました。新しい未来の実現の一助になればと思い全力で今後も支援させて頂きたいと思います。

    ■京銀リース・キャピタル株式会社 村田義樹氏

    「エアモビリティ―社会」と「安心安全な都市生活」の実現に対し、京都大学発ベンチャーとして非常に高い技術力をもって貢献される当社の取組や姿勢に共感し、今回投資を行いました。京都銀行グループとして、今後の当社の成長と発展を支援してまいります。

    ■メトロウェザー株式会社 古本淳一代表取締役

    この度は既存投資家様をはじめ多くの事業会社様を中心にシリーズAラウンドの資金調達が完了できましたこと皆様に心より御礼申し上げます。弊社のドップラー・ライダーは商用ベースでドローンが安全・安心に飛行するために必要不可欠である3次元の風情報をリアルタイムに提供し、高度なオペレーションが要求されるレベル4運航実現の切り札になるものと考えております。このラウンドを機に事業会社様との連携をさらに深め、 幅広い市場への参入を図るとともに国内はもとより海外展開の礎を構築し、 次のラウンドで本格的な海外展開を果たすことを目指してまいります。

    ■ メトロウェザー概要
    
    設立   : 2015年5月
    代表者  : 代表取締役 古本 淳一
    URL  :  https://www.metroweather.jp
    所在地  : 京都府宇治市大久保町西ノ端1-25宇治ベンチャー企業育成工場6号
    事業内容 :
    弊社は、赤外線を用いて風に舞った大気中の塵や微粒子を散乱体として反射光を受信し、ドップラー効果を利用した解析を実行することで、 風況をリアルタイム・3次元に把握・可視化するドップラー・ライダーの開発・販売及びデータ提供を行っております。京都大学で長年培った大気リモートセンシング技術の開発・解析技術をベースに弊社が開発した小型高性能ドップラー・ライダーは、従来の大型ドップラー・ライダーと同等の性能を維持しつつ、低価格を実現しております。弊社ドップラー・ライダーを活用した社会課題の解決に向け、弊社は国内外で複数の企業様・研究機関様との共同研究や実証を進めており、2021年からはNASAの研究開発プロジェクトにも参画しております。

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    村山 繁
    DroneTribune代表兼編集長。2016年8月に産経新聞社が運営するDroneTimesの副編集長を務め、取材、執筆、編集のほか、イベントの企画、講演、司会、オーガナイザーなどを手掛ける。産経新聞がDroneTimesを休止した2019年4月末の翌日である2019年5月1日(「令和」の初日)にドローン専門の新たな情報配信サイトDroneTribuneを創刊し代表兼編集長に就任した。現在、媒体運営、取材、執筆、編集を手掛けながら、企画提案、活字コミュニケーションコンサルティングなども請け負う。慶應義塾大学SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアム研究所員、あおもりドローン利活用推進会議顧問など兼務。元産経新聞社副編集長。青森県弘前市生まれ、埼玉県育ち。
  • 2020.11.17

    Skydio Japanが設立説明会 モスCEO 産業用ドローン「X2」を2021年度に日本投入

    account_circle村山 繁
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     AIドローンを手がけるSkydio Japan合同会社(東京)は11月16日、東京オフィス設立を報告する説明会を都内で開催した。米Skydioにとって初の海外現地法人で日本での営業、マーケティングなどを担う。説明会では2021年度中に、産業用の新モデル「Skydio X2」や、機体をスマートに格納するボックス型の専用ドック「Skydio 2 Dock」、新開発の自動点検ソフトウェアを投入する計画を明らかにした。当面は企業、自治体、政府など法人向けに特化し、個人向けの機体販売などは行わない。トム・モスCEOは「技術で選ばれる会社になりお役に立ちたい」と抱負を述べた。

    NTTドコモ、JIW、FLIGHTSをパートナーに日本展開

     Skydio Japanは、米Skydioが開発した機体などのプロダクトについて、日本国内での普及を担う。港区内にオフィスを構え、株式会社NTTドコモ、株式会社ジャパン・インフラ・ウェイマーク(JIW)、株式会社FLIGHTSをパートナーに、市場を開拓する。日本法人としての体制強化も進める。日本国内の有望市場などについては米本社に報告し、新モデルの開発に役立てる。日本市場での提供方法については、JIWなどと検討していく。

     モスCEOはアジア太平洋地域全体の統括も務める。Skydio製品は世界で需要が拡大しており、アジア太平洋地域での事業拡大も視野に入れる。

     Skydioは2014年にシリコンバレーで発足したAI搭載ドローンのメーカーだ。機体周囲を3Dでリアルタイムに認識し、環境変化を予測して判断することができる「Skydio Autonomy」と呼ぶ技術を搭載していることが特徴で、ドローンは航路を探して自律航行する。

     Skydioの最初の機体は、林の中をかける自転車を障害物避けながら追尾する映像で愛好家の間であっという間に話題となり、「熟練パイロット並の動きを自動で実現する」と世界中に拡散された。

     2代目のSkydio2は、障害物を避けるために搭載したカメラの個数が12個から6個に半減するなど、小型化、軽量化、低価格化を実現した。日本でも点検現場向けにカスタマイズされ「ぶつからないドローン」として投入されている。

     新モデル「X2」はSkydio2の性能を引き継いだうえで、自律ソフトウェア、赤外線カメラを搭載し、折り畳んで持ち運びが可能な手軽さを備え、航続時間を最大35分間にまで拡大させた、点検などの産業用途に特化した機体だ。カメラから得られる情報を頼りに飛行するが、暗い場所での飛行が可能になる。2020年度中に市場投入され、日本には2021年度中の投入を目指す。

     Skydio JapanのモスCEOは説明会の中で、「統計によると、企業がドローンを導入するさいに最も心配している事はクラッシュです。クラッシュは操作ミスで起こります。しかしSkydioのドローンは操作が不要で障害物を避けて飛行します。ドローンの導入が進み、より安全で生産性の高い社会のためのお手伝いをしたいと思っています」と話した。

     さらにモスCEOは経済性についても言及。「産業の現場ではドローンはほぼマニュアルで運用されています。運用には、パイロットと補助者の2人で行われることが多く、そのため、ドローン導入料金の8割は人件費です。Skydioのドローンは、自律航行をするのでマニュアル操作の必要がなくその分コストを抑制できます。費用が抑制できれば、別の現場にドローンを導入することにもつながります」と、自律航行が人件費抑制にも効果的だと説明した。説明の中で取引先の言葉として、「ある会社は、ドローンの運用を拡大するため今年は100人のパイロットを育成し、来年は200年育成する。でもその次の年はゼロだ、と言っていました」と紹介した。

     説明会ではパートナーであるNTTドコモ執行役員の坪谷寿一5G・IoTビジネス部長が、同社が提供しているドローンプラットフォーム「docomo sky」や、奥多摩などでの災害対応運用などを紹介。「2016年に中期戦略を発表して以来、常にドローンを意識してきました。通信環境、AI、運航管理などでともに取り組んでいきたいと考えています」とあいさつした。

     説明会ではSkydio2のデモ飛行も実施した。コントローラーのタップで、画面で設定した「A地点」「B地点」に向かったり、目的地までのルートを、邪魔するようについたてを立てても、機体が迂回して目的地を目指したりする様子を披露した。途中、ついたてがわりにモスCEOが立ちはだかって、ドローンがモスCEOを避けて飛ぶ様子も見せた。

     日本では海外で開発された機体も含め、多くのドローンが活躍を模索している。モスCEOは、「どこの国の会社であるかなど、選択基準はいろいろあると思いますが、われわれは技術で選ばれる会社でありたいと思っています」と話した。

    Skydio Japanのトム・モスCEOと新モデル「Skyidio X2」。エンタイプライズ向けの「X2E」が日本にも投入される予定だ
    アームがせり出す離発着用ドック「Skyiio 2 Dock」
    産業用のコントローラも自社開発
    デモではタップすると設定した目的地にフライトする様子が披露された
    Skydio Japanのp-トナーに名を連ねたNTTドコモの坪谷寿一執行役員もドローンの取組などを紹介した
    デモフライトではぶつからない様子が注目された

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    村山 繁
    DroneTribune代表兼編集長。2016年8月に産経新聞社が運営するDroneTimesの副編集長を務め、取材、執筆、編集のほか、イベントの企画、講演、司会、オーガナイザーなどを手掛ける。産経新聞がDroneTimesを休止した2019年4月末の翌日である2019年5月1日(「令和」の初日)にドローン専門の新たな情報配信サイトDroneTribuneを創刊し代表兼編集長に就任した。現在、媒体運営、取材、執筆、編集を手掛けながら、企画提案、活字コミュニケーションコンサルティングなども請け負う。慶應義塾大学SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアム研究所員、あおもりドローン利活用推進会議顧問など兼務。元産経新聞社副編集長。青森県弘前市生まれ、埼玉県育ち。