ドローンの大規模展示会Japan Drone 2026が6月3日、千葉・幕張メッセで開幕する。海外依存リスクなどから経済安全保障への関心とともに日本国内の技術への注目度が再び高まる中、日本の開発力、技術、製品、サービスなどの量と質を再確認する好機となる。日本生まれのフライトコントローラを初出展するAutonomy Dynamics、鳥獣害対応のドローンを開発したNTT e-Drone Technologyなど多くの出展者が「日本製」「国産」を打ち出し来場者の評価を仰ぐことになる。一方、ドローン市場は国境にとらわれず拡大しており、今回も数多く出展する海外勢の技術からも目が離せない。
日本のメーカーとしては、イームズロボティクス株式会社、株式会社amuse oneself、株式会社石川エナジーリサーチ、株式会社NTT e-Drone Technology、エアロセンス株式会社、双葉電子工業株式会社、株式会社ロボデックスなどが出展する。
このうちAmuse Oneselfは日本国内で開発、生産した産業用ドローン「GLOW.Rev2.0シリーズ」を展示する。シリーズのひとつ「L」(=GLOW.L Rev.2.0)は5kgのペイロードに対応し、搭載する計測機器、撮影機材の選定の自由度を高めた機体だ。また「H」(= GLOW.H Rev.2.0)は、レンジエクステンダー方式を採用のハイブリッドドローンで最大3時間の長時間飛行に対応するため、広域測量や長時間ミッションをこなす。
またNTT e-Drone Technologyは、問い合わせが相次いでいる鳥獣害対策ドローン「BB102」を展示し、6月4日にはデモンストレーションも実施する。同社は自社開発機のほか、米Performance Drone Works社が安全保障分野での活用を念頭に開発したC100、米Ascent AeroSystems社が開発した円筒形ボディの上下に2枚のプロペラ取り付けられた同軸反転方式の「Spirit」、仏Parrot社が防衛任務向けに開発したウクライナ(UKR)の名をかぶせた「ANAFI UKR GOV」なども展示する。双葉電子工業はFMC―01などの機体や産業用送信機の展示が見込まれる。
出展者に名前はないが、エアロネクストの初公開となる機体も公開前から話題だ。可動式補助翼を回転翼機に融合させて効率を高め、航続距離拡大を図る新技術「ActiveWing」を搭載した物流用ドローンでイームズロボティクス株式会社と共同開発した。試作機を作った株式会社トピアのブースで展示するほか、イームズロボティクスも2分の1のサイズのモデルを展示する。
DJI社の正規代理店、株式会社セキドや、株式会社WINGGATE、株式会社エクセディ、株式会社WorldLink & Company、日鉄物産株式会社も、話題性の高い海外のメーカーの機体を中心に展示する。
このうち日鉄物産はカナダのスカイゲージ社(Skygauge Robotics社)の非破壊検査用ドローンの機体と、新規開発中の最新機体を展示することを公表している。
スカイゲージの機体は、壁や天井にセンサーを押し付ける点検用の機体で、4本のアームに上下ペアに重なるようにとりつけられた8つのモータユニットが、サーボモーターで独立してチルトする機構が特徴だ。壁の厚さなどを調べる際には機体にとりつけられたセンサーを壁に1.5㎏の力でぐいっと押し当てて壁の肉厚を安定して測定する。日鉄物産はスカイゲージの開発中の新機体の公開も予定していて、来場者の関心をかきたてそうだ。
非破壊検査用途としては、ブルーイノベーション株式会社が取り扱い、今回のJapanDroneでも出展が見込まれるスイス、Flyability社の屋内点検用球体ガード付きドローン、ELIOS3も対応している。今回のJapanDroneではスカイゲージの機体との比較もできそうだ。なおブルーイノベーションは例年、開催期間中に新たな取り組みを公表している。今回も新規の取り組みの公開が期待される。
またWINGGATEは、ラトビアのドローンメーカーATLAS社の製品を展示する。3本のアームが特徴的なトライコプター機Atlas PROのほか、可視光カメラと赤外線カメラを一体化させたモジュール式カメラAtlas ORTUS、給電システムのAtlas TETHERが展示される予定だ。給電システムAtlas TETHERは展示会としては今回が初披露となる。
エクセディは自社開発の消防用放水ドローンと定点監視有線ドローン HOVER EYE(ホバーアイ)を展示、子会社のWorldLink & Companyも多様な産業用ドローンを展示する。
機体に搭載されるパーツやモジュールについても、国産勢への関心が高まっている。
ドローンの頭脳と言われるフライトコントローラでは、日本国内で開発しているAutonomy Dynamicsと東京大学発のスタートアップ、株式会社Tobasなどが出展する。Autonomy Dynamicsは高品質、高耐久を目指した開発で知られ、国内外の関係者か高い関心を寄せている。同社の舘良太代表取締役社長が登壇する開催2日目の6月4日午後の講演会、「世界最高レベルのオリジナル産業用フライトコントローラ」は関心層に注目されそうだ。また株式会社Tobasもさまざまなドローンに対応する独自開発のフライトコントローラが関係者の間で話題になっている。
モータでは、AAM、ドローンなどに多く採用されている株式会社ニデック、コイルやモータの開発技術に強みを持つ株式会社アスターなどがブースを出展する。また樹脂、金属などの加工が得意な株式会社アーク(ARRK、大阪市)はドローン用のブレードの射出成形で定評があり、これまでの展示会でも日本国内のドローンメーカーの機体とともにブレードを提案しており、今回も出展する。各社ともJapanDrone来場者に日本の技術を提案する。
今回のJapan Droneには米国、欧州、中国、台湾など多くの海外勢の出展も予定されていて、出展内容の確認や日本技術との比較の好機となっている。
航空宇宙・防衛・ドローン関連の最先端技術を扱う輸入商社米エアフレーム(AIR FRAME)も今回出展事業者のひとつで、選び抜いた先端技術を紹介する。同社は米Firestorm Labs社の3Dプリンターで作るアトリタブル(損耗許容型)UAS や、米Skyfront社のハイブリッド式マルチコプター「Perimeter 8 UAS」、uAvionix社の衝突回避用小型3Dレーダーなどを取り扱っていることから今回も現地で会場で確認できる可能性がある。ディフェンステック系スタートアップのFirestorm Labsや航空管制・通信機器のニッチトップのuAvionixなど急速に知名度を高めている企業のプロダクトが展示される可能性が高く来場者のチェックリストに入りそうだ。
またアキュバー(Accuver)株式会社は、韓国の移動体通信技術企業、LIG Accuverの日本法人で、LIG Accuverが独自開発したXCALシリーズ、XCAPシリーズなどの無線ネットワーク最適化ツールや、非GNSS環境下でも自立飛行を可能にするマルチセンサーフュージョンSLAM技術を備えた構造物点検DXソリューション、SIVIONが各国で活用されている。日本でも国土交通省の「点検支援技術性能カタログ」に掲載(技術番号:BR010085-V0025)されていて、JapanDroneでも点検ソリューションとして提案することになりそうだ。
このほか、JapanDrone2026のトップスポンサーであるGMOインターネットグループ、かつてドローンの機体メーカーでもあったソニー、半導体商社でシリコンテクノロジー株式会社なども出展する。AeroVXR合同会社、株式会社SClabAir、株式会社Suzakはコンサルティングでドローンの導入や運用を支援する。
Japan Drone 2026は千葉・幕張メッセで6月3日に開幕する。期間は6月5日まで。
※なお6月3日の開場時刻は台風6号の接近に伴い、当初の午前10時から午後1時に変更され、これに伴いいくつかの催事が取りやめになるなどの変更が関係者にアナウンスされている。6月2日午前8時現在、公式サイトには告知がないが、今後の公表に注意を払っておきたい。(続報)公式サイトは6月2日午前9時に内容を更新し、予定変更を案内した。その後、セミナー内容の変更など随時更新している。




千葉・幕張メッセで開催中の農業技術関連展示会「農業WEEK」で、株式会社NTT e-Drone Technology(NTTイードローン、朝霞市<埼玉県>)が発表した鳥獣害対策専用ドローン「BB102」の展示に来場者が集まっている。ブースでは担当者からこれまでの実験の様子や今後の展開などに聞くこともでき、来場者から「発表されていない現場での実験の様子なども聞くことができ、期待が高まった」などの声が聞かれた。農業WEEKでは株式会社石川エナジーリサーチ(太田市<群馬県>)や中国・上海のポジショニング技術のCHC Navigation(CHCNAV)などそのほかのドローン関連技術や自動操舵技術も展示されている。開催は10月3日まで。
NTTイードローンの鳥獣害対策専用ドローン「BB102」は農業WEEKの「NTTグループ」ブースで出展されている。取り回しのよさなどで農業関係者から評価の高い散布ドローン「AC102」を見にきた来場者が、その隣に展示してある「BB102」を見つけ、足をとめて説明に聞き入り、ひとだかりができていた。
展示ブースではBB102が黒い布に赤色と緑色をランダムに照射する様子が実演されていて、担当者から緑の色が鳥獣の痛点を刺激することや、赤い色がエサのようにみえることなどが説明された。
イードローンが9月30日に発表したプレスリリースには、効果が確認された鳥獣として、カラス、ハト、イノシシ、シカ、カワウ、サギ、ハクビシンなどが示されていたが、ほかにも効果的な鳥獣があるなどの話を聞くこともできる。担当者に聞くと、全国で被害が広がっているクマも、このレーザー照射にいやがる様子を見せたと話していて、今後の検証次第ではさらなる効果が期待できそうだ。その場合、クマの出没現場にどのようにドローンを飛ばすか、など具体的な対応法も論点になる可能性がある。
このほか、ある湖で実験したらはっきりと鳥獣がいやがる様子を見せたことなどの実験現場の話も聞くことができる。
農業WEEKではイードローンのほかにも、石川エナジーリサーチの農業用ドローン、CHCNAVのリモートセンシング技術、自動操舵技術などが展示されている。
農業WEEKはRX Japan株式会社が主催し、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構、日本農業法人協会農業が後援する、「国際スマート農業EXPO」「次世代農業経営EXPO」など5つの農業関連展示会をまとめたイベントの総称で東京会場(幕張メッセでの開催)は今回が15回目。主催者は「J-AGRI(ジェイアグリ)」の呼び方の定着を目指している。九州でも同じ趣旨の展示会を開催していて、第4回九州農業WEEKが2026年5月27日から29日まで益城町<熊本県>の展示会場、グランメッセ熊本で開催される予定だ。
参考:イードローンが鳥獣害対策機BB102発表










株式会社NTT e-Drone Technology(NTTイードローン、埼玉県朝霞市)は9月30日、鳥獣害対策専用ドローン「BB102」を発表した。搭載したレーザーで赤色と緑色をランダムに照射して鳥獣に強い違和感を与え退避行動を促す。カラス、ハト、イノシシ、ハクビシンなど幅広い鳥獣への効果が確認されたという。イードローンは「BB102」を2025年10月1日に提供を始める。10月1日に千葉・幕張メッセで開幕する展示会「農業WEEK」では、NTTグループブースで公開する。価格は「オープン価格」としている。
鳥獣害対策専用ドローン「BB102」はレーザーを搭載していることが特徴で、一般社団法人地域総研(東京)が2018年1月に実用新案登録証と商標登録証を取得した「クルナレーザー」をドローンに活用した。ドローンは自動航行機能も備える。レーザーを搭載した鳥獣害対策専用ドローンは例がないとみられる。
仕組みは赤色と緑色のレーザーをランダムに照射するもので、これが鳥獣に強い違和感を与え退避を促すという。鳥獣が慣れてしまうことへの対策としてスペックルノイズ(ちらつき)を生じさせ、忌避効果を持続させる工夫もこらした。
農林水産省によるとイノシシ、シカ、カラスなどによる農作物被害は年間約200億円規模にのぼるうえ、鳥インフルエンザ、豚熱など畜産業での防疫対策も深刻で、「BB102」で農作物被害抑制と鳥獣害対策業務の負担軽減との両立を目指す。カラス、ハト、イノシシ、シカ、カワウ、サギ、ハクビシンなど多くの鳥獣への効果が確認されていて、実験では水田、果樹園、山林、湖などさまざまな環境での有効性を示した。
イードローンによる発表は以下の通り。
株式会社NTT e-Drone Technologyは、全国的に深刻化する鳥獣害問題に対応するため開発・製造した、鳥獣害対策専用ドローン「BB102」の提供を2025年10月1日(水)より開始いたします。レーザー搭載の鳥獣害対策ドローン(国内初)による高い忌避効果と自動航行機能により、農作物被害の抑制と鳥獣害対策業務の負担軽減を両立します。

1.背景と目的
イノシシやシカ、カラスなどによる農作物被害は年間約200億円規模(※1)にのぼり、深刻な社会課題となっています。さらに、鳥インフルエンザや豚熱など畜産業における防疫対策も喫緊の課題です。
当社はこれまで農業用ドローン等の提供を通じて農業分野における省力化・効率化を支援してきましたが、今回新たに提供する「BB102」はこれまでの技術を応用し、鳥獣害対策に特化して開発した国産ドローンです。農作物の被害減少に加え、鳥獣害対策に要する人的・時間的負担の軽減を図ることで、第一次産業全体の持続可能性向上に寄与します。
※1:数値データは、農林水産省HPより出典
2.製品概要と特長
「BB102」は、上空から広範囲にレーザー照射を行えるため、地上設置型では難しかった屋上や高所を含む鳥害対策を実現します。
<特長1>「クルナレーザー(※2)」による忌避効果
赤色と緑色のレーザーをランダムに照射し、鳥獣へ強い違和感を与え退避を促進させます。また、慣れへの対策としてスペックルノイズ(ちらつき)を生じさせ、忌避効果の持続性を高めています。
※2:一般社団法人地域総研の登録商標

<特長2>自動航行機能
送信機の画面で飛行範囲を設定するだけで自動航行が可能です。養鶏場や牛舎など、広範囲のエリアを効率的に対策できます。

<特長3>FPVカメラ搭載
送信機の画面上で屋根や高所の確認が可能です。鳥獣害対策に加え、点検用途にも活用できます(目視外飛行不可)

<特長4>幅広い鳥獣への効果
カラス、ハトなどの鳥類、イノシシやシカ、さらにカワウ・サギ・ハクビシンなど、多様な鳥獣に対する忌避効果が確認されています。水田、果樹園、山林、湖など様々な環境での実証実験でも高い有効性を示しました。

4.受付開始日
2025年10月1日より開始
※デモ会、説明会、意見交換会等のご要望にも対応します。
5.価格
オープン価格
<参考>展示情報
第15回農業WEEK(会期:10月1~3日、会場:幕張メッセ)NTTグループブースにて「BB102」を展示します。
