フライトコントローラの独自開発を進めるAutonomy Dynamics株式会社(東京)が6月3~5日に千葉・幕張メッセで開催されたJapan Drone 2026(主催:一般社団法人日本UAS産業振興協議会)で、開発中のフライトコントローラ(FC)を搭載したドローンの試作機を公開した。公開されたのは株式会社石川エナジーリサーチ(太田市<群馬県>)が開発した機体をベースにした「Guardian Zero Ver.1(試作機)」。舘良太代表はセミナーで「重要なのは挙動を説明できることだと考えています」と自社開発に注力する理由を説明した。
Autonomy DynamicsはJapan Droneに日の丸と「MADE IN JAPAN」の文字をあしらった装飾をほどこしたブースを出展した。ブース内の展示台に石川エナジーの主力機のひとつ、ビルドフライヤーシリーズの機体にAutonomy DynamicsのFCを搭載した機体を「Guardian Zero Ver.1(試作機)」と公開した。機体に搭載されたFCの実物は知的財産保護の点から非公開だったが、舘代表や同社スタッフが性能や開発コンセプトを説明し、来訪者からの質問や相談に応じていた。
ブースにはJapan Drone開催期間中に訪問者が途切れることがなく、担当者は「高い関心を持っていただけました」と話していた。
またAutonomy Dynamicsの舘代表は、Japan Droneの出展者セミナーに登壇し、「世界最高レベルを目指す国産産業用フライトコントローラ」の演題で講演した。この中で舘代表は、「ドローンが社会の重要な現場で使われるときに問われるのは、まず、安全で正確に飛べること、挙動が説明できること、ログをもとに改善できること。そしてなにより、制御基板を自分たちの手で開発し、責任を持って運用と改良を続けられること。弊社がもっとも重要と考えているのは制御品質と説明責任が果たせることです」と述べ、自社開発に力をいれる理由を説明した。
さらに、日本製、国産を打ち出している理由については「日本の重要インフラの空は、誰の技術で制御されるべきか。国産にこだわる理由は感情論ではありません。重要インフラを支える制御基盤をブラックボックスにしないためなのです」と述べ、国産から出発したものではなく、結果として国産にたどりついたことを明らかにした。
このほか、指定された姿勢、速度、位置を実現するための短周期リアルタイム制御である飛行制御と、カメラやLiDARで外界を認識し判断する機能は別の階層と位置付ける開発思想や、風洞実験などを大学や研究機関と連携して進めているなどの開発の現状も説明した。
大勢がブースを訪れたことに、Autonomy Dynamicsの舘代表は「寄せられた高い期待に応えてまいります」と話していた。




秘密分散技術の株式会社ZenmuTech(ゼンムテック、東京)が千葉・幕張で開催されたドローンの大型展示会Japan Drone 2026で「秘密分散技術」と呼ばれるセキュリティ技術を実演した。カメラで撮影した画像を送信すると、送信中のデータは文字や記号だらけで第三者には内容が判別できないが、送信先のモニターにはほぼリアルタイムで映像が投影された。来訪者が「セキュリティに活用したい」などと高い関心を寄せていた。
実演はJapanDroneに出展したAutonomy Dynamics株式会社(東京)のブースで、撮影、送信、受信、傍受などの模擬システムを再現して行われた。ドローンの役割をはたすラズパイ、搭載したカメラ、被写体となるミニチュア模型と時計などがつながれ、地上局のモニター、プレビューのモニターのそれぞれに、カメラで撮影された映像が投影された。ふたつのモニターの映像にうつる時計の時刻は、リアルタイムで映像を届けていることを示した。
また、送信の途中で傍受すると、データが意味不明の記号や文字だらけの表示になる。被写体を撮影した画像や映像であることは見当もつかず、スタッフによるとAIに解読を指示しても「これまで解読できたことはない」という。
ZenmuTechは独自開発の秘密分散方式「ZENMU-AONT」をコア技術として持っている。「AONT(エーオーエヌティー=All-or-Nothing Transform)方式」と呼ばれる方法を独自開発した技術で、情報の漏洩防止ではなく、漏洩した情報を無意味化することが特徴だ。データそのものの価値を無くし、傍受者には分散処理前の状態を推測したり復元したりすることができない。データ容量をほぼ増やさなく高速処理ができることも特徴だ。
昨年4月21日には、ネクストウェア株式会社、株式会社アイ・ロボティクスとドローンのデータを分散化・無意味化する技術の実験を行ったことを発表していて、今回の実演もその実験をアレンジした。
来訪者は、リアルタイムで届く映像に首をたてにふりながら、「情報の無意味化技術がセキュリティの高いドローンに載ると安心度が高まりそう」とセキュリティ水準の引き上げに期待する声があった。

ドローンの大規模展示会Japan Drone 2026(主催・一般社団法人日本UAS産業振興協議会=JUIDA、共催,株式会社コングレ)は6月3日、千葉・幕張メッセで開幕した。午後1時の開場とともに待ちわびた来場者が続々とお目当てのブースを目指した。開場には国内外のドローン、ヒューマノイド、水中ドローン、モジュールなどが並んでいる。国内で開発を手掛ける事業者の中には自社ブースに「国産」を表示したり、国旗を掲げたりするなど、昨今の国産に対する関心の高さを浮き彫りにした。ベトナム、台湾など海外パビリオンも充実している。会期は6月5日まで。
日本の企業には、「国産」を表示したり、国旗をあしらった案内板やリーフレットを用意したりすて、日本由来の製品、サービスであることを明確化するブースが増えた。
VTOL機AEROBO Wingシリーズで知られるエアロセンス株式会社は自社ブースに「国産VTOLはエアロセンス」と表示、多くの来場者を集めている。機体やソリューションの展示に加え、連日、ブース内でミニセミナーを開催し来場者の足を止めている。
ドローン向けのプロペラやモーター、ESCなどの開発、販売を手掛ける合同会社ローカル・エイドは、出展したブースに日の丸をあしらったうえ「国産プロペラ受託試作」と表示している。フライトコントローラ開発のAutonomy Dynamics株式会社もブースの表示幕に日の丸をかかげ「MADE IN JAPAN」と打ち出した。ハイブリッドドローン開発に力を入れる株式会社石川エナジーリサーチも展示した機体の説明板に「国産農業ドローン」と盛り込んだ。
さらにエバーブルーテクノロジー株式会社も、超長距離・長時間運用(パーシステントフライト)を目指すグライダー型UAVの2分の1サイズを展示し、機体説明のリーフレットに日の丸を表示し「MADE IN JAPAN」を強調している。株式会社WINGGATEはラトビアのATLAS社の機体を取り扱うが、ブースには「日本の空は日本仕様へ。日本仕様のドローンと頼れる運用チームで日本の現場を変える」と、日本を強調している。そのほかにも国産、日本製、日本、MADE IN JAPANなどを掲げるブースは多く、来場者にとってブース担当者とのコミュニケーションのひとつになっている。
また、ベトナム、台湾などが、複数の出展事業者をひとまとめにしたエリアを構成していて、中には自国製であることを強調するブースもある。米、中などドローン開発に力を入れていることが知られる各国の企業も展示していて、脚光を集める「国産」と、話題性の高い海外ブースに来場者が目移りしている様子もみられる。







ドローンの大規模展示会Japan Drone 2026が6月3日、千葉・幕張メッセで開幕する。海外依存リスクなどから経済安全保障への関心とともに日本国内の技術への注目度が再び高まる中、日本の開発力、技術、製品、サービスなどの量と質を再確認する好機となる。日本生まれのフライトコントローラを初出展するAutonomy Dynamics、鳥獣害対応のドローンを開発したNTT e-Drone Technologyなど多くの出展者が「日本製」「国産」を打ち出し来場者の評価を仰ぐことになる。一方、ドローン市場は国境にとらわれず拡大しており、今回も数多く出展する海外勢の技術からも目が離せない。
日本のメーカーとしては、イームズロボティクス株式会社、株式会社amuse oneself、株式会社石川エナジーリサーチ、株式会社NTT e-Drone Technology、エアロセンス株式会社、双葉電子工業株式会社、株式会社ロボデックスなどが出展する。
このうちAmuse Oneselfは日本国内で開発、生産した産業用ドローン「GLOW.Rev2.0シリーズ」を展示する。シリーズのひとつ「L」(=GLOW.L Rev.2.0)は5kgのペイロードに対応し、搭載する計測機器、撮影機材の選定の自由度を高めた機体だ。また「H」(= GLOW.H Rev.2.0)は、レンジエクステンダー方式を採用のハイブリッドドローンで最大3時間の長時間飛行に対応するため、広域測量や長時間ミッションをこなす。
またNTT e-Drone Technologyは、問い合わせが相次いでいる鳥獣害対策ドローン「BB102」を展示し、6月4日にはデモンストレーションも実施する。同社は自社開発機のほか、米Performance Drone Works社が安全保障分野での活用を念頭に開発したC100、米Ascent AeroSystems社が開発した円筒形ボディの上下に2枚のプロペラ取り付けられた同軸反転方式の「Spirit」、仏Parrot社が防衛任務向けに開発したウクライナ(UKR)の名をかぶせた「ANAFI UKR GOV」なども展示する。双葉電子工業はFMC―01などの機体や産業用送信機の展示が見込まれる。
出展者に名前はないが、エアロネクストの初公開となる機体も公開前から話題だ。可動式補助翼を回転翼機に融合させて効率を高め、航続距離拡大を図る新技術「ActiveWing」を搭載した物流用ドローンでイームズロボティクス株式会社と共同開発した。試作機を作った株式会社トピアのブースで展示するほか、イームズロボティクスも2分の1のサイズのモデルを展示する。
DJI社の正規代理店、株式会社セキドや、株式会社WINGGATE、株式会社エクセディ、株式会社WorldLink & Company、日鉄物産株式会社も、話題性の高い海外のメーカーの機体を中心に展示する。
このうち日鉄物産はカナダのスカイゲージ社(Skygauge Robotics社)の非破壊検査用ドローンの機体と、新規開発中の最新機体を展示することを公表している。
スカイゲージの機体は、壁や天井にセンサーを押し付ける点検用の機体で、4本のアームに上下ペアに重なるようにとりつけられた8つのモータユニットが、サーボモーターで独立してチルトする機構が特徴だ。壁の厚さなどを調べる際には機体にとりつけられたセンサーを壁に1.5㎏の力でぐいっと押し当てて壁の肉厚を安定して測定する。日鉄物産はスカイゲージの開発中の新機体の公開も予定していて、来場者の関心をかきたてそうだ。
非破壊検査用途としては、ブルーイノベーション株式会社が取り扱い、今回のJapanDroneでも出展が見込まれるスイス、Flyability社の屋内点検用球体ガード付きドローン、ELIOS3も対応している。今回のJapanDroneではスカイゲージの機体との比較もできそうだ。なおブルーイノベーションは例年、開催期間中に新たな取り組みを公表している。今回も新規の取り組みの公開が期待される。
またWINGGATEは、ラトビアのドローンメーカーATLAS社の製品を展示する。3本のアームが特徴的なトライコプター機Atlas PROのほか、可視光カメラと赤外線カメラを一体化させたモジュール式カメラAtlas ORTUS、給電システムのAtlas TETHERが展示される予定だ。給電システムAtlas TETHERは展示会としては今回が初披露となる。
エクセディは自社開発の消防用放水ドローンと定点監視有線ドローン HOVER EYE(ホバーアイ)を展示、子会社のWorldLink & Companyも多様な産業用ドローンを展示する。
機体に搭載されるパーツやモジュールについても、国産勢への関心が高まっている。
ドローンの頭脳と言われるフライトコントローラでは、日本国内で開発しているAutonomy Dynamicsと東京大学発のスタートアップ、株式会社Tobasなどが出展する。Autonomy Dynamicsは高品質、高耐久を目指した開発で知られ、国内外の関係者か高い関心を寄せている。同社の舘良太代表取締役社長が登壇する開催2日目の6月4日午後の講演会、「世界最高レベルのオリジナル産業用フライトコントローラ」は関心層に注目されそうだ。また株式会社Tobasもさまざまなドローンに対応する独自開発のフライトコントローラが関係者の間で話題になっている。
モータでは、AAM、ドローンなどに多く採用されている株式会社ニデック、コイルやモータの開発技術に強みを持つ株式会社アスターなどがブースを出展する。また樹脂、金属などの加工が得意な株式会社アーク(ARRK、大阪市)はドローン用のブレードの射出成形で定評があり、これまでの展示会でも日本国内のドローンメーカーの機体とともにブレードを提案しており、今回も出展する。各社ともJapanDrone来場者に日本の技術を提案する。
今回のJapan Droneには米国、欧州、中国、台湾など多くの海外勢の出展も予定されていて、出展内容の確認や日本技術との比較の好機となっている。
航空宇宙・防衛・ドローン関連の最先端技術を扱う輸入商社米エアフレーム(AIR FRAME)も今回出展事業者のひとつで、選び抜いた先端技術を紹介する。同社は米Firestorm Labs社の3Dプリンターで作るアトリタブル(損耗許容型)UAS や、米Skyfront社のハイブリッド式マルチコプター「Perimeter 8 UAS」、uAvionix社の衝突回避用小型3Dレーダーなどを取り扱っていることから今回も現地で会場で確認できる可能性がある。ディフェンステック系スタートアップのFirestorm Labsや航空管制・通信機器のニッチトップのuAvionixなど急速に知名度を高めている企業のプロダクトが展示される可能性が高く来場者のチェックリストに入りそうだ。
またアキュバー(Accuver)株式会社は、韓国の移動体通信技術企業、LIG Accuverの日本法人で、LIG Accuverが独自開発したXCALシリーズ、XCAPシリーズなどの無線ネットワーク最適化ツールや、非GNSS環境下でも自立飛行を可能にするマルチセンサーフュージョンSLAM技術を備えた構造物点検DXソリューション、SIVIONが各国で活用されている。日本でも国土交通省の「点検支援技術性能カタログ」に掲載(技術番号:BR010085-V0025)されていて、JapanDroneでも点検ソリューションとして提案することになりそうだ。
このほか、JapanDrone2026のトップスポンサーであるGMOインターネットグループ、かつてドローンの機体メーカーでもあったソニー、半導体商社でシリコンテクノロジー株式会社なども出展する。AeroVXR合同会社、株式会社SClabAir、株式会社Suzakはコンサルティングでドローンの導入や運用を支援する。
Japan Drone 2026は千葉・幕張メッセで6月3日に開幕する。期間は6月5日まで。
※なお6月3日の開場時刻は台風6号の接近に伴い、当初の午前10時から午後1時に変更され、これに伴いいくつかの催事が取りやめになるなどの変更が関係者にアナウンスされている。6月2日午前8時現在、公式サイトには告知がないが、今後の公表に注意を払っておきたい。(続報)公式サイトは6月2日午前9時に内容を更新し、予定変更を案内した。その後、セミナー内容の変更など随時更新している。




東京株式市場では5月11日午前、Terra Drone株式会社(テラドローン)、ブルーイノベーション株式会社などドローン上場4社の株式がにぎわった。防衛関連や国産ドローン供給網整備への期待感を背景に買いが集まり、4社とも前日終値を上回って推移した。テラドローンとブルーイノベーションはストップ高水準まで買われた。4社が上場するグロース市場ではこの日、ドローンに加え、宇宙、エネルギー関連など成長テーマ株への物色も広がった。
テラドローン、ブルーイノベーション株式会社ACSL、株式会社Liberawareのドローン上場4社はこの日午前、そろって買いを集めた。グロース市場の値上がり率ランキングにもそろって顔を並べた。
テラドローンは取引開始前から買い注文を集め、値幅制限いっぱいとなる前日終値比3000円高の16400円のまま午前の取引を終えた。迎撃ドローン分野への期待や、防衛関連銘柄としての位置づけが市場で意識されているとみられる。ブルーイノベーションも急伸し、ストップ高となる前日終値比500円高の2618円で前場を終えた。ドローン関連銘柄全体への資金流入の受け皿となった格好だ。
ACSLは503円高の3,430円で午前の取引を終えた。取引時間中には一時、3470円まで上昇した。防衛省案件や国産機体への期待感を背景に買いが続いている。なお上場来高値は2019年に記録した5430円だ。
Liberawareも160円高の1675円で前場を終えた。取引時間中は1690円まで買われた。下水道や狭小空間点検向けドローン事業への関心に加え、インフラ点検関連銘柄としても物色対象となったとみられる。
ドローン上場4社の株式が取引されているグロース市場では、値動きの軽い中小型株に資金が向かい、ドローン関連のほか、宇宙、防衛、光通信、次世代半導体関連などテーマ性の強い銘柄群に買いが広がった。短期資金によるテーマ株物色の色彩も濃く、成長期待の高い分野としてドローン関連株への関心を後押しした可能性がある。
政府はドローンの国内供給網整備や国産化推進に取り組む方針を示しており、市場では関連銘柄への関心が高まっている。防衛分野でのドローン活用拡大や、経済安全保障の観点からの国産化議論も株価材料として意識されているようだ。
もっとも、4社は事業領域や強みが異なる。国産機体開発を掲げる企業、運航管理や点検サービスを主軸とする企業もあり、市場では国産、防衛、経済安全保障など話題になるテーマがそろうことから「ドローン関連」として物色されている側面も否定できない。
来月に千葉・幕張で開催される国内最大級の展示会JapanDrone2026では、上場企業以外にも、日本で磨いた技術を強みとする関連企業の出展が見込まれ、「国産」を掲げる企業も相次ぐとみられる。市場では「ドローン関連株」への関心が先行しているが、時間の経過とともに「国産」とは何か、産業基盤や技術競争力をどう評価するのか、などが今後の論点に加わる可能性が高い。

株式会社Prodrone(名古屋市<愛知県>)は、「純国産ドローン試作機『PD4B-MS』」を開発したと発表した。経済産業省が特定重要部品と位置付けるフライトコントローラーなど4つのモジュールについて、日本のメーカー製を採用した。本体やプロペラなどはProdroneが自社開発した。「国産」の表現について、公式の定義が固まっていないことから、同社はプレスリリースの中で、「日本国内で設計および生産されているものを指しますが、一部の原材料や電子部品(半導体等)には、国内での調達が困難な海外製が含まれます」と説明するなどして、誤解を避ける工夫をしている。
試作機「PD4B-MS」は、モーターとESCについてはキヤノン電子株式会社(秩父市<埼玉県>)を、フライトコントローラーについては株式会社ジェイテクト(刈谷市<愛知県>)製を、バッテリーについては古河電池株式会社(横浜市)製を、送受信機については株式会社TKKワークス(大阪市)製をそれぞれ採用した。機体、プロペラ、GPSアンテナは株式会社Prodrone自身が開発した。
モーターとESC、フライトコントローラー、バッテリー、送受信機の4つのモジュールは、経産省が3月13日に公表した「無人航空機に係る安定供給確保を図るための取組方針」の中で「重要部品」に位置付けている。これらの重要部品について取組方針は「特定国の部品メーカーから調達をしている事例が複数確認されており、他国に供給を依存している状況と考えられる」など、安定供給リスクの高さを問題視。「無人航空機を構成する部品の中でも、特にバッテリ、モータ及び ESC、フライトコントローラ、映像伝送モジュール等が重要な役割を果たし、また、これらの安定供給を確保することで我が国のサプライチェーンの強靱化につながると考えられる」とサプライチェーン強靭化を左右すると位置付けている。
ドローンの国内生産の比率が頭打ちになっている現状については、防衛省が昨年(2025年)11月18日の衆院安全保障委員会で浮き彫りになっている。この席で自衛隊が保有するドローンの国産化率が同年9月末時点で約3割だったことが明かされた。小泉進次郎防衛相が「日本が自前で国産ドローンをどこまで強化できるかは大事なところでしっかり防衛省としても取り組む」などと述べ、「国産」議論再燃のきっかけとなった。
政府はドローンを、経済安全保障推進法に基づく「特定重要物資」に追加指定する検討を進め、同年(2025年)12月19日に政府は19日の閣議で追加指定を閣議決定していた。
なお、Prodroneは日本国内で無人機を開発している日本国内のドローンメーカーで、すでに多くの開発や運用の実績を持ち、「国産ドローンメーカー」として関係者の間で知られている。今回は、最終的な組み立てが日本で行われているだけでなく、重要4部品も日本企業の製品を採用して日本製づくしの機体に仕立て、『純国産』を標榜した。同社は日本製づくしの機体に「SAMURAI TECH by Prodrone」のブランドでシリーズ化していく方針で、現在商標を出願中だ。
なお、試作機はコンセプトモデルで、販売モデルは「別途案内する」と話している。
試作機「PD4B-MS」の仕様は以下の通りだ。
・機体重量:7.8kg(バッテリー除く)
・最高速度:60km/h
・飛行可能風速:12m/s
・最大飛行時間:約25分(ペイロードなし)、約20分(ペイロード3kg)
・使用環境温度:-20℃ 〜 +40℃
Prodroneのリリースはこちら:
https://www.prodrone.com/jp/release/10328/
