中国の水中ドローンメーカーCHASING社が、米ラスベガスで開催されるテクノロジー展示会「CES2020」に出展するブースに、日本で最初にパートナー契約を交わし、国内の2019年の水中ドローン市場拡大をけん引した株式会社スペースワン(福島県郡山市)が日本人スタッフを派遣し、日本からの視察者などに対して日本語での説明を担う。新製品発表も予定されているという。
CES2020でCHASINGは同社を代表する機種や同社の取り組みを発表する予定。新製品の発表を予定しているとの情報もある。スペースワンは日本人スタッフ4人を派遣し、来場者を迎える。とくに日本からの来場者には日本語で対応する。
CHASINGは中国・深圳に本社を構える水中ドローンメーカーで、スペースワンとは2018年4月にパートナー契約を締結した。CHASINGのGladiusシリーズは日本の水中ドローン市場拡大に大きく寄与し、2019年3月に千葉・幕張メッセで開催された一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が主催するドローン専門の大規模展示会、「Japan Drone2019」では、スペースワンが水中ドローンGladiusMINIで参戦し「Best of Japan Drone Award2019」のハードウェア部門で最優秀賞を受けたほか、オーディエンスアワードも獲得した。
スペースワンは一般社団法人日本水中ドローン協会の事務局を運営している。
水中ドローンの普及に力を入れている株式会社スペースワン(福島県郡山市)は9月26日、重さ1・3キロの小型水中ドローン「CHASING DORY」(チェィシング・ドリー)を11月に発売すると発表した。中国・深圳の水中ドローンメーカーCHASING-INNOVATION TECHNOLOGY(以下CHASING社)の新製品で、発表会にはCHASING社のAlex Chang CEOもかけつけ、新製品をアピールした。発表会は「しながわ水族館」で開催され、水中ドローンと水槽の生き物との共演も披露された。
CHASING DORYの最大の特徴は小型、軽量であることによる携帯性の高さだ。重さは1.3キログラムとノートパソコン並みで、全長24・4センチ、幅18・8センチとバッグに入れて運びやすい。重さ、大きさとも従来の同社の主力機、「GLADIUS mini」のほぼ半分だ。
本体は水の中を軽快に動くため5つのスラスターを備えている。操縦者から15メートル離れても通信が可能なベースステーションと呼ばれるブイを浮かべ、本体はそこからのびる15メートルのテザーロープにつながれている。操縦者からは水平方向に15メートル、水深15メートルまでの範囲で動き回れる。F1・6のレンズを備え1920×1080、30Fpsの動画撮影が可能だ。カメラの向きを上下させるためには、本体そのものを傾ける必要があり、上下それぞれ45度まで傾けた姿勢を維持できる。タブレット端末やスマートフォンで専用アプリをダウンロードして操作する。
発表会ではスペースワンの小林康宏社長が「水中ドローンの普及で新しい水の中の風景を気軽に楽しんでもらえると期待している」と話し、CHASINGのCEO、Alex氏が「水中ドローンではリーディングカンパニーであると自負している。発表会に登壇できて光栄だ」とあいさつした。スペースワンのドローン事業部、植木美佳さんがCHASING DORYの特徴を動画をまじえて紹介したあと、「実際に動いているところも御覧いただきます」と、水族館のデモンストレーションに来場者を誘導した。デモンストレーションでは、60種の900点の生き物が泳ぐトンネル水槽をCHASING DORYが自在に動く様子を確かめた。
スペースワンは、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)認定のドローンスクールを運営するほか、水中ドローンのエキスパートを養成や普及を推進するための、一般社団法人日本水中ドローン協会(東京)も運営しており、水中ドローンの操縦技術を習得希望者に向けた水中ドローンスクール「GLADIUS CAMP」の運営も管理している。小林氏は「海に囲まれている日本で水中ドローンが根付けばもっと楽しく豊かになると思う」と水中ドローンの普及に力を入れる方針だ。
CHASING DORYの価格は5万9800円(税込み)。
・CHASING社HP:https://www.chasing.com/jp
・一般社団法人水中ドローン協会:https://japan-underwaterdrone.com/