兵庫県がVTOLで12㎞の配送実験実施へ 斎藤知事が定例会見で発表

2021.09.22

 兵庫県の齋藤元彦知事は9月22日の定例会見で、10月1日に兵庫県猪名川町内でドローンを片道12㎞の飛行をさせる実証実験を行うと発表した。エアロセンス株式会社のVTOL機「エアロボウイングAS-VT01」を使う予定で、会見会場に機体が持ち込まれ、会見出席者に披露した。会見の席で斎藤知事は「災害時に道路がまひしても、医療用物資などを早急に届けることができるシステムを構築したい」などと述べ、期待を寄せた。

10月1日に猪名川上空を往復 日本コンピューターネット、大阪市立大などと連携

実験は兵庫県猪名川町役場と猪名川沿いに12キロ上流にある医療法人晴風園今井病院杉生診療所との間で行う。地震で道路の運送が困難になった診療所に輸血用血液を運ぶなどのシナリオを想定している。

兵庫県は「兵庫県地域創生戦略」の「多自然地域一日生活圏維持プロジェクト」で、大阪市立大学都市防災教育研究センター(CERD)、ドローン関連企業、地域自治体と連携した輸送の実証実験に取り組んでいて、3月には猪名川町で2キロの距離の配送実験を回転翼機で実施した。今回はそれを踏まえて距離を延ばしたうえ、VTOLを使う。

兵庫県と日本コンピューターネット株式会社(大阪市)、CERDが主催し、猪名川町、今井病院、ドローン・テクノサポート株式会社(神戸市)、エアロセンスが協力する。

記者会見で斎藤知事は、「社会実装に近づけるため、医薬品を運ぶなどのミッションを設定したいと思っています。飛行時間は片道10分程度。10キロを超えるのはなかなかのトライアルだと思います。災害時に道路がまひしても医療用物資などを早急に届けることができるシステムを構築したいと考えています」と述べた。

5G、AI、ドローンなどテクノロジーの利活用に前向きな姿勢を示す自治体トップが増える中、斎藤知事はこの日はドローンの取り組みのほか、ローカル5Gをスポーツのコーチングなどに役立てる実証実験の実施も発表しており、自治体のテクノロジー活用の促進効果と、地域住民が享受できる価値の増大に期待がかかる。

実験で使うエアロセンスの「エアロボウイング〔AS-VT01〕」を会見で披露する兵庫県の斎藤元彦知事
会見での質疑応答は新型コロナウイルス対策に集中したが、会見室に持ち込まれた機体は目を引いた
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