JICベンチャー・グロース・インベストメンツ株式会社(JIC VGI、東京)と株式会社Prodrone(プロドローン、名古屋市<愛知県>)は6月24日、JIC VGIが運営する「JICベンチャー・グロース・ファンド2号投資事業有限責任組合」がProdroneに出資したと発表した。ProdroneにとってJIC2号ファンドを引受先とする第三者割当増資となる。両者とも出資額、増資額については言及していない。
JIC VGIはProdroneへの出資について「本件の投資意義は、Prodroneへの出資を通して、産業競争力強化に資する産業用、防衛用のドローン技術の強化、事業化を支援するところにあります。その結果、産業用、防衛用ドローンのサプライチェーン強靭化に係る社会課題を解決するとともに、愛知県を本拠とするスタートアップの成功事例の創出を通じて地方創生に貢献していくことを企図しております。本件投資により、Prodroneの企業価値向上のため成長加速を支援します」と説明している。
またProdroneは「Prodroneは『地域から一番信頼されるドローンカンパニーになる』をビジョンに掲げ、中部圏におけるドローンエコシステムの構築を目指しています。今回の資金調達により、Prodroneが強みとするドローン技術のさらなる高度化と事業化を加速いたします。これにより、喫緊の課題である国内および愛知県を中心としたドローン産業のサプライチェーン強靭化へ、より一層貢献してまいります」と抱負を述べている。
JIC VGIは株式会社産業革新投資機構(JIC)が2020年に設立した、スタートアップの成長(グロース)支援やベンチャー投資を担うベンチャーキャピタルで、シード、アーリー期に限らずグロース期への支援にも重点を置いていることが特徴だ。
JICの発表はこちら
Prodroneの発表はこちら

株式会社Prodrone(名古屋市<愛知県>)は、「純国産ドローン試作機『PD4B-MS』」を開発したと発表した。経済産業省が特定重要部品と位置付けるフライトコントローラーなど4つのモジュールについて、日本のメーカー製を採用した。本体やプロペラなどはProdroneが自社開発した。「国産」の表現について、公式の定義が固まっていないことから、同社はプレスリリースの中で、「日本国内で設計および生産されているものを指しますが、一部の原材料や電子部品(半導体等)には、国内での調達が困難な海外製が含まれます」と説明するなどして、誤解を避ける工夫をしている。
試作機「PD4B-MS」は、モーターとESCについてはキヤノン電子株式会社(秩父市<埼玉県>)を、フライトコントローラーについては株式会社ジェイテクト(刈谷市<愛知県>)製を、バッテリーについては古河電池株式会社(横浜市)製を、送受信機については株式会社TKKワークス(大阪市)製をそれぞれ採用した。機体、プロペラ、GPSアンテナは株式会社Prodrone自身が開発した。
モーターとESC、フライトコントローラー、バッテリー、送受信機の4つのモジュールは、経産省が3月13日に公表した「無人航空機に係る安定供給確保を図るための取組方針」の中で「重要部品」に位置付けている。これらの重要部品について取組方針は「特定国の部品メーカーから調達をしている事例が複数確認されており、他国に供給を依存している状況と考えられる」など、安定供給リスクの高さを問題視。「無人航空機を構成する部品の中でも、特にバッテリ、モータ及び ESC、フライトコントローラ、映像伝送モジュール等が重要な役割を果たし、また、これらの安定供給を確保することで我が国のサプライチェーンの強靱化につながると考えられる」とサプライチェーン強靭化を左右すると位置付けている。
ドローンの国内生産の比率が頭打ちになっている現状については、防衛省が昨年(2025年)11月18日の衆院安全保障委員会で浮き彫りになっている。この席で自衛隊が保有するドローンの国産化率が同年9月末時点で約3割だったことが明かされた。小泉進次郎防衛相が「日本が自前で国産ドローンをどこまで強化できるかは大事なところでしっかり防衛省としても取り組む」などと述べ、「国産」議論再燃のきっかけとなった。
政府はドローンを、経済安全保障推進法に基づく「特定重要物資」に追加指定する検討を進め、同年(2025年)12月19日に政府は19日の閣議で追加指定を閣議決定していた。
なお、Prodroneは日本国内で無人機を開発している日本国内のドローンメーカーで、すでに多くの開発や運用の実績を持ち、「国産ドローンメーカー」として関係者の間で知られている。今回は、最終的な組み立てが日本で行われているだけでなく、重要4部品も日本企業の製品を採用して日本製づくしの機体に仕立て、『純国産』を標榜した。同社は日本製づくしの機体に「SAMURAI TECH by Prodrone」のブランドでシリーズ化していく方針で、現在商標を出願中だ。
なお、試作機はコンセプトモデルで、販売モデルは「別途案内する」と話している。
試作機「PD4B-MS」の仕様は以下の通りだ。
・機体重量:7.8kg(バッテリー除く)
・最高速度:60km/h
・飛行可能風速:12m/s
・最大飛行時間:約25分(ペイロードなし)、約20分(ペイロード3kg)
・使用環境温度:-20℃ 〜 +40℃
Prodroneのリリースはこちら:
https://www.prodrone.com/jp/release/10328/

一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA、東京)は3月18日、山梨県山林火災でドローンを使った災害対策にあたった3社に感謝状を贈呈した。3社はブルーイノベーション株式会社(東京)、富士山ドローンベース(山梨県)、株式会社Prodrone(プロドローン)(愛知県)で、火元などの情報を収集、共有し消火活動に協力した。現場では消火活動にあたる自衛隊のヘリコプターなどとの空域調整も行っており、画期的な事例となった。
感謝状を受けた3社はいずれもJUIDAの災害対応チームJUIDA D³(Dキューブ)のメンバーに名を連ねている。感謝状には各社のそれぞれの活動を反映させた個別の感謝文が、JUIDAの鈴木真二代表理事の名前で記された。贈呈式ではJUIDA D³本部長であるJUIDAの嶋本学参与が手渡した。
ブルーイノベーションに対しては、いち早く現場に到着したこと、富士山ドローンベースは22日間の長期にわたり現場で対応したこと、プロドローンには国内で組み立てた機体を動員したうえ有人機との空域調整を円滑に実施したことなどが感謝文に反映された。
ブルーイノベーションへの感謝状には「貴社は令和8年1月8日に山梨県上野原市で発生した林野火災に対し速やかな救助体制を構築するとともに現場上空での夜間の情報収集を安全かつ的確に行うなど延焼防止に多大な貢献をされました。ここに貴社の献身的な活動に深く感謝の意を表します。令和8年3月18日、日本UAS産業振興協議会代表理事、鈴木真二」と記された。
富士山ドローンベースに対しては、「林野火災に対し」のあとが、「現場上空での夜間の情報収集を安全かつ長期間行うとともに、収集した情報を速やかに共有する体制を構築するなど」と記され、Prodroneには、「現場上空での夜間の情報収集を安全かつ長期間行うとともに、収集した情報を速やかに共有する体制を構築するなど」とそれぞれの活動が反映された。
JUIDAの嶋本参与は次のようにあいさつした。
「1月8日に林野火災が発生し、陸上自衛隊から出動要請を頂いた1月9日以降、みなさまにはJUIDA D³の一員として現地での活動にご尽力いただきました。JUIDA D³として林野火災への対応は初めてでしたが、みなさまの目覚ましいご活躍により上野原市、大月市両消防や陸上自衛隊のみなさまから称賛の声を頂いているところです。林野という高低差がある地形の特性上、地上からの観測のみでは火災の状況把握は難しいという中で、ドローンによる上空からの精密な情報収集により消防や自衛隊等の消火活動を支えるうえで重要な役割を果たしていただきました」
「本活動においてはドローンによる情報収集もさることながら、ヘリとドローンの航空運用調整という意味でもこれまでとは一線を画する進展がございました。今回の対応をきっかけに、有人航空機と無人航空機が一体となって活躍する世界がさらに進むきっかけになると確信していますが、これもひとえに、みなさまの卓越したドローン運航技術のたまものと認識しているところです。このようなご活躍に対し活動要請を声掛けさせて頂いたJUIDAとして経緯と感謝の意を表し感謝状を贈呈させて頂いた次第です。みなさまと活動をともにしたJUIDA D³本部長としてもこの場をおかりしてみなさまに深く御礼申し上げます」
「なおこの1か月間の支援活動を通じJUIDA D³は林野火災対応に関するさまざまな知見を得たところでございます。ドローン技術が社会の安全、安心にいっそう貢献していくためにも、JUIDAは今後、あらゆる機会をとらえ、ここで培った知見を社会に広めて参りたいと考えております」
また嶋本参与は3社の活躍を「迅速性、持続性、特殊性で力を発揮して頂いた」と整理した。
感謝状を受けたブルーイノベーションの熊田貴之代表は「今回、ドローンを活用し人が立ち入れない場所の状況を把握できたことは画期的なユースケースになったと考えています。これまでも災害分野でドローンを防災無線として活用する方法を検討しており、今後はさらに幅広い災害分野での活用を検討しております。ドローンは命を守るインフラとして貢献すると確信しています」とあいさつした。
富士山ドローンベースの渡辺秋男代表は「JUIDA D³のメンバーとして発災3日目から22日間現場に入りました。山火事現場に入ったのは初めてで、想像や訓練とはまったく違った厳しい場所でした。ドローンの利活用で赤外線、レーザーなどを使って火点情報をいち早く地図に落とし込み、それを消防や自衛隊に共有する任務を行い、ふだん使っているドローンで社会貢献ができてうれしいと感じています」とあいさつした。
Prodroneの森内倫子氏は「私たちにとって当たり前だった災害対応で感謝状を頂け大変ありがたく感じます。ドローンの製造をする会社で、その中で『プロドローンレスキュー』という消防、救急向けの機体も作っていて今回はそれを持ち寄りました。本社のある愛知では南海トラフの災害対応がテーマで、とりわけ航空運用調整は大きな課題です。これまでの災害対応になかったドローンというツールを活動に組み込むことの難しさを実感しています。今回の経験は非常に大きく、今後お手伝いできることが増えればよいと思っています。基礎自治体が連携しているドローンとの運用調整、派遣のための車内体制構築、自身が被災者になる可能性とのバランスなども考え、いまできていないこともこれから作り上げていきたいと思っています」とあいさつした。







