空域管理やホバーバイクなどのエアモビリティ開発を手がける株式会社A.L.I.Technologies(東京都港区)と山梨県北杜市は6月3日、ドローンやエアモビリティが地域の空域を安全に飛ぶための空のインフラ構築に向けた連携協定に締結した。A.L.I.が同社の空域管理管理プラットフォーム、C.O.S.M.O.S.(コスモス)などを活用した過疎地物流や災害対応の実証実験を北杜市内で行う。北杜市は8町村合併で成立した経緯から各地に点在する役場、公民館などを、離着陸場所として活用することを模索する。北杜市の上村英司市長は「この連携協定は新しい未来を日本に切り開くさきがけだと思っています」と期待を寄せた。A.L.I.の小松周平会長も「北杜市における産業革命を支え、安全なドローン運用を実現させていきたい」と抱負を述べた。
連携協定は、ドローンやエアモビリティを安全に運行させるルートの設定や、運航管理システムの運用、離発着点の整備を目指す。今後、実証実験の実施や普及啓発活動、研究開発などの活動を進める。締結式では、離発着点を「空の駅」と位置づけ、市内各地に点在する公共施設の活用を検討することや、駅間を結ぶ航路を確立すること、これらの取り組みを通じて「規律ある空」づくりを目指すこと、などが示された。また協定が継続的な取組となるよう、成果を地域の資産とする方針も示された。
北杜市の上村英司市長は、締結式で同市が4月に未来創造課を設置し、先端事業の起業と誘致に取り組んでいる背景や、A.L.I.が、山梨県のスタートアップ支援事業「TRY! YAMANASHI! 実証実験サポート事業」に採択された経緯を説明し、「その中でドローンを使った空のインフラ構築の実証実験に取り組むというお話を頂き提携することになりました」と説明した。
上村市長は「プロ野球日本ハムファイターズの新庄剛志監督が乗って話題になったホバーバイクがA.L.I.の技術であると聞き、近未来を感じ、非常にワクワウしました。連携協定にふたつ内容があります。ひとつが空のインフラ構築をはかる実証実験で、もうひとつが空の物流を使った実証実験です。ふだん使っていない公共施設の屋根などを活用し、空の交通を構築する物流の実験にも取り組んで頂きたいと思っています。本市は広大な面積を有し、交通弱者にサポートが必要です。いくつになっても住み慣れた地域で生活していくため、医療品や食料品などを運搬する実験も行って頂ければ。災害時に道路が寸断されたさいの体制も構築したいと考えています。この協定は、新しい未来を日本に切り開くさきがけだと思っています。北杜から革命を起こす第一歩になると思っております。市民の利便性が早期に得られるよう市もいっしょに取り組んで参ります」とあいさつした。
ALI.の小松周平会長は、北杜市とは自身と縁の深い場所であることを紹介したうえで、「人生のルーツである北杜市をパートナーとして先進的な取り組みをさせていただいたことを大変光栄に思っております。ドローン、エアモビリティにとって2022年は目視外と人口密集地での飛行が認められる年であり、それに先駆けて実際にドローンを使った物流の社会実装を確立するための実験に取り組むことで、広大で東京にも近く利便性の高いこの場所の取組を成功に導きたいと思っております。今回の協定を通じ、北杜市における産業革命を支えさせて頂き、安全なドローン運用を実現させていきたい。ドローンの産業革命は物流のほか災害対策、人命救助などさまざまな課題に対して解決のいとぐちとなります。レジリエンス強化から民間サービス活用まで幅広く期待される中で、われわれは北杜市でモデルケースをつくり、地域のみなさまの視点で社会貢献ができるような事業を推進したいと思っております」などと抱負を述べた。
北杜市は2022年3月に株式会社LIFULL(東京都千代田区)と移住促進を目指す「二拠点居住推進及び移住定住促進を軸にした地域活性化を目的に地域活性化連携協定」を締結しているほか、2021年12月21日には、株式会社メルカリ、株式会社ソウゾウとも地域活性化や市民サービス向上を目指す連携協定を締結するなど、民間との連携に積極的だ。北杜市はこうした連携も含めて市民サービスの向上を目指す考えだ。
賞金総額が100万円のドローン空撮コンテストVIVA Drone Award が、応募作品を募集している。募集しているのはドローンで空撮した写真、または3分以内の映像作品で、決められた条件を満たした作品の中から一次審査、二次審査を経て5つの受賞作品が選ばれる。締め切りは6月6日。6月30日に受賞作日が発表される。
空撮コンテストVIVA Drone Awardは株式会社A.L.I.Technologies(東京)と、A.L.I.グループのドローン総合情報サイト「Viva!Drone」、ドローン派遣・求人・転職・仕事サイト「SkyAgent」が共同で企画した。賞金額が100万円にのぼるコンテストは珍しく、ドローン愛好家の間で話題になっている。
募集しているのはドローンで撮影した写真作品、または3分以内(30秒~180秒)の映像作品。映像作品には15秒以上のドローンによるワンカット撮影映像が含まれているか、作品全体の50%以上がドローンで撮影されているか、いずれかの条件を満たす必要がある。また動画投稿サイトYouTube上で著作権侵害を受ける映像や音楽は使われていないこと、作品内に応募者名がクレジットされていること、別のコンテストに応募されたことがない作品であること、国交省の定める安全基準ほか法令を遵守して撮影された作品であることなどのルールがある。
応募作品はViva!Drone編集部による一次審査で20作品に絞られ、その中から5作品が、VIVA DRONE Awardに選出される。ドローン産業をリードする大前創希氏、千葉功太郎氏、田口厚氏、小松周平氏、しろまい(白石麻衣)氏の5人が特別審査員を務め、選出された5作品には、特別審査員5人の名前がついた賞と、副賞が贈られる。
VIVA DRONE Award各賞は以下の通り。
<大前賞>
ドローングラファに認定したくなる空撮映像
副賞=ドローンアクセサリーセットと10万円分のH.I.S.旅行券
<千葉賞>
特に感銘を受けた空撮写真
副賞=DJIアイアンマンTELLOと10万円分のH.I.S.旅行券
<田口賞>
特に感銘を受けた絶景空撮映像
副賞=“そらチケ3回分”と、10万円分のH.I.S.旅行券
<小松賞>
特に凄いワンカット空撮映像
副賞=ホバーバイク型ドローン“Mini Speeder”と、10万円分のH.I.S.旅行券
<しろまい賞>
特に優れたフリースタイル空撮映像
副賞=レース用FPV型マイクロドローンと10万円分のH.I.S.旅行券
なお一次審査を通過しなかった作品の中から50作品にもドローンショップ、VIVA Drone Storeの特別割引券1000円分が贈られる。
事務局では「技術的には未熟でも努力していることが分かる作品は歓迎する」と話しており、初心者、経験が浅い愛好家の応募も期待されている。
<空撮コンテスト”VIVA Drone Award” Presented by SkyAgent概要>
募集期間:2019年5月7日(火)~6月6日(木)
受賞作品発表:2019年6月30日(日)
応募方法、応募規約などは、Viva!Drone内記事( https://viva-drone.com/gw-skyagent-drone-dronegrapher/ )で
問い合わせ先
E-mail:info@ali.jp