千葉・幕張メッセで開催されたドローンの大規模展示会、JapanDrone2022は6月23日、期間中の来場登録者を1万7021人まで伸ばして閉幕した。来場登録者は2016年の初開催以降で過去最大となった。すぐれた出展に贈られるBest of Japan Drone Awardでは来場者の投票で選ばれる「オーディエンスアワード」にKDDIスマートドローン株式会社が選ばれた。次の8回目の開催となるJapanDrone2023は、2023年6月26~28日に、幕張メッセで開催することが発表された。初の地方開催にも乗り出すことになり、第一弾として、2022年12月6、7日に福岡・福岡国際会議場を会場に開催される。
JapanDrone2022は、初めて空飛ぶクルマに関連する技術や研究を対象とする次世代エアモビリティEXPOを併催した。期間中には関係各省の担当幹部がテープカットに参加したほか、山際大志郎経済再生相、衆議院無人航空機普及利用促進議員連盟(ドローン議連)の田中和徳会長代理、空飛ぶクルマ委員会の今枝宗一郎委員⻑(ドローン議連事務局座長)らが登壇、視察に訪れたほか、出展していない有力ドローン関連事業者幹部も多く訪れた。
期間中の入場は、コロナ対策が適用されたが、来場登録者(再入場者を追加カウントしない正味の来場者)は3日間で1万7021人にのぼり、前回(2021年6月14~16日、1万2553人)、前々回(2020年9月29~30日の2日短縮開催、8979人)とコロナの直撃中の開催実績を超えたほか、過去最高だった2019年3月13~15日の1万4861人も2160人上回った。出展者は187組だった。
最終日に発表されるBest of Japan Drone Awardは、ハードウェア部門最優秀賞にソニーグループ株式会社、ソフトウェア・アプリケーション部門の最優秀賞にKDDIスマートドローン株式会社、Advanced Air Mobilty部門の最優秀賞にエアロディベロップジャパン株式会社、審査員特別賞にイームズロボティクス株式会社を選出。全部門を通じて来場者の投票で決まるオーディエンスアワードにKDDIスマートドローン株式会社が選ばれた。審査委員長を務めた一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の鈴木真二理事長は「技術レベルが高まっていることを実感しました」と講評した。
次回のJapanDrone2023は、2023年6月26~28日に、千葉・幕張メッセで開催することが発表され、出展希望の受付が始まった。
また初の地方開催として、2022年12月5、6日に「Japan Drone/次世代エアモビリティEXPO in 九州(福岡開催)2022」が福岡市の大型展示場、福岡国際会議場(福岡市博多区、一般財団法人 福岡コンベンションセンター運営)で開催される。1小間1m×3mが税込み29万7000円からの料金で出展を募集している。
福岡でのイベントの出展案内は以下の通り
一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)と株式会社コングレは、2016年から無人航空機産業の発展を目指し、商業用・民生用無人航空機(ドローン)の国際的な専門展示会を発足させました。
この5年間で商用ドローンの活用は拡大し、様々な用途開発による課題解決を実現しつつあります。その課題は、都市部での物流問題、災害対応などや、地方都市における農業支援や過疎地対策など地域によってドローンの活用方法は細分化し、具体的な解決方法として各地域の自治体や産業界にとって今後も益々期待される様になってきました。課題やその解決方法はその地域によって異なるため、地域に根ざした商用ドローンの活用情報や成功事例の発表の場が求められてきました。
また、ここ数年ではドローンの新たな可能性として勃興してきたAdvanced Air Mobility産業界もドローンと同様に今後大きな市場性が注目されております。
地方都市に於ける情報収集の要望が高まる中で、私ども主催者といたしましては、地方都市に於ける課題解決のための情報提供の重要性を鑑み、各都市のご要望や必要な情報を一堂に集めた「Japan Droneの地方都市開催」に今後取り組んで参りたいと思っております。
この地方都市開催により地域に根ざした商用ドローンの活用やAdvanced Air Mobility産業界への情報提供の場を設けることで、地域のドローン産業発展だけではなく、地方創生・地元地域の活性化にも寄与できるマッチングコミュニケーションの場をつくりたいと思います。
この様に地方都市での開催ニーズが高まる中、社会課題解決を目指し持続的発展のためにスマートシティ構想を推進している福岡での開催をここに決定いたしました。各地域のニーズに合わせた提案を検討されている企業・団体の方々には是非この機会をご活用いただき、具体的なビジネスにつなげていただきたいと存じます。皆様のご参加をお待ちしております。
会期:2022年12月6日(火)~7日(水) 2日間
会場:福岡国際会議場 4F会議室(展示・コンファレンス)
後援(予定):経済産業省九州経済産業局、国土交通省九州地方整備局、農林水産省九州農政局、福岡県、福岡市、一般社団法人九州経済連合会、FFG福岡フィナンシャル・グループ ほか(申請予定)
出展対象分野
・ドローン(無人航空機)および関連分野
・ドローンを利用した各種サービス分野
・大型ドローン、空飛ぶクルマ、e-VTOL(機体)
およびe-VTOLメーカー、商社、航空会社、運輸関係
・素材・部品の製造業者・技術支援
・e-VTOLを利用したサービス提供者
・Vポート・ドローンポートメーカー
・地域開発デベロッパー、建築建設関連企業
・運輸関係企業、検査機器・施策・実験施設
・観光関連団体、中小企業支援団体、コンサルタント
・地方自治体、地域活性化部門、地域創生事業、スマートシティプロジェクト
・その他サービス(保険、教育など)
来場対象分野
・ドローン、e-VTOLを活用したい産業分野のビジネスパーソン
(地方公共団体、府県、市町村など)
・ドローンパイロット免許取得者・運航安全管理者
・物流分野(宅配便サービス、倉庫、ネット販売会社など)、運送関連
・官公庁、警察、消防、救急医療関係者など
・観光、地域創生分野
・地方自治体、観光関連団体、地域活性化部門
・投資機関、その他
https://www.ssl.japan-drone.com
開催規模 出展予定社数:50社・50小間(申込み状況により拡大)
来場者数 :500人/1日:2日間 1,000名(予定)
■展示会出展小間
◎小間出展(1小間/2m×3m 6㎡)
1小間料金 ¥297,000-(税込)※パッケージブース
(小間仕様)
:福岡市内にて事業を展開されている企業・団体への特典も検討中
・システム壁面パネル(高さ2.7m)・カーペット(選択色よりセレクト)
・社名サイン/パラペット ・レセプションカウンター(1台)
・カウンターチェア(1脚)・スポットライト(3灯)
・2口コンセント(100V500W)
■コンファレンス協賛(出展が条件となります)
■ホスピタリティルーム協賛
◎コンファレンス登壇枠(60分) 1枠/¥440,000-(税込)(2社限定)
(会場仕様)
200インチスクリーン、プロジェクター、登壇ステージ、聴講席(約130席)、音響設備(スピーカー、マイク)
※プレゼンテーションのスライドデータ等はご自身でご準備頂きます。
◎ホスピタリティルーム(135㎡) 1部屋/¥1,100,000-(税込)(2社限定)
(会場仕様)
会場付設のテーブル・椅子は自由にお使いいただけます。
独自セミナーの開催や、展示・実演など、2日間独自の開催内容・方法手段にて活用頂けます。
【コンファレンスプログラム案】
JapanDrone
①基調講演:JUIDA鈴木理事長 ②ドローン国の政策 ③レベル4・ID登録:法改正
次世代エアモビリティ
①特別講演:空飛ぶクルマ(eVTOL)の市場性 ②空飛ぶクルマの利活用と法整備
地域創生プログラム
①地域創生とDX:ドローン ②社会課題解決とスマートシティ ③自治体の取り組み事例
コンファレンス協賛
①企業の取り組み事例 ②eVTOLに求められる機能 ③大型ドローンによる防災・減災対策
https://ssl.japan-drone.com/files/JD-IAAM2022_guide.pdf
ドローン議連(無人航空機普及利用促進議員連盟)会長代理の田中和徳前復興相は9月30日、開催中のJapan Drone 2020に登壇し福島ロボットテストフィールドの状況などについて講演した。田中氏は「地方物流網の維持に強く期待されている」などと指摘した。
日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は1月24日、明治記念館「蓬莱の間」で「新春パーティ」を開催し、JUIDA会員、ドローン産業の関係者、国会議員、中央府省関係者らが新年のあいさつを交わした。毎年その年のスローガンを発表しているJUIDAの鈴木真二理事長は2020年を「ドローンセキュリティー元年」と位置付けた。
鈴木理事長は、JUIDAは1月1日現在で、会員が現在11663人、JUIDA認定校は222校、操縦技能証明証授与は10716人、安全運航管理者証明証が9441人と拡大基調であると報告。「使う人が増えることが産業振興の基礎になります」と、今後も担い手の拡大に力を入れる方針を表明した。
毎年恒例のスローガンについて、「2020年は子年です。どんなスローガンがふわさしいと思いますか?」と会場にアイディアを募った。会場から「ネズミのように広がるように、という意味をこめて“ドローン拡散元年”」という声が上がると「私のよりもいいですね」と賛辞を送りつつ、「残念ながら私の考えとは違います」と判定。
鈴木理事長は「ネズミはチューとなきます。チューということで、連想できないでしょうか。チューです、チュー。注意のチューということなんですが」と、「チュー」を6回連呼してヒントとしたうえで、「それでは私の答えですが、“ドローンセキュリティー元年”です」と明かした。答えを示したあと、「登録制度が日本でも導入されます。空を飛ぶ機械ですから細心の注意を払う。そんな意味を“注意”の“チュー”にこめてスローガンを作りました」と解説を加えた。
鈴木理事長に続いて、無人航空機普及・利用促進議員連盟(会長:二階俊博自民党会幹事長・通称:ドローン議連)会長代理の田中和徳復興相(衆院、自民、神奈川<出身は山口県>)が登壇。「東日本大震災の復興はようやく緒に就いたところ。福島ロボットテストフィールドの在り方が大きな位置を占めていて、そのリードを鈴木理事長にお願いをしている。ここを世界の科学技術の粋を集めた場所にしたいし、意欲を持つベンチャーのベースにしたい。日本の新しい時代を切り開くカードはドローンでなければならないと思っています」とドローンへの期待を込めてあいさつした。
新春パーティにはドローン議連の国会議員やドローンに関係する中央府省の幹部らも参加。冨岡勉ドローン議連副会長(衆院、自民、長崎県)は、選出された地元、長崎県で離島間の物資輸送、生簀の漁業監視、橋梁の監視で活用されていることを紹介し「ドローンはますます発展します」と述べた。また、武部新ドローン議連事務局次長(衆院、自民、北海道)は、開会中の国会で、ドローンに関連する法案が2本あることを紹介し、「生活になくてはならない技術。さらに広げ、安全に使えるための法整備も進むと思う」と展望した。山際大志郎ドローン議連事務局長(衆院、自民、神奈川県)も「国会に身を置くものとしてみなさまの業界を支えたい」とあいさつした。
中央府省からは、経済産業省の玉井優子産業機械課長は「ドローンを取り囲む産業は、今後のふたつのキーであるデジタル技術とコネクテッドインダストリーズの両方を兼ね備えていてイノベーションの発信源」とドローンを産業政策の要と位置付けた。総務省の片桐広逸基幹衛星移動通信課長は、「電波の有効活用を通じて健全な産業振興に協力させて頂きたい」電波行政の立場からの支援を表明した。
内閣官房小型無人機等対策推進室長の長崎敏志内閣参事官は「国会審議も始まり、制度化に向けた議論も大きな節目を迎えた。関係者にはぜひ社会における有用性を理解頂くなか、精度かに一丸となって取り組んでいきたい」、国土交通省航空局安全企画課の英浩道課長も「レベル4に向けた議論が進み、ドローンが社会に受け入れられる中で、広がっていくことになる」と、それぞれドローンの社会への浸透に言及した。
JUIDA顧問の青木義男日本大学教授の発声で乾杯が交わされると、参加者同士があいさつをかわし、歓談を繰り広げた。また俳優の渕真弥子さんが特別ゲストとして来場し、小噺と踊りで華やかに盛り上げた。