第二回京阪奈ドローンフォーラムで、長時間、長距離飛行チャレンジに取り組んでいる株式会社エアロジーラボ(AGL、箕面市〈大阪府〉)が、ハイブリッド機の最新機、AeroRange G4S(エアロレンジジーフォーエス)を持ち寄る。ハイブリッド機ならではの機構と、軽量化のために随所に凝らされた工夫が来場者のクリエイティビティを刺激しそうだ。
AGLはハイブリッドドローンを中心に開発している。ハイブリッドドローンはバッテリーとガソリンなどの燃料を併用して推進力を得るドローンて、バッテリーに頼る機体に比べ、長距離、長時間の飛行が期待できる。主力機AeroRangeQuadはペイロードなしで140分以上、ペイロード 2kgで90分の性能を持ち、国産ハイブリッド機の代表モデルの一つとして多くの現場で飛行実績を積み上げている。
今回、第二回京阪奈ドローンフォーラムに出展する機体「G4S」は、機体の構造をゼロベースで構造、素材、機構を見直した新型機、ハイブリッド機では、燃料、電力の併用で強い推進力が得られる一方、発電機とモーターを積むため自重が大きくなるため、推進力を生かすには、軽量化の工夫が欠かせない。軽くしたために剛性がおろそかになるわけにもいかず、技術者の知恵と工夫が試される。
AGLは国交省が2月29日に福島県で行った実証実験にも参加し、長時間、長距離飛行性能を測定した。福島ロボットテストフィールド浪江滑走路を離発着場に行われ、敷地と沿岸を飛行した。現在、詳細な計測結果が集計されているが、不具合発生で中断するまでだけでも60㎞を超える距離を実際に飛行したとみられる。確報値では実飛行距離と、残りの燃料から推計した性能がはじき出される予定だ。
第二回京阪奈ドローンフォーラムは、確報値が公表される前のG4Sを間近で確認する機会となる。驚く準備はここでできる。
<イベント概要>
催事名:「SUPER D★EXPERIENCE~第2回京阪奈ドローンフォーラム」
日時:2024年3月12日(火)、10:00~16:00(予定)
会場:咲洲モリーナ(西尾レントオール株式会社R&D国際交流センター内)
住所:大阪府大阪市住之江区南港北1-12-75
アクセス:「コスモスクエア」下車徒歩5分、「トレードセンター」下車徒歩6分
会場MAP: https://www.nishio-rent.co.jp/sakishima/access/
主催:京阪案ドローンプロジェクト実行委員会(代表企業:マスオグループ本社=奈良県奈良市三条大路1丁目1番93、株式会社奈良自動車学校)
参加費:無料
※詳細は参考資料及び公式サイトをご確認ください。
参考資料 https://prtimes.jp/a/?f=d101951-10-f1c576f0f6d030002fa6df5bd75f525b.pdf
ホバーバイク開発で知られ、運航管理システム開発を手がけるA.L.I.Technologies(東京)は、2022年12月、ドローン2機の同時遠隔管理を、千葉・幕張新都心と千葉・船橋沿岸の物流拠点の間で実験した。株式会社エアロジーラボ(大阪府)の2時間超の航続飛行が可能なハイブリッド機「Aero Range Quad(エアロレンジクアッド)」を、A.L.I.の運航管理システム「C.O.S.M.O.S.(コスモス)」と連携させ、C.O.S.M.O.S.の監視のもとで安全に飛行させることができるかどうかを確かめた。ルートには往来のある道路にかかる橋やJR京葉線があり、飛行中に安全確認のために上空で一時停止をさせた。また、互いに距離をとったすれ違いをする場面も組み込まれ、安全を確保して飛行できることを確認した。A.L.Iとエアロジーラボは正式に業務提携も発表し、今後、レベル4飛行を安定して安全に可能にする方法をさらに検証する。
飛行実験は2022年12月に行われた。ルートは船橋市の沿海部にあるSBSロジコム株式会社⻄船橋⽀店の屋上と、千葉市の幕張新都心にある若葉3丁⽬公園を、海岸線や河川をつたって結ぶ約13㎞。ルートの途中には、千葉市美浜区の花見川河口に架かる道路橋、美浜大橋や、JR京葉線を縦断する場所がある。
飛行実験では、船橋側と幕張側とそれぞれからAero Range Quadが同時に離陸し、もう一方を目指して飛行させた。上下線は安全な距離を保ち平行して設定された。このため海岸線を飛行中に、両機がすれ違う場面ができた。また、美浜大橋、JR京葉線の上空を通過するさいには、安全確認をするため上空で一時停止し、若葉3丁目公園に設置された管理センターに待機しているオペレーターが、C.O.S.M.O.S.のリアルタイム画像で、往来を確認した。人の往来や電車の通行がないことを確認して上空を通過することが可能なことを確認した。
またA.L.I.は実験のさいに、上空LTEの電波干渉や電源の入らないブラインドスポットを把握するため、航路を設定する予定の空域で電波を実測している。今後、人の往来のあるエリアでの上空についても実測をすすめ、物流などのためにドローンを活用できるネットワークの構築を目指す。
今回の飛行に使われたAeroRangeQuadは、ハイブリッドドローン開発のエアロジーラボの主力機で、混合ガソリンを燃料とする空冷2サイクルエンジンを発電機として電力を供給する、4ローターのマルチコプターだ。積み荷がない場合で140分の長時間航行ができる。また5㎏までの荷物の搭載も可能で、その場合も120分の飛行ができる。国内で組み立てられた国産機であるという特徴も持つ。ローター間の長さは1280mmで、折りたたむと810mmになる。同社はハイブリッド機を「AeroRange」ブランドでシリーズ展開しており、より重い積み荷の搭載が可能なAeroRangeProも注目されている。
今回の実験ではAeroRangeQuadを活用。飛行中に安全確認のため空中で一時停止をしても、航続時間に余裕がある状態で目的地に到達できた。
エアロジーラボの谷紳一代表取締役CEOは「遠隔制御を実現させるために、今後は運航管理システムとの連携が必要になると考えていて、今後進めていきます。この実験では、社会実装をするうえで機体に求められる能力として、上空でどれぐらい待機できるかが重要であると再認識しました。地上、通信など上空待機が要求される場面は織り込まなければなりません。長い航続時間は社会実装に重要になると思います」と話している。
機体と連携させたC.O.S.M.O.S.はA.L.I.の独自開発したシステムだ。登録済みの機体について、機体所有者や⾶⾏位置の情報をリアルタイムでチェックできる。将来的には遠隔操作でドローン⾶⾏を制御できる機能の搭載も目指し、今後の⽬視外⾶⾏を前提としたドローンの社会実装を⽀えるシステムとなることを目指している。
A.L.I.の片野大輔代表取締役社長は、「事故なく終えることができ、都心で当たり前に飛ぶ姿を打ち出せたことが成果だと感じています。今後、社会受容性を高めるうえでのマイルストーンになると思います。今回は川の上空だけでなく、内陸にまで飛ばしたこともあり、地元からも実際に意味のあるルートで飛行させるところまで来た、という評価を聞くことができました。JR上空を飛行させるさいに、リアルで電車が通っているかどうか確認することもでき、今後の開発や実装に貴重な経験になったと考えています」と話した。
またA.L.I.とエアロジーラボは2022年12月28日、業務提携を正式に発表した。配送利用について当面の主戦場になるとみられる中山間地域や離島間などの過疎地域での社会実装を促進するため、長時間飛行の強みを持つエアロジーラボの機体と、遠隔管理が可能なA.L.I.のC.O.S.M.O.S.との連携を強化する方針だ。
発電機を搭載するハイブリッド型ドローンを開発する株式会社エアロジーラボ(AGL、大阪府、谷紳一代表取締役)は、株式投資型クラウドファンディングサービス「FUNDINNO(ファンディーノ)」での資金調達を目指し、6月4日に募集を開始する。投資対象は新株予約権で、募集期間は6月8日までの5日間。目標募集額は2502万円だ。調達した資金は財務の増強に活用し事業の成長につなげる。
募集する新株予約権は、発行会社に権利を行使することで発行会社の株式の交付を受けることができる権利で、株式そのものではない。1口10万円で1人5口まで。目標金額に到達しなかった場合は返金される。上限応募額は9999万円で、到達した場合には募集期間中でも募集を打ち切る。5月27日から募集案内を事前開示している。
エアロジーラボは2時間を超える飛行が可能なハイブリッド型の回転翼機「Aero Range」などの開発を得意としていて、燃料タンクの技術でも特許を取得するなど安全性に力を入れている。同社は、物流や防災など社会課題の解決にドローンの活用が進むにつれて、長時間飛行の重要性が高まるとみていて、今後もハイブリッド機開発を軸に機体開発に力を入れる。上場を視野に入れているほか、2026年には主力機「AeroRangeQuad」の年間販売台数が150台になると見込んでいる。
同社の谷代表取締役は自社開発機を「2時間は平気で飛ぶというのが圧倒的な違い」と述べている。また企業の特徴について「日本では数少ないハードウェアメーカー。ボディーもパワーユニットも製造し、バランスをとる」と説明している。
各地で実施している実証実験としての飛行でも期待に応える成果をあげ、2021年11月には慶應義塾大学SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアムと静岡県御殿場市が主催し防衛省南関東防衛局が後援したドローンの航空ショー「第三回富士山UAVデモンストレーション」でも安定した飛行性能で来場者をひきつけた。
従来の6倍以上、2時間飛行を可能にする次世代ドローン「Aero Range」開発の「エアロジーラボ」株式投資型クラウドファンディングを開始
~大阪発ドローンベンチャーが起こす“空の革命”~
株式会社エアロジーラボ
バッテリーではなくエンジン発動機を動力源とするハイブリッド型ドローン「AeroRange(エアロレンジ)シリーズ」を開発・販売する株式会社エアロジーラボ (大阪府 代表取締役:谷 紳一)は、株式投資型クラウドファンディングサービス「FUNDINNO(ファンディーノ)」において、2022年6月4日(土)より募集による投資申込みの受付を開始することをお知らせします。
*本案件は新株予約権の取り扱いになります。
【当社プロジェクトページ:https://fundinno.com/projects/366】
当社プロジェクトとクラウドファンディング実施目的について
「空の産業革命」のキープレーヤーとなって人と社会の役に立ちたい
株式会社エアロジーラボのエンジン発電機を搭載したハイブリッド型ドローンは2時間以上(最大3時間)の飛行が可能です。(現在の主流のバッテリー型ドローンの実質飛行可能時間は概ね15~20分です。)飛行時間はドローンの有用性や活用の幅に大きく影響する要素です。また、現在、エンジン発動機の燃料には主にガソリンとオイルの混合燃料が使用されていますが、「AeroRange」はカスタマイズにより水素燃料やバイオ燃料等の代替燃料への対応も可能です。
この度、幅広い場面で社会に貢献し、地球に優しい燃料で末長く使い続けられることを目指したドローンの開発と社会実装を進めるため、2022年5月27日より株式投資型クラウドファンディングFUNDINNOにおいて、募集案内の事前開示を開始いたしました。弊社は今回の資金調達により資本力の充実を図り、事業の成長に繋げます。募集期間は2022年6月4日~2022年6月8日、上限とする募集額は 99,990,000円(1口 10万、1人 5口まで)です。
エアロジーラボの強みは、長年ドローンの研究開発に携わってきた技術的ノウハウです。機体の設計から行なっているので、パワーユニットや燃料の選択や機体の仕様変更等、顧客からの要望によるカスタマイズに容易に対応可能です。燃料タンクの配置や燃料の貯留方法に加え、エンジンの冷却方法や電装品の取り付け方法でも特許を取得しており、模倣困難な独自性があるので競合や新規参入にも対抗できると考えています。また、弊社は国や自治体、各企業との実証実験で大きな成果をあげており、社会実装へ向けて着実に進んでいます。
今後、既存ドローンのリプレイスと新規マーケット展開の両面から販路開拓を進めます。また、水素やバイオ燃料など、エコな燃料にも対応していくことでカーボンゼロドローンを目指します。さらに海外展開も積極的に進め、2025年の大阪・関西万博へ向けたプロジェクトにも参画し、企業として成長してまいります。
(プレスリリースの内容をそのままお届けします)株式会社自律制御システム研究所 (所在地:東京都江戸川区、代表取締役社長 兼 COO:鷲谷 聡之 以下 「ACSL」 証券コード 6232) と株式会社エアロジーラボ(本社:大阪府箕面市、代表取締役:谷紳一 以下「AGL」)は、AGLが開発した最大飛行時間180分、最大飛行距離120km、最大ペイロード10kgのハイブリッドドローン「Aerorange pro」に活用されているハイブリッド技術を活用したドローン機体の開発・製造委託契約を締結します。本契約により、AGLはハイブリッド技術を用いたドローン開発のノウハウを提供し、ACSLは自社開発にとどまらず他社との連携を積極的に行うことで要素技術開発から製造・販売までのバリューチェーンを構築していきます。これにより、長時間飛行・長距離飛行が可能なドローンを提供できるようになり、ドローン産業の発展に貢献してまいります。
ドローンは、日本における少子高齢化に伴う様々な社会問題解決のためのロボティクス技術の一つとして注目されています。ドローンの活用は、物流・インフラ点検・災害分野において特にニーズが増えており、社会実装への期待が高まっています。しかしながら、多くのドローンに使用されているバッテリーは、飛行時間が長くても30分程度であり、それ以上長く飛行させるにはバッテリーを交換しなければいけないことから、長時間飛行・長距離飛行が難しいという課題がありました。
ACSLは、2020年8月発表の中期経営方針「ACSL Accelerate FY20」において、2022年度の都市部での目視外飛行(Level4)の実現を見据えた、産業用ドローンの社会実装を推進しております。すでに目視外飛行での物資輸送の実証経験や、風力発電機等のインフラ点検の実績を有していますが、ドローンの社会実装を進める上で、長時間飛行・長距離飛行が可能なドローンの開発が重要であると考えておりました。
AGLは、エンジンとバッテリーのハイブリッド技術を活用することで、最大飛行時間180分、最大飛行距離120kmを可能とするハイブリッドドローン「Aerorange pro」の開発を進めております。「Aerorange pro」の開発において、ACSLはAGLに対して独自のフライトコントローラーを開発・提供しておりましたが、本契約により連携を強化し、ACSLはAGLのハイブリッド技術を用いた機体開発を進めることで、長時間飛行・長距離飛行が可能なドローンの社会実装を目指してまいります。
また、ACSLは国土交通省が設定する最大離陸重量25kg以上のドローン飛行許可を取得し、国内物流領域でのハイブリッドドローンの社会実装を加速させるとともに、東南アジア等海外での利用拡大を進めてまいります。
◆ACSLについて
ACSLは、産業分野における既存業務の省人化・無人化を実現すべく、国産の産業用ドローンの開発を行っており、特に、画像処理・AI のエッジコンピューティング技術を搭載した最先端の自律制御技術と、同技術が搭載された産業用ドローンを提供しています。既にインフラ点検や郵便・物流、防災などの様々な分野で採用されています。
*株式会社自律制御システム研究所 会社概要はhttps://www.acsl.co.jp/company/をご覧ください。
◆エアロジーラボについて
株式会社エアロジーラボ(英:AeroGLab)は大阪府箕面市に拠点を置くベンチャー企業です。UAV(無人航空機)の開発、設計、製造、販売、空中撮影、各種映像作成等を行っています。ガソリンエンジンジェネレータを用いたハイブリッド技術を搭載したドローンを開発し、最大積載量は15kg。2018年12月岡山県和気町での実証実験では、全長10.2kmのコースを無給油、バッテリー交換無し、自律飛行(着陸時のみ1部マニュアル操作)で5㎏の日用品をのせて計8日間で13往復にのぼる実証を行いました。
*株式会社エアロジーラボ 会社概要はhttps://aerog-lab.com/をご覧ください。