DJIは、1月10日、物流専用機DJI FlyCart 30のグローバル市場での販売を発表した。8枚のプロペラを4軸に配置したマルチローター構成で、デュアルバッテリーの場合、最大積載量30 kg、最大航続距離16 kmを可能にする。緊急時などシングルバッテリーで運用するさいには最大積載量は40 kgで、最大8 km飛ばせる。DJI O3映像伝送システムで、ドローンと送信機の接続を最大20 km まで確保する。新開発のソフトウェアDJI DeliveryHubで体系的にタスク管理をする。
DJI JAPANの発表は以下の通りだ。
この配送用ドローンは、大容量の積載、長距離輸送、高い信頼性、インテリジェント機能に対応し、配送業界が抱える課題の解決に貢献します。このドローンにより、山岳エリアや海上での輸送、または、救急救助活動における輸送などを、より効率的かつ柔軟に行うことができます。
「農業や建設業における管理や測量などにおいて、DJIの業務用ドローンは、従業員の安全性や業務の生産性を向上し、業界の業務品質の刷新に貢献してきました。私達は、FlyCart 30がドローンによる配送のソリューションとして高い信頼を獲得し、複雑な地形や配送先への輸送に関する課題を、効率的かつ経済的、そして何よりも安全に解決できると信じています。」と、DJI コーポレート ストラテジー シニア ディレクターのChristina Zhangは述べています。
重量貨物を長距離輸送可能
FlyCart 30は、8枚のカーボンファイバー製プロペラを4軸に同軸配置したマルチローター構成を採用し、最大飛行速度20 m/sを実現します[1]。デュアルバッテリー使用中は、最大積載量30 kg [2]、最大航続距離16 km [3]を実現。緊急時にシングルバッテリーで運用する場合、最大積載量は40 kg [4]に増加し、最大8 kmの航続距離に対応します。DJI O3映像伝送システムにより、ドローンと送信機の安定した接続を最大20 km [5]の距離で実現します。デュアル操作モードにより、簡単な操作をするだけで、異なる場所にいる2人のパイロット間で制御権限を相互に移譲することが可能です。
様々な環境に対応
FlyCart 30は、過酷な気象や地形条件下でも、優れた性能や安全性を発揮します。FlyCart 30は、保護等級IP55を誇り、 -20~ 45℃の環境温度範囲で動作でき、最大12 m/sの風圧環境下でも飛行することができます[6]。標準プロペラは、最大飛行高度6000 mに対応できるように最適化され、30 kgのペイロード積載時でも高度3000 mまで飛行することができます。低温環境下でも、自己発熱機能対応のバッテリーが最適な性能を発揮し続けます。
運用時の安全性を向上
FlyCart 30は、冗長システムとスマートな安全機能を備え、運用時の安全性を確保します。離陸前に、環境条件をもとに、飛行ルートが利用可能かを判断し、音と光による警告やプロペラの回転開始時の6秒遅延などを使い、安全性を確保することが可能です。飛行中は、搭載された前方・後方のアクティブフェーズドアレイレーダーとデュアルビジョンシステムにより、如何なる気候や時間帯でも、多方向での障害物検知を実現します [7]。また、有人航空機が付近を飛行している場合、内蔵のADS-Bレシーバーが速やかに警告を発します。緊急時には、機体に内蔵されたパラシュートが低高度で開くことにより、機体を安定して着陸させることができ、周囲の人々や設備の安全性を確保できます [8]。
様々な配送シナリオに柔軟に対応
FlyCart 30は、機体を折りたたむことにより、普通自動車に乗せて運搬することができます。
貨物モードでは、70Lケースにペイロードを収納できます[9]。ケースには、重量と重心を検出するセンサーが搭載され、貨物のバランスを保ち、優れた安全性を確保します。
ウインチモードでは、ウインチシステムを使用してペイロードを吊り下げ、着陸しにくいエリアへの配送を可能にします。ウインチシステムは、20 mのケーブルを用いて、手動または自動で速度0.8 m/sの巻き上げ/下げを行うことが可能で、最大40 kgのペイロードを輸送することができます。APプロジェクションは、目的の着陸地点を送信機画面に投影表示することで、正確なペイロードの降下をサポートします。飛行中、FlyCart 30はスマートに姿勢を調整し、吊り下げているペイロードの揺れを自動で軽減します。
専用ソフトウェアで、ドローンによる配送をさらに円滑化
DJI DeliveryHubは、タスク計画、運用ステータスのモニタリング、チームリソースの集中管理、データの収集と分析に対応し、FlyCart 30による配送を体系的に管理します。FlyCart 30に搭載された高解像度FPVジンバルカメラを通して、ライブビューを確認することもできます。
DJI Pilot 2は、手動・自動飛行に対応するとともに、飛行ステータスやペイロードの状態などをリアルタイムに表示し、安全で効率的な運用を可能にします。また、異常気象やその他の異常事態が発生した場合、DJI Pilot 2は、オペレーターにリスクを警告し、代替着陸地点の管理をサポートします。
DJI DeliveryHubとFlyCart 30は、外部クラウドプラットフォームまたは外部ペイロードと併用することが可能なため、様々な業界に特有のシナリオに適応することができます。
DJI FlyCart30 のサイト
DJI DeliveryHubのサイト
株式会社SkyDrive(豊田市<愛知県>)は、山口県山口市で重ねてきたリハーサル飛行を収めた動画を公開した。
リハーサル飛行は、山口県山口市の「山口きらら博記念公園」内に設けた飛行試験場で春から行われていて、動画には大阪・関西万博のデモフライトに使われるSD-05が離陸し、移動し、向きを変えて飛行するなどの様子が納められている。
大阪・関西万博では7月31日から8月24日まで、火、水曜以外の原則週5日の予定で、来場者の前で飛行する様子を公開する。
建設設備大手の三機工業株式会社(東京)は7月11日、グループ会社、有限会社キャド・ケンドロ(仙台市)と共同で狭小空間ドローン開発の株式会社リベラウェア(Liberaware、千葉市)のドローンとレーザースキャナを併用した既存設備の3Dモデル化するデジタル化手法を確立したと発表した。Liberawareも同日、三機工業に「IBIS2」を「導入した」と発表した。
三機工業は設備更新や模様替えなどのさいに、現場を3Dモデリングし、現状を把握してから取り組む。完成後の更新や追加工事で現状が図面通りになっていないことが多く、作業の妨げになるおそれがあるためだ。しかし天井裏などでダクトや配管が込み入っている場合に、すべての設備にはレーザーが届き切らずに十分な3Dモデルができあがらない場合がある。こうした課題を乗り越える手法の開発を進めているところ、今回、ドローンとレーザースキャナを併用してデジタル化する手法を開発した。
同社が実施した実用化検証では、IBIS2とレーザースキャナを併用した場合、従来の3Dスキャン手法と比べ、機械室などの天井の無い空間の場合、認識できた建築部材が約135%、天井の一部が解体された天井裏空間で約400%向上したという。
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丸紅株式会社(東京)は7月8日、大阪・関西万博でデモフライトを披露する計画を公表している英ヴァーティカルエアロスペース社(Vertical Aerospace Group Ltd.)開発の5人乗りAAM「VX4」について実施を「見送る」と発表した。英国で行われているVX4試験機での有人飛行試験で判断したという。
丸紅は発表の中で「現在英国で行われているVertical社製VX4試験機による有人飛行試験の進捗状況から、大阪・関西万博でのデモフライトへの対応を見送ることとなりました」と伝えた。VX4のキャビンを再現したモデル空間は予定通り万博会場に出展し、8月から搭乗体験を実施する予定という。
また丸紅が万博で飛ばすもうひとつの機体、米LIFT AIRCRAFT社(以下、「LIFT社」)製の1人乗り機「HEXA」については、デモフライトを近く再開させる方向で調整中だ。HEXAは4月26日のデモフライト中に部品が落下したためデモフライトを中断して原因究明を続けている。
その結果「モーター搭載箇所の部品について、サプライヤーが仕様と異なる素材の部品を誤って供給していたことが判明」したと説明し、「当該部品の交換およびその他重要部品の再点検を完了した上で、再発防止策として、LIFT社において部品の受領・品質管理について包括的な監査を実施し、必要な工程について改善したことを確認しました。関係機関の許可を以て、今後大阪・関西万博でテストフライトを実施し、十分に最終確認を行った後、安全を最優先として関係機関および関係各社と協議・判断し、デモフライトの再開に関しては改めてお知らせいたします」と伝えている。
丸紅は大阪・関西万博でのAAM運航事業者4グループのひとつだ。
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英ロックバンド、オアシスの再結成後初のコンサート会場となるウェールズの首都カーディフのプリンシパリティ・スタジアムで現地時間7月2日、ドローンで形作られた「OASIS」のロゴが浮かび上がった。ツアーは7月4日に始まり、11月まで世界各国をまわる。ツアー初日を翌々日に控えたドローンの演出はオアシスの公式アカウントで公開されている。
ドローンのロゴは公演開始前に上空に描かれ、オアシスの再結成ツアー開催を祝福し、喜ぶファンの気分の高揚に貢献した。
オアシスは1991年にマンチェスターで結成され、7000万枚以上のアルバムを売ったロックバンドだ。2009年に解散したが昨年2024年に再結成した。再結成後初のコンサートツアーが7月4日にはじまり、北米、南米、オーストラリア、韓国など各地をまわる。2025年は11月23日のサンパウロ公演で幕を閉じる予定だ。日本公演も10月に予定されている。チケットはいったん予定枚数の販売を完了したが、機材席の解放による追加販売が決定し、7月12日正午に抽選の受付を開始する予定だという。
音楽シーンとドローンとは、MV撮影、ライブ映像撮影、演出としての屋内ドローンショーなどの例があるなど縁があり、今後も活用の幅が広がる可能性がある。
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AAM開発の米ジョビー・アビエーションは6月30日、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイでパイロットが搭乗し、垂直離着陸の固定翼飛行を実施した。ジョビーは「2026年に最初の乗客を運ぶ」と2026年のサービス開始を目指している。ジョビーは開催中の大阪関西万博で「運航事業者」にもなっている。
ジョビーによるドバイでの飛行は、「piloted, vertical-takeoff-and-landing wingborne flights」で、パイロットが乗り、垂直離着陸をしたうえで、機体の固定翼で移動した飛行で、「eVTOL分野では初めての取り組み」としている。ジョビーはこの飛行を通じて、ドバイ地域での商用市場準備の取り組みを開始したことも明らかにした。ジョビーは直接運航、航空機販売、地域パートナーシップを商業化戦略の3本柱と位置付けていて、今回の試験飛行が「重要な一歩」と話している。
試験飛行はドバイ道路交通局、ドバイ民間航空局、UAE民間航空総局と連携して実施された。またドバイ道路交通局長官兼理事会会長のマタール・アル・タイヤー会長が立ち会った。
ジョビーは、ドバイ国際空港(DXB)、ペルシア湾の人工島であるパーム・ジュメイラ、現在建設が進められている世界第2の面積の人工のマリーナであるドバイ・マリーナ、超高層ビルブルジュハリファで知られるドバイ・ダウンタウンでの商業サービス導入を目指している。バーティポートはすでに建設が進められている。
ジョビーはDXBからパーム・ジュメイラまでをエアタクシーサービスで移動した場合、移動時間は12分で、45分かかる車での移動時間が大幅に短縮されると見込んでいる。
ジョビーがエアタクシーサービスで使う機体は電動で、パイロット1人と最大4人の乗客を乗せ、最高時速200マイル(約320km)で輸送できる設計と説明していて、ジョビーは「短時間の通勤、小旅行、地域間のシームレスな移動のために、より速く、より静かで、より便利な空の旅を提供します」と話している。
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東京株式市場グロース市場で7月2日、ACSL株がストップ安となった。午前9時29分にいったん1187円で寄り付いたがその後も売りが殺到し、再び取引の成立したない売り気配で推移した。ACSLは前日の7月1日、前CEOによる不適切取引判明を発表していて嫌気を誘ったとみられる。
ACSL株は取引き開始前から売り注文を集めていて、取引開始がはじまったしばらく値が付かないまま推移した。午前9時29分に値幅制限いっぱいいの、前日終値比300円安のストップ安となる1187円で取引が成立したが、その後も売りは止まらず、再び取引が成立しない展開が続いた。
ACSLが7月1日に発表した「お知らせ」はこちら