コンピュータ周辺機器製造を手掛けるエレコム株式会社(大阪市)は、スマホ操作型のトイドローンを楽しむためのアクセサリーを発表した。シリコンパッド型のジョイスティックと、スマホを取り付けて画像を楽しむ1眼レンズゴーグルの2種類で、3月上旬に発売する。
ジョイスティックタイプのコントローラーは、シリコン吸着パッドをスマホ画面にはりつけて使う。スマホのドローン操作画面にある、十字形やスクロール系操作アイコンの上にはりつければ、スマホアイコンを360度の範囲で動かせる。ブラインドタッチの操作が可能になる。コントローラーはシリコン吸着パッドではりつけるため脱着が可能。収納ケースが付き、吸着面を汚さず保管できる。方向キーとしてゲームにも使用できる。
1眼レンズゴーグルは、スマホを取り付けることで、トイドローンからリアルタイムでスマホに送られてくる映像を、ドローンに乗っている視点で観ることができる。2Dの360度画像や2Dの動画コンテンツとして大画面で見ることもできる。操縦と画像確認を分担することも可能だ。
使用にあたりエレコムは、対象年齢を15歳以上としている。また2画面のVR動画は視聴できないとしている。また、航空法適用の無人航空機では使用しないよう注意を促している。
■製品詳細 〈スマートフォン用コントローラー〉 型番:P-GMCR2P01GR 価格:¥1,280(店頭実勢価格)¥1,408(税込) 〈1眼レンズゴーグル〉 型番:VRG-SG01BK 価格:¥2,980(店頭実勢価格)¥3,278(税込)
ドローンを使った芸が持ち味のドローン芸人・谷プラスワンさんが、貯金箱にドローンでコインを入れる“ドローン貯金”にチャレンジする動画でYouTubeのチャンネルで公開しました。不要不急な課題に真剣に取り組む姿が笑えます。動画を前に、ご自宅で谷さんにチャレンジしてみては?
えー、不要不急と申しましたが、いずれこの技術が必要となる事態が起きないとも限らないじゃないですか。ドローンの操縦技能向上には役立ちます、はい。なによりも、室内で過ごすことが奨励される今こそ、取り組める娯楽でもあるわけで、例の感染拡大防止にも大いに役立つわけです。・・・と、正当化してみても、笑っちゃいます。いまこと笑いは善だ!
動画は「おうちですごす」がテーマです。部屋にいる谷プラスワンが元気よく、「こちらの貯金箱に入れたいと思います!」と宣言をするところからスタートして、小さなドローン(Parrot MAMBO)をホバリングさせて、Grabberと呼ばれるマジックハンドで、コインをつまみまして、そして、ブタさんの貯金箱に、寄って、寄って、寄って・・・。あとはぜひ、動画を見てください。メイキングも含めて2分ちょっとです。
外出を控えなければいけない事態になったからといって、ドローンの重要性が消えてしまうわけではなさそうです。むしろこの事態にさなかで、配送、散布、監視と縦横無尽に活躍している事情を伝える報道もあります。(「DRONE“ドローンとコロナウイルス。危機から機会へ”」 )
谷さんは、「おうちでマイクロドローン練習」の動画も公開しています。自粛は委縮じゃないようですね。
ドローンの利活用に力を入れる福島県田村市にある福島県立船引高校で11月16日、ドローン特別講座が開かれ、受講した高校生が機体を空中で回転させるピルエットなどの基本練習に励んだ。指導をしたのは田村市と連携協定を結んでいる慶應義塾大学SFC研究所・ドローン社会共創コンソーシアムの南政樹副代表。南副代表は次回以降、アメリカ国立標準技術研究所(NIST)の技能評価にそった練習を進めることを伝え、受講生たちは気を引き締めていた。
この日の講座では前半、体育館でトイドローンを使ってピルエットを中心とした基本技能の練習をした。そのさい南副代表は、体育館床面のバスケットボール用のフリースローサークルをなぞるように飛ばして90度ごとに静止させて、その場で回転させる、などの訓練メニューなどを示した。センサー類が機体の姿勢維持を助けてくれる産業用の機体とは違い、練習用は操縦者の腕が試される。生徒たちは楽しみながら機体を操縦した。
その後、指が慣れたのを見計らって、ピルエットをさせながら機体を上昇させたり、下降させたりと派生操作の練習に取り組んだり、生徒ひとりひとりがオリジナルの動きを編み出すように取り組ませたりと、楽しみながら自在に操ることができるための練習メニューをこなした。
後半は、校庭でPhantomを活用した実践向けの練習を実施した。3班に分けて、班ごとに校庭にあるサッカーゴール、タイヤなどのターゲットを設定。それぞれのターゲットをノーズ・イン・サークルなどの方法で被写体を中心にとらえて撮影する訓練を実施した。生徒たちはかわるがわるプロポを手に取り、画面の中心に被写体をおさめる撮影に取り組んだ。
練習終了後、南氏は次回以降、アメリカ国立標準技術研究所(以降、NIST)の技能評価にそった練習を実施することを伝えた。南氏はこの方法が、空撮で事業などを展開する株式会社ヘキサメディア(埼玉県川口市、野口克也代表)が日本で初めて、10月28日に埼玉県川口市で消防隊員、救助隊員を対象にした訓練で取り入れたことを伝え、「高校でこれを取り入れた訓練をしているところは、おそらくないでしょう。今後、国際的なルールになると思われるので、みなさんには日本の高校生の先駆けとして、これに取り組んでほしいと思っています」と話すと、高校生は気を引きしめた。
この日の特別講座は船引高校ドローン部の部員らが受講し、その様子を菅井友宏副市長はじめ、田村市職員、船引高校関係者、自治体関係者らが見守った。生徒たちの練習に様子を見守っていた学校関係者は「うまくなりましたよね」と目を細めていた。
ドローン部には現在13人が在籍している。ドローン特別講座は慶應義塾大学と田村市が産業振興、地域活性化などについて2016年12月に包括的な連携協定を締結したことをきっかけに、人材育成の取り組みの一環としてスタートした。当時は部活動でなかったが、近隣のドローン事業を展開する企業に就職した卒業生もいるなど、市内ではドローンに取り組む学校としての認知度が高まっている。
これまでに防災訓練、地域の祭り、音楽フェスなどの行事の記録撮影を引き受けたり、最近では、市内の標高718.6メートルの片曽根山で秋色に色づいた風景を空撮したりと、対外的にも精力的に活度している。
船引高校ドローン部の部長、赤石沢響さん(3年)は、ドローンをやっていてよかったかどうかをたずねると、迷いなく「よかった」と答える。「大人からドローンについて聞かれることも増えました。どう飛ばすのか、どこで飛ばせるのか。そういう質問に答えることで会話が増えることもあります」とその理由も明確だ。近く、2年生に部長を引き継ぐことになるが「今は1年生もがんばってくれています。これからも船引高校のドローンがこれからもずっと続いてほしいと思います」と話していた。
船引高校での特別講座に限らず、田村市では慶大と提携して以降、地元でドローンに取り組む活動隊「ドローンコンソーシアムたむら」が創設されるなど取り組みが広がっている。コンソーシアムでは、NPOや企業などが取り組みを進めるなど、地域主体での活動が活発化している。
ドローンの利活用をめぐっては、利用促進と乱用防止のそれぞれの観点から着地点を模索する議論や意見交換が続いているが、田村市ではドローンの利用を歓迎する風土が広がりつつある。慶大との連携協定の締結が、地元による自律的な利活用につながる一連の循環を創出する流れは「たむらモデル」と呼ばれ、今後、社会受容性を育むモデルとしても重要な参考例となりそうだ。