ドローン、エアモビリティ系スタートアップ特化型のファンド、DRONE FUND(本社・東京)は2017年6月1日に発足し、2020年6月1日に3周年を迎えました。少子化、高齢化といった構造的な課題解決に欠かせないドローンのテクノロジーを、資金、知見、環境整備のすべてで支える活動は、日本のドロ ーン前提社会実現のけん引役となっており、さらなる活躍が期待されています。千葉功太郎代表パートナーは、このタイミングで自家用操縦士の取得も発表しました。2022年度の「レベル4」解禁、2023年度の「空飛ぶクルマ」の解禁に向けて議論の活発化が確実な中、パイロット免許取得で得た知見は、技術面、政策面、制度面に加え、ミーティングでの説得力などあらゆる場面で大きな力となりそうです。ただ、千葉さんのライセンス取得への道は精神的にも肉体的にも険しく、「心が折れて、後悔しまくってました」と振り返るほどでした。

千葉さんが、操縦士免許取得を目指すと決めたのは、テレビCMを観てビジネスジェット「HondaJet Elite」を買うと決めた時と同時でした。もともと機械は自分で操縦する、という考えの持ち主。クルマと同じように買ったら自分で操縦する気でいました。「当たり前のつもりでいたのですが、それが後悔の始まりでもありました」。
最初に門をたたいたハワイのスクールでは、分厚いマニュアルを渡され圧倒されます。量が多いだけでなく、基礎知識がないところからのスタートなので、字面を拾ったところで頭に入らない。加えて教官が厳しいスタイルで接してくるタイプだったため、圧力も強い。教官の質問に答えられないと「なんでこんなことが分からないんですか?教科書くらい理解してください」と容赦なく怒られました。そのため「分からないし怒られるしで4日で心が折れ、1週間後には恥ずかしながら『やめます』って言おうかと思うところまでいきました」と言います。
それでもやめなかったのは、自分自身で空を飛ぶことが楽しかったから。当初、仕事の合間にハワイに出向いて訓練し、短期取得を目指していました。しかし、しっかり学ぶ必要があると考えなおし、世界でも最も厳格といわれる日本で学び直すことを決めました。自分を追い込むために飛行機も買いました。それがDRONE FUNDのイメージキャラクター、美空かなたちゃんのイラストに覆われた、パイパー・エアクラフトの単発機です。さらに千葉さんの国内飛行免許取得に向けた訓練教官には、元航空自衛隊でF15戦闘機のパイロットをしていた、まさに航空界のエリートである船場太教官が内定。「まさに猫に小判でしたが、退路はなくなりました」と振り返ります。また訓練空港は航空自衛隊小牧基地として知られる名古屋空港が決定。名古屋への「通学」が始まります。
2018年7月末、千葉さんは「DRON FUND2号」の発表にのぞみ、会場となった竜ヶ崎飛行場(茨城県龍ヶ崎市)で飛行機「かなたちゃん号」をお披露目しました。この年の12月には念願のHondaJet Eliteの日本1号機を手に入れることになり、こちらもメディアに公開しました。メディアに公開したのは、「自分を追い込むためでした」(千葉さん)。そして、実際に、追いつめられる経験を積み重ねることになります。

千葉さんは、日本で操縦を学び始めてから免許を取得するまで、のべ150時間のフライト訓練と383回の離発着を重ねました。規定では40時間以上あれば免許の基準に合致しますが、「とてもそんな時間では取れそうにありませんでした。遠回りしたかもしれません」と話します。
千葉さんが挑んだのは、自家用操縦士のうち「VFR単発機」と呼ばれる、地面を見て飛ぶスタイルです。ほかに「VFR双発機」、計器だけで飛行できる「IFR」、さらに機種ごとのライセンスがあります。「かなたちゃん号」は「VFR単発機」の免許で操縦できますが、HondaJet Eliteを操縦するには、機種ごとのライセンスまで取得する必要があります。
千葉さんは「VFR単発機」取得への挑戦を振り返ると、この間に大きく5つのヤマ場があったといいます。第一は、ゼロからの挑戦期、第二が筆記試験、第三が初の単独飛行である「ファーストソロフライト」、第四が試験本番に向けた訓練の仕上げ、第五が試験当日です。
第一段階では、ゼロからスタートして、視界の悪い空中で飛行機を操縦することによって体に起きる空間識失調(VERTIGO=ヴァーティゴ)の体験が大きかったといいます。この状態になると感覚がまひして、機体の動きを理解できなくなります。水平に飛んでいると感じていても、機体は下降している、ということがあり、危険な状態です。このため教官は「異変を感じたら、自分の感覚を捨てろ、計器を信じろ」と繰り返し叩き込んだといいます。
第二段階のヤマ場は国家試験の筆記試験でした。自家用操縦士の免許を取得するには、航空気象、航空工学、航空法規、航空通信、航空航法の5科目の試験に合格することが必要です。そのうえ、実地試験で単独飛行をするためには、特殊航空無線技士をもっていなければいけないので、実質6科目の勉強をする必要があります。仕事をしながら本格的な受験生の勉強もこなすことになり、脳みそをいじめ抜くような苦しい日々が続きました。千葉さんは「最終的に効果的だったのは過去問をひたすら解くことでした」と振り返ります。なお千葉さんは、必要な6科目に加え、「第二種陸上特殊技士」も「ついでに」受験して合格しました。
第三段階のヤマ場は、横に教官が座らずに、初めて完全に一人で空を飛ぶ「ファーストソロフライト」です。隣にいるのが当たり前の教官がいなくなる恐怖。千葉さんは「死をリアルに感じた」と言います。
なお、ファーストソロフライトに関連して、千葉さんが大きな出来事として刷り込まれているのが、教官から「ソロフライトの前に、不安なことはありますか」と当日本番直前に尋ねられたときのことです。このとき千葉さんは、「上空でエンジンが止まったら、死ぬんですか」と尋ねたそうです。すると教官は「では1回それをやってみましょう」と言い、空中でエンジンを止める体験するはめになってしまいました。離陸して1000フィートまで上昇し、滑走路近くでエンジン出力を切る(スロットルをアイドルにする)。エンジンが切られた状態の飛行機を、教官の指示に合わせて滑空状態で操縦しながら滑走路に対して直角に接近して、最後に滑走路方向に姿勢をかえて着陸。「不安を解消するためにやって頂けたことなんですが、そりゃ怖いですよ。空中で本当にエンジンをスパっと切られると、あとはただ『うおおおっ』て言いながら死にもの狂いでした」。もちろん、空港の管制官の許可を得ての特別な訓練です。
「ファーストソロフライト」はどのパイロットにとっても、最も思い出深い一日にあげる記念日だそうです。このあと単独飛行を無事に成功させて戻ってきた千葉さんを、教官は、日本式で水をかけて祝ってくれたそうです。この瞬間は千葉さんにとっても「本当に感動した瞬間です」と言います。


第四段階は試験本番に向けた練習で、試験に向けて難易度がさらに高くなっていきました。試験までにソロフライトを10時間、積み重ねる必要があり、さらに「エアワーク」と呼ばれる特殊な飛行と、「ナビゲーション」と呼ばれる空港間の長距離飛行をGPS利用なしで安全に時間通りに飛行する2つの飛行試験に向けた訓練を行います。
エアワークは、操縦士が計器だけをみて機体を操縦する計器飛行と、エンジンを空中でアイドルにして、機体を「失速」させて、落下から通常姿勢に戻す特殊飛行訓練などで構成されます。例えば計器飛行の異常姿勢からの回復操作では、空中で外が見えない目隠しメガネをされ、「目を瞑って操縦桿から手を離してください」と言われ、教官が飛行姿勢をわざと大きく崩します。機体の姿勢が崩れたところで、姿勢を立て直すよう指示が出され、操縦士は計器だけを見ながら体制を立て直します。さらに失速訓練では、実際に空中飛行時にエンジンをアイドル(出力をほぼ止める)にして、機体の揚力が消えるまで姿勢維持すると、ある瞬間に機首がガクンと下がり落下を始めます。そこから冷静に手順通り機体を立て直します。「いつも命がけですが、これも命がけ」と、命がけの緊張度の高い訓練が続きます。
「ナビゲーション」では、予め計画した精密な長距離飛行計画の実施途中に、突然予定外の目的地を告げられ、それに対応します。目的地が変わると、航路を確定させるために紙の地図に定規で線を引くことにもなっています。地図は操縦士の膝の上にあり、それを開き、かつ定規で線をひくとなると、手放し操縦をしなければならなくなります。それを手際よくできるかどうかカギとなるそうです。なお、追い打ちをかけるのが、教官からの高まるプレッシャーです。「それまで鍛えられてきたはずのメンタルが、ここにきてさらに折られる思いをします。最後の2、3日は本当にきつかった」と振り返ります。
そして最後のヤマ場が試験本番。試験は口頭試問と、2種類の実地試験。2種類はエアワークとナビゲーションです。この口頭試問が「耐えがたいプレッシャーをかけてくる」難しい質問の波状攻撃なうえ、千葉さんの場合「試験勉強でいう山カンがはずれて」焦った受験となりました。口頭試問に合格して、受験資格を獲得した実地試験は、強風による悪天候で予定がかわり、さらに新型コロナウイルスの影響をみながら日程も調整し、試験本番にパフォーマンスを最大に発揮できるかどうかの管理も試されながらの受験となりました。結果として、エアワーク、ナビゲーションとも「奇跡的にうまくいって」合格したといいます。
合格は「とにかくうれしかったし、教官をはじめ、大勢の協力があってのことなので、ほっとしました」と話しています。

この間がどれだけの極限状態であったかは、千葉さんのメモから読み取れます。
千葉さんの試験前のメモには「守るべきこと」として、数点の箇条書きがあります。
その最初が、「あくまでもマイペースを守る」です。
千葉さんによると、空では「足し算ができなくなるほどアホになる」といいます。多くのことを同時に考えてこなさなければならないうえ、イレギュラーなことが当たり前に起こるため「CPUがフル稼働でそれ以上は考えられない状況。ふだんの10%もアタマが使えません。放っておけば、自分のペースを守れない。事故は多くの場合、パニックに陥ったときにおこります。マイペースを保つ、ということは、命を守ることに直結するんです」。
そしてもうひとつ、「色気を出さない」とも書いてあります。
これは、「こうできたらカッコよさそう」などと考えてはいけないという戒めだそうです。着陸が難しそうなら躊躇なくやり直さなければいけません。また、聞き取れなかった交信は必ず聞き返して理解する、ということも含むそうです。「航空管制無線が聞き取れなかったにもかかわらず、自分には直接、関係のないであろうと思い込み、分かったフリをしたことがありました。そうしたら教官からめちゃめちゃ怒られました」。
こうした経験から何を得たのでしょうか。
千葉さんは「いくつもありますが」と言いながら、メンタルが強くなったこと、空から俯瞰する地理感覚や、相対座標という感覚を手に入れたこと、パイロットだからこそ一目置かれる立場に入れたこと、などをあげてみせました。空の利用をめぐる議論の中でも、自家用操縦士の免許を持つドローンの立場からの発信は、ドローン・エアモビリティ前提社会を目指すうえでより説得力を持ちそうです。HondaJet Eliteを操縦したい、という「軽いノリ」から始まった壮絶な免許取得への挑戦は、千葉さんに新たな視点を授けたことは確実です。
なお、千葉さんが今回取得した「VFR単発機」の免許では、千葉さんが目指す「HondaJet Elite」を単独で操縦することはできません。ここを尋ねると、「それができるように免許を取ろうと思っています」と即答しました。「『VFR双発機』はできれば年度内に。3年以内に機種別を取得してHondaJetEliteを操縦したいと思っています」。
門をたたいてから「後悔しまくっていた」「心が折れた」と振り返るほどの壮絶な免許取得のストーリーには、まだ続きがありそうです。




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| Agras T70Pは最大飛行速度が20m/s、積載能力は、散布時で最大70L、撒布時で最大100L、リフティング作業では最大65kgに対応する。より大きな流量と微かいミスト粒径の散布システムを備えた。また新しい安全性システム3.0を搭載し、ミリ波レーダーとTri-Visionシステムで高精度に障害物を検知し、ルート選択をよりスマートにし、障害物回避性能も向上させた。 |
| Agras T25Pで単独操作もコンパクトかつ柔軟に |
| Agras T25Pは、従来機のコンパクトで折りたたみ可能な設計を引き継ぎながら、20kg高精度スクリュー式散布システム4.0と安全性システム3.0を搭載している。散布作業時の最大積載量は20kg、流量は16L/分で、液滴サイズは50~500μmの範囲をカバーする。空中マッピングや作物保護の完全自動運用にも対応するほか、圃場や果樹園の測量をプログラムしたり、山間地の斜面で地形追従散布を行ったり、複数区画で連続的に散布・散剤処理をしたりすることができる。 |
いずれもDJI Agriculture認定代理店を通じて購入できる。Agras T70Pの公式サイトはこちら
Agras T25Pの公式サイトはこちら

インターネットインフラ、広告、金融、暗号資産事業を展開し、ドローン事業、AAM(いわゆる空飛ぶクルマ)に積極的に関わっているGMOインターネットグループ株式会社(東京、熊谷正寿グループ代表)は、2025年12月3~6日に、東京の大規模展示会場「東京ビッグサイト」で開催される「2025国際ロボット展」(主催:一般社団法人 日本ロボット工業会/日刊工業新聞社)に出展すると発表した。GMOの同展示会への出展は初めてだ。GMOは「すべての人にインターネット」を掲げ、インターネットに関わるインフラ、セキュリティ、フィンテック、メディアなどの事業を展開しつつ、AI、ドローン、エアモビリティ、ヒューマノイドでの取り組みも広げている。2026年を「ヒューマノイド元年」と位置付けるなど、今後も取り組みを拡大させる方針だ。
GMOは国際ロボット展に出展するブースで、グループ会社のGMO AI&ロボティクス商事株式会社(東京、内田朋宏代表取締役社長、GMO AIR)による人とロボットが共存する未来の体験を提供する方針だ。現時点では最新ヒューマノイドロボットの実機デモンストレーションのほか、AI・インターネットインフラ・セキュリティ技術を融合した新しいロボットソリューションや「ロボット人材派遣型サービス」の活用事例の紹介、労働力不足を解決する実証実験の成果展示などを行う予定だ。展示会の出展に関わる特設ページも開設した。
GMO AIRはすでに「ロボット人材派遣型サービス」を展開している。2025年4月に提供を始めたこのサービスでは、Unitree社「G1」を中心に、エンターテインメント領域、研究機関、実証実験現場に派遣している。用途や目的に応じて動作プログラムを実装し、多様なニーズに対応できる特徴を持つ。
日本のヒューマノイドロボット開発企業支援のため、GMOインターネットグループとして、ロボット開発企業向けにクラウドサーバー、セキュリティサービスなどを一定期間提供するなどのインフラ商材の提供支援や、開発支援基金の設立を通じた日本発のロボット技術開発の資金面での支援、GMOグループのAI・セキュリティ技術との連携による開発支援を進める方針で、同社は「日本をヒューマノイドロボット産業における先進国へと押し上げることを目指してまいります」とコメントしている。





GMOのAIやロボティクスへの取り組みは加速している。
今年(2025年)9月25日にはAIやロボティクスの第一人者が登壇する大規模シンポジウム「GMO AI・ロボティクス大会議&表彰式2025」を開催した。熊谷正寿グループ代表は開会挨拶の中でAIとロボット、ヒューマノイドとの関係や、AI搭載のヒューマノイドの進化、その速度に対する恐怖感などに触れたうえ、1000人の来場者を前に「間違いなく来年は世界産業史上、『ヒューマノイド元年』と言われるようになると思います」と述べ、来場者に対しヒューマノイドへの関心と注意を喚起した。
同社は昨年(2024年)9月にGMO AIRを設立して、「AIとロボットをすべての人へ。」を掲げて活動することを公表した。12月には、熊谷代表の思考やフィロソフィー、GMOインターネットグループのカルチャーを学習した社内向けバーチャル知的ナビゲーター「AI 熊谷正寿」を発表し、今年(2025年)9月24日には、そのAIをヒューマノイド「Unitree G1」に搭載した「ヒューマノイド 熊谷正寿」を発表した。「ヒューマノイド 熊谷正寿」は投げかけられた質問に対し熊谷代表の思考に基づいて回答できる。「GMO AI・ロボティクス大会議&表彰式2025」でお披露目されたほか、終了後の報道陣の取材には、生身とヒューマノイドの“2人の熊谷正寿”がそろって記者団からの質問に答えてみせた。
大会議の冒頭のあいさつの中で、熊谷代表は「AIはパソコンやスマホの画面の中だけですが、ロボットに搭載されてフィジカルに世の中をかえていきます」とAIがロボットに搭載されることの意義を確認。「ヒューマノイド 熊谷正寿」についても「私は寝て食ってサボりますが、彼は電池を食わせれば24時間365日働けます。また私は年を取りますが彼は無限にコピーできます。無限の可能性を秘めているのがヒューマノイドだと感じています」と述べていた。
すでにドローンやAAM市場へのかかわりも強く持っている。ドローンについてはハッキングなどへの対策として、サイバーセキュリティ、情報セキュリティの点から関わっていて、ドローンの大規模展示会Japan Droneにスポンサーに名乗りを上げ、ブースも出展してきた。
AAMについては2023年1月23日に、熊谷代表が、アメリカの1人乗りAAMの開発を手掛けるLIFT社(LIFT Aircraft INC.)から操縦士証「BEGINNER PILOT CERTIFICATE」を日本人として初めて取得したと発表し、3月15日には丸紅株式会社(東京)が大阪城公園(大阪市)で行った実証実験で熊谷代表自身が、LIFT社の1人乗り乗りエアモビリティ、HEXA(ヘクサ)の操縦する様子を公開した。その後もGMOがスポンサーとしてかかわったJapan DroneのブースにHEXAを展示するなど、エアモビリティの社会受容性向上に貢献した。
GMOインターネットグループは「現在、ヒューマノイドロボットの技術革新は急速に進み、将来的には自動車産業を超える規模の産業革命をもたらす可能性があります。一方で、日本は中国・米国・欧州諸国に比べ、この分野での産業化分野において遅れをとっている状況にあります。他国では産官学が一体となってヒューマノイドロボット産業の育成に注力しており、日本においても同様の取り組みが急務となっております」と課題を指摘し、「GMOインターネットグループは、AI技術、堅牢なインターネットインフラ、高度なセキュリティ技術を融合し、ロボット社会実装の安全性と信頼性を支える基盤を提供することで、日本の社会課題解決に貢献してまいります。今回の出展は、日本のロボット産業の発展を後押しし、産官学連携による社会課題解決を推進するという、GMOインターネットグループの姿勢を示すものです」と出展の意義を伝えている。
参考「2025 国際ロボット展」(https://irex.nikkan.co.jp/)



一般社団法人DPCA(ドローン撮影クリエイターズ協会)は設立10周年を記念するシンポジウムを2025年12月10日、京都で開催する。国交省、JAXA、海事協会などが登壇する。参加は事前申し込みで無料になる。
シンポジウムのタイトルは「ドローンと共に紡ぐ、“災害対応の未来”と“産業の確立”に向けて〜人とドローンが共に生きる時代へ『守る・伝える・創る ドローンが拓くこれからの未来〜』。一般社団法人 地域再生・防災ドローン利活用推進協会 ( RUSEA )が共催、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)などが協賛し、京都市にある多目的ホール「ロームシアター京都サウスホール」で行われる。会場にはデモブースが設置され、ドローンやロボットが展示される。午前11時半に開場し、12時半からステージで講演、パネルディスカッションなどが行われる。
国土交通省航空局安全部無人航空機安全課の江口真氏、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小林啓二氏、一般財団法人日本海事協会の平田純一氏が講演し、登壇者とドローン事業者によるパネルディスカッションやDPCAのこの10年の歩みと今後の展望についてのプレゼンテーションが行われる。
DPCAは「改めてドローンの価値と社会的役割を見つめ直し、未来への提言を行います。2026年以降に向けたドローンの制度改正や新たな防災活用の潮流、業界の方向性を、行政・研究機関・指定試験機関・産業界・教育界の視点から多角的に議論・共有するシンポジウムです」と話している。
DPCAの発表はこちらhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000077546.html
参加申込はこちら:https://dpca10th-symposium.peatix.com/
協賛やデモブース出展の問い合わせはこちら:https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSc77ZWE8A9-bGT69UBGfiwRil35qi68BT-zsnmLJVOKUrLRSw/viewform



一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は、2025年11月26、27日に大阪で「第2回 Japan Drone/次世代エアモビリティEXPO 2025 in 関西」を開催する。ドローンとエアモビリティの産業応用、地域実証、自治体連携をテーマにした展示やセミナーを展開する。台湾の電子機器受託製造大手Wistron、米Inspired Flight Technologies社の産業用ドローン「IF800」などを扱う株式会社栄光エンジニアリングが出展するほか、自治体、水中ドローンなどの展示も見込まれる。入場は無料で、会員登録と来場登録が求められる。
Japan Drone in 関西はJUIDAが主催し、株式会社コングレが共催する大規模展示会JapanDrone(本開催は例年、千葉・幕張メッセ)の関西版で、JR大阪駅の玄関口に広がるグランフロント大阪にあるナレッジキャピタル コングレコンベンションセンターで行われる。地方イベントでありながら初出展の団体や初公開のプロダクトが登場することもあり、多くの関係者が出展の動向に関心を寄せている。大阪では二年連続でJapanDroneの地方開催が二度目を数える初のケースとなる。前回の2024年開催時には株式会社ORSO(東京)が新製品をお披露目し会場を活気づけた。
展示では測量、点検、防災、物流などのドローン関連のソリューション展示が中心になるとみられる。エアモビリティ(いわゆる空飛ぶクルマ)関連では、空港連携やモビリティハブ構想など、地域発の実証構想が出展されるとみられる。
出展企業のうち、株式会社栄光エンジニアリング(茨城県つくば市)は、米Inspired Flight Technologies社の産業用ドローン「IF800」「IF1200」を紹介することを公表している。同社はInspired Flight社の日本国内代理店だ。またExyn Technologies社の自律飛行型3Dマッピングシステム「Nexys」「Nexys Pro」、Teledyne Optech社の軽量LiDARシステム「EchoONE」を展示する予定だ。
株式会社ユニック(東京都足立区)は陸上ドローンとしてオール電動ラジコン草刈り機 「ユニモワーズ モデルS」を出展する。最大45度の急傾斜で安定走行し、特許取得済みの刈刃機構で草丈1mを超える雑草を効率的に粉砕する。前後カメラの映像を確認しながら遠隔操作が可能だ。ほかにコンパクト電動ミニブルドーザー「ユニドーザー」も展示する見込みだ。
台湾の大手電子機器受託製造企業(EMS )Wistron(ウィストロン)も出展企業に名を連ねている。コンピューター、通信、家電などの電子製品を、研究開発から製造、販売まで手がける台湾のODM(Original Design Manufacturer)で、ドローンとの関連では、台湾のドローン開発企業である経緯航太科技(GEOSAT Aerospace & Technology Inc.)に出資している。展示内容は今後公表される見通しだ。GEOSATは外為法上の輸出管理コントロールリストに掲載されている企業であることも注目ポイントだ。
ほかにも、ドローンなどの受託造形サービスを手掛けるYokoito Additive Manufacturing(株式会社YOKOITO)イタリアの総合測量、TAKE OVER RILIEVI INTEGRATI S.R.L、水中ドローンの運用、普及促進で知られる株式会社ジュンテクノサービス(埼玉県)、トヨタ自動車株式会社が100%出資するソフトウェア開発やエンジニアリングの株式会社トヨタシステムズ(名古屋市)、水素燃料電池ドローン用の高圧ガスCFRP容器等を製造販売JFEコンテイナー株式会社(東京)などが話題を集めそうだ。
自治体の出展が目立つことも特徴だ。「主催者展示ゾーン」と名付けた展示エリアを設置しており、ここに愛知県、愛媛県、大分県、大阪府、香川県、東京都、長崎県、兵庫県、福島県、今治市(愛媛県)、加賀市(石川県)が取り組みなどを展示する。国土交通省、経済産業省も出展予定だ。なお福島県はこことは別のブースも出展する。
なお入場には会員登録をしたのち入場登録が求められる。必須項目に「回答しない」や「街頭するものがない」の選択肢が設けられていないものがある。登録者の入場は無料だ。



DJIは11月4日、産業用ドローン向けの新型LiDARペイロード「Zenmuse L3」を発表した。高精度マッピングやインフラ点検などを想定したレーザー測距装置で、従来モデル「Zenmuse L2」に比べ測距性能やRGBカメラ解像度が大幅に向上している。国内では、販売代理店の株式会社セキド(東京)と株式会社システムファイブ(東京)が取り扱い開始を告知したほか、株式会社FLIGHTS(東京)はZenmuse L3対応の測量支援ソフトを公開し関連セミナーを告知した。DJI JAPANも製品紹介セミナーを予定している。
Zenmuse L3は1535ナノメートル波長のレーザーを採用した航空LiDARで、最大測距距離は約950メートルに達する。RGBカメラも従来モデルL2の単眼20MPから、L3でDual 100MPとなり、写真測量データの解像度が5倍になった。1秒あたりの最大測定点数は24万点で、1回の飛行で取得できる3Dデータが広域、高密度になった。
作業高度は、L2の最大150m程度からL3で最大500mに大幅に向上。これにより、同一飛行時間あたりのカバー面積が広がった。広域マッピングの効率が向上することになる。
RGBカメラはDual 100MPであるうえメカニカルシャッター付きセンサーを搭載し、L2の20MPから大幅に機能が引き上げられた。森林や反射率の低い対象でも安定した写真測量が可能になった。測量、林業、インフラ点検、防災などの業務効率化に威力を発揮すると期待できる。
Zenmuse L3を搭載できる機体は「DJI Matrice 400」で、搭載には「Zenmuse L3 single gimbal connector(専用ジンバル接続ブラケット)」が必要となる。その他の機体への対応について公式には触れていない。将来的な追加対応は検証中という。
国内でも正規代理店が11月4日付で取り扱い開始を発表している。セキドは製品紹介ページを公開するとともに、DJI産業ソリューション導入を検討する企業や官公庁向けの相談窓口を設置した。今後、導入企業向けのウェビナーや体験会も順次実施予定だ。
システムファイブも、取り扱い開始を発表した。自社サイトで製品概要ページを公開し、DJI製産業ドローンとの組み合わせによるワークフロー紹介記事を掲載している。取り扱い開始に合わせ、公式動画や技術解説資料も提供し、測量・点検用途での早期導入を後押しする。
産業ドローン向けソフトウェアのFLIGHTSは、Zenmuse L3に対応する測量支援アプリ「FLIGHTS PLAN」と点群管理ツール「FLIGHTS DOCS for UAV」の最新版を発表した。DJI公式ソフトで取得したLiDARデータやRGB画像をクラウド上で可視化・管理可能で、Zenmuse L3の高密度点群に最適化した処理アルゴリズムを搭載している。
さらに同社は11月11日(火)13時より、システムファイブと共催で「Zenmuse L3紹介・測量活用セミナー」をオンラインで開催する(申し込みはこちら)。
DJI JAPANもZenmuse L3国内発表にあわせ、製品の技術背景や利用事例を紹介するオンラインセミナーの開催を案内している(11月14日13時~14時=申し込みはこちら、11月21日13~14時=申し込みはこちら)
LiDAR計測とRGB撮影を組み合わせた統合ワークフローの活用方法や、DJI Terraによる解析事例を取り上げる予定で、測量・建設・林業・点検など幅広い産業分野への訴求を狙う。
DJIのLiDARペイロードは、測量や建設分野での作業効率を大きく変える技術として注目されてきた。Zenmuse L3の登場で、飛行高度・カバー面積・解析精度の制約が緩和され、より多くの現場でドローンによる三次元計測が実用段階に入るとみられる。
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教育用ドローン教材「DRONE STAR」シリーズを展開する株式会社ORSO(東京)は11月8日、同社の「DRONE STAR プログラミング」に新機能「WithAI回答機能」を搭載したと発表した。ユーザーが「円を描くように飛ばしたい」などの指示をフォームに入力すると、AIがビジュアルプログラミング用のブロック構成を自動で生成する。数秒でプログラムが完成し、「約30秒後には実際にドローンを飛ばせる」という。AIが生成したプログラムをもとに構造を学ぶ「逆引き型の学び」を提案し、教育現場での成果実感獲得支援や導入ハードルの引き下げを目指す。提供開始時期は今後正式に発表される見通しだ。
ORSOによると、新たに搭載した「WithAI回答機能」は、ユーザーが自然文で入力した指示をAIが解析し、最適なブロック構成を自動生成する機能。ユーザーはコードや命令文の意味を一つずつ覚えなくても、AIが生成したプログラムを即座に実行してドローンを飛ばせる。たとえば「ゆっくり上昇して円を描いて着陸して」と入力すれば、その指示をもとにしたブロックプログラムをAIが数秒で組み上げる。学習者はその構成を確認しながら、どのブロックがどの動作に対応しているかを考察したり理解したりできる。
DRONE STAR プログラミングは、命令を表すブロックをドラッグしてタイムライン上に配置する「ビジュアルプログラミング」方式を採用している。直感的な操作でプログラムの流れを学べる点が評価されている。一方で、学校の授業で使う場合に生徒がブロックの意味や順序を理解するまでに時間がかかり、初回授業でドローンを飛ばすまで30分以上を要するケースもあったという。新機能「WithAI回答機能」の搭載により、この「飛ばすまでの時間」を数分から数十秒に短縮でき、学びの入口をより体験中心に変えることができる。
ORSOは「AIが生成したプログラムを教材化する」ことで、従来の積み上げ型学習に加え、AIの回答例をもとに構造を理解する「逆引き型学習」を提案する。これにより、初心者でも短時間で成果を実感でき、学習意欲を高めながらプログラミングの基礎理解へと自然に進める新しい教育モデルの確立を目指す。
DRONE STARブランドは、2016年にORSOと株式会社エルの共同プロジェクトとしてスタート。国家資格の操縦練習機「DRONE STAR TRAINING」や、試験環境を再現した「トレーニングマット」など、ドローン教育に特化した教材群を展開してきた。プログラミング教材はその中核に位置づけられ、小学校から専門学校まで幅広く利用されている。今回のAI機能は、同社が推進する新事業「WithAIプロジェクト」の一環で、AI研究者・清水亮氏(UEI代表)をアドバイザーに迎えて開発が進められた。
ORSOは今後、WithAI技術の応用領域を拡大する計画で、初期クライアント企業を5社限定で募集している(問い合わせ、相談はこちら)。教育分野にとどまらず、業務支援やクリエイティブ領域でのAI連携も視野に入れており、AIを「人の学びや創造を支える伴走者」として位置づける方針だ。
ドローン、プログラミング、AIの技術を組み合わせた今回の取り組みは、教育とテクノロジーの接点に新たな方向を示す可能性がある。AIが作ったプログラムを使うことで終わらせず、それを理解し、改良していく学びのプロセスは、次世代の教育現場の可能性を広げそうだ。

