2020年2月に米国で開催された航空機開発コンペ「GoFly」のファイナルで、世界各国の参加チームから唯一、受賞チームとなった日本の空飛ぶクルマ開発ベンチャー、テトラ・アビエーション株式会社(東京)が、高校生以上の学生向けに、空飛ぶクルマの見学会を企画した。中井佑代表やメンバーが開発経緯を説明したり、質問に直接、答えたりする。空を飛ぶうえで重要な保険について、表に出ない話も含めこの企画のスポンサー、東京海上日動が説明し、質問を受ける。定員は10人。希望者は9月17日までに申し込みを。急げ。(申し込みはこちら)
テトラ・アビエーションは2018年に創業した、空飛ぶクルマなどeVTOLの開発を手掛けるベンチャー企業。GoFlyでの受賞以降、次期機体を開発中だ。
見学会を企画したのは、テトラが新型コロナウイルスの影響で学生向けのワークショップ、インターンシップが軒並みなくなってしまったと耳にしたことがきっかけ。
テトラは「ささやかながらわたくしたちができることとして、2030年に空飛ぶクルマを活用する世代である学生さんに、空飛ぶクルマといわれるeVTOLに触れられる機会として見学イベントを開催します。当日はコンペで飛行した実機も見られます。科学技術に興味ある学生さんの質問に答えたり、進学も踏まえ興味関心に答えたりします。東京海上日動火災保険さんからも飛行機にまつわる保険についてもお話しいただきます」と話している。
当日は中井佑代表やテトラのエンジニア、学生インターンが参加。進学や就職を含めてさまざまな質問にも答える。
主催者からの情報 【イベント内容】 ・代表の中井や弊社メンバーから空飛ぶクルマの開発経緯・機材説明 ・スポンサーの東京海上日動火災保険さんから、表にはあまり出てこない航空機の保険について、 我々がどのように支えていただいているのかを解説してもらいます。技術者ではなくとも、技術を支えるお仕事は多々あることを知っていただけたら幸いです。 ・空飛ぶクルマに興味がある方 ・科学技術に興味がある方 ・ベンチャー企業に興味がある方 であれば楽しんでただける内容にしたいと考えています。 性別・国籍を問いません。 抽選で10人の方に限られますが、ご応募お待ちしております。 ■日時:2020年9月22日(月曜・祝日) 13-15時 ■場所:埼玉県戸田市(武蔵野線・埼京線 武蔵浦和駅からバスで15分) ■募集定員:10名(高校生・高専生・専門学校生・大学生限定) ※当選された方にのみ詳しい場所をお伝えします。 <注意事項> 本人のみ参加。保護者の同行は不可。 マスクの着用必須。(距離を保てる場合にはマスクを外してもらって構いません) メディア取材の写真に写る可能性があります。 現地集合現地解散、交通費は各自ご負担ください。 連絡はメールで行います。 当日学生証を確認するので持参してください。 お申し込みはこちらから。 https://sites.google.com/tetra-aviation.com/factorytour/ 締め切り:2020年9月17日 参加できる方のみに9月18日までにご連絡します。
米ボーイングは5月12日、最大500ポンド(227キログラム)の荷物を運搬できるように設計されている電動垂直離着陸機(eVTOL)の屋外試験飛行に成功したと発表した。
貨物用航空機(CAV)の最初の屋外飛行試験では安全で制御された屋外の環境で、電気垂直離着陸(eVTOL)無人航空機(UAV)が離陸し、ホバリングし、前進飛行に移行し、その後無事に着陸した。飛行の様子は、ボーイング社のサイトで動画として公開されている。
http://www.boeing.com/features/2019/05/cav-first-flight-05-19.page
電気推進システムによって動かされたCAVは、500ポンド(227キログラム)までの積載量を運ぶように設計されている。これにより、さまざまな業界で安全かつ効率的に商品を輸送するための新たな可能性が開かれる。
CAVは2018年に発表されて以来、初期のコンセプトからプロトタイプの航空機へと進化している。ボーイング社の研究者とエンジニアのチームは、厳格な屋内テスト、飛行シミュレーションおよび実験室研究を通して設計を洗練させてきており、現在、6つのデュアルローターシステムと12のプロペラを備える。長さ17.5フィート(5.33メートル)、幅20フィート(6.1メートル)、高さ5フィート(1.52メートル)で、重量は1,100ポンド(498.95キログラム)だ。
この「ボーイングネクスト」は、将来の航空機の責任ある導入と、都市、地域および世界市場での運用を可能
にする新しいモビリティエコシステムを先導している。CまたボーイングネクストのポートフォリオにはCAVに加え、旅客機も含まれている。
ボーイング社は今後数か月にわたり、前進飛行、荷重分析および車両性能に焦点を合わせた飛行試験でCAV
の開発を進める計画だ。
米シカゴで開催された航空宇宙産業の大規模展示会、XPONENTIAL2019で現地視察したトライポッドワークス代表、佐々木賢一さんのレポートは今回が完結編です。VTOLの存在感がどれだけ大きかったかを感じ取ることができる臨場感たっぷりの渾身のレポートをどうぞ。あ、佐々木さんが撮影、編集したシカゴの街のスペシャル動画もあります!(DroneTribune 村山繁)
今年は数々のVTOL機が展示されていました
前回、DAY2でレポートをしたBell NEXUSのほかにも、今年はかなり多くのVTOL(垂直離発着)機が展示されていました。
スイスのベンチャーAutoFlight社のWhite Shark V40。
ペイロード8Kg含む総重量45Kg、最高速140Km/h、航続距離1300Km、放送用のCOFDM技術を利用して200Kmのフライトコントロールと1080p/30pの映像の伝送ができるとのことです。
ボーイング社のCargo Air Vehicleのモックアップ。
ペイロード500ポンド(227Kg)!
6つのデュアルローターシステムと12のプロペラを備え、長さ17.5feet(5.3m)、幅20feet(6.1m)、高さ5feet(1.5m)、総重量は500Kgと巨大な機体で都市間の物流を実現すべく開発が進んでいるようです。
同じくボーイング社のPassenger Air Vehicleのモックアップ。
このプロトタイプの今年1月に行われた初飛行テスト様子を収めた動画があります。
https://www.boeing.com/features/2019/01/pav-first-flight-01-19.page
アメリカのベンチャーELECTRAFLY社のPERSONAL FLIGHT VEHICLES。
4つのプロペラと小型ジェットタービンエンジンのハイブリッド機なんですが、スターウォーズ好きの私にはスピーダー・バイクが実現するのか!とワクワクしてしまいます。
これで森の中をハイスピードで飛び、「エピソード6/ジェダイの帰還」ごっこをしたいと思うのは私だけでは無いでしょう(笑)
NASAのUrban Air Mobilityのテスト機、「Langley Aerodrome #8」。
宅配車や6-8人乗りのコミュニティバス的な運用を目指しているとのことです。
NASAのラングレー研究所と言えばNASA最古の研究所で、航空機や宇宙探査機の研究で有名ですね。
BellとNASAが共同で開発している輸送機。
30Kgの積載量と160Km/hの飛行速度。
離発着時は縦に、飛行時は横になって飛び、通称Xwingと呼ばれているようなのですが、Xwingと言えばこれまたスターウォーズですね(笑)
Northwest UAVのVTOL機。
なんだか複雑な機体ですが、UAVエンジンのメーカーなのでとにかくモーター部を強調するデザインになっているようです。
最近、DJI MAVICによく似た小型機EVOの販売を開始したアメリカAUTEL RoboticsのVTOL機。
THREOD SYSTEMSは軍や警察、国境警備向けのSTREAM C VTOL UASを展示。
2000m以上の高度を最高速130Km/hで5時間以上の飛行が可能とのこと。
30倍ズームカメラ、赤外線カメラ、レーザーレンジファインダー搭載で100Km以上の距離で通信できるようです。
アメリカPAE ISRのResolute Eagle。
このメーカーも米国政府機関、NATOなどが顧客で、情報監視や偵察が主な役割とのことで、最高高度4500m、飛行時間12時間が可能なようです。
KARI(韓国航空宇宙研究院)のVTOLプロトタイプ。
名前の通り、日本で言うところのJAXAに当たる研究機関で、宇宙開発に関する研究開発と並んで、UAVの研究にも力を入れているようです。
以上のように、今年のXPONENTIALはVTOL機が展示の中心でした。
離発着に滑走路が要らず、航続距離や速度やペイロードが稼げて、何より長時間の飛行が可能なVTOL。
軍事を含む産業用のUAVとして、ヒトやモノを運ぶFlying VehicleとしてのVTOLは、これからドローンの主流の一つになって行く予感がしました。
3回に分けてお届けしたXPONENTIAL 2019のレポートは如何でしたでしょうか。
まだまだお伝えしたい内容もあるのですが、それはまたの機会とさせて頂きます。
最後に、今回のシカゴにはMAVIC2 ProとOSMO Pocketを持って行き、シカゴの街を撮ってきましたので是非ご覧下さい。
私の勝手なシカゴのイメージは、新旧の建物が入り混じった歴史あるミシガン湖畔の街で、街中を走る鉄道と摩天楼、映画でギャングまたは警察から主人公が逃げる時に使う古い建物の非常階段と暗く狭い路地、そこから車で逃げる時のカーチェイスは鉄道のガード下の道路でって感じでしたので、そのイメージに合う場所をチョイスして撮影しています(笑)
なお、渡米前にFAA(連邦航空局)に機体を登録、飛行場所はClass G空域(届出無しで飛行して良いエリア)かつNo Droneになっていないところを120m以下で飛行、つまりUSの法令を遵守して撮影しています。
来年のXPONENTIALはボストン。
2020年5月4〜7日です!(完)