株式会社 Liberaware(リベラウェア、千葉市)の小型ドローン「IBIS」は、JR新宿駅で駅舎の天井裏にある高さ25センチの空間を飛行し、空間の様子を動画で撮影する実験を実施した。リベラウェアはその動画から3Dモデルを生成し、天井裏のケーブルの長さや、ダクトの大きさなど内部の様子を把握した。
「JR東日本スタートアッププログラム」の一環 立ち入り不可能空間での点検手法確立へ

IBISによるフライトは、リベラウェアとJR 東日本スタートアップ株式会社(東京)が、ビジネスアイディアの社会実装を支援する「JR東日本スタートアッププログラム」の一環で2月末に行われた。IBISの撮影により、作業員は天井をはがさなくても、点検口から数十メートル奥まで状況を確認することができた。天井裏の空間は天井高が最大で25センチで、ケーブルやダクトが走っていた。
鉄道駅舎の改良工事やメンテンナンスは、通常、利用客がいない終電から始発までの間の限られた時間に行うことを要求される。一方、天井裏の点検は、天井をはがしての実施に時間的な制約があり頻繁にはできない。多くが点検口から作業員が目視をして実施するが、奥まで確認することは難しい。このため天井をはがさずに内部を点検する手法の確立が急務になっている。
リベラウェアとJR東日本スタートアップは今後、より精度を高めるための検証を進め、作業員の負担軽減、生産性向上などを通じて、人が立ち入れない場所での点検を可能にする新たな点検手法の確立を目指す。

DroneTribune代表兼編集長。2016年8月に産経新聞社が運営するDroneTimesの副編集長を務め、取材、執筆、編集のほか、イベントの企画、講演、司会、オーガナイザーなどを手掛ける。産経新聞がDroneTimesを休止した2019年4月末の翌日である2019年5月1日(「令和」の初日)にドローン専門の新たな情報配信サイトDroneTribuneを創刊し代表兼編集長に就任した。現在、媒体運営、取材、執筆、編集を手掛けながら、企画提案、活字コミュニケーションコンサルティングなども請け負う。慶應義塾大学SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアム研究所員、あおもりドローン利活用推進会議顧問など兼務。元産経新聞社副編集長。青森県弘前市生まれ、埼玉県育ち。