国土交通省航空局は「飛行許可を受ける際の申請書類の一部を省略することができる講習団体等」についてホームページの記載内容を1月1日現在の情報に更新した。講習団体は1か月前の2020年12月1日の913から927に増えた。講習団体をたばねる管理団体は55で前月から変化はなかった。
改訂に伴い講習団体の一覧表に初めて「令和3年」の表記が登場した。令和3年1月1日の新規記載をされた講習団体は16。総数では前月から14の増加なので、2が姿を消したことになる。
顔ぶれは静岡県沼津市に拠点を構える東部自動車学校の運営する「静岡沼津ドローンスクール」が、既存の一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)、一般社団法人全国自動車学校ドローンコンソーシアム(ジドコン)に加え、新たにDJI JAPAN株式会社を管理団体とする技能認証の提供を始めることになり“3刀流”となった。井関農機株式会社グループの販売会社、株式会社ヰセキ関西中部(愛知県安城市)も既存技能認証に加え、一般社団法人ドローン技術社会実装コンソーシアムの技能認証の講習を開始し、“2刀流”となる。
そのほかの14団体は今回初めて講習団体に名を連ねた。中にはドローン事業ブランド「SkyFarm(スカイファーム)」を掲げ農薬散布、空撮、点検などで実績を重ね、ドローンスクールの講師実績も豊富な株式会社ワイズ技研(東京都渋谷区)など、実力ある団体の名もみられる。
管理団体を傘下に抱える講習団体の数の多さで並べると、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が177、一般社団法人ドローン撮影クリエイターズ協会(DPCA)が164、DJI JAPAN株式会社が140と、上位陣の顔ぶれには変動はなかった。
ドローン研究に力を入れている慶應義塾大学SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアムと、自動車学校が運営するドローンスクール団体、一般社団法人全国自動車学校ドローンコンソーシアム(ジドコン)と共同で、2020年1月27日、「空飛ぶ車×自動運転×自動車学校 〜 目前に迫るエアモビリティ前提社会に向けて新たな交通秩序を共創する〜」を開催する。Uberも参加し、講演やパネルデフィスカッションに参加する予定だ。入場は無料。
シンポジウムは慶應義塾大学三田キャンパスのホールで開催される。
慶應義塾大学SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアムの古谷知之代表、エアモビリティを活用したサービスの開発を進めているUberの代表者、内閣官房小型無人機等対策推進室の長崎敏志内閣参事官、東京大学生産技術研究所の伊藤昌毅特任講師らが講演するほか、ドローン社会共創コンソーシアムの南政樹副代表がファシリテーターを務め、講演登壇者やサンインテルネット株式会社の三田竜平代表取締役社長らによるパネルディスカッションでさらに意見を深める予定だ。
講演、パネルディスカッション終了後には、懇親会も予定されている。懇親会参加費は5500円(税込み)
概要は以下の通り
・日時:2020年1月27日(月)13:00-17:00 (受付12:30)
・参加費:無料
・場所慶應義塾大学 北館ホール
・地図:https://www.keio.ac.jp/ja/maps/mita.html
・申込 : https://bit.ly/2RkGuAx
予定コンテンツ
・主催者挨拶:一般社団法人 全国自動車学校ドローンコンソーシアム理事長 朽木聖好氏
・講演①「先端モビリティ前提社会」 (慶應義塾大学総合政策学部教授 古谷知之氏)
・講演②「UberにおけるFlying Carビジネスの取り組み」
・講演③「空と陸の交通安全行政」(内閣官房小型無人機等対策推進室 長崎敏志内閣参事官)
・講演④「低空飛行の地方公共交通に救いはあるか?空を飛ぶ前に考えること」(東京大学生産技術研究所 伊藤昌毅特任講師)
・パネルディスカッション
ファシリテーター 慶應義塾大学 南政樹氏
・終了後に懇親会を予定
問合せ先:
慶應義塾大学SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアム事務局
北信越エリア5つのドローンスクールは7月27日、北信越ドローンセミナーを開催し、慶応義塾大学ドローン社会共創コンソーシアムの南政樹副代表、DRONE CONCIERGE CAPTAIN330 山村寛代表が講演した。南氏はステージからドローンで客席を記念撮影するなどして盛り上げながら、「ドローンは空を自由に活用するデジタルツール。ビジネスを考えるさいに重要なのはそれを使うアイデアだ」と、地方からアイデアを積極的に生み出すよう呼びかけた。
セミナーは「ドローン市場のビジネス像とこれからの制度」をテーマに据え、山村氏が「有人機の世界から見たドローン事故防止のヒントとこれからの制度」、南氏が「ドローン前提社会の近未来像〜近未来のドローンビジネス像と今何をすべきか〜」を演題に講演した。富山ドローンスクール、富山南砺ドローンスクール、石川ドローンスクール、能登七尾ドローンスクール、新潟上越ドローンスクールが主催し、富山産官学ドローン推進協議会、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)、一般社団法人全国自動車学校ドローンコンソーシアム(ジドコン)が後援した。
南氏は「ヒトは昔から空をパーソナルに使うことに憧れてきた。空を自由に活用できるドローンの登場で、いよいよそれが実現しつつある」と分析したうえで、「パーソナルに使うテクノロジーを持つ時代になったからこそ、それを適切に運用できる技能を保証するライセンスが重要になるともいえる」と述べた。
ドローンの歴史を振り返り、南氏はiPhoneが発売された2007年ごろが転換期だったと分析した。その理由を「それまでアナログで人が制御していたラジコンが、これを機にデジタル化し、コンピューターの力を借りることができるようになった。安価、容易にテクノロジーを使えるようになった」と説明した。
そのうえでテクノロジー雑誌『WIRED』の編集長から米3D Robotics社のCEOに転じたクリス・アンダーソン氏の「ドローンは、飛行機から操縦士を取り除いたものなどではなく、プロペラのついたスマートフォンだ」という言葉を紹介し、ドローンが飛ぶだけの道具とは異なるという認識を強調した。
演題に盛り込まれた「ビジネス」については、ハードウェア、ソフトウェア、サービスと3つに大別したうえで、それぞれに含まれる業種、業態を概観。たとえばハードウェアには、本体の組み立て製造をするメーカー、部品製造、メンテナンス、検査などが含まれ、ソフトウェアでは、運用、オペレーター、UTM、3次元地図などがあると紹介した。そのうえでハードウェアでは、VTOL、カウンタードローン、パッセンジャードローン、基地局などに大きな可能性があることを紹介。サービスでも、人材育成、建設医療、ドローンレース、救助など多様なサービスが数多くあることを解説し、とくに主催者や関連する出席者を念頭に、人材育成のひとつとして自動車の免許制度を取り上げ、「もともとはある地方の制度だが、交通量が増えたことからこれをベースに全国に広がった」と地方の取り組みが、大きな可能性を秘めていることを説明した。出席者に向けて「富山の地でたくさんのイノベーションが起こることを祈念する」と結び、大きな喝さいを浴びた。
またDRONE CONCIERGE CAPTAIN330の山村代表は、ドローンの飛行ルールの背景を、飛行機など有人機との関係でわかりやすく説明。「事故のほとんどは人的ミス。無人機のパイロットも有人機の知識が必要だ。ドローンのインストラクターや講師には、有人機の機長としての心構えと知識も受講生に教えてほしい」と訴えた。
セミナーでは主催者を代表して富山ドローンスクールを運営する北日本自動車学校の中条充康理事長が、地元での産学官の取り組み事例をまじえてあいさつした。この日は約150人が聴講し、それぞれにメモをとったりうなずいたりしていた。終了後には講演者にあいさつを求める列ができた。
自動車学校によるドローンスクールネットワーク、全国自動車学校ドローンコンソーシアム(ジドコン)の第1号となった福島ドローンスクール郡山校(福島県)が5月12日、昨年4月に第一期生を迎えて1年が経過したことを記念したイベントを開催した。ジドコンでの一周年記念イベントとして一番乗りで、デモフライト、体験会、専門家の講演などを実施し多くの人出でにぎわった。今後もドローンの魅力を発信し続けるという。
イベントを開催した福島ドローンスクール郡山校は、富久山自動車学校(福島県郡山市)が昨年2月に開校、4月に第1期生を迎え入れた自動車学校系ドローンスクールの草分けだ。一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の認定校のひとつで、この1年で約50人の修了生を輩出し「操縦技能証明証」「安全運航管理者証明証」の交付につなげた。3月に開催された大型展示会JapanDrone2019では「JUIDA SCHOOL AWARDS 2019」で表彰でも取り組みが表彰された。
イベントでは、ドローングラファーで有限会社クレセントエルデザイン(東京)代表取締役社長の渡邉秋男氏が講演を開催。午前の講演では、渡邊氏のチームが製作にかかわった有名CMのシーンを投影しながら撮影秘話を披露したり、拠点にしている富士山に関わる豆知識をクイズ形式で紹介したりして会場をわかせた。
特に富士山山頂でドローンを飛ばそうとすると、気圧が標準気圧の3分の2であるため勝手が違うこと、など撮影経験者ならではのエピソードは参加者を引き付けた。渡辺氏は午後にも別のテーマで講演を実施した。
この日は、自動車の教習コースとなっているエリアをドローンに開放。農薬散布機のデモフライトでは株式会社NSi真岡(栃木県)の縄野和幸さんが、機体の機能、特徴、利点などを説明したうえで、実機のデモを披露した。見学者からは「農薬はどれぐらい積むことができますか」と質問が相次ぎ、好奇心の高さがうかがえた。これに対して縄野さんが「1リットルです。ただし高濃度のものを少量散布します」と応じるなど、活発なやりとりが交わされた。
体験会ではPHANTOM4を、親子連れなどにフライトしてもらう機会を提供。小学生の男の子と母親の親子連れはお母さんが「ほら、こうすると上がるよ」などと覚えたばかりのレバーさばきを伝えながら操縦に夢中になっていた。初フライトを楽しだ母親は、「クルマのラジコンなら自宅で時々遊んでいるのですが、ドローンは初めて。私もおもしろかった」と感想を話した。そして「来年もやってほしいです」と早くも次年度への期待を表明した。
なお飲食コーナーでは200円のカレーライスや、会場の郡山市に隣接する三春町の名物、ピーマンの香りが高く肉汁たっぷりの「三春グルメンチ」が来場者の人気を集めた。
同スクール室長の鈴木道男専任講師は「福島ドローンスクール郡山校はジドコン系のスクールとして一番に開校した誇りもあり、1周年イベントもジドコンの中で一番にと考え、令和元年の最初の月のうちにという思いもあり本日のイベント開催が実現しました。本業の自動車教習で培った安全教育をこれからもドローンの教育に生かして、安全確保の重要性とともに、ドローンの無限の魅力を伝えて地元での普及に努めていきたいと考えています」と意気込みを語っていた。
福島ドローンスクール郡山校:https://koriyama.fukushima-drone.com/