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米カリフォルニア工科大学(Caltech)とアラブ首長国連邦アブダビのテクノロジー・イノベーション研究所(Technology Innovation Institute:TII)は、ヒューマノイドと空陸両用ドローンが連携して行動する「マルチロボット応答システム(multi-robot response system)」の実証を行った。Caltechが2025年10月14日(現地時間)に公式サイトで発表した。

連携技術「マルチロボット応答システム」を開発、災害対応などへの応用視野

 実証は、Caltechの自律システム・技術センター(Center for Autonomous Systems and Technologies:CAST)で実施されたもので、中国・杭州Unitree Roboticsのヒューマノイドロボット「Unitree G1」とCaltechが開発した変形型モビリティロボット「M4(Multi-Modal Mobility Morphobot)」が協調して動作する様子を披露した。
 デモンストレーションでは、ヒューマノイドロボットが建物内を歩行し、屋外に出るとM4を起動。M4は地上走行から飛行モードに変形し、上空から周囲を監視した。両機体は無線通信でつながり、カメラやセンサーで得た情報を共有しながら、空と地上の連携探索を行った。
 M4は車輪走行、歩行、飛行を切り替え可能な機構を備え、状況に応じて最適な移動モードを自律選択する。ヒューマノイドは人間環境下での操作や調査を担い、M4が空から支援することで、災害現場などの不確実な環境でも効率的な任務遂行が可能になるという。
 Caltechの研究チームを率いるMory Gharib教授は、「異なるプラットフォームのロボットが協調して行動する新たな枠組みを示した。今後は災害対応や宇宙探査など、さまざまな応用が見込まれる」とコメントしている。
 研究チームは今後、より多くのロボットが同時に協働できるネットワーク構造への発展を目指し、屋外・屋内の複雑地形での自律動作の高度化を進める方針だ。

出典:Caltech公式発表 “Caltech and Technology Innovation Institute Demo Multirobot

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村山 繁
DroneTribune代表兼編集長。2016年8月に産経新聞社が運営するDroneTimesの副編集長を務め、取材、執筆、編集のほか、イベントの企画、講演、司会、オーガナイザーなどを手掛ける。産経新聞がDroneTimesを休止した2019年4月末の翌日である2019年5月1日(「令和」の初日)にドローン専門の新たな情報配信サイトDroneTribuneを創刊し代表兼編集長に就任した。現在、媒体運営、取材、執筆、編集を手掛けながら、企画提案、活字コミュニケーションコンサルティングなども請け負う。慶應義塾大学SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアム研究所員、あおもりドローン利活用推進会議顧問など兼務。元産経新聞社副編集長。青森県弘前市生まれ、埼玉県育ち。
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