AAM(アドヴァンスト・エア・モビリティ)運航事業を手掛け、大阪・関西万博の運航事業者にも名を連ねる株式会社Soracle(ソラクル、東京)が、2027年中にも大阪・関西エリアで旅客運航を目指す計画を明らかにした。9月10日に大阪府、大阪市と連携協定を結んでおり、その席で計画を明らかにした。米Archer Aviation(アーチャー・アヴィエーション)のパイロット1人を含めた5人乗りのeVTOL型AAM、Midnight(ミッドナイト)を使うことを想定しているという。
Soracleは2026年にも大阪府内で実証飛行を実施し、必要な審査をふまえ27年にも大阪ベイエリアでの遊覧飛行などを始める。周回して出発点に戻る運航のほか、離陸地点から別の場所に移動する二地点間飛行も想定する。
大阪府と大阪市との連携協定は、ソラクルの事業環境を整えることや、運航網整備に必要なインフラ整備に向けた調査、制度の整備、関連ビジネスの展開支援などの事業環境整備に向けた取り組みを進める。締結式では太田幸宏CEOが、大阪に来れば全国に先駆けて空飛ぶクルマに乗ることができる未来を実現し、中長期的には関西・瀬戸内海地点を結ぶ観光体験を創ると抱負を述べた。
吉村洋文知事は「さまざまな課題はあろうかと思いますが、Soracleさんと協力し、大阪府・市も全面的に当事者として取り組むことで、2027年に商用運航を、そして大阪に来れば空飛ぶクルマに乗ることができるということをめざしていきたいと思います。大阪・関西から、空の移動革命を実現していきましょう」と述べた。
Soracleの公式発表はこちらにあります
大阪・関西万博でAAM(いわゆる空飛ぶクルマ)の運航を目指している大阪府は3月28日に、AAMの運用が地域や日本にもたらすビジネスチャンスなどについて解き明かす「空飛ぶクルマビジネスセミナー~大阪・関西におけるビジネス展開の可能性~」を大阪で開催する。東京大学大学院特任研究員の中村裕子氏、株式会社日本政策投資銀行調査役の岩本学氏が登壇する。会場参加、オンライン参加のいずれも可能で参加は無料だ。
「空飛ぶクルマビジネスセミナー」は3月28日、15時30分から16時50分までで、東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻特任研究員の中村裕子氏は「空飛ぶクルマの現在地、実装の課題と世界の取り組みについて」、株式会社日本政策投資銀行産業調査部兼航空宇宙室調査役の岩本学氏は「空飛ぶクルマのビジネスチャンス~万博後に登場する新産業~」の演題でそれぞれ講演する。会場は大阪・難波の産業経済新聞社大阪本社会議室でオンライン参加も可能だ。講演終了後の名刺交換などを目的とする交流会が催される予定で、会場参加の場合は交流会にも参加が可能だ。
参加は申し込みフォームから。締め切りは3月27日午前11時。
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開催概要に関する大阪府の発表は以下の通りだ(以下、引用)
大阪府では、府内における空飛ぶクルマの社会実装に向けて、認知度の向上や有用性の理解促進等を図るため、「空飛ぶクルマ社会受容性向上事業」を実施しています。このたび、空飛ぶクルマの現在地、経済的なポテンシャルやビジネス展開の可能性について解説するセミナーを開催しますので、ぜひご参加ください。
【セミナー概要】
1.日時
令和6年3月28日(木曜日)午後3時30分から午後4時50分まで
2.開催方法
会場とオンラインの同時開催
会場:株式会社 産業経済新聞社 大阪本社 会議室(大阪市浪速区湊町2丁目1番57号)
3.定員(申込先着順)
会場:100名
オンライン:500名
4.参加費
無料
5.内容
(1)基調講演1 空飛ぶクルマの現在地、実装の課題と世界の取り組みについて
講師:中村 裕子氏(東京大学 大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻 特任研究員)
(2)基調講演2 空飛ぶクルマのビジネスチャンス~万博後に登場する新産業~
講師:岩本 学氏(株式会社日本政策投資銀行 産業調査部兼航空宇宙室 調査役)
セミナー終了後、30分程度参加者交流会(名刺交換や情報交換)を行う予定です。
6.申込方法
関連ホームページ「空飛ぶクルマホームページ」https://soratobu-kuruma.jp/
の申請フォームよりお申し込みください。
7.申請期限
令和6年3月27日(水曜日)11時まで
大阪府は2月3日、いわゆる空飛ぶクルマの社会受容性向上を目指し「空飛ぶクルマシンポジウム~私たちのくらしはどう変わる!?~」を大阪・天満橋の大阪府立労働センター(エル・おおさか)内「エル・シアター」で開催する。参加は無料。空クル事業者のほか、クイズ番組などでの人気のQuizKnockの鶴崎修功さん、山本祥彰さんがパネリストとして登壇する。進行は「そこまで言って委員会NP」を手がけたことで知られるテレビプロデューサー、結城豊弘氏がファシリテーター、フリーアナウンサーの薄田ジュリア氏がMCを務める。DroneTribune編集長の村山繁も登壇する。参加希望者は応募フォームから申し込む。2月2日17時が現時点での締め切りだ。
登壇する空クル関係事業者は、テトラ・アビエーション株式会社取締役の新井秀美氏、株式会社SkyDriveエアモビリティ事業開発部事業開発チーム国内事業開発統括の金子岳史氏。2氏とも登壇経験が豊富で、各催事で豊富な話題と来場者をひきつける語り口で定評がある。
開催概要
1.日時
令和6年2月3日(土曜日) 午後1時から午後3時
2.場所
エル・シアター
大阪市中央区北浜東3-14 エル・おおさか(大阪府立労働センター)
3.主催
大阪府
4.内容(予定)
・「空飛ぶクルマ絵画コンクール」表彰式
・シンポジウム
空飛ぶクルマの開発を行う機体メーカーの担当者等にパネリストとして登壇いただき、参加者の皆様と「空飛ぶクルマのある未来社会」を一緒に考えるトークセッションを実施します。
登壇者の詳細は、決定後に関連ホームページで順次公開いたします。
公式LP:https://soratobu-kuruma.jp/index.html#sympo
大阪府の吉村洋文知事は11月26日、なんば駅前広場で開催2日目を迎えた「道頓堀リバーフェスティバル2023」(一般社団法人大阪活性化事業実行委員会主催)の会場を訪れ、メインステージの隣に設置、展示されたテトラ・アビエーション株式会社(東京)の1人乗りeVTOL機、Mk-5(マークファイブ)の座席に乗り込む場面があった。吉村知事はいわゆる空飛ぶクルマの実現に積極的で、たびたび「乗りたい」と発言していることで知られる。
吉村知事がテトラのMk-5に乗ったのは26日午前11時半ごろ。道頓堀リバーフェスティバルの2日目の主要行事「第13回よさこい大阪大会」のあいさつのためステージにあがり、「ここミナミは大阪の個性です。ミナミが元気なら大阪が元気になる。大阪が元気なら日本が元気になる。元気な大阪を引き継いでいきたい。そして2025年に大阪・関西万博をやります。批判されている部分もありますが、それを乗り越えてベイエリアで160か国が集まる未来を見据えた万博をやりたいと思います」と、空飛ぶクルマの実現が見込まれる大阪・関西万博をアピールし大きな拍手を浴びた。
吉村知事はあいさつ後にステージからおり、よさこいのパフォーマンスを見学したあと、ステージわきのMk-5に近寄りシートに乗り込んだ。様子を見ていた来場者から「吉村さーん」などと歓声があがり、吉村知事が声の方に向かって手を振った。
吉村知事は2021年9月14日、大阪府、大阪市、株式会社SkyDriveがいわゆる空飛ぶクルマについて「実現に向けた連携協定書」を締結したさい、大阪・天保山の調印式会場に置かれたSkyDriveの前モデル「SD03」に、松井一郎前大阪市長とともに乗りこんだ経験がある。このため吉村知事は国産2機の乗り心地を体験したことになる。
またこの日の会場では前日に続き、VRコーナーに多くの来場者が詰めかけ、参加者がVRゴーグルを装着して空クルの疑似体験を楽しんだ。
大阪・関西万博開幕の2025年春までちょうど2年となった2023年4月13日、大阪万博機運を醸成するイベント、「咲洲プレ万博」がアジア太平洋トレードセンター(ATC、大阪市住之江区)で始まり、こけら落としイベントの「ATC OSAKA MIRAI EXPO」では、ドローンやAAM(いわゆる空飛ぶクルマ)に関する展示が中心的な存在感を示した。ATC OSAKA MIRAI EXPOの初日の13日には橋下徹元大阪府知事も行われ、多くに来場者でにぎわった。ATC OSAKA MIRAI EXPOで開幕した咲洲プレ万博は、今後年間50以上の催事を予定している。
ATC OSAKA MIRAI EXPOは、ATC OSAKA MIRAI EXPO実行委員会の主催、咲洲プレ万博実行委員会の共催で行われ、大阪府、大阪市、大阪府教育委員会、大阪市教育委員会、公益社団法人2025年日本国際博覧会が後援した。13~16日の4日間が会期で、平日の13、14日には「Business Day」として、先端技術の社会実装を見据えた展示や商談会、セミナーなどが行われた。
展示の中心はドローンや「空飛ぶクルマ」などと呼ばれるAAMの関連技術だ。エアロファシリティ株式会社(東京)は、AAMが着陸するためのポートを提案していて、豊富なヘリポート設置実績を生かしてポートの情報や、ヘリポートにも使えるゴム製マット「パズルマット」を告知、来場者にはつなげて使うマットのサンプルを見せたりした。同社は大阪・関西万博でっ会場内離着陸場運営協賛者に選ばれたオリックス株式会社(大阪市)や関西電力株式会社と協定書を締結している。
機体開発のスカイリンクテクノロジーズ株式会社(SLT、神戸市)も会場にブースを設け、同社が開発する6人乗りのティルトウイング型のリフト&クルーズ機の実物の6分の1の模型を展示した。会場では森本高広CEOも来場者を迎え、問い合わせや相談にていねいに応じていた。
販売プラットフォームなどのサービス開発を進めるエアモビリティ株式会社(東京)は機体メーカーと部品メーカーとを結ぶeコマースサイト「AeroMall」(https://aeromall.jp)などを来場者に紹介した。同社は販売プラットフォームの開発を手掛けていて、スイスの機体メーカー、デュフォー社(Dufour Aerospace社、チューリヒ)と日本市場での代理店契約を締結したことを発表している。
大阪府もVRゴーグルを装着してAAMのバーチャル乗車体験ができるブースを設置。多くの来場者がVRゴーグルをかけて歓声をあげていた。
そのほか、公益財団法人新産業創造研究機構(ナイロ、神戸市)が兵庫県と共同でブースを設置しこれまでの取り組みを紹介。過去に41の事業を実現させた実績がありブース内には連携した企業の名前が掲げられている。KDDIスマートドローン株式会社(東京)。TOMPLA株式会社(新潟市)、セブントゥーファイブ株式会社(東京)、日本化薬株式会社(東京)など、ドローンや空飛ぶクルマに関わる企業の名前も多くみられた。
また一般社団法人MASC(岡山県倉敷市)などが、中国EHang(イーハン)社のEHang216を展示し、来場者が写真におさめたり乗り込んだりしていた。
なお講演では橋下徹元大阪府知事が登壇。万博をテーマとしながら、空飛ぶクルマについても「大いに期待していますよ。推進しなきゃいけない立場ですからね」と述べた。
講演では少子高齢化への対応についての危機感を中心に言及し、「高度成長のリニア型の時代はすばらしいものを作ればよかったが、これからは成熟時代でサーキュラー型。すでにあるすばらしいものを、つなげて、まわして、付加価値にすることが大切」「万博はイベントではなくソリューション。今後、世界の各国も高齢化に突入することを考えると、日本は先取りして取り組んでいることになる。日本の取り組みは輸出できる。少子高齢化を強みに。一市民として無責任に言えば、人口減省のドバンテージを実験的につなげてソリューションとして提供していければいいと思う」などと持論を展開し、会場から拍手を浴びた。
日常的な空の移動に使う乗り物として、「空飛ぶクルマ」などと呼ばれるAAM(アドバンスト・エア・モビリティ)の社会受容性向上活動を進める有志団体 Dream On(ドリームオン、東京)の疑似搭乗体験マシンが3月18日、大阪府吹田市の万博記念公園にお目見えし、多くの来場者の好奇心を刺激している。体験は3月19日(日)も行う。18日には体験を終えた参加者が一様に笑顔を見せ、「おもしろかった」、「早く実現してほしい」、「期待を超えた」と好評コメントを寄せた。Dream Onの中村翼代表は「体験会で頂くリアルなフィードバックはとても価値が高いと思っています。疑似ではありますが、ぜひ五感で味わって頂きたいです」と話している。体験料は無料(会場の万博記念公園・自然文化園・日本庭園共通入場料は一般で大人260円、小中学生80円)。体験の予約はほぼ埋まっているが、スタッフによると「実は、隙間時間があれば、ひょっとすると体験チャンスがあるかもしれません」と話している。
搭乗体験マシンがにぎわいをつくっているのは、万博記念公園内の「EXPO’70パビリオン」の「空飛ぶクルマPRコーナー」だ。2025年の大阪・関西万博でAAMの飛行実現に向けて環境整備に取り組む大阪府が主催する「空飛ぶクルマの社会受容性向上事業」の一環で、体験を通じてAAMへの理解を深め、親しみを高めてもらう企画だ。クルマ型のマシンのシートにすわり、VRゴーグルを装着すると、目の前にAAMに乗ったかのような風景が広がる。VR映像中で空クルが進むのにあわせて、マシンが進むため、実際に動いている感覚も味わえ、没入感を満喫できる。
会場では事前予約の来場者がゴーグルを装着してマシンに搭乗。ゴーグル内ではビル屋上でAAMに乗る前からのシーンが流れる。映像内で空クルが発信すると、それにあわせて搭乗マシンも前進する。映像内では飛行中の日差しも忠実に再現されていて、これも没入案を演出する。体験者は、左右、上下に首をまわすので、風景を楽しんでいる様子がうかがえる。数分で空クル体験は終了するが、ゴーグルをはずすと一様に笑顔がはじける。
終了後には付箋に感想を書いて、ボードにはってもらう。ボードには「実用化を祈念」「もう1かいのりたい」、「こんな未来が早く来て欲しい」、「高い所、苦手ですが楽しめました」などの感想が並んだ。また「がんばってください」とDreamOnの活動にエールを送るコメントもあった。
立ち会ったDreamOnの中村代表は「未来について具体的なコミュニケーションをすることに少しでもお役に立ちたいと思いこの活動を続けています。このマシンだけでこれまでに2000人以上の方に体験して頂きました。みなさまから多くの感想をいただき、そのひとつひとつが、これからを築くために貴重なデータになっています。とくに思ったことをストレートに口にだす子供たちの感想は刺激になります。この体験を通じて未来を仕掛ける側になっていただける方が増えればいいとも思っています。今後もこうした活動を続けていきます」と話している。DroneTribuneも、「ドローンやエアモビリティー前提社会の実現を通じて価値ある未来をたぐりよせる」ことを掲げて活動しており、中村代表の活動に通じる。
PRコーナーには、搭乗体験のほかに、VRゴーグルを使用したAAMのVR体験ができるコーナーもある。ここでは大阪を飛ぶ体験ができる。またAAMの理解に役立つパネル展示もあり、スタッフが来場者に説明をしたり、問い合わせに応じたりしている。この日はAAMに詳しく多くのイベントで登壇実績を持つ中央復建コンサルタンツ株式会社(大阪市)の松島敏和氏が、来場者の「どのぐらい飛べるんですか?」、「いつ実現するんですか」などの質問にていねいに応じていた。
空飛ぶクルマPRコーナーが万博会場に設置されるのは3月19日(日)、10:30〜16:00まで。期間中、PRコーナーに近い万博記念公園の「お祭り広場」で、「第2回 魚ジャパンフェス in 万博記念公園」も開かれている(21日まで)。会場には「天然!アラスカ産紅鮭のこぼれいくら丼」(こぼれいくら海越)、「贅沢まぐろ3種丼」(黒潮市場)、「北海宝舟9種盛り海鮮丼」(北の海 どさんこ海鮮市場)など、海の幸の店が全国から集まるので、空クル体験と味覚を同時に味わえる。魚ジャパンフェスには別途入場料300円が必要だ。