一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は、6月3~5日、千葉・幕張メッセで開催したドローンの大型展示会「Japan Drone 2026」の来場者が20070人だったと発表した。開催初日は台風の影響を考慮し、開場時間を午後1時からに遅らせたが、全体では2万人を超えた。また次回の「Japan Drone 2027」について、2027年6月2日~4日に開催すると発表した。
Japan Droneの来場者は3日間で20070人と前年の23049人から2979人減った。開催期間は今回も前回も3日間と変わらなかったが、今回は初日の6月3日に台風6号による混乱回避のため開場時間を3時間遅らせたことが来場者数に響いたとみられる。実際初日の6月3日の来場者は4750人と前年初日の7491人から2741人減ったものの、6月4日は7622人と前年2日目の7669人から47人増、6月5日は7698人と前年3日目の7889人と191人増だった。1時間あたりの来場者は3時間少なかった今年は1115人で、前年の1098人を上回った。
主催者によると今回の出展社数は企業、団体など311組で、前年の285組より26組増えた。このうち国内出展者が245組で24組増加だった。海外からの出展者は66組で、前年の64組から微増にとどまったが、台湾、ベトナムなどがまとまった出展をしたために存在感は高まった。また出展地域は14カ国・地域と、前回の9カ国・地域から64.3%増加して国際色が豊かだった。
期間中に開催された各賞も決まった。JUIDAテクニカルジャーナル編集委員会が実施した「ポスターセッション2026」では、19件の発表から、JUIDA理事長賞1件、ベストポスター賞4件を決めた。
<JUIDA理事長賞(敬称略)>
・金沢工業大学 情報理工学部 ロボティクス学科 伊藤恒平
「StampFly Ecosystem-AIと作るDX/制御教育基盤」
<ベストポスター賞(敬称略)>
・国士舘大学 理工学部 機械工学系 流体工学研究室 吉村越輝、富樫盛典
「ドローン下降気流の到達距離解析とガス検知法への応用」
・公立はこだて未来大学 システム情報科学部 髙橋慧流、有本陽太、長田純一、西沢俊広
「小型・低コストのドローンを活用した災害状況の空撮・3Dモデリングシステム」
・千葉科学大学 危機管理学部 飯田涼太、海老根雅人、小松義孝、髙野洋平、五十嵐仁、岡林徹、小濱剛
「トライアスロン大会におけるUAV監視の実践―S-SHOELRモデルによるリスクアセスメントと運用評価―」
・情報セキュリティ大学院大学 情報セキュリティ研究科 惣島雅樹、須崎有康
「セキュリティテストを目的としたROHITLの提案」
デジタルハリウッドロボティクスアカデミーとJUIDAが主催する「Drone Movie Contest 2026」も各賞の受賞者が決まった。(敬称略)
<Drone Movie Contest 2026 グランプリ>
・まだ見たことの無い風景達 柴田真治
「只見線 冬時間」
<審査員特別賞(大沢賞)>
・株式会社新潟放送 五十嵐祐
「遥かなる大雪庇|厳冬の守門岳へ挑む」
<審査員特別賞(ozora賞)>
・中村亜瑞美
「吉野山 ~吉野の山奥から香る春~」
<ノミネート作品>
・積水化成品工業株式会社
「人と地球の、美しい未来へ。」
・奈良県宇陀市役所 秘書広報情報課 自主放送スタジオ
「龍が眠る地、奥大和・宇陀:水と森の伝説を巡る」
「Japan Drone & AAM Awards 2026」の各賞も決定し、開催期間中に表彰式を実施した各部門の受賞者は以下の通り(敬称略)。
<ハードウェア部門>
・エアロセンス株式会社 「エアロボウイング (AS-VT02K)」
<ソフトウェア・アプリケーション部門>
・Paix Avi株式会社/FwriteDown 「FwriteDown」
<Advanced Air Mobility部門>
・西武建設株式会社 「壁面接触作業ドローン (WallWorkDrone)」
<海外部門>
・H3R 「Electric Propulsion System based」
<審査員特別賞>
・FPT UAV 「Vietnam Pavilion」
<審査員特別賞>
・National Fire Agency, Republic of Korea / National fire research institute 「AI-Powered Standard Ground Control System (GCS) for Missing Person Search and Firefighting Drones」
<オーディエンスアワード>
・Paix Avi株式会社/FwriteDown 「FwriteDown」



フライトコントローラの独自開発を進めるAutonomy Dynamics株式会社(東京)が6月3~5日に千葉・幕張メッセで開催されたJapan Drone 2026(主催:一般社団法人日本UAS産業振興協議会)で、開発中のフライトコントローラ(FC)を搭載したドローンの試作機を公開した。公開されたのは株式会社石川エナジーリサーチ(太田市<群馬県>)が開発した機体をベースにした「Guardian Zero Ver.1(試作機)」。舘良太代表はセミナーで「重要なのは挙動を説明できることだと考えています」と自社開発に注力する理由を説明した。
Autonomy DynamicsはJapan Droneに日の丸と「MADE IN JAPAN」の文字をあしらった装飾をほどこしたブースを出展した。ブース内の展示台に石川エナジーの主力機のひとつ、ビルドフライヤーシリーズの機体にAutonomy DynamicsのFCを搭載した機体を「Guardian Zero Ver.1(試作機)」と公開した。機体に搭載されたFCの実物は知的財産保護の点から非公開だったが、舘代表や同社スタッフが性能や開発コンセプトを説明し、来訪者からの質問や相談に応じていた。
ブースにはJapan Drone開催期間中に訪問者が途切れることがなく、担当者は「高い関心を持っていただけました」と話していた。
またAutonomy Dynamicsの舘代表は、Japan Droneの出展者セミナーに登壇し、「世界最高レベルを目指す国産産業用フライトコントローラ」の演題で講演した。この中で舘代表は、「ドローンが社会の重要な現場で使われるときに問われるのは、まず、安全で正確に飛べること、挙動が説明できること、ログをもとに改善できること。そしてなにより、制御基板を自分たちの手で開発し、責任を持って運用と改良を続けられること。弊社がもっとも重要と考えているのは制御品質と説明責任が果たせることです」と述べ、自社開発に力をいれる理由を説明した。
さらに、日本製、国産を打ち出している理由については「日本の重要インフラの空は、誰の技術で制御されるべきか。国産にこだわる理由は感情論ではありません。重要インフラを支える制御基盤をブラックボックスにしないためなのです」と述べ、国産から出発したものではなく、結果として国産にたどりついたことを明らかにした。
このほか、指定された姿勢、速度、位置を実現するための短周期リアルタイム制御である飛行制御と、カメラやLiDARで外界を認識し判断する機能は別の階層と位置付ける開発思想や、風洞実験などを大学や研究機関と連携して進めているなどの開発の現状も説明した。
大勢がブースを訪れたことに、Autonomy Dynamicsの舘代表は「寄せられた高い期待に応えてまいります」と話していた。




秘密分散技術の株式会社ZenmuTech(ゼンムテック、東京)が千葉・幕張で開催されたドローンの大型展示会Japan Drone 2026で「秘密分散技術」と呼ばれるセキュリティ技術を実演した。カメラで撮影した画像を送信すると、送信中のデータは文字や記号だらけで第三者には内容が判別できないが、送信先のモニターにはほぼリアルタイムで映像が投影された。来訪者が「セキュリティに活用したい」などと高い関心を寄せていた。
実演はJapanDroneに出展したAutonomy Dynamics株式会社(東京)のブースで、撮影、送信、受信、傍受などの模擬システムを再現して行われた。ドローンの役割をはたすラズパイ、搭載したカメラ、被写体となるミニチュア模型と時計などがつながれ、地上局のモニター、プレビューのモニターのそれぞれに、カメラで撮影された映像が投影された。ふたつのモニターの映像にうつる時計の時刻は、リアルタイムで映像を届けていることを示した。
また、送信の途中で傍受すると、データが意味不明の記号や文字だらけの表示になる。被写体を撮影した画像や映像であることは見当もつかず、スタッフによるとAIに解読を指示しても「これまで解読できたことはない」という。
ZenmuTechは独自開発の秘密分散方式「ZENMU-AONT」をコア技術として持っている。「AONT(エーオーエヌティー=All-or-Nothing Transform)方式」と呼ばれる方法を独自開発した技術で、情報の漏洩防止ではなく、漏洩した情報を無意味化することが特徴だ。データそのものの価値を無くし、傍受者には分散処理前の状態を推測したり復元したりすることができない。データ容量をほぼ増やさなく高速処理ができることも特徴だ。
昨年4月21日には、ネクストウェア株式会社、株式会社アイ・ロボティクスとドローンのデータを分散化・無意味化する技術の実験を行ったことを発表していて、今回の実演もその実験をアレンジした。
来訪者は、リアルタイムで届く映像に首をたてにふりながら、「情報の無意味化技術がセキュリティの高いドローンに載ると安心度が高まりそう」とセキュリティ水準の引き上げに期待する声があった。

ドローンの大規模展示会Japan Drone 2026(主催・一般社団法人日本UAS産業振興協議会=JUIDA、共催,株式会社コングレ)は6月3日、千葉・幕張メッセで開幕した。午後1時の開場とともに待ちわびた来場者が続々とお目当てのブースを目指した。開場には国内外のドローン、ヒューマノイド、水中ドローン、モジュールなどが並んでいる。国内で開発を手掛ける事業者の中には自社ブースに「国産」を表示したり、国旗を掲げたりするなど、昨今の国産に対する関心の高さを浮き彫りにした。ベトナム、台湾など海外パビリオンも充実している。会期は6月5日まで。
日本の企業には、「国産」を表示したり、国旗をあしらった案内板やリーフレットを用意したりすて、日本由来の製品、サービスであることを明確化するブースが増えた。
VTOL機AEROBO Wingシリーズで知られるエアロセンス株式会社は自社ブースに「国産VTOLはエアロセンス」と表示、多くの来場者を集めている。機体やソリューションの展示に加え、連日、ブース内でミニセミナーを開催し来場者の足を止めている。
ドローン向けのプロペラやモーター、ESCなどの開発、販売を手掛ける合同会社ローカル・エイドは、出展したブースに日の丸をあしらったうえ「国産プロペラ受託試作」と表示している。フライトコントローラ開発のAutonomy Dynamics株式会社もブースの表示幕に日の丸をかかげ「MADE IN JAPAN」と打ち出した。ハイブリッドドローン開発に力を入れる株式会社石川エナジーリサーチも展示した機体の説明板に「国産農業ドローン」と盛り込んだ。
さらにエバーブルーテクノロジー株式会社も、超長距離・長時間運用(パーシステントフライト)を目指すグライダー型UAVの2分の1サイズを展示し、機体説明のリーフレットに日の丸を表示し「MADE IN JAPAN」を強調している。株式会社WINGGATEはラトビアのATLAS社の機体を取り扱うが、ブースには「日本の空は日本仕様へ。日本仕様のドローンと頼れる運用チームで日本の現場を変える」と、日本を強調している。そのほかにも国産、日本製、日本、MADE IN JAPANなどを掲げるブースは多く、来場者にとってブース担当者とのコミュニケーションのひとつになっている。
また、ベトナム、台湾などが、複数の出展事業者をひとまとめにしたエリアを構成していて、中には自国製であることを強調するブースもある。米、中などドローン開発に力を入れていることが知られる各国の企業も展示していて、脚光を集める「国産」と、話題性の高い海外ブースに来場者が目移りしている様子もみられる。







Japan Drone 2026を主催する一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は6月1日午後6時20分、千葉・幕張メッセで6月3日に開幕するJapan Drone 2026の開催初日の予定の変更を決め、関係者への通知を始めた。同日に台風6号の接近が予想されるためで、6月3日の初日は、当初午前10時を予定していた開場時刻を、午後1時に繰り下げる。これに伴い、同日午前中に予定していた開会式、講演、ワークショップなど催事の一部を取りやめる。台風の状況次第で変更が生じる可能性もあると伝えている。
6月1日夜の時点で関係者に通知した変更点は以下の通り(追加:JUIDAは6月2日午前9時、公式サイトで変更を案内した)
6月3日午前9:30(開場時刻前)から午前10:00にかけて予定されていた開会式をとりやめる。
講演やパネルディスカッションなどの「国際コンファレンス」は6月3日開催分の一部を中止とする。中止となるのは
■鈴木真二・JUIDA代表理事によるWelcome Speech「ドローン、空飛ぶクルマの社会実装を目指して」(当初6月3日、10:30~10:50を予定)
■古市茂・経済産業省次世代空モビリティ政策室室長による特別講演「次世代空モビリティの社会実装に向けて」(同11:00~11:30を予定)
■Manal Habib・MightyFly | CEO & Founder基調講演「自律型eVTOL機による物流の再定義(同11:30~12:00を予定)
■江口真・国土交通省航空局安全部無人航空機安全課課長による特別講演「ドローン・空飛ぶクルマの利活用に向けた航空局の取組」(同11:50~12:20を予定)
■白井一弘・株式会社日本エアモビリティ総合研究所COOによる基調講演「エアモビリティ人材の育成と課題」(同12:30~13:00を予定)
■山野哲也・総務省総合通信基盤局電波部基幹・衛星移動通信課課長による特別講演「ドローンの活用拡大に向けた総務省の取組について」(同12:40 – 13:10)
の6本で、以降の講演の開催可否や代替講演の有無などについては改めて判断し公式サイトで公表する。
展示会場の開場時刻は、当初6月3日午前10時を予定していたが、午後1時(13:00)に繰り下げる。
「出展者ワークショップ」も6月3日、10:20~12:40は中止とする
さらに変更が生じる場合は、公式サイト(https://ssl.japan-drone.com/)で公表すると伝えている。
なお、出展者によっては、開催初日の午前中に自社ブースで発表を予定しているケースもあり、変更の対応を迫られることになりそうだ。Japan Droneの開催時刻が台風の影響で変更になるのは初めて。事務局は「ご来場を予定されていた皆様には多大なご迷惑をおかけいたしますことを深くお詫び申し上げます」とコメントしている。

ブルーイノベーション株式会社(東京)は、ドローンに搭載すると送電線のたわみに沿って自動で飛ばすことのできる同社独自開発の送電線追従制御モジュールについて、サイズ、重量ともコンパクト化した新モジュール「BEPラインmini」を発表した。重量で73%減とほぼ4分の1にした。当面はDJI MATRICE 30への搭載を想定する。従来モジュールはDJI MATRICE 350に搭載しているが、新モジュールはより小さな機体に搭載できることから可搬性が高まり使い分けが可能となる。ブルーイノベーションは点検可能エリアが2~4倍に拡大するとみている。ユーザーの要望があり条件が整えば5月中にも導入する。
ブルーが発表した「BEPラインmini」は、2022年に同社が上場するよりも前に発表していた送電線追従制御モジュールの進化版だ。
ドローンに搭載するモジュールで、鉄塔と鉄塔の間にはられたたわんだ送電線の劣化の有無などを点検するさいに、必要な画像を明瞭に撮影できる距離を保ちながら自動で飛行できる機能を備える。ブルーイノベーションは挙動制御や別のデバイスとの連携技術を得意としていて、送電線のたわみに沿う飛行制御もそのひとつとして、2022年に従来モジュールが発表されたときからその技術は高く評価されてきた。
今回の小型化はサイズ、重量ともに行われた。重量は約200gで従来機の750gと比べると550g(73%)の軽量化にあたる。この利点をいかすべく、新モジュール「BEPラインmini」は、展開時に470 mm×585 mm×215 mm の折りたたみ型産業機DJI MATRICE 30への搭載を想定している。従来機は展開時 810 mm×670 mm×430 mm のMATRICE 350が想定して運用されており、新モジュールを搭載したドローン全体もコンパクトになる。
コンパクトになることで従来機では運搬や離着陸スペース確保などの点で制約があった場所にも、一部で点検可能なエリアとなることが期待される。もともと、山間部へも持ち運びが容易な小型機で運用したい、という強い要望が利用者から寄せられていたことが「BEPラインmini」開発のきっかけとなったという。なお従来モジュールも、環境に応じた使い分けが想定されるため引き続き提供する。
ブルーイノベーションは6月に千葉・幕張で開催される大型展示会「JapanDrone2026」(日本UAS産業振興協議会<JUIDA>主催)に「BEPラインmini」を展示し、小型化のサイズ感を来場者に直接感じ取ってもらう計画だ。また利用者から要望があれば、来月の展示会での公開を待たず、今月中にも導入する方向で準備している。当面はモジュール貸与型の月あたりの定額制サブスクリプション型サービスとしての導入を予定している。今後、モジュールと機体とのセットでの提供や、搭載可能機体の拡充なども検討する方針だ。
ブルーイノベーションの発表はこちら




リリースの全文は以下の通り
ブルーイノベーション株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:熊田 貴之、以下 ブルーイノベーション)は、送電線ドローン点検ソリューション「BEPライン」において、小型モジュール化を実現した新モデル「BEPラインmini」を開発いたしました。
本製品は、送電線点検における安全性・効率性の課題を解決するインフラ点検ソリューションとして、すでに電力業界において実運用されている技術です。 一方で、現場からは「山間部へも持ち運びが容易な小型機で運用したい」という強い要望が寄せられていました。こうした現場ニーズに応える形で開発された「BEPライン mini」は、従来比約73%の軽量化を実現し、小型ドローンでの運用を可能としました。これにより、これまで機材運搬が難しかった山間部などの現場への展開が可能となり、適用可能範囲は従来の約1~2割から約4割へと大きく拡大します。さらに、点検時間の短縮と人員の最適化を同時に実現し、送電線点検を「属人作業」から「標準化されたデータ運用」へと進化させます。
本製品は、2026年6月に幕張メッセで開催される「Japan Drone 2026」にて実機を初公開予定です。
■送電線点検の課題とBEPライン誕生の背景
我が国の電力インフラは高度経済成長期に整備された設備が多く、老朽化対策として定期的な点検の重要性が年々高まっています。送電線の点検はこれまで、鉄塔への昇塔作業やヘリコプターによる巡視、地上からの目視確認など、人手に大きく依存した手法が主流でした。
これらの手法は、高所作業に伴う重大な安全リスクや作業負担の大きさに加え、コスト面でも課題を抱えています。また、送電線は地形やたわみにより三次元的に複雑な形状を持つため、ドローン活用においても高度な操縦技術が求められ、作業品質のばらつきや人材不足といった新たな課題が生じていました。
BEPラインは、これらの課題を解決するために開発された送電線点検専用のソリューションです。
■BEPラインの技術的特長(先進性・独自性)
BEPラインは、ドローンと独自の送電線追従制御モジュールを組み合わせることで、送電線に沿った自動飛行を実現します。送電線までの離隔距離をリアルタイムで計測し、一定距離を維持しながら自動で追従飛行を行う技術により、従来は熟練操縦者に依存していた近接点検を、安定的かつ安全に実施することが可能となります。
さらに、高解像度カメラによる近接撮影により、従来の目視点検では確認が困難であった微細な異常の把握にも対応します。これにより、点検の標準化・再現性の確保と、点検品質の向上を同時に実現しています。
■共同開発および実運用実績
本ソリューションは、東京電力ホールディングス株式会社および株式会社テプコシステムズとの共同開発を起点に、約3年間の実証を経て実運用へと移行しました。その後も改良を重ね、実運用開始から4年以上にわたり継続的に活用されています。
現在は、複数の電力会社に導入され、導入案件は20件を超えています。これらの実績により、本ソリューションは実証段階にとどまらない、電力インフラの実務に組み込まれた社会実装済みの技術として確立されています。
■「BEPライン mini」の主な特長
BEPラインの運用拡大に伴い、顧客からの問い合わせや要望を分析した結果、最も多く挙がった課題が「機動力の向上」、すなわち「持ち運びが容易な小型機で運用したい」というニーズでした。
2023年6月以降に寄せられた全49件の問い合わせを分析したところ、この要望は複数の電力会社の支社や協力会社から共通して寄せられており、現場における最優先課題であることが明らかとなりました。
「BEPライン mini」は、こうした現場ニーズを起点に開発されたモデルであり、小型・軽量化により「現場で使い切れるソリューション」への進化を実現しています。
1.約73%の大幅な軽量化(750g → 200g未満)
可搬性を大幅に向上し、山間部・狭隘地などこれまで対応困難だった現場への展開が可能にします
2.小型ドローンへの対応
大型機(DJI Matrice 350等)に加え、取り回しの良い小型・高機能モデル(DJI Matrice 30等)での運用が可能となり、現場条件に応じた柔軟な点検運用を実現します。
3.適用現場の拡大(最大4倍)
従来は限定的だった適用範囲を拡張し、より多くの現場での導入が可能となります。
4.高い投資対効果(ROI)と安全性
従来3名体制であった運用人員を2名体制(将来的には1名)へと最適化し、1径間あたりの点検時間を約半減(3時間から1.5時間へ)。
また、昇塔や危険地帯への進入が一切不要となり、極めて安全な点検を実現します。
■ご提供形態について
BEPライン は、モジュール貸与型のサブスクリプション形式で提供します 。購入不要のため初期投資を抑えながら導入が可能です。
モジュール単体での導入を起点とし、今後は機体セット提供や、取得データを活用したデータ解析サービス(報告書自動作成等)へと展開することで、継続的な収益基盤の構築と顧客価値の最大化を図ります。
■「Japan Drone 2026」にて実機お披露目
2026年6月3日より幕張メッセにて開催される「Japan Drone 2026」ブルーイノベーションブースにて、「BEPライン mini」を装着した実機を初公開いたします。ブースでは「750g → 200g」の比較展示を行い、小型化のインパクトを体感いただけます。
■今後の展望
ブルーイノベーションは今後、本ソリューションを通じて電力会社におけるドローン点検の標準化を推進し、導入拡大を加速してまいります。
さらに、蓄積された点検データを活用したAI解析により、点検から予兆保全までを一体化したインフラDXプラットフォームへと進化させ、電力インフラの維持管理コストの構造的な削減に貢献します。
これにより、送電インフラ点検は「人手による作業」から「データに基づく最適化」へと進化し、持続可能な社会インフラの実現に寄与してまいります。
(以下、会社概要など省略)