有志団体Dream On(東京)が展示した、空飛ぶクルマの乗車感を味わえるアトラクションが体験希望者の記入欄が続々と埋まる人気ぶりだった。プロペラが取り付けられた一人乗りの電動のクルマに、VRゴーグルをつけて座りこむと、まるで空飛ぶクルマに乗っているような感覚を体験できる。体験垢の利用者が次々と「おお」「すごい」などと声を上げることから、そばにいた来場者の関心を引き、あっという間に体験希望者が続出するいわば「行列のできる」展示となった。
Dream Onは空飛ぶクルマ開発を目指す有志団体CARTIVATORが改名した未来の手繰り寄せを目指す有志団体。Japan Droneの会場では、プロペラがとりつけられた一人乗りの電気自動車を中心に設置し、そのわきにディスプレイを据えた。外見のかわいらしさいウルマが目を引くが、味わいどころは乗車体験だ。
クルマに乗り込み運転席に座り、VRゴーグルを装着すると、視界が展示会場から、都心のビル屋上に駐車中のクルマの運転席に座っている光景に切り替わる。空飛ぶクルマから見える風景を映し出していて、ウィンドシールド越しに、いまいる(ようにみえる)ビル屋上の端が見え、その向こうに都心の風景が広がり、ビル群がつくる地平線が左右にのびる。画面の上半分は空だ。
やがて空飛ぶクルマによる空中ドライブがはじまる。空飛ぶクルマがするすると前進しビルを離れると、視界は窓越しに空中をみmることになる。眼下に都心のビルを見下ろし、都心の上空を進む感覚が味わえる。太陽の光が差し込む様子や、その光が川面に反射する様子もリアルだ。快適なドライブ体験で、いわゆる絶叫マシンではない。
リアルな画像は3Dマッピングされた高精細な東京の三次元地図で実現した。VRの映像が動くことで、ゴーグル装着者がまるで実際に動いているような感覚を味わえるのだが、体に感じる進んだり、曲がったりする感覚は、映像だけで与えられているものではない。乗り込んだ車は映像にあわせて実際に、1~2メートル程度の前進・後退を繰り返して加速度を感じさせ、体が感じる空気の流れも風を送り出して再現していた。
視察に訪れていた自民党の山際大志郎ドローン議連(無人航空機普及・利用促進議員連盟)事務局長は体験乗車を終えると「これはいい」「たのしい」と感心するようにクルマを眺めながら感想を述べていた。同行した議員も次々に乗り込み歓声をあげていた。
Dream On共同代表の中村翼さんは、「空飛ぶクルマにのった感覚を五感で体験していただきたくてつくりました。コンテンツは三菱電機との共同制作で、風況データの利活用サービスを実装しました。どのように風況を捉えて安全に飛ぶのか、を体感できるようにしました」と話す。
Dream Onはこの空飛ぶクルマ体感マシンを、7月の開所が予定されている未来生活体験のテーマパーク『FLEX Park(フレックスパーク)』に再現することを考えている。“未来へのタイムマシン”の実現を掲げて活動するDream Onは今後も次世代に残せる技術の開発に取り組む。なお団体名の「a」と「e」を入れ替えるとタイミマシンを乗りこなすあのネコ型ロボットの名前になる。これもなにかの縁だろう。Droeam Onは空飛ぶクルマの乗車体験に続き、宇宙旅行の仮想体験コンテンツも、NTPホールディングス株式会社と共同制作に入る。
ドローンの大規模展示会Japan Drone 2021で6月16日、「Best of Japan Drone Award 2021」各省の発表が行われ、来場者から最も支持を集めた出展におくられる「オーディエンスアワード」に、「森林計測事業」を発表したヤマハ発動機株式会社(静岡県磐田市)が選ばれた。審査員が選ぶ「審査員特別賞」には撮影機「Airpeak S1」で話題を集めたソニーグループ株式会社が選ばれた。各賞の発表をうけ、Japan Drone 2021は閉幕した。主催者である一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の鈴木真二理事長が「次こそマスクをとって開催できることを祈り、来年の同じ時期にお目にかかりましょう」と閉会の挨拶を述べた。次回は2022年6月21日(火)~23日(木)の開催を予定している。
「Best of Japan Drone Award」はハードウェア部門、ソフトウェア・アプリケーションに部門、ニュービジネス部門を設けてエントリーした出展者から最終選考のノミネートを選抜。各部門ととの最優秀賞と、エントリーの有無にかかわらず審査員が選抜する審査員特別賞、来場者の投票で決まるオーディエンスアワードを選考した。
ハードウェア部門の最優秀賞は、「長時間運用を可能にしたPDH-GS120」のKDDI株式会社/株式会社プロドローン連合に送られた。受賞対象の「PDH-GS120」はシングルーローター機で、120cc電子制御エンジンとヘリコプター専用フライトコントローラを採用し、2時間の飛行時間2時間をほこる。
ソフトウェア・アプリケーション部門は、KDDI/プロドローン連合の「スマートドローンプラットフォームを利用したドローン物流サービス」が選ばれた。KDDIのスマートドローンプラットフォームにプロドローンの「PD6B-TYPE3」をつないだサービスで、長野県伊那市で商用サービスを実現させた実績が評価された。KDDI/プロドローン連合はハードソフトの両部門で最優秀賞を獲得する2冠に輝いた。
ニュービジネス部門の最優秀賞にはヤマハ発動機株式会社の「森林計測事業」が選ばれた。エンジン式産業用無人ヘリを使うLiDAR計測事業で、100分の連続飛行ができることから一度に100ha以上の森林を自動航行で計測できる。広大な森林全域に対して立木本数を相対差5%以内の高い精度が特徴で現況把握や森林経営計画策定に活用されている実績がある。
エントリーの有無に関わらず審査員が選ぶ審査員特別賞には、Airpesk S1を展示し、多くの来場者が「来場の最大の目的」と言われたソニーグループ株式会社が選ばれた
また、来場者の投票で決定するオーディエンスアワードにはヤマハ発動機が選ばれた。受賞時のあいさつでは「投票箱が出展ブースに近かったからではないか」と会場を笑わせた。
このほか日本化薬株式会社「PARASAFE(パラセーフ)」がハード部門に、Pix4D株式会社の「PIX4Dscan & PIX4Dinspect」がソフトウェア・アプリケーション部門に、エバーブルーテクノロジーズ株式会社の「全長5m、貨物などの運搬も可能な自動航行型ヨット(帆船型ドローン)」がニュービジネス部門にノミネートされ、それぞれ高い評価を得た。
Best of Japan Drone Award 各賞の発表でJapan Drone 2021は閉幕した。6月14~16日の期間中の来場者は11986人だった。またインターネットの配信を通じてオンライン参加は547人だった。来年の2022年は6月21日(火)~23日(木)の開催を予定している。
ドローンの大規模展示会Japan Drone 2021は6月14日、千葉・幕張メッセで開幕し、初日の午前中からドローン事業者、利用者、愛好家、関心層が多くつめかけた。6月10日に発売が発表されたソニーのドローン「エアピークS1(Airpeak S1)」の展示ブースは絶えず人垣ができた。同社執行役員、川西泉氏の基調講演では入場希望者があふれ、別会場を増設した。通信大手3社もそれぞれの技術をアピールした。株式会社テララボは巨大機や中継車で来場者の度肝を抜いた。ブルーイノベーション株式会社は連携技術BEPを前面に押し出し課題解決への意気込みを表現。元自衛官タレントのかざりさんもELIOS2のデモフライトを披露した。Japan Drone 2021は新型コロナウイルス感染対策を凝らしながら、6月16日まで開催される。
Japan Drone 2021は、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が主催、展示会運営の株式会社コングレが共催。テララボ、KDDI株式会社がゴールドスポンサー、ブルーイノベーション、ソフトバンク株式会社、株式会社NTTドコモがシルバースポンサーとして開催に尽力した。
会場内では午前10時の開場前から各ブースではブースの最終準備が行われ、ブルーイノベーションのブース前では、Japan Drone名物の円陣が組まれ、意気込みを共有した。
午前10時にはJUIDAの鈴木理事長がJapan Drone 2021の開会を宣言した。鈴木理事長は続くウェルカムスピーチにも登壇し、開催の趣旨や、講演の概要を説明したうえで、「あらたな知識、アイディア、ネットワークを見つける機会に」と呼びかけた。
開催前から最大の注目株と言われていたソニーは、開幕直前の6月10日に同社のドローンブランド、Airpeakシリーズの第1弾、「Airpeak S1」を発表したことから関心を集め、初日午前から来場者を多く集めた。展示ブースには実機が展示され、来場者が取り囲んで機体の具合を確認したり、別売りとなっているジンバル、カメラ、レンズやアクセサリーなどの詳細を尋ねたりと、注目度の高さを示した。
午前10時45分からは、ソニーグループ執行役員の川西泉氏が「ソニーの新たなドローンプロジェクト概要~創造の頂きへ」が開かれ、クリエイターの思いにこたえる機体に、ソニーの技術でこたえる意気込みや、開発の背景、機体の仕様について説明した。今後の展望として、法整備の進む「レベル4」の実装を見据え、物流関連事業にも意欲を見せた。
大手通信3社が顔をそろえたことも今回のJapan Drone 2021の特徴だ。NTTドコモのブースでは、ドローン運用プラットフォーム「docomo sky」の技術や、提携している機体を展示。株式会社NTT e-Drone Technology(埼玉県)の取り扱う農業用「AC101」や、AI搭載ドローンとして知られる米Skydio社の「Skydio 2」「Skydio X2」を展示している。KDDIもドローン運用の豊富な実績を展示。KDDIスマートドローンやドローンソリューションサービス、対応ドローン機などを展示した。ソフトバンクはだれでもかんたんに活用できる運用支援サービス「SoraSolution」を中心に、双葉電子工業株式会社との共同開発機を展示している。
ヤマハ発動機も農業用の無人ヘリ、散布ドローンなどを展示。テララボは会場入り口に大きなスペースを確保し、高高度飛行を想定した翼長8m機、回転翼機などを展示し、スケールの大きさに来場者の足を止めていた。
このほか空、海それぞれのドローン運用サービスを展開しているジュンテクノサービス、日本に水中ドローン市場を構築したといわれる株式会社スペースワン(福島県)は大型水槽を用意し、水中ドローンの機動性を動態展示した。
ブルーイノベーションは、デバイス連携ハブ技術、ブルーアースプラットフォーム(BEP)を前面に押し出し、運用サービスの高い拡張性、柔軟性をアピール。スイスFlyability社製の屋内点検用球体ドローン「ELIOS2」のデモフライトに対応するよう、ブースにフライトコースを設けるなど、来場者の視認性を高めたつくりが高い評価を得た。また元自衛官タレントのかざりさんがELIOS2のデモフライトを体験。「飛ばすまでは簡単。仕事をするにはもっとうまくなる必要があると実感しました。うまくなりたいと思いました」と語っていた。
ディストリビューションセンターの開発などを手掛けるESR株式会社と、運輸、建設など多業種の課題にデジタル化で向き合う一般社団法人運輸デジタルビジネス協議会(TDBC)が、千葉・幕張で開催されるドローンの大規模展示会、Japan Drone 2021で6月15日、物流とドローンの関係を取り上げるカンファレンスに登壇する。ドローンのカンファレンスには初登壇となる。それぞれの立場のリアルな取り組み、経験は、これまでの議論に一石を投じそうだ。初公開情報が披露される可能性もある。ドローントリビューンの編集長、村山繁がモデレーターを務める。
ESRデジタル&サステナブル戦略担当ディレクター、フランク・ボイランド氏と、TDBCの小島薫代表理事が登壇する。
ESRは日本国内でディストリビューションセンターやデータセンターの開発などを相次いで手掛けている。川崎・東扇島で着工したディストリビューションセンターは、電気トラックの対応を見越した高電圧の充電設備を備えるほか、充実したラウンジを設置するなど入居テナントの従業員の働きやすさを軸にした設計物流が話題を呼んだ。ドローンについても積極的に取り組む姿勢を示しており、発言が注目される。
TDBCは、運輸、配送、建設など範囲の広い業種の事業主がデジタルビジネスでつながる社団法人だ。課題を共有し幅広知見で解決するところに強みがあり、ドローンの関連では政府が音頭をとるi-constructionなどで議論の経験がある。業種を超えた取り組みやそこで培った知見を加盟団体の物流など他の事業への転用を模索する。
2人が登場するカンファレンスは6月15日(火)、午後3時から開催される「物流ドローン、その真価が問われる今」のテーマが与えられている45分の有料イベントだ。サブテーマを設定し。それぞれの取り組みの価値の最大化し、密度の濃い45分になる見通しだ。具体的には、ドローンの機体開発、運航管理などの既存の論点とは異なる角度から、物流体系に必要な重要な論点を提示することになる予定だ。
ブルーイノベーション株式会社は6月14~16日に千葉・幕張メッセで開催されるドローンの大型展示会「Japan Drone 2021」で、自社ブース内に模擬点検レーンを設置し、同社が取り扱うスイスFlyability社製の球体ドローン「ELIOS2」の飛行を実演する。地下や管内など見えないところを点検する球体ドローンの飛行シーンを見せ、来場者の視覚に訴える。リリースを発表したばかりのELIOS2専用の専用解析ソフト「Inspector3.0」との連携や、同社の中核的技術で、単独のロボットを一括制御して連携した作業をこなすためのプラットフォーム「Blue Earth Platform」も紹介する。元自衛官タレントのかざりさんの操縦体験やトークショーも予定している。かざりさんの来場は6月14日を予定している。
ブルーイノベーションは、Japan Drone出展に向けた特設サイトを開設した。
https:// www.blue-i.co.jp/japan-drone/
ブースの展示スペースでは、ELIOS2,Inspector3.0などのプラント点検関連、一括管理技術のBlue Earth Platformのほか、京セラ株式会社の技術、5Gコネクティングデバイスを搭載した自動点検ソリューション、トッパン・フォームズ株式会社の技術を使った倉庫内在庫管理ソリューションな、同社が提供するサービスを展示する。
また同社が東京電力ホールディングス、東京電力パワーグリッド、テプコシステムズと共同開発した、電力会社向けを想定した、送電線に沿ってドローンが自動飛行・撮影する 「送電線点検用ドローン自動飛行システム」も展示する予定で、話題を集めそうだ。それぞれデモンストレーションも予定しており、日時を確認しておきたい。
さらに、映画、テレビなどマルチな活躍をみせる元自衛官タレント、かざりさんも登場する。ブース内で「ELIOS2」もデモンストレーション飛行に挑戦するという。かざりさんは昨年に続き同社のブースに登場する。登場するのは6月14日(月)14:00~14:15と、同日16:00~16:15の2回の予定。フォトセッションも設けられる予定で、かざりさんのファンやELIOS2関心層の視線を集めそうだ。なおブース前では来場者同士の距離を保つことを心掛けたい。
ドローンの大規模展示会「Japan Drone 2021」は、来場や聴講に必要な事前参加登録を開始した。Japan Drone 2021は6月14日(月)~16日(水)の3日間、千葉・幕張メッセを会場に、展示や講演などが行われる。事前登録をすることで入場は無料になる。なお新型コロナウィルスの感染状況次第で対応を変更する可能性がある。
会場への入場やカンファレンスのオンライン参加には登録が必要だ。登録は公式WEBサイトなどを通じて行う。登録手続きは、イベント参加手続きサービスの「EventRegist(イベントレジスト)」を使う。EventRegistを使うには会員である必要がある。会員でない入場希望者は、登録手続きのさいに新規会員登録をするか、事前に会員登録をしておく必要がある。
手続きのサイトでは、希望する参加の種類を選択することが求められる。入場や無料の企画に参加する場合はサイト内の選択肢の最上段にある「展示会+無料講演/Expo+Free Conference」を選ぶ。有料講演に参加する場合は、サイト上で参加を希望する企画を、会場での直接参加か、オンラインでの参加かのいずれかも決めたうえで選択する。決定ボタンを押すと、QRコードが印字できるチケットを受け取れる。会場に出向く場合、これを印字して持参する必要がある。会場入り口で、印字されたQRコードを読み取り機にかざすことになる。
Japan Drone 2021を運営する株式会社コングレ、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は、新型コロナウィルス対策を充実させたうえで展示会を開催する方針だ。業界団体や政府方針に従い、会場内滞在者を最大5000人に絞る。このため会場内に5000人が入った場合、会場から退出者が出るまで入場を規制する。事前登録手続きは、会場内の滞在者数などを把握することなどに使われる。
Japan Drone 2021の開催は6回目となる。JUIDAが主催、コングレが共催し、経済産業省、国土交通省、復興庁、内閣府地方創生推進事務局、千葉県、千葉市、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、国立研究開発法人産業技術総合研究所(AIST)、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)、一般社団法人強化プラスチック協会、一般社団法人新経済連盟、一般社団法人情報サービス産業協会(JISA)などが後援(予定を含む)する。
協力には、一般社団法人日本産業用無人航空機工業会(JUAV)、一般社団法人セキュアドローン協議会、日本ラジコン模型工業会(JRM)、一般社団法人ドローン撮影クリエイターズ協会(DPCA)、一般財団法人総合研究奨励会日本無人機運行管理コンソーシアム(JUTM)、学校法人日本航空学園、一般社団法人日本建築ドローン協会(JADA)、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)、一般社団法人全国自動車学校ドローンコンソーシアム、一般財団法人日本アマチュア無線振興協会(JARD)、日本ドローン振興協会、一般社団法人ドローンサービス推進協議会(DSPA)、一般社団法人日本航空宇宙工業会(SJAC)、一般社団法人日本水中ドローン協会、一般社団法人運輸デジタルビジネス協議会(TDBC)が協力に名を連ねている。
入場料について公式ホームページでは2000円(税込)と案内されている。しかし、「ただし事前登録者、招待状持参者は無料」と注意書きがあるうえ、新型コロナウィルス対策の一環で事前登録をしないと入場できないことにしているため、事実上2000円が適用されるケースはない。
新型コロナウィルスの感染拡大に収束に向かう見通しがf不透明な中、主催、共催ほか関係者は日々の感染状況の確認や政府対応など開催可否に神経をとがらせながら準備にあたっている。状況次第では対応を変更する可能性もある。