一般社団法人日本ドローンコンソーシアム、一般社団法人日本能率協会が大阪で開催した「第6回国際ドローン展」は、7月29~31日の3日間で1192人の来場登録者(速報)を数えた。コロナ騒動が再浮上する中、併催イベント目当ての来場者の回遊もあり、各ブースには多くの来場者が足を止めた。マスク着用、会場の換気、出入り口での検温、距離確保などの感染対策が見られる一方、会場内で間近で談笑する光景も多くみられた。
「国際ドローン展」は、「インフラ検査・維持管理展」「i-construction推進展」「事前防災推進展」など、20以上の展示とともに、大阪の展示会場「インテックス大阪」(一般財団法人大阪国際経済振興センター、大阪市住之江区)の7月29~31日に開催された。この期間に開催されたイベントは、会場の1~6号館を使い、「国際ドローン展」は3号館の入り口に近い一角にまとめられた。この一角には15の団体、企業などが出展した(下図参照)。そのほか、ドローン関連企業の中には、自社が手掛ける事業とかかわりの深い併催展に出展していたドローン関連企業もあった。
感染対策と催事の両立の難しさが顕在化する中での開催で、主催者としては来場者の獲得に不安を抱える中での開催となったが、初日の7月29日の午前中から客足はあり、出展者は「来場者が少なくても仕方がないと思ってはいたが、フタをあけてみたらそこそこ来場者がいて驚いた。併催展をめざしてこられた来場者とも情報交換もできた」などと手ごたえを口にしていた。
今年2020年7月1日に株式会社ミライト・テクノロジーズから独立したばかりの、ドローン事業専門子会社、株式会社ミラテクドローン(東京)は「インフラ検査・維持管理展」に出展。ハード事業者を問わず、センサーを活用したソリューション構築などに定評があり、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA) 認定スクールも運営する。2019年の「Japan Drone2019」に開催された「School Award」では金賞(GOLD)が贈られた実績も持つ。ブースではパネルを展示して同社の取り組みを披露。同社の本田信夫取締役は、初日の午前中の時点で「すでに来場者との情報交換ができた。目的を持っている来場者と交流できることは意義がある」と話していた。
水中ドローンと空を飛ぶドローンを自在に使い分けて撮影、点検などのソリューションを提供する株式会社ジュンテクノサービス/ドローンテクニカルファクトリー川越(埼玉県)は、「インフラ検査・維持管理展」に出展し、大型の水槽を設置して水中ドローンのデモンストレーションで注目されていた。パーソルプロセス&テクノロジー株式会社(東京)は「事前防災・減災対策推進展」でドローンの活用手順などをパネルで紹介。3Dマッピングソリューションの株式会社サイバネテック(東京)、地図データ作成の株式会社みるくる(東京)は「i-construction推進展」などで取り組みを来場者に紹介していた。
「国際ドローン展」は3号館の入り口に近い場所で開催。日本一ドローンの飛ぶ町を目指している徳島県那賀町は、町の取り組みをパネル展示し、那賀町の活用を訴えた。機体や無線操縦装置、フライトコントローラーなどを自前開発する技術集団、株式会社TKKワークス(大阪市北区)は、無人移動体画像伝送システムの周波数帯を使用した169MHzの操縦機(プロポ)や2.4GHzのテレメトリ無線機の実機を展示。ArduPilotを駆使したソリューションの一端を紹介しながら、利用者の要望に応じた機体開発を請け負う取り組みをアピールした。
株式会社アイ・アール・システム(東京)は、ブース内にフライトエリアを設置し、スイスフライアビリティ社製の球体ガードのついたドローン「ELIOS」をときおりフライトさせるなどして紹介していた。屋内の狭小空間内での点検に必要となる、壁面に接触させて損傷を生じさせない機能や、壁面に設置しても落下しない機能などを伝えていた。また、“はかる”ことで高い専門性を持つ有限会社タイプエス(群馬県前橋市)は、取引先でもある株式会社自律制御システム研究所(ACSL、東京)の「PF2」「MINI」といった機体や測量のためのデバイスを展示し来場者の関心を引いた。
測量事業に力をいれる株式会社オリエンタルコンサルタンツホールディングスの子会社、株式会社エイテック(東京)は、DJIの空撮機の頭上にInsta360の360度カメラを固定し、おなかにかかえるカメラをはずしたうえでPAUI株式会社(福岡市)製の球体ガードを装着したカスタマイズ機を展示。利用者の用途にあわせて機体をアレンジする姿勢をアピールした。テクノドローン株式会社(岡山市)は、市販機と独自開発機を展示。高さ200メートルのエントツも安定飛行させ、3Dモデルを作ることができる技術をアピールした。各ブースとも併催展からの回遊客の来場などもあり、ブース前では初日から情報交換をする姿が見られた。
今回の開催について主催者は現在、来場者向けアンケートの回収、集計を進めている。開催の総合評価について、国際ドローン展事務局は「主典者へのアンケートを集計したうえで見極めて判断したい」と話しており、現時点での評価はしていない。アンケートから読み取れる部分と、そこからは読み取れない部分も含めた評価がなされることが期待される。 特に感染対策の是非は、今後の催事の貴重な判断材料になりうる。
国際ドローン展をはじめとするこの期間のイベントにあたり、主催者は感染対策を工夫した様子が見られた。
会場に入るまでの導線では、入場ゲート前で来場者同士の間隔を確保するよう足もとにラインを設けたり、来場者に呼びかけたりと距離確保に力を入れている様子が確認できた。入口では検温、来場登録の確認、マスク着用の確認などがなされた。報道陣の作業向けに準備されたプレスルームの受付では、2枚の名刺の提示を求められ、その際にも受け渡しをトレーの上で行い、直接の接触を回避する工夫がされていた。
会場とJR大阪駅桜橋口との間を往復するシャトルバスの料金600円の受け渡しでも工夫がされていた。現金決済だけだが、1000円札での支払いに備え、つり銭の400円を小さいトレーに入れて用意してあり、1000円札で支払う来場者にはそのトレーを差し出してお釣りを渡し、接触せずにすむ対応をしていた。
一方、課題があるとしたら、展示会の会場内部での距離確保や会話だろう。
初日の午前から午後にかけて、併催イベントも含めて会場に滞在していたが、出展者や来場者の間で、間近で会話を交わすシーンはそこここでみられた。いつもの展示会であれば活発な交流は展示会としてあるべき姿だが、感染対策下ではリスクのあるシーンと受け止められる。来場者は全員がマスクやフェイスシールドを着用してはいる。しかし、興が乗ると話がはずみ、距離が縮まる様子に、感染対策意識が薄らぐようにもみえた。主催者による距離確保は入口ではかなり徹底していた。しかし会場内に入ると、意識が緩む印象だ。
実際、期間終了後に事務局に確認したところ、「そこは出展企業、来場者のご判断になる。われわれは入場前に登録頂く際に、注意事項に納得頂いたうえで登録、来場頂いている。出展企業にもガイドラインにそった対応をアナウンス(お知らせし)している」という。
一方、会場内を巡回するスタッフが距離確保を促すため声を掛けることにもなっていたという。「1対1で話をしているときに注意をするというのはどうかな、という思いもあるが、いわゆる“密”になっている現場を発見したさいには、巡回スタッフが声をかけて注意を促すことになっていた。国際ドローン展以外のところで、実際に注意をしたという報告もあった」という。
開催にあたり、事務局は感染対策など会場の保安のため、例年より多くのスタッフを採用した。どこまでの準備をして、どこまでできたのか、限界はどこか。感染対策は実行が目的でなく、感染防止が目的であるなら、今回の経験がその観点からも分析され、今後の開催可否判断や、開催時の運用に生かされることをのぞみたい。
株式会社ACSL(東京)の株価が800円台に戻して推移している。東京証券市場グロース市場の同社株は3月14日の午前の取引は、前日3月13日の取引でストップ高のまま終えた857円から7円下げた850円で初値をつけた。その後も800円近辺での取引が続いている。背景には前々日の3月12日の取引終了後に発表した、防衛装備庁からの3億7000万円の受注発表がある。発表翌日の3月13日には買いが集中し、値幅制限いっぱいの150円高でも取引が成立しなかった。14日午前もその勢いを維持した展開だ。受注は2月に発表した2024年12月通期業績予想に織り込み済みだが、市場関係者からは今回の大型受注に対し政府調達の呼び水期待が寄せられている。
同社が受注したのは高セキュリティ型の空撮用ドローン「SOTEN」(蒼天)」で、今年(2024年)12月の納入予定2月を予定している。ドローンで収集した情報の漏洩を防ぐ工夫が凝らされた機体で、秘匿性の高いインフラの点検などへの活用が期待されている。
2月14日の決算発表では、前期業績の悪化要因にSOTENの販売減を挙げていたが、今回の大型受注で不振からの脱出に期待が集まる。同社は今回の受注はすでに通期業績に織り込み済みとしている。同社が発表している2024年12月の通期業績予想は、売上高が33億4千万円、営業損益、経常損益はそれぞれ赤字を見込んでいる。
大型受注の発表は3月12日の取引終了後に行われた。これを受けて翌3月13日の東京株式市場では、午前9時の取引開始直後から買いが殺到して。値幅制限いっぱいの857円のストップ高となって推移し、結局同日は取引が成立しないままとなった。3月14日も800円台を維持した取引で始まっており、2月16日つけた上場来安値の585円からの底割れを回避した水準の取引が続いている。。
ACSLが2月14日に発表した23年12月期連結決算では、売上高が前期比45.2%減の8億円9600万円と大幅に減少した。業績のけん引役と期待された高セキュリティ型の小型空撮ドローン「SOTEN」の販売台数が伸び悩んだことが響いたと分析するととともに、20.7億円の受注残があることも明らかにしていた。
ブルーイノベーション株式会社(東京都)は3月11日、能登半島地震で被災した輪島市(石川県)で、決壊の危険性が指摘される土砂ダムを定期的に自動で点検する河川監視活動を実施したと報告した。土砂崩れにより道路がふさがり作業員が現地に近づけない中、ブルーイノベーションが開発したドローンの自動離発着システム「BEPポート」を適切な場所に設置し、ドローンが自動離陸することで点検を遂行した。点検は1月31日から2月6日にかけて行われ、五光物流株式会社(筑西市<茨城県>)、VFR株式会社(名古屋市<愛知県>)が協力した。
河川監視活動の対象となったのは輪島市内を流れる牛尾川につみあがった土砂が河川の水をせきとめている土砂ダムで、1月31日から2月6日にかけて、輪島市の要請を受け、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が統括して行われた。監視活動ではBEPポートに待機したドローンが、定期的に自動で離陸し、往復約3㎞を飛行して状況把握に必要な情報を収集した。ブルーイノベーションのドローンポートシステムは東日本大震災で被災した仙台市<宮城県>が設置している。災害支援活動として活用されるのは今回が初めてとなる。
発表内容は以下の通り
ブルーイノベーション株式会社
五光物流株式会社
VFR 株式会社
令和 6 年能登半島地震 二次災害に備え、ドローンポートシステムを活用
した自動監視システムを国内ではじめて実災害現場に導入・社会実装
ドローンポートから自動離発着するドローンにより、
河川上流の土砂ダム決壊の危険性を定期監視
この度の能登半島地震の影響により、被災された方々やご家族の皆様に、心よりお見舞い申し
上げると共に、皆様の安全と一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
ブルーイノベーション株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:熊田 貴之、以下 ブルーイノベーション)は、五光物流株式会社(本社:茨城県筑西市 代表取締役社長:小林 章三郎、以下五光物流)、VFR 株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長 蓬田 和平、以下 VFR)と、石川県輪島市からの要請を受け、ドローンの業界団体である一般社団法人日本 UAS 産業振興協議会(JUIDA)の指揮の元、ドローンポートシステムを活用した河川監視活動を実施しました。
本取り組みは、輪島市内を流れる牛尾川(鈴屋川の支流)に出来た土砂ダムの状況を、ブルーイノベーションが開発したドローンポートシステム「BEP ポート」を活用し、自動かつ定期的に離発着するドローンにより土砂ダムを撮影・監視し、決壊の危険性有無を常時把握することで、二次災害による被害を未然に防ぐことを目的としています。
なお、実災害現場でのドローンポートシステムの社会実装は国内初となります。
■BEP ポートを活用した災害支援活動内容
・巡回点検実施日:2024年 1 月 31 日(水)~ 2 月 6 日(火)
・場所:石川県輪島市町野町
・活動内容:
輪島市を流れる牛尾川(鈴屋川の支流)では、土砂災害による河口閉塞が数か所発生したため、道路も寸断され、人が近づくことが困難な状況でした。輪島市から JUIDA に、ドローンによる二次災害予防のための巡回点検要請があり、JUIDA指揮の元、ブルーイノベーションが開発したBEP ポートからドローンが自動で離発着し、牛尾川の上流往復約 3km を飛行。土砂ダムの状況を上空から定期的に監視を実施しました。
<鈴屋川の経時変化(同一地点)>
定点観測による撮影画像の比較から、河口閉塞による溜まり場の大きさに大きな変化がないことを確認することができました。
・使用機材
■協力
第二回京阪奈ドローンフォーラムには、課題解決に向けたカスタマイズを手がけるドローンを手がける菱田技研工業株式会社(堺市)が、吸盤で壁にくっつく仕掛けの“ひっつきドローン”と家庭用コンセントから電源を得る“コンセントドローン”を披露する。“堺のエジソン”の呼び声高いエンジニアのプロダクトが、来場者の創造意欲を掻き立てそうだ。
菱田技研は壁面吸着親子ドローンと家庭用コンセントにつないで飛ぶ有線給電のドローンを持ち寄る。
壁面吸着親子ドローンは、ビルの高層階の外壁など高所での反力(支持箇所に生じる力)の発生する作業を実現可能にするドローンシステム。子機には、ハンドドリルを搭載する。実際に吸着によるコンクリートボードへの穴あけに成功している。親機の動力源に採用している燃料電池も展示する。フォーラムではモニタの映像で動きが核にできるほか、吸着グリッパを手持ちのアクリル板に吸着させる実演も行う。来場者は吸着中の吸着グリッパ、アクリル板に触れて吸着の安定性を体験できる。
家庭用コンセントからの有線給電で飛行する機体は、会場となる咲洲モリーナのフライトエリアで飛行の実演を実施する予定で、来場者は飛ぶ姿を間近で見られる。
菱田技研工業株式会社はカスタマイズドローンによる課題解決を手がけていて、その工夫には高い評価が寄せられている。2023年6月に千葉・幕張メッセで開催されたJapanaDrone2023では、技術論文「ポスターセッション」の出品者の優秀作品を顕彰するポスターアウォードで最高賞を受賞している。
第二回京阪奈ドローンフォーラムで、長時間、長距離飛行チャレンジに取り組んでいる株式会社エアロジーラボ(AGL、箕面市〈大阪府〉)が、ハイブリッド機の最新機、AeroRange G4S(エアロレンジジーフォーエス)を持ち寄る。ハイブリッド機ならではの機構と、軽量化のために随所に凝らされた工夫が来場者のクリエイティビティを刺激しそうだ。
AGLはハイブリッドドローンを中心に開発している。ハイブリッドドローンはバッテリーとガソリンなどの燃料を併用して推進力を得るドローンて、バッテリーに頼る機体に比べ、長距離、長時間の飛行が期待できる。主力機AeroRangeQuadはペイロードなしで140分以上、ペイロード 2kgで90分の性能を持ち、国産ハイブリッド機の代表モデルの一つとして多くの現場で飛行実績を積み上げている。
今回、第二回京阪奈ドローンフォーラムに出展する機体「G4S」は、機体の構造をゼロベースで構造、素材、機構を見直した新型機、ハイブリッド機では、燃料、電力の併用で強い推進力が得られる一方、発電機とモーターを積むため自重が大きくなるため、推進力を生かすには、軽量化の工夫が欠かせない。軽くしたために剛性がおろそかになるわけにもいかず、技術者の知恵と工夫が試される。
AGLは国交省が2月29日に福島県で行った実証実験にも参加し、長時間、長距離飛行性能を測定した。福島ロボットテストフィールド浪江滑走路を離発着場に行われ、敷地と沿岸を飛行した。現在、詳細な計測結果が集計されているが、不具合発生で中断するまでだけでも60㎞を超える距離を実際に飛行したとみられる。確報値では実飛行距離と、残りの燃料から推計した性能がはじき出される予定だ。
第二回京阪奈ドローンフォーラムは、確報値が公表される前のG4Sを間近で確認する機会となる。驚く準備はここでできる。
<イベント概要>
催事名:「SUPER D★EXPERIENCE~第2回京阪奈ドローンフォーラム」
日時:2024年3月12日(火)、10:00~16:00(予定)
会場:咲洲モリーナ(西尾レントオール株式会社R&D国際交流センター内)
住所:大阪府大阪市住之江区南港北1-12-75
アクセス:「コスモスクエア」下車徒歩5分、「トレードセンター」下車徒歩6分
会場MAP: https://www.nishio-rent.co.jp/sakishima/access/
主催:京阪案ドローンプロジェクト実行委員会(代表企業:マスオグループ本社=奈良県奈良市三条大路1丁目1番93、株式会社奈良自動車学校)
参加費:無料
※詳細は参考資料及び公式サイトをご確認ください。
参考資料 https://prtimes.jp/a/?f=d101951-10-f1c576f0f6d030002fa6df5bd75f525b.pdf
第二回京阪奈ドローンフォーラム(主催:京阪奈ドローンプロジェクト実行委員会)として3月12日に開催する超体感イベント「SUPER D★EXPERIENCE」では、株式会社ジャパン・インフラ・ウェイマーク(JIW、東京)が、会場の咲洲モリーナから、東京オフィスに待機させている米Skydio(スカイディオ社)の 機体を動かす様子を披露する計画だ。約500㎞の遠隔操作は、防災、警備、点検、エンターテインメント、観光など幅広い事業にヒントを与えそうだ。
JIWは鉄塔、橋梁などの点検業務をロボットやドローンなどのテクノロジーで支援する企業で、数多くの実績を重ねている。米AIドローンメーカー、Skydio(スカイディオ)社の機体をいち早く日本に導入したことでも知られる。今回の第二回京阪奈ドローンフォーラムでは、Skydioの機体と、機体の離発着場にもなる多機能格納庫、SkydioDockを東京オフィスに待機させ、会場の咲洲モリーナから操作をする。約500㎞離れた遠隔操作が見ものとなる。
点検や被災地支援、警備などドローンの活躍が期待される現場では、作業員を現場に待機させる必要性の有無が重要な検討項目のひとつになっている。Skydioのトム・モス氏は2020年のDroneTribuneのインタビューに「いつでも点検に、パトロールに、災害調査に出動できるようになったらいいと思っています」と話している。JIWによるパフォ-マンスは、Skydio機の特徴である高度な障害物検知能力とそれをフル活用した被写体への接近などを堪能しつつ、長距離遠隔操作の可能性を実感し、事業や取り組みの可能性を広げる機会となりそうだ。
第二回京阪奈ドローンフォーラム(主催:京阪奈ドローンプロジェクト実行委員会)は超体感イベント「SUPER D★EXPERIENCE」として、東日本大震災が発生した3月11日の翌日、3月12日に大阪・咲洲モリーナ(大阪市住之江区)で行われる。防災意識が高まるこの時期に、イベントには能登半島地震、東日本大震災のいずれの対応にもあたっている株式会社Liberaware(リベラウェア、千葉市)のIBIS2(アイビス・ツー)が、飛行シーンを御披露目する。活躍する現場は倒壊の危険のある建屋の中や、原子炉格納容器の中だが、今回は、咲洲モリーナの中で、来場者の目の前で飛行シーンを御披露目する。
リベラウェアは狭い、暗い、汚いなど作業員が入れない狭小空間に入り込んで内部を確認するドローンの開発を重ねてきた。第二回京阪奈ドローンフォーラムに登場するドローン、IBIS2は、20㎝×20㎝で243gの世界最小クラスの産業用ドローンで、ひっくりかえっても跳ね上がって体制を立て直すタートルモードを搭載するなど、狭小空間点検機に求められる性能を極めた機体だ。2023年6月に開催されたJapanDroneでの表彰企画「Japan Drone & AAM Awards 2023」では、ハードウェア部門の最優秀賞を獲得した。
作業員が立ち入れない場所の点検を得意とする特徴は、震災の被災地で活躍している。1月に起きた能登半島地震の被災地では、倒壊の危険がある建物の中に入り込み、取り残されている要救助者の有無を確認し、内部の状況の共有に大きな役割を果たした。
また2011年の東日本大震災で爆発した東京電力福島第一原子力発電所の原子炉格納容器の内部調査にも、IBISが4機使われ、デブリのたまり具合や落下物の有無、2015年に投入しながら途中で動けなくなって残置された機器の確認など、大きな役割を果たした。
第二回京阪奈ドローンフォーラムでは、会場である咲洲モリーナの特徴的な木材を組み合わせた天井部分をどうとらえるかがみもの。来場者はふたつの震災の被災現場で活躍するドローンが真価を発揮する瞬間の目撃者になることができそそうだ。
<イベント概要>
催事名:「SUPER D★EXPERIENCE~第2回京阪奈ドローンフォーラム」
日時:2024年3月12日(火)、10:00~16:00(予定)
会場:咲洲モリーナ(西尾レントオール株式会社R&D国際交流センター内)
住所:大阪府大阪市住之江区南港北1-12-75
アクセス:「コスモスクエア」下車徒歩5分、「トレードセンター」下車徒歩6分
会場MAP: https://www.nishio-rent.co.jp/sakishima/access/
主催:京阪案ドローンプロジェクト実行委員会(代表企業:マスオグループ本社=奈良県奈良市三条大路1丁目1番93、株式会社奈良自動車学校)
参加費:無料
※詳細は参考資料及び公式サイトをご確認ください。
参考資料 https://prtimes.jp/a/?f=d101951-10-f1c576f0f6d030002fa6df5bd75f525b.pdf