ドローン機体構造技術を手がける株式会社エアロネクストとグループ会社の株式会社NEXT DELIVERYは11月4日、和歌山県和歌山市で、人口集中地区(DID)を含むルートを補助者なしで荷物を運ぶ実証実験を実施した。10月29日に改定された「無人航空機飛行マニュアル(令和7年10月29日更新版)」に示された「レベル3.5飛行」の運航条件を整え、改定からほぼ1週間で、実運用に近い形での飛行を実現したことになる。
実証実験ではエアロネクストとNEXT DELIVERYが、DIDを含むルート上を補助者なしで飛行させ、弁当を配送した。飛行ルートは片道約4.3キロ、飛行時間は約10分。エアロネクストなどが開発した物流専用ドローン「AirTruck」を使った。
離着陸地点には、エアロネクスト開発のドローン用地上インフラ「ドローンスタンド®」を設置し、監視カメラや音声アナウンスにより周囲の安全を確認、周知した。飛行中は、機上カメラが飛行ルートの地上の状況を上空からリアルタイムで監視し、第三者の侵入を検知する仕組みを導入した。
従来は補助者を必要とした市街地上空でも安全に運航できる条件を整えた。
■ レベル3.5飛行とは
「レベル3.5」は国交省が定める無人航空機の運航区分のうち、目視外・補助者なしでの飛行を想定しつつ、第三者上空を飛行しないことを前提とする運用区分。
10月29日に公表されたマニュアル改定版では、次のような要件が示されている。
・飛行経路下の安全確認を、機上カメラ装置などによって常時監視できること。
・離発着地および周辺に監視カメラやアナウンス設備などを設置し、第三者の立ち入りを検知・警告できること。
・操縦者が操縦ライセンス(技能証明)を有し、運航管理体制(異常時対応手順を含む)を整備していること。
・機体がリモートIDを搭載し、フェールセーフ機能(異常時の自動帰還・着陸機能など)を有すること。
・飛行計画の承認を受け、損害賠償保険などの安全措置を講じていること。
エアロネクストはこれらの条件をすべて満たした形で実験に臨んだ。
運航管理面では機上カメラによる経路監視に加え、地上の「ドローンスタンド®」で周囲の安全を確認・記録できるようにするなど、機体・地上設備・通信管理を一体化した運航システムを構築している。これにより、従来のようにルート上に補助者を配置せず、遠隔監視によって安全を担保する。
■ それまでの状況:DID上空の補助者なし飛行は実質不可能
改定前のマニュアルは、飛行経路下に第三者が立ち入るおそれがあることから、人口集中地区や住宅密集地の上空では、補助者を配置した安全確保を義務付けていた。そのため、物流ドローンの「レベル3.5」での実証実験は実質的に山間部や農地、離島などに限られ、都市部での運用は困難だった。
10月29日のマニュアル改定で「機上・地上の監視技術による立入管理」が制度として明確化され、補助者を置かずに飛行することが条件付きで認められるようになった。
■ 改定直後の実施、社会実装を見据えたモデル
今回の実験の特徴は、マニュアル改定から1週間でDIDルートでの飛行を実施した点にある。マニュアル改訂直後なので日本初の実施だ。このスピード感に加え、病院を起点とする弁当配送という日常生活に沿った設定も特徴的だ。今回実証が行われた和歌山市郊外ではスーパーの撤退で買い物が困難になっている事情がある。加えて、山間部にある道の駅「四季の郷公園FOOD HUNTER PARK」では、宇都宮病院の調理施設で作られた地元食材を使ったお弁当が人気商品であるにもかかわらず、人手不足で病院から道の駅への配送が滞る問題が実際にある。
実証の対象が技術面やマニュアル対応の有効性にとどまらず、医療機関や地域商店などを結ぶ定常物流モデルの社会実装を視野に入れている点も今回の実証の意義としてはずせない。
■ 今後の展望:都市近郊のドローン物流、医療輸送にも
エアロネクストは今後、都市近郊を拠点とする定常配送の実用化を目指す方針だ。将来的には、医療分野での検体輸送や処方薬配送、災害時の物資輸送などへの展開も検討している。
同社は、レベル3.5飛行を前提とした「ドローン前提社会」構築を掲げ、地上インフラ・運航管理・機体設計を一体で整えることで、安全かつ持続可能な物流ネットワークの構築を目指している。





ドローン機体構造技術の株式会社エアロネクスト(東京都渋谷区、田路圭輔代表取締役社長・グループCEO)は、独自の特許取得済み重心制御技術「4D GRAVITY®」を搭載した物流専用ドローン「PD4B-M-AN」を、株式会社プロドローン(愛知県名古屋市、戸谷俊介代表取締役社長)と共同開発し、名古屋市で開催された第4回ドローンサミットで発表した。
物流専用ドローンPD4B-M-ANは4つのローターを持つマルチコプターで、バッテリーを含む機体重量は20㎏。最大3㎏までの荷物を運べる。4D GRAVITYの技術を取り入れた荷室を、機体の本体と分けたうえで結合していて、飛行中にドローンが進行方向に前傾しても荷室は前傾せず、荷物が傾かない構造になっていることが特徴だ。これにより飛行性能、機動性の向上も図れる。
エアロネクストとプロドローンは2024年2月に4D GRAVITYテクノロジーライセンス契約を締結していて、プロドローンの汎用機体「PD4B-M」に4DGRAVITYを取り入れた。
エアロネクストの子会社、株式会社NEXT DELIVERY(小菅村<山梨県>)が受託した「あいちモビリティイノベーションプロジェクト空と道がつながる愛知モデル2030」の物流ドローン社会実装モデル推進事業として近く、現場で飛行する予定だ。


株式会社エアロネクスト(東京)は8月15日、ドローンでフードデリバリーの試験飛行を 実施したと発表した。6品、約2.5㎏を有人地帯での補助者なし目視外飛行(日本ではレベル4に該当)で、地元モンゴルの有力企業と連携して実施した。
エアロネクストのモンゴル国でのフードデリバリは7月25日に行われた。同社の「モンゴル展開パートナー」である モンゴルを代表する投資会社Newcom Group(ウランバートル市)、同社の子会社、Mongolian Smart Drone Delivery LLC(ウランバートル市)、モンゴル国フードデリバリー最大手、Tok Tok LLC(ウランバートル市)と組んで実施した。エアロネクストの調べでは、7月時点でモンゴル国内では初めての取り組みという。
試験飛行では、アプリ「TOK TOK」を通じて注文を受けたレストラン KIBO の料理6品、2,420gを、ウランバートル市内からウランバートル郊外の研修・保養施設まで片道約 16.5km、株式会社ACSL(東京)製の「PF4」で運んだ。動画にはTOK TOKのロゴの入ったデリバリボックスをPF-4が運ぶ様子や、都心部を飛行する様子、受け渡しの様子がおさめられている。
エアロネクストはすでにウランバートル市内で定常運航として血液製剤の配送を実施しており、6月には郵便輸送も実施している。フードデリバリは第3のユースケースとなる。
(モンゴル郵便とのドローン配送試験運航の実績についてはこちら



株式会社エアロネクスト(東京)、セイノーラストワンマイル株式会社(東京)など4社は、ドローン配送と既存の陸上配送などを融合させた新スマート物流の長野県全域への拡大と地域課題解決、地域経済活性化に向けて業務提携を締結した。
提携したのは、エアロネクスト、セイノーラストワンマイルのほか、交通、観光事業が柱のアルピコホールディングス株式会社(松本市<長野県>)、エアロネクストの物流子会社、株式会社NEXT DELIVERY(小菅村<山梨県>)の4社。平常時の物流ネットワーク強化、買い物弱者対策、災害時の被災地への迅速な物資輸送をともに可能とするフェーズフリーな地域物流インフラの構築を目指す。
プレスリリースで提携内容を発表している。
内容は以下の通り。
アルピコホールディングス株式会社(本社:長野県松本市、代表取締役社長:佐藤裕一、以下アルピコホールディングス)とセイノーラストワンマイル株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:河合秀治、以下セイノーラストワンマイル)、株式会社エアロネクスト(本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:田路圭輔、以下エアロネクスト)および株式会社NEXT DELIVERY(本社:山梨県小菅村、代表取締役:田路圭輔、以下NEXT DELIVERY)は、2025 年1月31日に、新スマート物流の長野県全域への拡大と、新スマート物流を通した地域課題の解決や地域経済の活性化に向けた業務提携を締結しました。
アルピコグループは、長野県を中心に交通、観光、流通等広く事業を展開しており、2023年9月に新規事業としてドローン事業を立ち上げ、既存事業とのシナジー創出により、地域課題の解決や豊かな地域社会の実現に貢献しています。
エアロネクストとセイノーラストワンマイルの親会社のセイノーホールディングス株式会社(以下セイノーHD)は、トラックや軽バン等の陸上配送にドローン輸送を組み合わせ、独自の輸配送管理システムをベースに、物流を効率化する新スマート物流SkyHub®を、山梨県小菅村、北海道上士幌町など、全国9ヶ所で展開しています。
エアロネクストとNEXT DELIVERY は、2024年1月に起きた能登半島地震において、孤立集落・避難所へのドローンによる医薬品の物資輸送を国内で初めて実施した経験を踏まえ、平時、有事を問わず、ドローンを活用したフェーズフリー型統合ソリューションの構築が必須であり、そのためには新スマート物流 SkyHub®が基盤になると考え、国や自治体と前向きな会話を進めています。
2023年9月には、アルピコグループとNEXT DELIVERYは、茅野市蓼科地区の別荘地エリアにおいて、新しい食品・日用品配送サービスの構築を目指し、ネットスーパーと連携したドローン配送の実証実験を実施しました。
今回、4者が相互の連携・協力により、長野県における 2024年問題など平常時の地域の物流ネットワークの強化や買い物弱者対策、並びに災害時の被災地への迅速な物資輸送を可能とするフェーズフリーな地域物流インフラの構築を促進し、県民生活や地域経済基盤の強靱化を図ってまいります。

1.締結日 2025年1月31日
(1) 長野県全域における新スマート物流の導入、推進
(2) 長野県全域における新スマート物流(お買物支援、共同配送、ドローン配送を含む)の拠点および体制整備
(3) SkyHub® Emergency Packageの構築と運用
(1)4 者共通の役割
・長野県庁、長野県内の基礎自治体との関係構築全般
(2)アルピコホールディングスの役割
・長野県全域における買物支援、夕食難民対策等、SkyHub®TMS を活用した新スマート物流の実装
・グループのアセットを活用した共同配送の拠点づくり、インフラ、防災目的の支援物資等の提供
・グループのアセットを活用した新スマート物流における新サービス開発
(3)セイノーラストワンマイルの役割
・長野県全域における物流事業者の取りまとめ、荷物の集約
・長野県全域における共同配送の体制づくり
・SkyHub® Emergency Package 構築
(4)エアロネクストおよび NEXT DELIVERY の役割
・ドローン運航体制(物流専用ドローンの提供を含む)の構築
・全国展開している新スマート物流の運営ノウハウの提供
・アルピコホールディングスに対する SkyHub® Provider Licenseの提供
<アルピコホールディングス 代表取締役社長 佐藤 裕一のコメント>
アルピコグループは、長年にわたり地域社会に根ざしたサービスを提供してまいりました。また昨年からアルピコドローンアカデミーを開校し、ドローン事業にも参入いたしました。一方、セイノーラストワンマイル・エアロネクスト様は、ドローンを活用した先進的な技術やノウハウを持つ企業として、業界をリードしています。この提携により、私たちは新たな価値を創造し、地域社会とお客様にさらなる貢献ができると考えております。
<セイノーラストワンマイル代表取締役社長 河合 秀治のコメント>
今後、ラストワンマイルに求められる機能やご期待はさらに大きく、幅広くなることが予想されます。顧客ならびに様々なパートナーとの連携を強化し、チーム一丸となって社会課題を解決しつつ、未来のインフラ構築として、ラストワンマイル領域にて新たなチャレンジを続けていきます。
<エアロネクスト代表取締役 CEO/NEXT DELIVERY 代表取締役 田路 圭輔のコメント>
新スマート物流の長野県全域展開のパートナーとして、アルピコグループ様とタッグが組めることを本当に嬉しく、心強く思います。長野県の地域資源とアルピコグループ様の様々なアセットやネットワークと我々のこれまでの経験、システム、サービスを統合して、長野県全域の地域生活インフラを持続可能にしていくための活動にしっかり取り組んでいきたいと思います。
1 新スマート物流
物流業界が共通に抱える人手不足、環境・エネルギー問題、DX 化対応、等の課題を、デジタルやテクノロジーを活用しながら解を探究し、人々の生活に欠かせない生活基盤である物流を将来にわたって持続可能にするための取り組みで、特に地域物流の効率化と地域社会の課題解決を推進する。地域の状況やニーズに応じて、ラストワンマイルの共同配送、車による陸送・ドローンによる空送のベストミックス、災害対応も含むフェーズフリー型物流、貨客混載、自動化技術等を官民、業界内外の壁を越えたオープンパブリックプラットフォーム( O.P.P.)による共創で検討し、実現を目指すものである。
2 新スマート物流 SkyHub®
エアロネクストとセイノーHD が共同で開発し展開する、既存の陸上輸送とドローン物流を繋ぎこみ、地上と空のインフラが接続されることで、いつでもどこでもモノが届く新スマート物流のしくみ。ドローン配送が組み込まれた、オープンかつ標準化したプラットフォームで、ドローンデポ®を拠点に、車とドローンを配送手段として、SkyHub®TMS をベースに、異なる物流会社の荷物を一括して配送する共同配送、SkyHub®Delivery(買物代行)、SkyHub®Eats(フードデリバリー)、SkyHub®Medical(医薬品配送)など、地域の課題やニーズに合わせたサービスを展開、提供する。SkyHub®の導入は、無人化、無在庫化を促進し、ラストワンマイルの配送効率の改善という物流面でのメリットだけでなく、新たな物流インフラの導入であり、物流 2024 年問題に直面する物流業界において、物流改革という側面から人口減少、少子高齢化による労働者不足、特定過疎地の交通問題、医療問題、災害対、物流弱者対策等、地域における社会課題の解決に貢献するとともに、住民の利便性や生活クオリティの向上による住民やコミュニティの満足度を引き上げることが可能になり、地域活性化を推進するうえでも有意義なものといえる。
3 SkyHub® Emergency Package
平時はもとより、災害時にも物流ドローンなどを活用して緊急物資配送をスムーズに実現することができるフェーズフリー型の SkyHub®のこと。
4 SkyHub® TMS
地域物流を効率化する新スマート物流のベースとなる輸配送管理システム。
5 SkyHub® Provider License
新スマート物流 SkyHub®のノウハウやツール、オペレーションの一部を第三者にライセンス提供する仕組み。
【アルピコグループとは】
アルピコグループは、長野県を中心に事業を展開している企業グループで、主に流通(スーパーマーケット)、交通(バス・鉄道・タクシー)、観光(ホテル・旅館・旅行)等を手掛けているコングロマリットグループです。2024 年 1 月に新規事業としてアルピコドローンアカデミーを開校し、既存事業とのシナジー創出により、地域課題の解決や豊かな地域社会の実現に貢献することに努めています。
*会社概要は https://holdings.alpico.co.jp/company/をご覧下さい。
【株式会社エアロネクストとは】
IP 経営を実践する次世代ドローンの研究開発型テクノロジースタートアップ、エアロネクストは、「新しい空域の経済化」をビジョンに、空が社会インフラとなり、経済化されて、ドローンで社会課題を解決する世界を生み出すために、産業用ドローンの技術開発と特許化、ライセンスビジネスを行っています。コアテクノロジーは、重心、空力特性を最適化することで、安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能や物流専用ドローンの運搬性能を向上させる、独自の構造設計技術 4D GRAVITY®。この 4DGRAVITY®を産業用ドローンに標準搭載するため強固な特許ポートフォリオを構築し、4D GRAVITY®ライセンスに基づくパートナーシップ型のプラットフォームビジネスをグローバルに展開しています。また、ドローンを活用した新スマート物流 SkyHub®の実現のために戦略子会社 NEXT DELIVERY を設立し、ドローン配送サービスの社会実装、事業化にも主体的に取り組んでいます。
*会社概要は https://aeronext.co.jp/about/company/をご覧下さい。
【株式会社 NEXT DELIVERY とは】
エアロネクストグループのミッション「人生 100 年時代の新しい社会インフラで、豊かさが隅々まで行き渡る世界へ」に基づき、2021 年に山梨県小菅村に設立されたドローン配送を主事業とするエアロネクストの戦略子会社。エアロネクストとセイノーHD が共同で開発し展開する、既存物流とドローン物流を繋ぎこんだ新しい社会インフラとなる新スマート物流の仕組み SkyHub®の企画運営、全国展開を推進しており、共同配送とドローン配送に関わるハード及びソフトウェアの開発、販売、運用及び保守事業等の周辺事業も展開しています。山梨県小菅村を皮切りに、北海道上士幌町、福井県敦賀市等、全国各地で地域物流の効率化と地域社会の課題解決に取り組んでいます。
*会社概要は https://aeronext.co.jp/about/company/をご覧下さい。
【セイノーラストワンマイル株式会社とは】
セイノーラストワンマイル株式会社は 2024 年 4 月にセイノーホールディングスの子会社として誕生しました。「ラストワンマイル」と言われる”お客様にとって物流サービスの最後の接点”となる領域は今後もさらに拡大すると予測されており、「お客様のご要望に柔軟にお応えできるように」と新たに設立する運びとなりました。現代の日本における物流課題は多岐にわたり、具体的には買い物弱者問題、過疎地域問題、荷物再配達の問題、宅配クライシス問題などが挙げられます。セイノーラストワンマイル株式会社は、それらの
社会課題に対してビジネスの手法を使ってアプローチしていく「社会課題解決型ラストワンマイル」を担っています。
*会社概要は https://slo.co.jp/company/をご覧下さい。




株式会社エアロネクスト(東京)、株式会社NEXT DELIVERY(小菅村<山梨県>)は長野県南西部の木曽エリア3町村でドローン配送を実演した。エアロネクストなどは3町村を含む木曽郡でドローン配送ルートの策定や離着陸座標設定などのドローンインフラ整備を進めていて、今回もその一環として大規模災害への備えに向けて行われた。
フライトは1月28日、木曽郡内の上松町、大桑村、南木曽町(木曽郡はこのほか木祖村、王滝村、木曽町の6町村で構成)で行われ、長野県木曽地域振興局、木曽広域連合も参加した。大規模災害対応を念頭に、災害時に孤立集落となる可能性のある地域に災害支援物資を配送した。
実施後にプレスリリースが公表され、その様子を報告している。発表は以下の通り。
上松町(町長:大屋 誠)、大桑村(村長:坂家 重吉)、南木曽町(町長:向井 裕明)、長野県木曽地域振興局(局長:渡邉 卓志)、木曽広域連合(連合長:原 久仁男)、株式会社エアロネクスト(本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:田路 圭輔、以下エアロネクスト)、株式会社NEXT DELIVERY(本社:山梨県小菅村、代表取締役:田路 圭輔、以下NEXT DELIVERY)、は、2025年1月28日(火)に、上松町、大桑村、南木曽町において 木曽郡における災害時対応を想定したドローン配送 お披露目フライトを実施し、報道関係者に公開しました。
木曽郡では、郡内でのドローン活用、災害時の迅速な支援につながる取組として、木曽町、上松町、南木曽町、木祖村、王滝村、大桑村、長野県、木曽広域連合、エアロネクスト、NEXT DELIVERYが共同し、郡内6町村を対象に、ドローンインフラ整備(ドローン配送ルート及び離着陸座標設定)を進めています。
今回のお披露目フライトは、その一環として大規模災害への備えに向けて行われたもので、具体的には、上松町、大桑村、南木曽町の災害時に孤立集落となり得る地域に災害支援物資を配送いたしました。
4人その3:写真向かって左より木曽広域連合 楯憲吾、長野県木曽地域振興局 局長 渡邉卓志、南木曽町副町長 向井 庄司、NEXT DELIVERY 取締役 運航統括責任者 青木孝人(南木曽町)
飛行:物流専用ドローンAirTruckによる災害支援物資を搭載した飛行を見守る住民(南木曽町 大野正兼集会所)
大桑村:災害支援物資を搭載して着陸する物流専用ドローン”AirTruck”(大桑村 野尻向分館)
大桑受け取り:物流専用ドローンAirTruckにより置き配された災害支援物資を受け取る住民(大桑村 野尻向分館)






1.背景と目的
木曽郡は総人口 23,781 人(2025 年 1 月 1 日現在)。長野県の南西部に位置し、美しい木曽川を中心に豊かな森林や山々に囲まれた自然環境が広がっています。木曽川の支流や山間部からの湧水は、地域の農業や生活用水として利用されるだけでなく、周辺の生態系を支えています。一方で、自然災害の
リスクが高く、大雨や土砂災害、地震による道路寸断など、有事の際には集落が孤立する可能性が指摘されています。特に中山間地域では、地理的条件からアクセスが制限される場合が多く、緊急時の物資輸送や医療支援が大きな課題となっています。また、木曽郡内では、地域住民の高齢化が進む中、災害発生時の迅速な支援体制の構築や、孤立集落の発生を防ぐための新たな取り組みが求められています。こうした状況に対応するため、ドローン技術の活用が注目されており、地域住民の利便性向上や有事の際の迅速な対応を目指し、DX 技術を活用したドローンの導入が模索されています。
このような背景を踏まえ木曽郡では、災害発生時に孤立地域へ迅速に物資を届ける仕組みとしてドローンを活用した防災インフラの構築を実施しました。
2.実施内容
災害時に孤立集落となり得る地点に向け、災害時を想定した物資輸送の実証実験を実施しました。事業概要やドローン機体の説明後、以下3つのドローン配送のデモフライトを実施しました。
1上松町 よろまいか駐車場⇒台生活改善センター/
2大桑村 大桑村役場駐車場⇒野尻向分館 /
3南木曽町 渡島総合グラウンド⇒大野正兼集会所 ※計 3 ルート
【1ルート】上松町で孤立が想定される台生活改善センターに向けて災害物資輸送を想定したドローン配送を実施します。飛行距離約 4.6 kmを約 12 分かけて配送。
【2ルート】 大桑村で孤立が想定される野尻向分館に向けて、災害物資輸送を想定したドローン配送を実施します。 飛行距離約 4.1 kmを約 10 分かけて 配送。
【3ルート】 南木曽町で孤立が想定される大野正兼集会所に向けて、災害物資輸送を想定したドローン配送を実施します。飛行距離約 6.1 kmを約 15 分かけて配送。
機体はエアロネクストが開発した物流専用ドローンAirTruckを使用しました。上松町では、よろまいか駐車場から台生活改善センターまでの片道約4.6 km・約 12 分を、災害支援物資を搭載してドローン配送しました。ドローン配送で災害支援物資を受け取った田中秀子さんは、「素晴らしい。置いて行ってもらえれば、非常に楽。もしもの時にはとても助かる」とコメントしています。今後も災害時対応用のドローン配送ルートの構築及び座標設定を拡大していき、ドローン配送用のインフラ整備・構築をさらに進め、災害時の迅速な対応ができる地域づくりを進めてまいります。
※本実証実験は「令和6年度 木曽郡におけるドローンを活用した災害対策インフラ整備業務委託」として採択されています。
※本事業は「令和 6 年度長野県地域発 元気づくり支援金」を活用した事業です。

1 物流専用ドローン AirTruck
次世代ドローンのテクノロジースタートアップ、株式会社エアロネクストが ACSL と共同開発した日本発の量産型物流専用ドローン。エアロネクスト独自の機体構造設計技術 4D GRAVITY® により安定飛行を実現。荷物を機体の理想重心付近に最適配置し、荷物水平と上入れ下置きの機構で、物流に最適なユーザビリティ、一方向前進特化・長距離飛行に必要な空力特性を備えた物流用途に特化し開発した「より速く より遠く より安定した」物流専用機です。日本では各地の実証地域や実証実験で飛行しトップクラスの飛行実績をもち、海外ではモンゴルで標高 1300m、外気温-15°Cという環境下の飛行実績をもつ(2023 年 11 月)。最大飛行距離 20km、ペイロード(最大可搬重量)5kg.
2 機体構造設計技術 4D GRAVITY®
飛行中の姿勢、状態、動作によらないモーターの回転数の均一化や機体の形状・構造に基づく揚力・抗力・機体重心のコントロールなどにより空力特性を最適化することで、安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能や物流専用ドローンの運搬性能を向上させるエアロネクストが開発した機体構造設計技術。エアロネクストは、この技術を特許化し 4D GRAVITY®特許ポートフォリオとして管理している。4DGRAVITY®による基本性能の向上により産業用ドローンの新たな市場、用途での利活用の可能性も広がる。
【上松町とは】
上松町は長野県の南西部、木曽郡のほぼ中央部に立地し、東西 24.5km、南北 13km、総面積 168.42km2 の東西に長い地形です。そして、東には木曽駒ヶ岳(2,956m)を主峰とする中央アルプス山系が連なり、西には卒塔婆山(1,541m)、台ヶ峰(1,503m)などの山々が連なっています。町の中央部を北から南へ木曽川が貫流し、それに沿って国道 19 号、木曽川右岸道路、JR 中央本線が並行して走っています。木曽川左岸には木曽駒ヶ岳に源を持つ滑川、十王沢ほか中小河川の急流が木曽川に注ぎ、右岸にも国有林から小川が流入しており、いずれも急峻な地形を呈しています。これらの河川は幽玄な渓谷
を形づくり、木曽五木の森林地帯を流れ、奇勝絶景をなしています。
また、総面積の 95%が森林であり、そのうち 69%と大半を国有林が占めています。耕地や宅地は、合わせてもわずか3%しかありません。この耕地や宅地は主に、河川沿いの台地、標高 550mから 1,100mの地域に集積しています。国内森林浴発祥の地として名をはせる赤沢自然休養林では、施設・エリアが「森林セラピー基地」として認定を受け、赤沢の森林浴が医学的にもリラックスできることが実証されました。
*詳細は https://www.town.agematsu.nagano.jp/をご覧下さい。
【大桑村とは】
長野県の南西部に位置する大桑村は、東西 30km、南北 10km、総面積 234.47 平方 km の山村です。東は南駒ヶ岳をはじめとする中央アルプスの山々、南は南木曽町、北は上松町、西は岐阜県中津川市及び王滝村へ隣接。地形は急峻で、村の総面積の 96%を山林が占めています。中央部を北東から南西に流れる木曽川に沿って国道 19 号、JR 中央線が走っています。集落及び耕地は、木曽川とその支流の伊奈川などの流域(標高 500~800m)に点在しています。
*詳細は https://www.vill.okuwa.lg.jp/をご覧下さい。
【南木曽町とは】
南木曽町は、長野県の南西部・木曽谷の南端に位置し、岐阜県との県境にある町です。総面積は 215.93k m2で東西20km、南北 15km、周囲 70km の山間地であり、木曽川とその支流の与川・柿其川・蘭川・坪川等により形成された狭い段丘上に、与川・北部・三留野・妻籠・蘭・広瀬・田立の7集
落と農用地が細長く点在し、各集落の標高は約 300m から約 950m におよんでいます。また、町の面積の9割は森林で占められており、そのうち約 70%が国有林です。町の中心部を流れる木曽川沿いには南北に JR 中央線と国道 19 号が走り、東西には国道 256 号が伊那谷に通じています。隣県の中津川市中心部まで約 20km、県内近隣市町村の木曽町まで約 35km、飯田市まで約35km の距離にあり、古来より伊那谷、木曽谷を結ぶ交通の要衝でした。急峻な斜面が多く平坦面が少ない地形を作っています。また気候的には温暖ながら雨量が多く、年間降水量は多い年で 2,500mm から 3,000mm に達します。このような地形と気候により、過去より幾多の土石流災
害を引き起こす一方で豊かな森林資源を育み、町は古くから木材生産・木工業を基幹産業としてきました。国選定重要伝統的建造物群保存地区の妻籠宿や、国の近代化遺産に指定された桃介橋をはじめとする恵まれた文化遺産等をはじめとする観光産業が町の主要産業に位置付けられています。
*詳細は https://www.town.nagiso.nagano.jp/をご覧下さい。
【木曽広域連合とは】
長野県木曽地域の特別公共団体です。介護保険・消防・環境・地域振興・森林経営管理・文化教育・ケーブ
ルテレビなど、規約により 31 の広域行政を担っています。
*詳細は https://www.kisoji.com/をご覧ください。
【長野県木曽地域振興局とは】
木曽地域振興局は、長野県が設置する現地機関です。木曽町・上松町・南木曽町・木祖村・王滝村・大桑村の 6 町村で構成される木曽地域で生じている課題やニーズを的確に把握し、関係機関と連携してスピード感を持って主体的・積極的に課題解決に当たる組織です。
*詳細は https://www.pref.nagano.lg.jp/kisochi/somu-kankyo/をご覧ください。
【株式会社エアロネクストとは】
IP 経営を実践する次世代ドローンの研究開発型テクノロジースタートアップ、エアロネクストは、「新しい空域の経済化」をビジョンに、空が社会インフラとなり、経済化されて、ドローンで社会課題を解決する世界を生み出すために、産業用ドローンの技術開発と特許化、ライセンスビジネスを行っています。コアテクノロジーは、重心、空力特性を最適化することで、安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能や物流専用ドローンの運搬性能を向上させる、独自の構造設計技術 4D GRAVITY®。この 4D GRAVITY®を産業用ドローンに標準搭載するため強固な特許ポートフォリオを構築し、4D GRAVITY®ライセンスに基づくパートナーシップ型のプラットフォームビジネスをグローバルに展開しています。また、ドローンを活用した新スマート物流 SkyHub®の実現のために戦略子会社 NEXT DELIVERY を設立し、ドローン配送サービスの社会実装、事業化にも主体的に取り組んでいます。
*会社概要は https://aeronext.co.jp/about/company/をご覧下さい。
【株式会社 NEXT DELIVERY とは】
エアロネクストグループのミッション「人生 100 年時代の新しい社会インフラで、豊かさが隅々まで行き渡る世界へ」に基づき、2021 年に山梨県小菅村に設立されたドローン配送を主事業とするエアロネクストの戦略子会社。エアロネクストとセイノーHD が共同で開発し展開する、既存物流とドローン物流を繋ぎこんだ新しい社会インフラとなる新スマート物流の仕組み SkyHub®の企画運営、全国展開を推進しており、共同配送とドローン配送に関わるハード及びソフトウェアの開発、販売、運用及び保守事業等の周辺事業も展開しています。山梨県小菅村を皮切りに、北海道上士幌町、福井県敦賀市等、全国各地で地域物流の効率化と地域社会の課題解決に取り組んでいます。
*会社概要は https://aeronext.co.jp/about/company/をご覧下さい。
*エアロネクストおよびエアロネクストのロゴ、NEXT DELIVERY、並びに「4D GRAVITY(R)」「SkyHub(R)」は、株式会社エアロネクストの商標です。
*その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。
「新スマート物流」実用化の原点である小菅村(山梨県)で4月17日、この取り組みの土台となってきた連携協定が、ほぼ3年半越しに新たな協定に更新された。新協定にはセイノーホールディングス株式会社(大垣市<岐阜県>)が加わり、小菅村、株式会社エアロネクスト(東京)、エアロネクストの子会社である株式会社NEXT DELIVERY(小菅村)を含む4者が小菅村役場で締結式に臨んだ。協定の有効期限は5年間。今後は結束して、新たなテクノロジーの導入も見据え、オープンイノベーションで地域物流の高度化にあたる。締結式では各代表が書面ではなく分厚い無垢材の協定書を受け取った。小菅村の舩木直美村長は「ここは人口減少の先進地。この村がなんとかなれば日本はなんとかなる」と決意を新たにした。
新協定は「ドローン配送事業を含む次世代高度技術の活用による新しい地域物流のビジネスモデルの構築に向けた包括連携協定」で、農業、観光などの産業振興から雇用、人材育成、環境負荷低減との両立、防災、新しいインフラ整備まで幅広く盛り込んだ。次世代高度技術について、「人、モノを区別した現在の移動の形は変わっていく必要がある考えています。ドローン、トラック以外に、自動運転なのか、ロボットなのか、あらゆるテクノロジーの活用を、みなさんの声を聞き、相談しながら検討したい」(エアロネクストの代表取締役CEOでNEXT DELIVERYの代表取締役も務める田路圭輔氏)や、「荷物をパケットに例えて革新的な物流をを示す『フィジカルインターネット』という言葉が物流の世界で幅広く使われているが、まだ具体例はない。高度技術が必要なフィジカルインターネットを進めたい」(セイノーHDの河合秀治執行役員)などと意欲を示した。
新協定への期待について小菅村の舩木村長は「2024年問題もあり物流が滞ることになれば、ここは一番先に切られる可能性のある地域だと思っています。これまでなんとかみなさんのお力をお借りしてありがたくおもっています。うちの村は課題が多いので、課題解決のために、お知恵とお力を貸して頂き、新しいモデルを作って頂きたいしもうけにもつなげて頂きたい。そのためにどんどん小菅村を使って頂きたい」と展望を述べた。
エアロネクストの田路CEOも「新スマート物流は全国で17の自治体と連携協定を結び、これまでに9地区、現時点では8地区で社会実装をしています。これは小菅村が原点。協定の更新ができ、ますますがんばりたいと気持ちが固まりました。次々と『日本初』の事例をここであみだしたい」と抱負を述べた。
セイノーHDの河合秀治執行役員は「2023年8月に小菅村で始まった複数の物流会社が一本にまとまった共同配送は継続的に行われている全国でも非常に珍しいももっとも先進的な事例で、全国の過疎地で共同配送の検討が進みはじめていて、そのお手本となるプロジェクトとしてしっかり進めたい。モデル化して標準化することが重要で、継続できるビジネスにするためには環境負荷低減が不可欠。共同配送は5社分を1社で扱えば環境負荷も5分の1になるのでグリーンという領域も取り組みたい」と持続可能なモデルづくりに意欲を示した。
会見では、エアロネクストが開発した物流用ドローンが1月に発生した能登半島地震の被災地で活動した話題に展開。来賓としてあいさつした小菅村議会の青柳諭議長が「議会としても何度も見学をさせていただいたので、テレビで薬を配送しているのをみたときにすぐにわかりました。石川県に小菅のドローンが行ってると」と言及した。石川県でドローンの運航を担ったNEXT DELIVERYの青木孝人取締役が「小菅村での経験が役に立ちました。日頃から飛ばしていたことが現場力になることが証明できたと思っています」と応じた。一方、「課題も分かりました。みなさんが不慣れなので、ドローンを飛ばす前に、現地のみなさまや担当者にこのように飛んできて『置き配』をします、などと説明をしないといけなくい。機体も現地にないので、この小菅村から現地に20時間ほどかけて運びました。慣れていれば、現地にあれば、と感じました」と、小菅で得た機会がいきたこととと、教訓についても披露した。
エアロネクストの田路CEOはこれを受けて、「青木さんの話からも、ドローンは配送手段でありながら社会インフラであることがわかります。震災は痛ましい出来事ですが、ドローンという日本の強靭性を担うインフラが存在することも証明したと思っています」とインフラとしてのドローンの認知の拡大と整備の推進に期待を寄せた。
また、連携協定が継続できている背景については、登壇者全員が「信頼関係」と回答。小菅村の舩木村長は「人です。信頼関係あってこそ。私は田路さん、河合さんを会ったときから信じていますしかれらも信じてくれています」と話すと、田路CEOも河合執行役員もうなずいた。河合執行役員は「村長のイニシアチブがすごいし、支える役場のみなさん、ご担当のみなさん、議会のみなさんのサポートも非常に大きい。なにより小菅村への視察の数の多さがその証左」と応じた。
4月27日には、先行で稼働している無人コンビニ「SkyHubスマートストアこすげ」が、村内の「道の駅こすげ」に正式にオープンし、連携協定による過疎対策がさらに充実する。
プレスリリースにはこれまでの経緯や談話が掲載されている。内容は以下の通りだ。








~地域課題の解決に貢献する新スマート物流の構築を目指して~
山梨県小菅村(村長:舩木直美)と株式会社エアロネクスト(東京都渋谷区、代表取締役CEO:田路 圭輔、以下エアロネクスト)、株式会社NEXT DELIVERY(本社:山梨県小菅村、代表取締役:田路 圭輔、以下NEXT DELIVERY)、セイノーホールディングス株式会社(本社:岐阜県大垣市、代表取締役社長:田口 義隆、以下 セイノーHD)は、2024年4月17日に、ドローンを含む次世代高度技術の活用による地方創生に向けた包括連携協定を締結いたしました。
エアロネクストと小菅村は、2020年11月に、ドローン配送事業の実現化およびドローン配送導入による地域活性化に向けた連携協定を締結し、ドローン配送導入による産業振興、地域雇用・人材育成等への貢献および社会・インフラの整備を推進してまいりました。
具体的には、小菅村ならびに村民の理解と協力のもと、2021年1月に小菅村内に設立した戦略子会社NEXT DELIVERYが、セイノーHDと連携し、既存の陸上輸送とドローン物流を繋ぎこんだ地域の新たな物流インフラ、新スマート物流SkyHub(R)を、日本で初めて2021年4月から試験的運用を開始し、2021年10月からは社会実装フェーズに移行させました。
橋立地区の閉店した商店の建物内を整えて新スマート物流SkyHub(R)の拠点、ドローンデポ(R)とし、現在は、SkyHub(R)Delivery(買物代行)、SkyHub(R)Eats(フードデリバリー)、SkyHub(R)Store (オンデマンドドローン配送)を展開しています。昨年8月からは、異なる物流会社の荷物を一括して配送する共同配送も開始するなど、小菅村の課題やニーズに合わせた配送サービスを提供しています。
さらに、住民の利便性、ならびに地域活性化による関係人口の増加に貢献するため、4月27日には、SkyHub(R)スマートストアこすげ(無人コンビニ)を道の駅こすげの物産館横に正式にオープンいたします。
なお、小菅村における新スマート物流SkyHub(R)の取組みは、デジタル田園都市国家構想の優良事例に採用され、全国で横展開が進んでいます。
本協定は、今後もさらにこのドローンをはじめとする次世代高度技術を活用した活動を推進し、相互の連携・協力により、地域発展に資する施策の推進を目的に締結するものです。



<連携協定の概要>
1.締結日
2024年4月17日
2.協定の内容
ドローンをはじめとする次世代高度技術の活用により、以下の事項において連携・協定する。
(1)農業・観光・産業・経済の振興に関する事項
(2)地域雇用、人材教育、人材育成および産業基盤整備に関する事項
(3)カーボンニュートラルと利便性が両立した持続可能な地域交通・物流の確保と住みやすい環境づくりに関する事項
(4)地域防災への貢献および新しい社会インフラの整備に関する事項
(5)その他、全ての当事者間にて協議し必要と認める事項
4月17日に実施された連携協定締結式において、代表三者が以下のとおりコメントしています。
<小菅村長 舩木 直美のコメント>
2020年11月より株式会社エアロネクストと連携協定を締結し約3年半が経過しましたが、その間多くの皆様のお力をお借りし、小菅村を取り巻く諸課題の解決にご尽力いただきました。その中心的な役割を担っていただいておりました株式会社NEXT DELIVERY、セイノーHDの皆様方と、改めて包括連携を締結できることを大変嬉しく、また心強く感じております。小菅村は全国の過疎、少子高齢化の先進地であります。小菅村がなんとかなれば日本は何とかなる。その想いで4者が今まで以上に強固な連携を図り、課題解決に取り組んで参ります。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

<エアロネクスト代表取締役CEO/NEXT DELIVERY代表取締役 田路 圭輔のコメント>
2020年11月に連携協定を締結させていただき、2021年1月にNEXT DELIVERYを設立して以来、小菅村とは二人三脚で新スマート物流SkyHub(R)︎の社会実装を進めてきました。小菅村との出会いがなければエアロネクストグループの成長はもっと限定的なものになっていたと思いますし、感謝してもしきれない恩を感じています。この度、光栄にも連携協定を更新し、次のステージに進めることを心より嬉しく思います。しっかり小菅村の皆さまに寄り添って、新しい社会インフラの創造でお役に立つことができればと思います。

<セイノーHD執行役員 河合 秀治のコメント>
セイノーHDは、幹線輸送の強みを活かしたラストワンマイル配送領域において、生活様式の変化や構造変化に対応すると共に、買い物弱者対策、生活困窮家庭対策等の社会課題解決型ラストワンマイルの構築を積極的に推進・拡大しております。小菅村においては、物流2024年問題にいち早く対応し、昨年8月より、地域の物流各社様と中山間地域における物流の効率化、持続性の確保という共通認識のもと、小菅村におく旧商店を活用したデポ(集約拠点)に各社の荷物を集め、共同で配送するしくみを構築してまいりました。今後も同じ課題をもつ全国の地域にこの小菅モデルを展開し、住民の皆様が持続的に安心して暮せる環境づくり、住民サービスの維持、向上を進めてまいります。

この連携協定により、4者が相互に連携、協力し、村の課題や住民のニーズに沿って、ドローンを含む次世代高度技術の活用により、小菅村における地域の課題解決と地方創生に寄与してまいります。